JPH0210359Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クランプのケーブルストツパ部まで
ケーブルを差し込みその位置にケーブルを係止す
るケーブルクランプ機構に関する。

（従来の技術） 従来のケーブルクランプ機構は、第６図に示す
ように、クランプ座１の穴に側方からケーブル２
を差し込み、ケーブル２の被覆部端面２ａをクラ
ンプ座１のケーブルストツパ部１ａに当接させた
後、上方からクランプ金具３を押し込み、ケーブ
ル２を切り込んでその係止を行うという構成とな
つている。ここで、クランプ座１は合成樹脂、ク
ランプ金具３は金属から成る。

（考案が解決しようとする問題点） 上記構成の場合、ケーブルを係止する部品とし
てクランプ座とクランプ金具の２部品を有すると
いう問題点、そのために組付けの作業性が劣ると
いう問題点、更にはケーブルの取り外しや取り付
けを繰り返すと、クランプ座に傷が付き、係止能
力が劣化するという問題点がある。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、
その目的は、部品点数が少なく、組付け作業性が
良く、繰り返し使用によつても係止能力が劣化し
ないケーブルクランプ機構を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決する本考案は、クランプのケ
ーブルストツパ部までケーブルを差し込みその位
置にケーブルを係止するケーブルクランプ機構に
おいて、前記ケーブルの差し込み部の周面に環状
溝を設け、前記クランプには、前記ケーブルの進
入路に突出し該ケーブルの差し込み時には外方へ
弾性変形可能であると共に、ケーブル差し込み終
了時には前記ケーブルの環状溝に嵌入するケーブ
ル抜け止め爪と、前記ケーブルがその直径方向に
外れるのを弾性的に押える押え部とを設けたこと
を特徴とするものである。

（作用） 本考案のケーブルクランプ機構では、クランプ
にケーブルをケーブルストツパに当接するまで差
し込むとケーブルの環状溝に抜け止め爪が嵌入
し、ケーブルの軸方向の動きを規制する。又、ケ
ーブルが直径方向に外れるのを押え部が規制す
る。

（実施例） 以下、図面を用いて本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図乃至第５図において、１１は芯線１１ｂ
を内部に有したケーブルで、後述のクランプ１２
への差し込み部の周面には環状溝１１ａが形成さ
れている。クランプ１２は合成樹脂製で、従来と
同様、第１図の側方からケーブル１１が差し込ま
れるようになつている。即ち、ケーブル１１は被
覆部端面１１ｃがケーブルストツパ部１２ａに当
接するまで差し込まれ、その芯線１１ｂは切欠部
１２ｂから外方に出るようになつている。又、ク
ランプ１２には、ケーブルの進入路に突出したケ
ーブル抜け止め爪１２ｃが設けられている。この
抜け止め爪１２ｃは切欠により形成され、ケーブ
ル１１の進入側当接面は傾斜面となり且つ片持は
り状となつて弾性変形可能となつている。このた
め、ケーブル１１の差し込み時には外方へ弾性変
形してその進入を許容するが、ケーブル１１の差
し込み終了時にはケーブル１１の環状溝１１ａに
嵌合し、ケーブル１１の抜け止めを図つている。
ケーブル１１の直径方向の規則は、クランプ１２
の端面１２ｄ，１２ｅで第１図の下方について行
い、端面１２ｇ〜１２ｊで第１図の側方について
行い、押え部１２ｋで第１図の下方について行
う。ケーブル１１を外す場合には、ケーブル１１
を上方向に引き上げて押え部１２ｋを弾性変形さ
せることになる。

従つて、上記構成によれば、ケーブル１１を係
止する場合には、ケーブル１１を単に側方から差
し込むだけでよく、又、ケーブル１１を取り外す
には、ケーブル１１を第１図の上方に引き上げる
だけでよい。

尚、本考案は上記実施例に限るものではなく、
種々の変形が可能である。例えば上記説明では、
クランプの外形を円柱状に形成したものを示した
が、角柱状のものであつてもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、クラン
プの部品点数が１つであり、クランプ機構の構成
が簡単になる。又、ケーブルの係止及び取り外し
の操作はワンタツチであり、作業性が極めてよ
い。更に、従来機構のような金属と樹脂の摺接部
が無いため、係止能力が劣化することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の分解斜視図、第２
図はクランプの平面図、第３図は第２図のAA断
面図、第４図は第２図のBB断面図、第５図は第
４図のCC断面図、第６図は従来のクランプ機構
の分解斜視図である。 １１……ケーブル、１１ａ……環状溝、１２…
…クランプ、１２ａ……ケーブルストツパ部、１
２ｃ……ケーブル抜け止め爪、１２ｋ……押え
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランプのケーブルストツパ部までケーブルを
   差し込みその位置にケーブルを係止するケーブル
   クランプ機構において、前記ケーブルの差し込み
   部の周面に環状溝を設け、前記クランプには、前
   記ケーブルの進入路に突出し該ケーブルの差し込
   み時には外方へ弾性変形可能であると共に、ケー
   ブル差し込み終了時には前記ケーブルの環状溝に
   嵌入するケーブル抜け止め爪と、前記ケーブルが
   その直径方向に外れるのを弾性的に押える押え部
   とを設けたことを特徴とするケーブルクランプ機
   構。