JPH0336300Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、自動車のシートボトムに対してシ
ートバツクをモータによるパワー駆動装置で前後
傾自在とした自動車のパワーシートに関するもの
である。

従来技術 この種の自動車用シートにおいては、シートバ
ツクの傾斜に応じてシートボトムを傾斜させ、例
えばシートバツクを後傾させるとシートボトムの
前部を上昇させた方が、乗員に安楽姿勢を与える
ことができ、特にリヤシート側では、記の如くシ
ートバツクとシートボトムとを連動させた方が好
ましい。

従来、この種の自動車用シートとして、実開昭
56−33728号公報において、シートクツシヨン
（シートボトムと対応する）を前後に案内するレ
ールを前方を昇傾斜に形成し、該シートクツシヨ
ンの後端と枢着したシートバツクが傾動するとシ
ートクツシヨンが連動して前後移動し、案内レー
ルの形状によりシートクツシヨンの前部が昇降す
るようにしたものが提案されている。しかしなが
ら、上記従来の装置ではレール前方の昇傾斜角を
大きくしなければならないため、車体のシートボ
トム載置部にレール取付用の凹部を形成する必要
があると共に、シートボトムが通常位置でも前部
が昇傾斜した状態となり、シートボトムの厚さが
必然的に薄くなり乗り心地が悪くなる等の問題が
あつた。

考案の目的 この考案は、上記した問題を解消し、極めて簡
単な構成で、かつ、乗り心地の良い状態で、シー
トバツクの傾斜に応じてシートボトムの前部が昇
降して傾動し、乗員に安楽姿勢を与えることがで
きるようにした自動車のパワーシートを提供する
ことを目的とするものである。

考案の構成及び作用 上記目的を達成するため、この考案は、シート
ボトムの後端を車体に回動自在に支承すると共に
前端部を係合部材を介して車体に上下動自在に連
結する一方、シートバツクのフレームの下端近傍
を車体に回動自在に支承すると共に中間部をパワ
ー駆動装置に作動桿を介して連結し、該駆動装置
により作動桿を介してシートバツクをシートボト
ムに対して前後傾自在とし、かつ、上記シートバ
ツクフレームの下端を延長してシートボトムの後
端下側まで伸長させ、該フレームの先端に連結片
の一端を枢着すると共に該連結片の他端を上記係
合部材に連結し、シートバツクの後端に対応して
連結片および係合部材を介してシートボトムの前
部を上昇させると共に、シートバツクが前傾する
とシートボトム前部が下降する構成としたことを
特徴とする自動車のパワーシートを提供するもの
である。

実施例 以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

自動車のリヤシート１は、車体３に対して下端
を回動自在に支承したシートバツク２と、後端を
車体に回動自在に支承したシートボトム６とより
なる。即ち、シートバツク２のバツクフレーム４
の下端近傍（シートバツク２の下端部と対応した
箇所）を車体３の後方傾斜部３ａに突設したブラ
ケツト９にヒンジピン５を介して回動自在に支承
する一方、シートボトム６の後端下側部を車体３
のシート載置用水平部３ｂに突設したブラケツト
７にヒンジピン(8)を介して回動自在に支承してい
る。

上記シートバツク２は、シートバツク２の後方
の車体上に設置したモータ駆動のパワー駆動装置
１０にバツクフレーム４の中間部を作動桿１１を
介して連結し、該駆動装置１０により作動桿１１
を前後動することによりシートバツク２をピン５
を支点として前後に傾動するようにしている。該
シートバツク２のバツクフレーム４には、上記ピ
ン５の支承部より更に下方へ伸長した延長部４ａ
を形成し、該延長部４ａの先端をシートボトム６
の後端部の下端近傍まで伸長している。該延長部
４ａの先端は、シートボトム６の下側部に沿う前
後方向に長い連結片１４の後端とピン１３を介し
て回転自在に連結している。該連結片１４の前端
はシートボトム６の前端近傍まで伸長し、略Ｔ字
状のカム部材からなる係合部材１７の一端とピン
１８を介して枢着している。該係合部材１７の他
端は車体より突設したブラケツト１５にピン１６
を介して枢着し、、かつ、該係合部材１７の残り
の端部にはピン１９を突設し、該ピン１９をシー
トボトム６のフレームに設けた長孔２０に摺動自
在に係合させている。

上記した構成とすることにより、シートバツク
２をパワー駆動装置１０により図中実線位置より
鎖線位置に後傾させた場合、バツクフレーム４は
ピン５を支点として時計廻りとし、延長部４ａは
前進する。よつて、連結片１４は前進し、第２図
に示す如く、係合部材１７は図中鎖線で示す如く
ピン１６を支点として反時計廻りとし、ピン１９
が上昇することにより長孔２０が上昇しシートボ
トム６の前部が上昇される。該シートボトム６は
後端がピン８を介して支承されているため、第１
図中に鎖線で示す如く前部が昇傾斜した傾動丈態
となる。このように、、シートバツク２を後傾す
るとシートボトム６の前部が連動して上昇し、乗
員にとつて安楽姿勢に自動的になる。逆に、シー
トバツク２を前傾すると、上記と逆の作動でシー
トボトム６の前部が連動して下降することとな
る。

尚、この考案は上記実施例に限定されず、第３
図に示す如く、シートボトム６の前端と車体側ブ
ラケツト１５とを回転自在に連結するピン１６に
よりベルクランク状に係合部材２３の中央部を回
転自在に支承し、該係合部材２３の一端をピン２
１を介して連結片１４と枢着すると共に他端をピ
ン２２を介してシートボトムフレームと回転自在
に支承している。よつて、シートバツク２の後傾
に応じて連結片１４が前進すると係合部材２３が
ピン６を支点として時計廻りし、ピン２２と連結
したシートボトム６が上昇することとなる。

効 果 以上の説明より明らかなように、この考案に係
わる自動車のパワーシートによれば、シートバツ
クの傾動に応じてシートボトムの前部が昇降して
傾動するもので、シートバツクが後傾するとシー
トボトムの前部が上昇し、また、シートバツクが
前傾すると下降するため、乗員にとつて安楽姿勢
となり乗り心地が良好となる。また、本考案は、
連結片及び係合部材を設けるだけで極めて簡単な
構成であるため、実用的価値の大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すシートの側
面図、第２図は第１図の要部拡大図、第３図はこ
の考案の他の実施例を示す側面図である。 １……リヤシート、２……シートバツク、３…
…車体、４……バツクフレーム、５，８……ヒン
ジピン、１０……パワー駆動装置、１１……作動
桿、１４……連結片、１７，２３……係合部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートボトム６の後端下側部を車体３に突設し
   たブラケツト７にヒンジピン８を介して回動自在
   に支承し、上記ヒンジピン８を支点としてシート
   ボトム６の前端部を上下動可能にすると共に、該
   シートボトム６の前端部に、車体３より突設した
   ブラケツト１５にピン１６を介して回動自在に連
   結した係合部材１７，２３の一端を連係する一
   方、 シートバツク２のバツクフレーム４の下端近傍
   をピン５を介して車体３に回動自在に支承すると
   共に、該バツクフレーム４の中間部をシートバツ
   ク２の背部の車体に設置したパワー駆動装置１０
   に作動桿１１を介して連結し、該駆動装置１０に
   より作動桿１１を介してシートバツク２をシート
   ボトム６に対して前後傾自在とし、 かつ、上記バツクフレーム４の下端を延長して
   シートボトム６の後端下側まで伸長させ、該延長
   部４ａの先端にシートボトムの下側部に沿う前後
   方向に長い連結片１４の後端をピン１３を介して
   枢着すると共に、該連結片１４の前端を上記シー
   トボトム６の前端部に連結した係合部材１７，２
   ３に連結し、 シートバツク２の後傾に対応して、連結した連
   結片１４および係合部材１７，２３を作動し、係
   合部材１７，２３の作動によりシートボトム６を
   上記ヒンジピン８を支点として回動させてその前
   端部を上昇させる一方、シートバツク２が前傾す
   ると上記連結片１４および係合部材１７，２３を
   介してシートボトム６がヒンジピン８を支点とし
   て逆方向に回動し、シートボトム６の前端部が下
   降する構成としたことを特徴とする自動車のパワ
   ーシート。