JPH0154445B2 - - Google Patents

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JPH0154445B2
JPH0154445B2 JP56012081A JP1208181A JPH0154445B2 JP H0154445 B2 JPH0154445 B2 JP H0154445B2 JP 56012081 A JP56012081 A JP 56012081A JP 1208181 A JP1208181 A JP 1208181A JP H0154445 B2 JPH0154445 B2 JP H0154445B2
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JP
Japan
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fibers
glycol
mol
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fiber
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JP56012081A
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Takaaki Tsuji
Masao Kawamoto
Yukio Sugita
Hiromasa Okada
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステル系熱接着性繊維に関する
ものであり、その目的とするところは、優れた熱
接着性を有すると共に、繊維および該繊維を用い
た繊維集合体を製造する際、工程トラブルがな
く、順調に製造を行なうことのできる繊維を提供
するものである。 繊維間熱融着により不織布等を製造するための
熱接着性繊維は知られている。例えば、ポリエチ
レンを接着成分とするポリプロピレンとの複合繊
維、あるいは、エチレン・ビニルアルコール共重
合体を接着成分とするポリエチレンテレフタレー
トとの複合繊維等がある。 近年、繊維分野、特に不織布分野でポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと略記)を代表と
するポリエステル繊維の役割が大きくなり、生産
効率、省エネルギー等の観点より、熱接着で繊維
集合体あるいは、繊維製品、特に不織布を製造す
る要求が大となり、ポリエステル用の接着繊維が
強く望まれている。 上記の公知接着繊維は、接着ポリマー同志の熱
接着性はもちろん良好であるが、不織布用等とし
て、他の主体繊維と混用して使用する場合は、接
着可能な主体繊維の種類が非常に限定され、ポリ
エステルに接着可能なものは得られていない。例
えば、ポリエチレンは自己接着は行なうが、化学
構造の異なる一般の市販繊維には、ほとんど接着
しない。また共重合ナイロンは、ナイロン繊維に
は接着するが、同じ縮合系ポリマーであるポリエ
ステル繊維には接着しない。さらに、エチレン・
ビニルアルコール共重合体は、溶解度パラメータ
ーの比較的近い、レーヨン、ビニロンあるいはナ
イロンには接着性を示すが、やはりポリエステル
には接着しない。 ポリエステル繊維を接着させるには、化学構造
および溶解度パラメーターの類似性よりポリエス
テル系ポリマーを接着成分として用いるのが常識
的にも考え得るところである。実際、ポリエステ
ルを接着相手とする溶剤溶解型あるいはホツト・
メルト型の接着剤としては、多くの共重合ポリエ
ステルが提案されている。 しかるに、共重合ポリエステルを接着繊維とし
て用いる場合には、繊維あるいは不織布製造工程
で、特有の装置、特有の熱履歴を経由するため、
通常の接着剤用共重合ポリエステルは全く使用す
ることができない。 例えば、溶解ポリマーを紡糸口金より押し出し
て繊維状とし、繊維束をケンスに収めるか、ボビ
ンに巻き取る際、単繊維間あるいは繊維束間での
膠着が激しく、紡糸繊維を得ることが困難とな
る。 さらに、続いて、延伸、捲縮および切断等を行
なうと、さらに膠着、融着がおきて、良好な繊維
を得ることができない。特に、生産量を大とする
ため、合計デニール数の大きい繊維束を取り扱う
場合には、繊維製造工程での問題点は、さらに顕
著となる。また、たとえ、不完全ながら、繊維化
を行なつたとしても、例えば、不織布化する場
合、カード通過性が不良であつたり、接着処理時
に粘着トラブルが続発し、不織布とすることがで
きない。この紡糸およびそれ以降での繊維化なら
びに不織布製造工程で要求される工程性は、非常
に厳しいものであり、溶融ポリマーを重合槽より
取り出して、ペレツト状に切断するチツプ化工程
および、ペレツトを紡糸機に直結したエクストル
ーダーに供給する前の乾燥工程をトラブルなく通
過したとしても、繊維化あるいは不織布化できる
ものはほとんどない。 一方、共重合ポリエステルでも、その種類によ
つては、共重合成分量を小とし、改質度を落せ
ば、繊維あるいは、不織布製造の工程性は良好と
なるが、現在商業的に大量生産されているPET
あるいはポリブチレンテレフタレート(PBT)
などのポリエステルとの接着性が小となるのが一
般であり、接着繊維として用いることはできな
い。 本発明者らは、ポリエステルとの接着性が優
れ、かつ、繊維および不織布製造等の工程性が良
好な繊維について、種々研究した結果、繊維用と
しては、いわゆる接着剤用とは全く異なつた、特
定の共重合組成および特定の物性を有する共重合
ポリエステルが好適であることを見出した。 すなわち、全酸成分に対する共重合割合とし
て、テレフタル酸(以下TAと略記)を50モル%
以上、1,4−ブタンジオール(以下BDと略
記)および1,6−ヘキサンジオール(以下HD
と略記)の合計を70モル%以上、後述する第3成
分を5〜45モル%含み、融点が80〜200℃、結晶
融解熱(ΔHu)が2.0ca/g以上、最短結晶化
時間(Minimum Crystalization Time、以下
CTmin.と略記)が90秒以内、かつPETを接着し
た剪断強度(Shear Strength,SS)が5Kg/cm2
以上である共重合ポリエステルが、接着性と工程
性の両立の可能性があることを見出した。 しかし、工業的生産を目的とする場合には、繊
維等の製造工程性に対する要求は非常に厳しく、
高度なレベルが望まれる。すなわち、短時間の少
量試作、人手をかけて種々の調節を加えての試
作、あるいは特殊な条件での試作等での工程通過
性あるいは品質が一定レベルに達していても不十
分であり、長期間にわたり広い範囲での生産の安
定性が必要である。この意味では、前記の共重合
ポリエステルはなお不十分であり、さらに改良が
必要である。 そこで本発明者らは、工程および品質の安定性
向上についてさらに検討を加えた結果、前記の共
重合ポリエステルに特定の粒径および共重合ポリ
エステル中で特定の分散性を有する微粒子を配合
させることにより、はじめて、上記のトラブルを
完全に解決し、接着性良好で、かつ、工程安定性
も非常に優れた接着繊維を得ることを見出した。 粉体をPETに添加して、成形物の成形サイク
ルを短縮することは知られている。また、接着剤
用共重合体ポリエステルに粉体を添加して耐熱性
を向上したり、作業サイクルを短縮することは知
られている。しかし、本発明に定義される特定の
共重合ポリエステルと、本発明の特定の粒径、分
散性を有する微粒子よりの組成物から、接着性お
よび工程性共に良好な繊維が得られることは全く
知られていない。細線化して繊維状とするには、
通常の樹脂成形に比して非常に厳しい工程性が要
求され、次元の異なつた観点からの検討が必要で
あり、本発明の組合せの組成物によりはじめて良
好な繊維をうることを見出したものである。 本発明の共重合ポリエステルは、生成ポリエス
テル中の全酸成分(オキシ酸を含む場合には、そ
の2分の1を酸成分、2分の1をジオール成分と
みなす)に対する共重合組成(以下、共重合組成
は全酸成に対するモル%で示す)として、TAを
50モル%以上、望ましくは60モル%以上、さらに
好ましくは70モル%以上含むものが用いられる。
TAが50モル%未満では繊維の品質、工程性が良
好でなく、またコスト的にも適当でない。 また、本発明の共重合ポリエステルは、BDお
よびHDの合計が70モル%以上、望ましくは75モ
ル%以上、さらに好ましくは80モル%以上のもの
が用いられる。合計が70モル%未満では物性的に
好ましくなく、やはり繊維の品質、工程性が低下
し、またコスト的にも適当ではない。 さらに、本発明の共重合ポリエステルは、第3
成分を5〜45モル%、好ましくは6〜37モル%が
用いられる。モル数が大の方が不織布の接着性並
びに風合いは良好であるが、45モル%より大では
工程性が低下するので好ましくない。 ここで第3成分とは、融点あるいは硬さは低下
させるが、結晶性低下がなるべく小なものが好ま
しく、アジピン酸、セバチン酸、ヒドロキシ酢
酸、トリメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、プロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、エチレングリコール、イ
ソフタル酸をいう。 本発明の繊維に用いられる共重合ポリエステル
は上記の組成条件をすべて満足することが必要で
あるが、さらに商業的生産レベルでの繊維および
不織布製造工程安定性および接着繊維、不織布と
しての品質を確保するためには、以下の物性も適
切でなければならない。 すなわち、本発明の共重合ポリエステルは、融
点が80〜200℃、望ましくは90〜185℃、さらに好
ましくは100〜175℃のものが用いられる。80℃未
満では繊維または不織布の耐熱性等が不足であ
り、実用性能が不良である。一方200℃より大で
は接着に高温を要し、従来の装置が使用不可能で
あつたりあるいは高温処理装置を使用したとして
も、成形物が変形したり、風合が悪化し、またエ
ネルギーの損失が多いので好ましくない。 また、本発明の共重合ポリエステルは、結晶融
解熱(ΔHu)が2.0ca/g以上、望ましくは
2.5ca/g以上、さらに好ましくは3.0ca/g
以上のものが用いられる。2.0ca/g未満では
繊維製造時に膠着が起り易く好ましくない。
ΔHuの測定は、溶融ポリマーより微細な繊維状
または薄膜フイルム小片として取り出して冷却
し、3日以上室温で放置した試料を差動走査熱量
計(DSC)にかけ窒素中10℃/分の速度で昇温
し、融解時の吸熱ピークの面積より求めて行な
う。 さらに本発明の共重合ポリエステルは、最短結
晶化時間(CTmin.)が90秒以内、望ましくは70
秒以内、さらに好ましくは50秒以内のものが用い
られる。90秒より大では繊維製造時に膠着が起り
好ましくない。 CTmin.とは、溶融状態より所定温度のシリコ
ン浴または水溶中に投入した、実質的に無配向の
フイルム微小片を該浴中で放置し、白化を開始す
る時間を結晶化開始時間とし、0〜120℃の温度
範囲での結晶化開始時間が最も短い温度での結晶
化開始時間である。CTmin.を求めるには、浴中
に投入せず、空気中で放置してもよいが、浴中の
方が熱交換速度が大であり、冷却過程の影響を小
とできるので好ましく、本発明では浴中での値を
採用する。CTmin.を求めるには温度を変えて
CTmin.そのものを測定することは必ずしも必要
でなく、0〜120℃の範囲のある温度での結晶化
時間が90秒以内であることが十分条件である。
CTmin.を示す温度は0℃近くの場合もあり、ま
た120℃近くのこともある。実際の繊維製造工程
での結晶化時間は温度履歴等により異なるが、
CTmin.を示す温度に設定すると工程での結晶化
速度が速くなることは当然である。また、紡糸時
のごとく繊維に配向がかゝると結晶化速度が大と
なる場合があるが、本発明に定義するCTmin.を
もつて工程性と関連した尺度とすることができ
る。 また、本発明の共重合ポリエステルは、PET
フイルムを接着した剪断強度(SS)が5Kg/cm2
以上、望ましくは6Kg/cm2以上、さらに好ましく
は7Kg/cm2以上のものが用いられる。5Kg/cm2
満では繊維状での接着強度、特に不織布強度が十
分でなく、好ましくない。 本発明のSSとは厚さ0.3mmの共重合ポリエステ
ル・フイルムと三菱樹脂製二軸延伸PETフイル
ム(商標名;ダイヤホイル、厚さ0.1mm)とを共
重合ポリエステルの融点より20℃高い温度に加熱
して溶融し、圧力5Kg/cm2で接着した後温度20
℃、相対湿度65%の室内で24時間放置し引張り速
度20cm/分で測定した値である。 本発明の共重合ポリエステル中あるいはその組
成物中には少量の添加剤、たとえば酸化防止剤、
螢光増白剤、安定剤あるいは紫外線吸収剤などを
含んでいてもよい。 本発明の共重合ポリエステルに配合する微粒子
は、平均粒径が4μ以下、望ましくは3μ以下、さ
らに好ましくは2μ以下であり、かつ共重合ポリ
エステル中での10μ以上の粗粒子数が20ケ/mm3
下、望ましくは16ケ/mm3以下、さらに望ましく
は12ケ/mm3以下のものが用いられる。平均粒径
が4μより大あるいは、粗粒子数が20ケ/mm3より
大では、紡糸あるいは延伸時に、繊維の切断等が
起りやすく、膠着トラブルを解消できたとして
も、順調に繊維を製造することができず、工程性
向上とはならない。いわゆる成形物あるいは通常
の接着剤用のポリエステルでは、粒径4μより大、
あるいは粗粒子数20ケ/mm3より大であつても工
程性は特に問題とならない場合が多いが、繊維用
では上記の制限が必要であり、用いる微粒子が大
巾に制約される。 本発明での粗粒子数とは、微粒子含有ポリマー
組成物を薄片として、顕微鏡下に観し、10μ以上
の粗粒子の数を数えたものであり、30μ以上の粗
大粒子がある場合は便宜上1ケを8ケとして求め
たものである。また、微粒子配合量が大で、微粒
子の重なりにより判定がしにくい場合には共重合
組成および重合度がほぼ同一の微粒子を含有しな
い共重合ポリエステルを溶融混合により希釈して
観察し、元の配合量に換算して求めた。 微粒子の種類としては、シリカ、アルミナ、炭
酸カルシウム、アルカリあるいはアミンシリケー
ト、酸化チタン等が用いられる。しかし、これら
の微粒子でも平均粒径が4μより大のものや、配
合原料としては平均粒径が4μ以下であつても組
成物中で凝集し、粗粒子数が20ケ/mm3より大と
なるようなもの、あるいは配合条件によりそのよ
うになつたものは用いられない。もちろん平均粒
径が4μより大のもの、たとえば、5μの天然シリ
カ、10μのタルク、12μの雲母等が市販されてい
るが、これらのものは使用することができない。 本発明の微粒子を共重合ポリエステルに配合す
るには、ポリエステル・ペレツトに混合してもよ
いが、特別な工夫をしないと、組成物中での分散
が十分でないことが多く、ポリエステル合成中に
添加するのが望ましい。特に低粘度の反応系へ添
加して重合を行ない、高粘度の重合系で十分に撹
拌、分散させるのが好ましい。 重合反応完結前に微粒子を配合する場合の共重
合ポリエステルの物性は、重合終了後の組成物の
微粒子量を補正した〔η〕に近い共重合ポリエス
テル単独の物性を意味する。 本発明の微粒子の配合量としては、全組成物の
重量に対して0.3〜16%、望ましくは0.6〜13%、
さらに好ましくは1.0〜10%が用いられる。0.3%
未満では配合効果が不十分であり、また16%より
大では接着性が低下し、さらには工程性が逆に低
下することがあるので好ましくない。 本発明の組成物よりなる繊維および該繊維より
つくられる繊維集合体、不織布は、それに最も適
した固有の機械、装置を用いて製造するのが好ま
しいが、従来使用されてきた機械、装置をあまり
変えずに製造することができる。また、従来の機
械、装置が使用可能であるように繊維を特定化し
た点に本発明の大きな意義がある。 本発明の繊維は組成物単独で紡糸した単独繊維
(ホモフイラメント)としても用いられるが、他
の溶融紡糸可能なポリマーと共に紡糸して複合繊
維としても用いられる。 他の複合紡糸成分としては、融点150℃以上の
熱可塑性ポリマーが用いられる。その例として
は、PET,PBT、ナイロン−6、ナイロン−6,
6、ポリプロピレン等がある。また、接着繊維と
して用いる場合には、複合繊維断面の全周長に対
する共重合ポリエステルを含む組成物成分の占め
る割合、すなわち、繊維断面周率は40%以上が好
ましい。 本発明の繊維は接着繊維以外の改質繊維として
も用いられるが、該繊維の軟化点以上で融着処理
を行なう接着繊維として用いるのに非常に好適で
ある。本発明の繊維は、共重合ポリエステル組成
物単独繊維あるいは、該組成物と他ポリマーとの
複合繊維のみよりなる融着処理繊維集合体として
も用いられるが、該繊維を10重量%以上含む、他
繊維との混合融着処理繊維集合体としても用いら
れる。 繊維集合体としては特に不織布に好適であり、
強度の大きい不織布を得ることができる。なかで
も、混合繊維としてPETあるいはPBTのごとき
TAを成分として含むポリエステルの場合には、
接着繊維間のみならずTA系ポリエステルとの間
の接着も良好であり、強度の大きい不織布とする
ことができる。従来TA系ポリエステルに接着す
る繊維がなく、良好なポリエステル系不織布の製
造を可能とした点で本発明の意義は大である。 次に本発明を実施例により説明する。 実施例中、共重合組成量を示すモルは、生成ポ
リエステルの全酸成分に対するモル%を示す。 また、〔η〕とは、ポリエステルを、フエノー
ルとテトラクロロエタンの等重量混合溶剤中30℃
で測定した極限粘度(dl/g)である。 また、ポリエステルの融点(m.p.)は微量融点
測定装置により熱板上の試料の偏光が消失する
点、または流動点を求めたものである。 また不織布強度は、接着繊維20重量部とPET
繊維(3d×51mm)80重量部とを混綿し、カーデ
イング、ウエブ形成後、プレス方式により10Kg/
cm2で1分間、接着繊維を溶融させて熱接着を行な
つて得た不織布の裂断長(Km)で示した。 比較例 1 TA60モル、BD100モル、セバチン酸40モルよ
りなり、〔η〕1.10、m.p.153〜156℃、ΔHu3.5ca
/g、室温での結晶化時間3秒、SS14.0Kg/cm2
である共重合ポリエステルのペレツトを押出機に
供給し、孔径0.4mmの紡糸孔を100個有する口金よ
り紡糸ヘツド温度240℃、800m/分で紡糸を行な
つたが、単繊維間および繊維束間での膠着が著し
く、良好な繊維を得ることができなかつた。ま
た、紡糸ヘツド温度200℃では、ポリマーの吐出
が不安定となり、かつ膠着もかなり認められた。 比較例 2 比較例1の共重合ポリエステルを鞘とし、〔η〕
0.67のPETを芯として、芯/鞘=40/60重量比で
芯鞘複合紡糸を行なつた。紡糸ヘツド温度を275
℃より290℃まで変えて800m/分で紡糸を行なつ
たが、単繊維間および繊維束間での膠着が著し
く、良好な繊維を得ることができなかつた。 実施例 1 比較例1の共重合ポリエステル合成系へ日産化
学工業製シリカゾル;スノーテツクス0Lおよび
20L(共に、平均粒径0.045μ)の7対3混合物を、
シリカが共重合ポリエステルと微粒子の合計に対
して4重量%(以下、微粒子の配合量は全組成物
に対する重量%で示す)になるように配合し、エ
ステル化反応および重縮合反応を行なつた後、ペ
レツト化し、微粒子配合共重合ポリエステル組成
物を得た。組成物中でのシリカの分散性は良好
で、組粒子数は0ケ/mm3であつた。このペレツ
トを押出機に供給し、紡糸ヘツド温度240℃、800
m/分で巻き取つて紡糸を行なつた。巻き取つた
繊維は、単繊維間および繊維束間での膠着はほと
んどなく、長時間安定に紡糸を行なうことができ
た。 この紡糸原糸を水浴中80℃で3.5倍に延伸し、
続いて水浴中90℃で15%収縮させ、スタツフイン
グ・ボツクス型捲縮機で捲縮を行なつた後切断
し、繊度3.1dr(デニール)、強度3.6g/d、伸度
50%の繊維を特にトラブルなく得ることができ
た。 この共重合ポリエステル繊維20重量部とPET
繊維80重量部とを混綿し、裂断長4.5Kmの高強
力を有する不織布を得た。なお不織布化工程中、
特にトラブルは認められなかつた。 実施例 2 実施例1の共重合ポリエステルとシリカの組成
物を鞘とし、〔η〕0.67のPETを芯として芯/鞘
=40/60重量比で芯鞘複合紡糸を行なつた。紡糸
ヘツド温度290℃で押出し、800m/分で巻取つ
た。巻取つた繊維は単繊維間および繊維束間での
膠着はほとんどなく、長時間、安定に紡糸を行な
うことができた。 この紡糸原糸を水浴中80℃で3.6倍に延伸し、
続いて水浴中90℃で15%収縮させ、さらにスタツ
フイング・ボツクス型捲縮機で捲縮を行なつた後
切断し、繊度3.0dr、強度3.7g/d、伸度54%の
繊度を特にトラブルなく得ることができた。 この複合繊維とPET繊維を混綿し、裂断長
3.7Kmの高強力不織布を得た。なお不織布工程
中、特にトラブルは認められなかつた。 比較例 3 TA80モル、EG50モル、BD50モル、セバチン
酸20モルよりなり、第1表記載の性質を有する共
重合ポリエステルを鞘としナイロン−6を芯とし
て、芯/鞘=40/60重量比で芯鞘複合紡糸を行な
つた。紡糸ヘツド温度270℃で押出し、800m/分
で巻取つたが繊維間の膠着がかなりあり、良好な
繊維を得ることができなかつた。 実施例 3(参考例) 比較例3の共重合ポリエステル反応系へ平均粒
径0.02μのアルミナ(日本アエロジル社製、
Aluminium Oxide C)を3重量%加えて重合反
応を行なつて、共重合ポリエステル組成物を得
た。アルミナの分散性は良好で粗粒子数は3ケ/
mm3であつた。この組成物を鞘とし、ナイロン−
6を芯として、比較例3と同様にして芯鞘紡糸を
実施し、ついで延伸、収縮、捲縮、切断を行な
い、良好な繊維を特にトラブルなく得ることがで
きた。 この複合繊維とPET繊維より、裂断長4.1Km
の高強力不織布を順調に得ることができた。 比較例 4 第1表記載の共重合ポリエステルを鞘としポリ
プロピレンを芯として、芯/鞘=40/60重量比で
芯鞘複合紡糸を行なつた。紡糸ヘツド温度285℃
で押出し800m/分で巻取つたが、単繊維間に膠
着がやゝ認められ、繊維束間にも部分的に膠着点
が存在した。 実施例 4 比較例4の共重合ポリエステル反応系へ、平均
粒径0.08μの炭酸カルシウム(竹原化学工業製、
ネオライトSP)を5重量%加えて重合反応を行
ない、粗粒子数2ケ/mm3の共重合ポリエステル
組成物を得た。この組成物を鞘としポリプロピレ
ンを芯として、比較例4と同様にして芯鞘紡糸を
実施し、ついで延伸、収縮、捲縮、切断を行な
い、良好な繊維を特にトラブルなく得ることがで
きた。 この複合繊維とPET繊維より、裂断長2.9Km
の高強力不織布を順調に得ることができた。 比較例 5,6,7 それぞれ、第1表記載の共重合ポリエステルを
鞘として実施例2と同様にして芯鞘複合紡糸を行
なつたが、いずれも、単繊維間に膠着がやゝ認め
られ、繊維束間にも部分的に膠着点が存在した。 実施例5,6および実施例7 (参考例) それぞれ第1表記載の微粒子を配合したポリエ
ステル組成物を鞘として実施例2と同様にして芯
鞘複合紡糸、繊維化、不織布化を行ない、いずれ
も特にトラブルなく良好な繊維および不織布を得
た。 比較例 8,9 それぞれ第1表記載の微粒子配合共重合ポリエ
ステル組成物を鞘として実施例2と同様にして芯
鞘複合紡糸を行なつた。紡糸中糸の切断がしばし
ばあり、順調に紡糸を続けることができなかつ
た。 比較例 10 第1表記載の共重合ポリエステル反応系へ、重
合の後期で第1表記載の酸化チタンを加えた。重
合後組成物中の粗粒子数は25ケ/mm3であつた。
この組成物を鞘として実施例2と同様にして芯鞘
複合紡糸を行なつた。紡糸中糸の切断がしばしば
あり、順調に紡糸を続けることができなかつた。 比較例 11,12,13,14 それぞれ第1表記載の共重合ポリエステル組成
物を鞘とし実施例2と同様にして芯鞘複合紡糸を
行なつた。いずれも繊維間および繊維束間での膠
着がかなり認められ、良好な繊維を得ることがで
きなかつた。 比較例 15 第1表記載の組成物を鞘とし実施例2と同様に
して芯鞘複合紡糸を行ない、繊維化、不織布化を
行なつた。繊維化は順調に推移したが、共重合ポ
リエステルの融点が高く接着が高温度であり、硬
い風合の不織布となつた。 比較例 16 第1表記載の組成物を鞘とし実施例2と同様に
して芯鞘複合紡糸を行なつた。繊維間膠着は認め
られなかつたが時々糸切れが発生した。ついで実
施例2と同様にして繊維化、不織布化を行ない、
裂断長0.7Kmの不織布を得た。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 全酸成分に対する共重合割合として、テレフ
    タル酸を50モル%以上、1,4−ブタンジオール
    および1,6−ヘキサンジオールの合計を70モル
    %以上、以下に示す第3成分を5〜45モル%含
    み、融点が80〜200℃、結晶融解熱が2.0ca/g
    以上、最短結晶化時間が90秒以内、かつポリエチ
    レンテレフタレートを接着した剪断強度が5Kg/
    cm2以上である共重合ポリエステルと、平均粒径4
    ミクロン以下、かつ組成物中での10ミクロン以上
    の粗粒子数が20ケ/mm3以下である微粒子とを配
    合してなる共重合ポリエステル組成物よりなる繊
    維。 ここで第3成分とは、アジピン酸、セバチン
    酸、ヒドロキシ酢酸、トリメチレングリコール、
    ペンタメチレングリコール、ジエチレングリコー
    ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
    コール、シクロヘキサンジメタノール、プロピレ
    ングリコール、ネオペンチルグリコール、エチレ
    ングリコール、イソフタル酸をいう。 2 微粒子が、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウ
    ム、シリケートおよび酸化チタンのうちより選ば
    れるものであることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の共重合ポリエステル組成物よりなる
    繊維。
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