JP2527415Y2 - シートのランバーサポート装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えば自動車等の車両のシートにおい
て、シート利用者の腰部支持に用いられるランバーサポ
ートパネルを有するシートのランバーサポート装置に関
するものである。

（従来の技術） この種のシートのランバーサポート装置としては、例
えば、第８図に示した様に、シート１のシートバック２
内にランバーサポートパネル３を前後に移動調整可能に
設けて、シート１に着座した乗員４の腰部4aをシートバ
ック２のクッション2a後方から支持するようにした構成
のものが提案されている。

この装置によれば、ランバーサポートパネル３を前後
に移動調整することにより、乗員４の腰部4aの前後支持
位置を変更することができる。

しかし、この装置では、設定された高さのみの支持、
すなわちランバーサポートパネル３による支持は腰椎部
又は骨盤上部のみの支持となるため、個人の好みや体格
差に応じて上下の支持位置を変更することができないも
のであった。

これを解消するものとしては、第９図（特開昭59-802
13号公報参照）に示した様に、ランバーサポートパネル
３を上下に移動調整可能に設けたものが提案されてい
る。この構成ではランバーサポートパネル３を上下に移
動調整することで、乗員４の腰部4aの支持高さを変更す
ることができる。

（考案が解決しようとする課題） しかし、第９図のものでは、ランバーサポートパネル
３を上下に調整できるものの、腰椎部５及び骨盤６の同
時支持を最適に調整できないものであった。

そこで、この考案は、腰椎部及び骨盤の同時支持を最
適に調整できるシートのランバーサポート装置を提供す
ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） この目的を達成するため、この考案は、シートバック
のクッション後方に配設された支持部材が前後移動調整
可能に前記シートバックのフレームに装着され、前記ク
ッションに当接するランバーサポートパネルが前記支持
部材に装着されたシートのランバーサポート装置におい
て、前記ランバーサポートパネルは、その上下端部の一
方の端部が他方側を中心に前後回動可能になるように前
記支持部材により支持されると共に、前記上下端部の一
方は、前記支持部材に上下端部の他方の端部が前記一方
の端部を中心に前後回動可能に枢着され、前記ランバー
サポートパネルの上下端部の他方の端部側は前記支持部
材に装着された板状カムにより支持されて前後調整可能
に設けられているシートのランバーサポート装置とした
ことを特徴とするものである。

（作用） この様な構成においては、支持部材を前後に調整する
と共に、ランバーサポートパネルの上下端部の一方を移
動調整手段で前後に移動調整する。

（実施例） 以下、この考案の実施例を第１図〜第７図に基づいて
説明する。

第７図において、10は自動車のフロントシート、11は
フロントシート10のシートクッション、12はフロントシ
ートのシートバックである。また、13はシートバック12
のパイプ製のフレーム、14はシートバック12のクッショ
ンである。

フレーム13は左右に起立部13a,13bを有し、起立部13
a,13bの下端部には第２図，第３図に示した様に前側に
突出する板状のサイドパネル15,16が溶接固定されてい
る。このサイドパネル15,16の上端部には軸保持孔15a,1
6aが形成され、サイドパネル15の上下方向中間には軸保
持孔15aを中心とする円弧状のスリット15bが形成され、
サイドパネル16の中間部には軸挿通孔16bが形成されて
いる。

クッション14の後方には軸部材を折曲して形成した支
持部材17が配設されている。この支持部材17は、下水平
軸部17aと、この下水平軸部17aの両側に連設された起立
軸部17b,17cと、起立軸部17b,17cの上端部に横外方に向
けて連設された支軸部17d,17eを有する。そして、支軸
部17d,17eはサイドパネル15,16の軸保持孔15a,16aに回
動自在に挿通保持されている。

起立軸部17b,17cの上下方向中央には前側に向けて支
持板18,19が溶接固定され、起立軸部17cの上部側面には
後方に向けて開放するコ字状のカム当接部材20が溶接固
定されている。

支持片18,19には左右に延びるカム取付軸21が回動自
在に保持され、カム取付軸21の中央には移動調整手段と
しての板状カム22が固定されている。また、このカム取
付軸21の一端部21aは第４図の如くスリット15bに挿通さ
れ、この一端部15bには操作ノブ23が取り付けられてい
る。

また、軸挿通孔16bには第５図の如くカム取付軸24が
回転自在に挿通され、カム取付軸24の一端部にはカム当
接部材20に当接する板状カム25が取り付けられ、カム取
付軸24の他端部には操作レバー26が取り付けられてい
る。

支持部材17の前側には左右上下に延びるランバーサポ
ートパネル27が配設されている。このランバーサポート
パネル27は、前側が突出する様に湾曲させられていて、
下端部中央がブラケット28を介して下水平軸部17aに回
動自在に取り付けられている。また、このランバーサポ
ートパネル27の上端部後面には板状カム22が当接してい
る。

次に、この様な構成のランバーサポート装置の作用を
説明する。

この様な構成においては、操作レバー26を前後に回動
操作して、板状カム25を回動操作することにより、この
板状カム25により支持部材17が支軸部17d,17eを中心に
前後回動させられて、支持部材17の下水平部17aが前後
に移動調整させられる。

また、操作ノブ23を回動操作することにより、板状カ
ム22を回動操作すると、ランバーサポートパネル27の上
端部が前後に移動調整されることになる。

この様な調整により、乗員28の腰椎部29及び骨盤30を
ランバーサポートパネル27で第１図に示した如く最適な
状態で支持することができる。

（考案の効果） この考案は、以上説明したように、ランバーサポート
パネルは、その上下端部の一方の端部が他方側を中心に
前後回動可能になるように前記支持部材により支持され
ると共に、前記上下端部の一方は、前記支持部材に上下
端部の他方の端部が前記一方の端部を中心に前後回動可
能に枢着され、前記ランバーサポートパネルの上下端部
の他方の端部側は前記支持部材に装着された板状カムに
より支持されて前後調整可能に設けられている構成とし
たので、腰椎部及び骨盤の同時支持を最適に調整でき
る。また、ランバーサポートパネルの上下端部を支持部
材及び板状カムにより支持する構成となっているので、
ランバーサポートパネルの上下端部がシート利用者の前
方からの押圧力によって変形しにくくなる。この結果、
ランバーサポートパネルの板厚を薄くして、ランバーサ
ポートパネルの重量を小さくしても、薄肉のランバーサ
ポートパネルが変形することなく、シート利用者を支え
ることができる。更に、ランバーサポートパネルの上下
端部の一方を前後に移動調整する手段が板状カムである
ので、ランバーサポートパネルの前後移動調整のための
構成が簡単であると共に重量も小さくて済むことにな
る。これらの結果、ランバーサポート装置の重量を非常
に小さくできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案にかかるシートのランバーサポート
装置の要部説明図である。 第２図は、第１図に示したシートのランバーサポート装
置の部分分解斜視図である。 第３図は、第２図のIII-III線に沿う断面図である。 第４図は、第２図に示した支持部材と操作部との関係を
示す断面図である。 第５図は、第２図に示した操作レバーと支持部材移動調
整用のカムとの関係を示す断面図である。 第６図は、第２図に示した支持部材移動調整用のカムと
コ字状のブラケットとの関係を示す平面図である。 第７図は、第１図〜第６図に示したランバーサポート装
置を備えるシールの説明図である。 第８図，第９図は、従来のシートのランバーサポート装
置の説明図である。 10……フロントシート 12……シートバック 13……フレーム 14……クッション 17……支持部材 22……板状カム 27……ランバーサポートパネル

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックのクッション後方に配設され
   た支持部材が前後移動調整可能に前記シートバックのフ
   レームに装着され、前記クッションに当接するランバー
   サポートパネルが前記支持部材に装着されたシートのラ
   ンバーサポート装置において、 前記ランバーサポートパネルは、その上下端部の一方の
   端部が他方側を中心に前後回動可能になるように前記支
   持部材により支持されると共に、前記上下端部の一方
   は、前記支持部材に上下端部の他方の端部が前記一方の
   端部を中心に前後回動可能に枢着され、前記ランバーサ
   ポートパネルの上下端部の他方の端部側は前記支持部材
   に装着された板状カムにより支持されて前後調整可能に
   設けられていることを特徴とするシートのランバーサポ
   ート装置。