JPH0145394B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は自動ミシン等の縫製機の被縫製物移
動装置に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の装置としては、例えば特表昭58
―500744号公報に示すように、Ｘ方向駆動モータ
により一対の歯車及びラツクを介して移動フレー
ムをＸ方向へ移動させるとともに、その移動フレ
ーム上に支持されたＹ方向駆動モータにより１個
の歯車及びラツクを介して被縫製物支持用のパレ
ツトを取着してなるキヤリツジをＹ方向へ移動さ
せるように構成したものがある。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、この従来の被縫製物移動装置におい
ては、Ｙ方向駆動モータが移動フレーム上に配置
されているため、移動フレームの重量が増大し
て、その移動フレームのＸ方向移動が重くなり、
所定位置に迅速かつ正確に移動されないととも
に、そのＹ方向駆動モータに対する配線が面倒で
あるという問題点があつた。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明は、前記のような問題点に着目してな
されたものであつて、モータが移動フレーム上に
支持されていないで移動フレームを軽量化するこ
とができ、その移動フレームを所定位置に迅速か
つ正確に移動させることができるとともに、モー
タに対する配線を容易に行うことができ、しかも
全体を小型化できるばかりでなく、耐久性をも向
上させるようにしたものである。

そのために、この発明の縫製機の被縫製物移動
装置は、縫目形成手段を含むミシン本体に対し被
縫製物を所定位置を位置決め支持するパレツト
と、そのパレツトを上面に着脱可能に固定支持す
るキヤリツジと、そのキヤリツジを上面に一方向
へ往復移動可能に支持する移動フレームと、その
移動フレームの両側下方において、前記キヤリツ
ジの移動方向と直交する方向へ長く延びるように
設けられるとともに、略中央部において支持部材
を介して前記移動フレームに連結された一対の第
１のラツクと、この第１のラツクに噛合う一対の
歯車を両端に有し、一固定軸線の周りを回動可能
に支持された軸と、その軸を一端において駆動す
る第１のモータと、前記第１のラツクに近接する
とともに、前記キヤリツジの移動方向と直交する
方向へ延びるようにそれぞれ固定配置された一対
の案内部材と、前記支持部材に設けられ、前記案
内部材上を案内されることにより、同移動フレー
ムを案内部材に沿つて移動可能とした摺動体と、
前記キヤリツジの下面にその移動方向へ長く延び
るように設けられた第２のラツクと、その第２の
ラツクに噛合い、前記移動フレームに回転可能に
支持された歯車と、その歯車の中心に歯車と一体
に回転可能でかつ軸線方向へ相対摺動可能に挿通
し、前記第１のラツクと平行に延びるスプライン
軸と、そのスプライン軸を駆動する第２のモータ
とを備えている。

（実施例） 以下、この発明の一実施例を図面に従つて詳細
に説明する。

さて、この実施例の縫製機においては、第１図
に示すように機台１上にミシン本体２が装置さ
れ、その前端には釜（図示しない）とともに縫目
形成手段を構成する針３が設けられている。第
１，２図に示すようにミシン本体２の前方におい
て機台１上の左右両側には正面形ほぼＬ字状をな
す前後各一対の支持体４が配設固定され、それら
の支持体４間には正面形ほぼ横Ｕ字状をなす案内
レール５が前後方向（Ｙ方向）へ平行に延びるよ
うに、上下一対の取付板６，７を介して架設固定
されている。両案内レール５には正面形ほぼＴ字
状をなす支持部材８がボールスライド体９を介し
てＹ方向へ移動可能に支持され、それらの支持部
材８上には側面形ほぼＹ字状をなす移動フレーム
１０が左右方向（Ｘ方向）へ延びるように架設固
定されている。

第１，３図に示すように前記移動フレーム１０
上にキヤリツジ１１がボールスライド体１２を介
してＸ方向へ移動可能に支持されている。そのキ
ヤリツジ１１の上面前端縁には左右一対のクラン
プ部材１３が設けられ、それらの後部には位置決
め突部１４が突設されるとともに、クランプ用の
エアシリンダ１５が設けられている。キヤリツジ
１１の上面には縫製パターンに合致した針溝（図
示しない）を有するパレツト１６が着脱可能に支
持され、前記クランプ部材１３の位置決め突部１
４との係合により所定位置に位置決めされるとと
もに、エアシリンダ１５により固定されている。
パレツト１６の上面には被縫製物１７が保持枠
（図示しない）により着脱可能に挾着保持され、
前記キヤリツジ１１のＸ方向移動及び移動フレー
ム１０のＹ方向移動に基づいて針３に対し所定位
置に位置決めされるようになつている。

次に、前記移動フレーム１０及びキヤリツジ１
１の駆動構成について説明すると、第１，２図に
示すように前記移動フレーム１０の下方において
両支持部材８の下端外面には下面に歯を有する一
対の第１のラツク１８が固定され、キヤリツジ１
１の移動方向と直交する方向すなわちＹ方向に向
かつて長く延びている。第１のラツク１８の下方
においてＸ方向に延びるように機台１上には軸１
９が左右一対の支持体２０，２１によりベアリン
グ２２を介して回転可能に支持され、その両端近
傍には第１のラツク１８に噛合う一対の歯車２３
がそれぞれ噛合い位相を合致させた状態で止めね
じ２４により固定されている。前記両支持体２
０，２１の内側上端には各一対のローラ２５がそ
れぞれ回転可能に支持され、第１のラツク１８の
上面に摺接してそのラツク１８が歯車２３から離
脱するのを防止している。

第１，２図に示すように左側の支持体２０の外
面には第１のモータ２６が装着され、そのモータ
軸に固定された歯車２７及び前記軸１９の左端に
固定された歯車２８を介してその軸１９を回転駆
動するようになつている。そして、この実施例で
は所定の縫製パターンと対応する縫製プログラム
に基づき、前記第１のモータ２６が回転されて軸
１９が回転駆動されることにより、一対の歯車２
３及び第１のラツク１８を介して移動フレーム１
０がＹ方向へ所定量移動されるようになつてい
る。

第１，３図に示すように前記キヤリツジ１１の
前縁には下面に歯を有する第２のラツク２９が取
付板３０を介して取付けられ、そのキヤリツジ１
１の移動方向であるＸ方向に長く延びている。第
２のラツク２９の下方において移動フレーム１０
の中央部前縁には支持部材３１が取付板３２を介
して取付けられ、それには第２のラツク２９に噛
合う歯車３３、ブツシユ３４及びスプラインベア
リング３５が互いに固定された状態でベアリング
３６により一休回転可能に支持されている。前記
支持部材３１の上部後面には一対のローラ３７が
回転可能に支持され、第２のラツク２９の上面に
摺接してそのラツク２９が歯車３３から離脱する
のを防止している。

前記一対の第１のラツク１８間においてそれら
のラツク１８と平行にＹ方向へ延びるように、機
台１上にはスプライン軸３８が前後一対の支持体
３９，４０によりベアリング４１を介して回転可
能に支持され、前記歯車３３の中心にスプライン
ベアリング３５を介してその歯車３３と一体に回
転可能でかつ軸線方向へ相対摺動可能に挿通され
ている。前側の支持体３９の外面には第２のモー
タ４２が装着され、そのモータ軸に固定された歯
車４３及び前記スプライン軸３８の前端に固定さ
れた歯車４４を介してそのスプライン軸３８を回
転駆動するようになつている。そして、この実施
例では所定の縫製パターンと対応する縫製プログ
ラムに基づき、前記第２のモータ４２が回転され
てスプライン軸３８が回転駆動されることによ
り、歯車３３及び第２のラツク２９を介してキヤ
リツジ１１がＸ方向へ所定量移動されるようにな
つている。

前記のように構成された縫製機について、次に
作用を説明する。

さて、この縫製機において、所定の縫製パター
ンと対応する縫製プログラムに基づき、第１及び
第２のモータ２６，４２に駆動信号が入力される
と、それらのモータ２６，４２がそれぞれ回転さ
れる。そして、第１のモータ２６の回転に伴い歯
車２７，２８を介して軸１９が回転され、一対の
歯車２３及び第１のラツク１８を介して移動フレ
ーム１０がＹ方向へ移動されるとともに、第２の
モータ４２の回転に伴い歯車４３，４４を介して
スプライン軸３８が回転され、歯車３３及び第２
のラツク２９を介してキヤリツジ１１がＸ方向へ
移動される。

このとき、一対の歯車２３は軸１９を介して一
体に回転されるため、たとえ移動フレーム１８が
片寄つた位置に配置されて一方の歯車２３に他方
のそれよりも大きな負荷が加えられていても一対
の第１のラツク１８には移動力が均等に付与さ
れ、その移動フレーム１０はねじれ等を生じるこ
となくＹ方向へ円滑に移動され、その移動に伴つ
てスプライン軸３８上の歯車３３がスプライン軸
３８の軸線方向へ相対摺動される。従つて、キヤ
リツジ１１上に支持されたパレツト１６上の被縫
製物１７は針３に対し所定位置に迅速かつ正確に
移動配置され、その針３と釜（図示しない）との
協働により被縫製物１７上に縫目が形成される。
そして、この移動装置においては第一、第二のラ
ツク１８，２９やそれと噛合する歯車等が移動フ
レーム１０及びキヤリツジ１１の下面に配置され
ているためその移動フレーム１０及びキヤリツジ
１１の下方空間を有効に利用して全体を小形化で
きる。

また、前記移動フレーム１０はその両側下方に
おいて第１のモータ２６で駆動される歯車２３及
び案内レール５によつて支持されているので、支
持状態が大変安定するとともに、移動フレーム１
０の移動時に同移動フレーム１０が揺動すること
もない。

また、前記第１のラツク１８の略中央部に支持
部材８を設け、その支持部材８を移動フレーム１
０に連結することによつてこの第１のラツク１８
の前記連結部分を挾んだ前部と後部との突出量を
略均等にしたので、移動フレーム１０を前後方向
へ移動させたときの第１のラツク１８の突出量を
最小にすることができ、ひいては装置全体を小型
化することができる。

さらには、第１のラツク１８に近接して固定配
置された案内レール５上で前記支持部材８に設け
たボールスライド体９を案内することにより、第
１のラツク１８と前記歯車２３との噛合い部分に
キヤリツジ１１や移動フレーム１０の重量が必要
以上に加わることを防止できるので、これらの噛
合いをスムーズにして応答性を向上させるととも
に、耐久性も向上させることができる。

なお、この発明は前記実施例の構成に限定され
るものではなく、この発明の趣旨から逸脱しない
範囲で各部の構成を任意に変更して具体化するこ
とも可能である。

発明の効果 以上詳述したようににこの発明は、モータが移
動フレーム上に支持されていないで移動フレーム
を軽量化することができ、その移動フレームを所
定位置に迅速にかつ正確に移動させることができ
るとともに、モータに対する配線を容易に行うこ
とができ、しかも全体を小形化できるばかりでな
く、耐久性をも向上させることができるという優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した縫製機の一実施
例を示す斜視図、第２図はその縫製機の部分拡大
正断面図、第３図は同じく部分拡大側断面図であ
る。 図において、１は機台、２はミシン本体、３は
縫い目形成手段を構成する針、５は案内部材とし
ての案内レール、８は支持部材、９は摺動体とし
てのボールスライド体、１０は移動フレーム、１
１はキヤリツジ、１６はパレツト、１７は被縫製
物、１８は第１のラツク、１９は軸、２３は歯
車、２６は第１のモータ、２９は第２のラツチ
ク、３３は歯車、３８はスプライン軸、４２は第
２のモータである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 縫目形成手段３等を含むミシン本体２に対し
   被縫製物１７を所定位置に位置決め支持するパレ
   ツト１６と、 そのパレツト１６を上面に着脱可能に固定支持
   するキヤリツジ１１と、 そのキヤリツジ１１を上面に一方向へ往復移動
   可能に支持する移動フレーム１０と、 その移動フレーム１０の両側下方において、前
   記キヤリツジ１１の移動方向と直交する方向へ長
   く延びるように設けられるとともに、略中央部に
   おいて支持部材８を介して前記移動フレーム１０
   に連結された一対の第１のラツク１８と、 この第１のラツク１８に噛合う一対の歯車２３
   を両端に有し、一固定軸線の周りを回動可能に支
   持された軸１９と、 その軸１９を一端において駆動する第１のモー
   タ２６と、 前記第１のラツク１８に近接するとともに、前
   記キヤリツジ１１の移動方向と直交する方向へ延
   びるようにそれぞれ固定配置された一対の案内部
   材５と、 前記支持部材８に設けられ、前記案内部材５上
   を案内されることにより、同移動フレーム６を案
   内部材５に沿つて移動可能とした摺動体９と、 前記キヤリツジ１１の下面にその移動方向へ長
   く延びるように設けられた第２のラツク２９と、 その第２のラツク２９に噛合い、前記移動フレ
   ーム１０に回転可能に支持された歯車３３と、 その歯車３３の中心に歯車３３と一体に回転可
   能でかつ軸線方向へ相対摺動可能に挿通し、前記
   第１のラツク１８と平行に延びるスプライン軸３
   ８と、 そのスプライン軸３８を駆動する第２のモータ
   ４２と を備える縫製機の被縫製物移動装置。