JPS5920128Y2 - 自動車用シ−トの腰椎部支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用シートの腰椎部支持装置に関するもの
である。

自動車用シートに、乗員の腰椎部に相当する個所の押圧
力を調節する装置を装着しておれば、乗員は疲労が軽減
し快適なドライブが出来て便利であるが、従来のこの種
の装置は種々の乗員の体格に対応した上下方向の支持高
さ調節が出来ないものが大半である。

従来提案されている支持高さ調節を可能にしたものは、
構造が複雑で実用的でない。

本考案は以上の欠点に鑑み、構造が簡単で確実に機能を
果し、安価な自動車用シートの腰椎部支持装置を提供す
るものである。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を詳細に説明
する。

第１図〜第６図において、１は本考案装置を備えたシー
トであり、下面を車体（図示せず）に固着するシートク
ッション２、このシートクッション２の後側に所定の角
度で立設されるシートバック３から戊っている。

４はシートバック３の骨組みをなすフレームたるパイプ
フレーム、５は本考案装置を保持する基体で、端部６を
前記フレーム４の一側部に固着されるとともに、前記フ
レーム４の幅方向へ展延する面を設け、この面には第１
係合溝８．第２係合溝９．第３係合溝１０．掛合孔１１
から戊る係合孔７および枢支孔１２を備えている。

１４はブラケットで、その底部は基体５の前記面に重合
し、ピン４３で回動自在に支承されており、水平方向に
側壁１５．１５を備え、この側壁１５゜１５には両端が
相反対方向に揺動自在に後記するシーソ一体２２がピン
４４で枢支されている。

１８は腰椎部支持体で後記する支持腕１９とシーソ一体
２２から成る。

１９は前記シート１に着座した乗員の腰椎部を支持する
支持腕である。

２２は一方を前記ブラケット１４の側壁１５．１５にピ
ン４４で枢支され、他方を前記支持腕１９の端部２０と
をピン４５にて枢支されるシーソ一体で、短腕部２３と
長腕部２５がピン４４を枢支個所として相反対方向に揺
動自在に枢着され、短腕部２３に形成した係合突部２４
を押圧すると、長腕部２５を前進させる方向にセットさ
れている。

２７は短腕部２３の係合突部２４を段階部に押圧する偏
心カムで、ブラケット１４の底部からシート１の前方向
へ立上がる支持壁１６にブシュ３３が嵌着され、このブ
シュ３３に挿入されたハンドル軸３４の係合端３５にこ
の偏心カム２７はビス３８により止着され、ハンドル軸
３４と一体化されているほか、ハンドル軸３４の軸心か
らの距離を異にする第１係合部２８．第２保合部２９゜
第３保合部３０を設けており、当接部３１，３２がブラ
ケット１４の支持壁１６に形成された当接片１７に当接
する間をこの偏心カム２７は回動する。

この第１保合部２８．第２係合部２９．第３保合部３０
はシーソ一体２２の短腕部２３の係合突部２４と対応し
、段階的にシーソ一体２２への押圧量を増大するように
なっている。

３９は偏心カム２７を一体化するとともに、ハンドル軸
３４の他端に固着した操作ハンドルで、シートバック３
の側部に配設されている。

７は基体５に配設された保合孔で、後記する引張コイル
スプリング４０が掛合する掛合孔１１と、前記ブラケッ
ト１４に固着した保合ピン１３が係脱自在な係合溝８，
９．１０から戊る。

４０はばね体たる引張コイルスプリングで、シーソ一体
２２の貫通孔２６を貫通して支持腕１９の掛合孔２１と
基体５の係合孔７の掛合孔１１に掛合される。

したがって、引張コイルスプリング４０の引圧力は、シ
ーソ一体２２の短腕部２３の係合突部２４が偏心カム２
７に当接する方向に付勢されるほか、シーソ一体２２に
枢支される支持腕１９は、その先端部分を押圧する方向
に作用するとともに、前記ブラケット１４に固着した係
合ピン１３が基体５の係合孔７の係合溝８゜９．１０に
係合する方向にも作用する。

１２は枢支孔で、基体５とブラケット１４を枢着するピ
ン４３が移動自在なものである。

以上のような構成であるから、作動について説明すれば
、シート１に乗員が着座し、シートバック３の側部に配
置する操作ハンドル３９を第２図の矢印Ａ方向に回動す
れば、偏心カム２７が回動し、偏心カム２７の第２保合
部２９がシーソ一体２２の短腕部２３の係合突部２４を
押圧するようになるので、短腕部２３への押圧量が増大
し、シーソ一体２２の長腕部２５はシートバック３の前
方に押し進められる。

そしてシーソ一体２２の長腕部２５に軸着のピン４５に
て枢支されている支持腕１９はシーソ一体２２の長腕部
２５が前進するのに伴って、シート１の前方、つまり乗
員の腰椎部を前方に押す押圧力が増大する。

更に操作ハンドル３９を第２図の矢印Ａ方向に回動すれ
ば、偏心カム２７の第３保合部３０とシーソ一体２２の
係合突部２４が対応し、前記したのと同様にシーソ一体
２２の長腕部２５はシートバック３の前方に更に押し進
められるので腰椎部支持力は更に増大することになる。

また逆に、腰椎部支持体１８への押圧を軽減しようとす
れば、前記操作の逆手順により簡単に行なうことができ
るものである。

次に、操作ハンドル３９をシートバック３の幅方向（第
３図の矢印Ｃ方向）に回動すれば、操作ハンドル３９に
接続しているハンドル軸３４が傾動し、このハンドル軸
３４が傾動することにより、ブツシュ３３を介して止着
されているブラケット１４を動かす。

このブラケット１４は基体５に軸着したピン４３にて枢
支されているので、ピン４３を傾動中心として傾動し、
ブラケット１４に軸着した係合ピン１３が基体５の係合
孔７の係合溝９から移行した係合溝８と対応する位置で
シーソ一体２２の貫通孔２６を介して、基体５の係合孔
７の掛合孔１１と、支持腕１９の掛合孔２１間に掛合さ
れた引張コイルスプリンググ４０の引圧力により、ブラ
ケット１４に軸着した保合ピン１３と、基体５の係合孔
７の係合溝８とが係合する。

このことにより、元の状態より腰椎部支持体１８は上方
に移動したことになる。

操作ハンドル３９を逆に第３図の矢印り方向へ回動すれ
ば、今度はブラケット１４に軸着している係合ピン１３
が、基体５の係合孔７の係合溝１０と対応する位置で、
シーソ一体２２の貫通孔２６を貫通して、基体５の係合
部７の掛合孔１１と、支持腕１９の掛合孔２１間に掛合
された引張コイルスプリング４０の引圧力により、ブラ
ケット１４の保合ピン１３が、基体５の係合孔７の係合
溝１０に係合することにより、前面腰椎部支持体１８は
下方に移動する。

すなわち、シートバック３側部に設置されている操作ハ
ンドル３９を、ハンドル軸３４を回転中心として、シー
ト１の前後方向に回動操作すれば、腰椎部支持体１８は
シート１の前後に動き、また、操作ハンドル３９をシー
ト１の幅方向に傾動操作すれば、支持腕１９はシート１
の上下に動くものである。

以上のように、本考案はシートバックフレーム４の一側
部にシートバックフレーム４の幅方向に展延する面を設
けた基体５を固着し、この面に対し、底部が回動可能に
重合して設置されるブラケット１４の前記底部からシー
ト１の前方向へ立上がる支持壁１６に直交するように支
承されるハンドル軸３４の両端に偏心カム２７と操作ハ
ンドル３９を固着し、前記ブラケット１４に支承される
腰椎部支持体１８の一端を前記偏心カム２７に対応する
ように配設することによって、シート１の前後方向への
操作ハンドル３９の回動により腰椎部支持力の調節を可
能とし、シート１の幅方向への操作ハンドル３９の回動
により腰椎部支持位置高さの調節を可能にしたという簡
単な構造で、種々の体格の乗員の好みに応じた腕椎部支
持が１本の操作ハンドルで確実にできるほか、組付けも
簡単にでき、量産シートに極めて有益なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えたシート１の斜視図、第２図
は腰椎部支持体１８が前後移動する態様を示す斜視図、
第３図は腰椎部支持体１８が上下移動する態様を示す正
面図、第４図は平面図、第５図は基体５の斜視図、第６
図はシーソ一体２２の係合突部２４と偏心カム２７の保
合状態、そしてブラケット１５の支持壁１７の当接片１
８と偏心カム２７の当接状態を示す略断面図である。 １・・・・・・シート、４・・・・・・シートパックフ
レーム、５・・・・・・基体、１４・・・・・・ブラケ
ット、１６・・・・・・支持壁、１８・・・・・・腰椎
部支持体、２７・・・・・・偏心カム、３４・・・・・
・ハンドル軸、３９・・・・・・操作ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバックフレームの一側部にシートバックフレーム
   の幅方向に展延する面を設けた基体を固着し、この面に
   対し、底部が回動可能に重合して設置されるブラケット
   の前記底部からシートの前方向へ立上がる支持壁に直交
   するように支承されるハンドル軸の両端に偏心カムと操
   作ハンドルを固着し、前記ブラケットに支承される腰椎
   部支持体の一端を前記偏心カムに対応するように配設す
   ることによって、シートの前後方向への操作ハンドルの
   回動により腰椎部支持力の調節を可能とし、シートの幅
   方向への操作ハンドルの回動により腰椎部支持位置高さ
   の調節を可能にしたことを特徴とする自動車用シートの
   腰椎部支持装置。