JPH019768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、塵芥収集車（以下、収集車という）
の塵芥収容箱（以下、収容箱という）を上方へ傾
動して収容箱内に圧縮収容されている塵芥を排出
する際に、車両前方部が浮き上つて不安定な状態
になつたり、時には後方に転覆するという事故を
未然に防止した収容箱の傾動装置に関する。

〔従来技術と問題点〕

収容箱内に収容した塵芥を排出するに当つて、
収容箱の後方開口部を通常は閉鎖する塵芥投入箱
（以下、投入箱という）を上方へ回動して開放し、
次いで収容箱とその後方下端部の枢軸を支点とし
て上方へ傾動すると、投入箱の重量と多量の塵芥
を収容している収容箱の重量とにより、車量の重
心が後部に移動して車両前方部が浮き上り不安定
な状態になることがあり、また埋立地などの不整
地での塵芥排出の場合には車両が後方に転覆する
という事故の発生をみることがある。

かかる対策として、本出願人は先に、塵芥排出
時の収容箱の上方への傾動及び排出終了後の収容
箱の元位置復帰作動に連動して起伏する支持脚を
車両後部に設け、支持脚を車両前方部の浮き上り
或いは後方への転覆に対する地上へのストツパー
とした収集車を提案しているところであるが（実
開昭58−127005号公報参照）、本考案は、上記の
機械的な支持脚に代えて、収容箱からの塵芥排出
時において、収容箱の傾動中に収容箱からの塵芥
の排出状態の良否を知りうることによつて、車両
の重心の移動による不安定状態を察知して、所定
の収容箱の傾動の継続、停止を行なうる装置を提
供するものであり、特に収容箱からの塵芥の排出
状態を知るには収容箱の上昇速度を減速駆動し、
上昇傾動時に一時停止させることが好都合であ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、塵芥収集車の塵芥収容箱傾動装置と
して、塵芥排出のために傾動され、その傾動角に
より上昇速度を減速駆動状態から一時停止状態を
経て所定速度駆動状態ち切換られる塵芥収容箱
と、該塵芥収容箱の傾動に応じて最大傾動角の1/
２程度の傾動位置において減速駆動状態から一時
停止状態に切換えられる切換手段と、切換手段の
切換により塵芥収容箱の傾動を一時停止するタイ
マー手段と、該タイマー手段による所要期間経過
後塵芥収容箱の傾動を所定速度駆動状態に切換え
る手段と、タイマー手段による塵芥収容箱の停止
中に作動しうる緊急停止用スイツチとを設けたこ
とを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案の構成により、収容箱の最大傾動角の1/
２程度の傾動位置まで低速状態で駆動されてきた
収容箱は、最大傾動角の1/2程度の傾動位置で作
動する切換手段である回転カム板の作動により、
一時停止用のタイマーに接続され、このタイマー
の作動の間に、更に収容箱の傾動によつて塵芥収
集車が後方に転動する恐れがある場合には、緊急
停止用スイツチである２段操作スイツチを操作し
て収容箱の駆動を停止せしめて、収容箱内の塵芥
を調整することができ、また、前記塵芥収集車の
転動の恐れがない場合は、一時停止用のタイマー
の作動経過後、収容箱は通常の駆動速度で最大傾
動位置まで駆動されるものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は収容箱の傾動装置を示す。

図において、SWは電源スイツチで収集車に搭
載のバツテリの＋電源に接続されている。

LS１は投入箱の最大傾動位置を検出するａ形
接点を有するリミツトスイツチで、＋電源に接続
され、収容箱の後方開口部側壁上部に取付けられ
ている。

LS２は前記リミツトスイツチLS１に直列接続
された単極双投形のリミツトスイツチで、切換接
片１、固定接点２，３を有し、収集車の台車に取
付けられている。

Ｃは収容箱の回動軸に取付けられ、前記リミツ
トスイツチLS２の切換接片１を操作する回転カ
ム板で、中心角約25度の弧状カム面を有し扇形に
形成されている。

而して、前記リミツトスイツチLS２及び回転
カム板Ｃとは収容箱の最大傾動角の1/2程度の傾
動位置において、回転カム板ＣによるLS２と固
定接点２との接触状態からLS２と固定接点３と
の接触状態への切換手段を構成し、回転カム板Ｃ
によるLS２と固定接点２との接触による収容箱
の低速駆動がこの傾動位置において断たれること
になる。

Ｔはタイマーで、前記リミツトスイツチLS２
の固定接点３と−電源間に接続されており、該タ
イマーＴに、タイマーＴのａ形接点ｔ，ｂ形接点
を有する２段操作スイツチPS、リレーＲ及び収
容箱の最大傾動位置を検出するｂ形接点を有する
リミツトスイツチLS３の直列回路が並列に接続
されており、リミツトスイツチLS２が固定接点
３に切換えることによりタイマーＴが接続され、
収容箱の傾動を一時的に停止されることになる。

vcは収容箱の傾動及び復帰用電磁切換弁Ｖの
操作コイルで、前記リレーＲのａ形接点r₁と直列
に電源に接続されると共に、前記リミツトスイツ
チLS２の固定接点２に接続されている。

Ｙは前記切換弁Ｖへの圧油給供管に介在された
電磁絞り弁で、その操作コイルycは前記リミツ
トスイツチLS２の固定接点２と−電源間に接続
されており、この回路が収容箱の減速傾動装置を
構成している。

RSは収容箱の原位置復帰用押釦スイツチで、
前記切換弁Ｖの操作コイルvc′と直列に電源に接
続されている。

次に実施例の作用について説明する。

収容箱が通常の下降位置（原位置）にあるとき
は、第１図に示すように、回転カム板Ｃはリミツ
トスイツチLS２に当接しその切換接片１は固定
接点２に接触し、また切換弁Ｖはニユートラルの
位置にある。

そして、第１図の状態から収容箱内の塵芥排出
に際しては、 (a) 電源スイツチSWを閉じ、投入箱を最大傾動
位置まで回動させる（油圧シリンダによる）。
リミツトスイツチLS１のａ形接点が閉じる。

(b) リミツトスイツチLS１，LS２の各接点を介
して操作コイルvcが付勢され、切換弁Ｖの作
動により収容箱操作用シリンダに圧油が供給さ
れて収容箱の上方への傾動が始まる。

この際、絞り弁Ｙの操作コイルycも付勢さ
れ、絞り弁Ｙの圧油通路が絞られる。

したがつて、切換弁Ｖより前記シリンダへの
圧油供給量が減少し、収容箱は緩やかに傾動し
て行く。

(c) 収容箱の傾動に連動して図矢印の方向に回転
する回転カム板ＣがリミツトスイツチLS２の
アクチユエータより離脱すると、該スイツチ
LS２の切換接片１は固定接点２を離れ固定接
点３に接触する。

したがつて、切換弁Ｖ及び絞り弁Ｙの各操作
コイルvc及びycは消勢され、切換弁Ｖはニユ
ートラル位置に戻ると共に、タイマーＴが付勢
される。

即ち、収容箱の傾動角が約25度に達した時点
で（収容箱の最大傾動角は約45度）、収容箱の
傾動は一時的に停止する。

(d) タイマーＴの付勢から約３〜５秒経過後、そ
のａ形接点ｔが閉じてリレーＲが付勢され、そ
のａ形接点r₁が閉じる。

したがつて、操作コイルvcが再び付勢され、
切換弁Ｖの作動により収容箱操作用シリンダに
圧油が供給されるが、この際、操作コイルyc
は前記のように消勢しているので絞り弁Ｙの圧
油通路は全開し、前記シリンダへ全圧油量が供
給され、収容箱は最大傾動位置まで通常の速度
で回動する。

そこで、リミツトスイツチLS３のｂ形接点
の開放によりリレーＲが消勢し、そのａ形接点
r₁の開放で操作コイルvcが消勢し、切換弁Ｖの
ニユートラル位置への復帰により、収容箱は最
大傾動位置を保持して塵芥を排出する。

(e) 前記(c)，(d)のように、収容箱の傾動を３〜５
秒間一時的に停止したのは、その傾動時におけ
る車両の安定状態を確認することにある。

そして、不安定であり、また不安定になると
認識した場合には、２段操作スイツチPSを操
作してそのｂ形接点を開き、前記３〜５秒が経
過してもリレーＲの付勢が不可能な状態にし
て、収容箱を停止状態に保持し、収容箱内の塵
芥を手動で調整した後、スイツチPSを操作し
てリレーＲを付勢し、収容箱の傾動を再開させ
る。

塵芥排出後は復帰用押釦スイツチRSを押圧
すると、操作コイルvc′が付勢され、収容箱操
作用シリンダは塵芥排出と逆方向に作動し、収
容箱は元位置に復帰する。この場合、収容箱の
下降に伴うリミツトスイツチLS３が閉じるた
め、復帰用押釦スイツチRSの押圧に伴ない電
源スイツチSWとリミツトスイツチLS１との間
の接点r₂を開く構成となつている。

〔効果〕

本考案は、収容箱の傾動角度の1/2程度まで収
容箱が低速駆動されることによつて、収容箱内に
収容された種々の性質を有する塵芥の排出を容易
にすることができ、特に排出しにくい塵芥の場合
において、収容箱が一時停止することにより車両
の重心移動の状態を確認し、且つ緊急停止用スイ
ツチによつて収容箱の傾動を停止しうるようにし
たので、車両前方部の浮き上り或いは後方への転
覆という事故の防止が可能であり、塵芥排出作業
を安全に、かつ能率よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る塵芥収容箱の傾動装置の
実施例を示す。 LS２……リミツトスイツチ、Ｃ……回転カム
板、Ｒ……リレー、Ｔ……タイマー、Ｙ……絞り
弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塵芥排出のために傾動され、その傾動角により
   上昇速度を減速駆動状態から一時停止状態を経て
   所定速度駆動状態に切換られる塵芥収容箱と、該
   塵芥収容箱の傾動に応じて最大傾動角の1/2程度
   の傾動位置において減速駆動状態から一時停止状
   態に切換えられる切換手段と、切換手段の切換に
   より塵芥収容箱の傾動を一時停止するタイマー手
   段と、該タイマー手段による所要期間経過後塵芥
   収容箱の傾動を所定速度駆動状態に切換える手段
   と、タイマー手段による塵芥収容箱の停止中に作
   動しうる緊急停止用スイツチとを設けたことを特
   徴とする塵芥収集車の塵芥収容箱傾動装置。