JP3016999B2 - 縫製装置 - Google Patents

縫製装置

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JP3016999B2
JP3016999B2 JP5266216A JP26621693A JP3016999B2 JP 3016999 B2 JP3016999 B2 JP 3016999B2 JP 5266216 A JP5266216 A JP 5266216A JP 26621693 A JP26621693 A JP 26621693A JP 3016999 B2 JP3016999 B2 JP 3016999B2
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徹 平松
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ジューキ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ジャケットの
衿の縫製に好適するようにした簡易型の縫製装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】縫製分野において、ミシン針に対して布
を前後左右のX−Y方向に移動して、縫製を行う機構は
従来から種々あり、その一例を図3に示す。図3におい
て、101はミシン、102はX−Yテーブル、103
は送り台、104はY駆動モータ、105はX駆動モー
タ、106は布押え、107は押え腕、111は身頃で
ある。
【0003】即ち、ミシン101に組み込まれたX−Y
テーブル102は、Y駆動モータ104およびX駆動モ
ータ105により図示のように大掛かりな機構を介して
矢印で示すX−Y方向に駆動される。そして、身頃11
1は、X−Yテーブル102上の固定された送り台10
3および押え腕107を介して布押え106により押さ
えられて、上述のようにX−Y方向に駆動されることに
より縫製されて、所定の縫目が得られるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、図
4に示すようなジャケットの衿縫製のようなパターン
は、縫い始めS付近では、Y方向の動きは少なく、縫い
終りE付近で、Y方向動作は大きくなる。このようなジ
ャケットの衿の縫製工程において、前記図1に示した構
成の縫製機械を用いた場合、装置が大きく、コスト高と
なり、動く機構も重くなることから、高速縫いで縫えな
いという問題があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、例えば、ジャケ
ットの衿縫製等に適するよう構造が簡単で、動く部分の
重量も軽くして、高速縫製を可能とした縫製装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
本発明は、簡易型の縫製装置であって、テーブルに配置
したミシンと、ミシンに対しテーブル上を横方向に移動
する第1の駆動手段と、第1の駆動手段に一支点を中心
としてミシンに対し前後方向に揺動可能に支持し、テー
ブルとの間で布を押さえる押え部材と、前記押え部材に
第1の駆動手段による横方向の移動を許容するように係
合し、且つ前記押え部材をミシンに対し一支点を中心と
して前後方向に揺動させる第2の駆動手段と、を備えた
構成を特徴としている。
【0007】
【作用】テーブル上の押え部材は、第1の駆動手段によ
り横方向に移動し、且つ第2の駆動手段により一支点を
中心としてミシンに対し前後方向に揺動するので、例え
ば、側方の一支点を中心とした前後方向の揺動角の範囲
内において、押え部材によりテーブル上に押えられた被
縫製布に対するミシンによるパターン縫いが適宜に可能
となる。従って、例えば、ジャケットの衿の縫製に容易
に対応できる。
【0008】そして、従来のようにX−Yテーブルを駆
動する大掛かりな機構を必要とせず、テーブル上を横方
向に移動する第1の駆動手段と、その横方向移動を許容
しながら押え部材を前後方向に揺動させる第2の駆動手
段とによる簡単な構成で、動く部分の重量も軽くなるの
で、高速縫製が可能となる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明に係る縫製装置の実施例を図
1および図2に基づいて説明する。
【0010】本発明を適用した一例としての縫製装置の
構成を示す図1において、1は縫製テーブル、2はミシ
ン、5は押え部材、8は被縫製布である身頃、10は第
1の駆動手段、30は第2の駆動手段である。縫製テー
ブル1は、上面にミシン2を載置して、そのミシン針3
により縫製する身頃8を縫製テーブル1上に押える押え
部材5と、この押え部材5を後述するように駆動する第
1の駆動手段10および第2の駆動手段30を設置して
なる。
【0011】押え部材5は、所定の縫い形状に倣った形
状の倣い板6を有する横方向に長いものであり、この倣
い板6により押えられる身頃8には、後述するように倣
い板6に沿ってミシン針3で縫うことにより縫目9が得
られる。以上の押え部材5は、支持部材であるY駆動台
11に固定されており、Y駆動台11は、横方向に長い
もので、その長手方向に沿って係合部をなす上下方向に
貫通する溝12を有している。
【0012】実施例では、このY駆動台11の左端部か
らさらに左側に突出する突出片13を設けて、この突出
片13に、軸線を垂直方向とした支軸14を介して、横
方向への移動部材である移動台16の前端部を連結して
いる。なお、突出片13は、支軸14に自在継手15を
介して他方向へ揺動自在に連結されている。そして、移
動台16は、横方向に伸びたタイミングベルト17の一
部に後部が固定されており、タイミングベルト17は、
左右の駆動プーリ18および従動プーリ19に卷回され
ている。
【0013】この駆動プーリ18および従動プーリ19
は、縫製テーブル1上に固定した機枠21に回転自在に
支持されており、この機枠21の左端部には、駆動プー
リ18に連結した駆動源をなすR駆動パルスモータ22
を搭載している。以上のY駆動台11、移動台16、タ
イミングベルト17、駆動プーリ18、従動プーリ1
9、R駆動パルスモータ22により第1の駆動手段10
が構成されている。
【0014】なお、機枠21は側面視略L字状をなして
横方向に長いもので、この機枠21の手前側の起立板の
上部には、その長手方向に沿ってレール21Rが設けら
れている。このレール21R部分には、移動台16の下
に一体化して備えたキャリッジ21Cが摺動自在に係合
して組み付けられている。このように、R駆動パルスモ
ータ22の駆動により駆動プーリ18、タイミングベル
ト17を介して移動台16が横方向に移動し、しかも、
この移動台16の横方向の移動は、レール21Rに沿っ
てキャリッジ21Cが摺動することにより精度良く行わ
れる。
【0015】さらに、前記移動台16の手前側には、左
側に突出する支持台23が一体に備えられ、この支持台
23上には、軸線を前後方向へ向けて水平方向とした支
軸24を介して押えシリンダ25を上下揺動自在に組み
付けている。押えシリンダ25はエアーシリンダであ
り、この押えシリンダ25のプランジャ26を、前記支
軸24と平行する支軸27を介して、前記Y駆動台11
の左端部上に一体に起設したレバー部28に連結してい
る。
【0016】また、縫製テーブル1上でミシン2の本体
下方には、前記押え部材5を前後方向に揺動させるため
のθ駆動台31を固定している。このθ駆動台31は、
側面に駆動源をなすθ駆動パルスモータ32を搭載し
て、下部に前後方向への移動部材であるθ駆動軸33を
組み込むとともに、θ駆動パルスモータ32の回転をθ
駆動軸33の前後方向移動に変換するラックピニオン等
の直動変換機構を内蔵している。
【0017】そして、θ駆動軸33の前端部は、ミシン
針3の近辺に向かうようにして伸びており、このθ駆動
軸33の前端部には、側面視L字状部34が固定して備
えられている。この側面視L字状部34の下辺部は、前
記Y駆動台11の下方に位置しており、この側面視L字
状部34の下辺部に一体に起設した被係合部をなすθ駆
動コロ35が、Y駆動台11の長手方向に沿った前記溝
12に摺動自在に係合している。以上のθ駆動台31、
θ駆動パルスモータ32、θ駆動軸33により第2の駆
動手段30が構成されている。
【0018】次に、以上の構成の縫製装置による縫製作
業の一例について説明する。なお、以下の動作は、縫製
動作も含む予め設定された所定のプログラムに従った一
連の制御動作によって行われる。また、縫製作業前は、
押えシリンダ25のプランジャ26は縮んだ状態にあ
り、このプランジャ26に連結したレバー28を介して
Y駆動台11は、縫製テーブル1の上方に斜め右上がり
の待機位置にある。即ち、Y駆動台11に一体化して備
えられた押え部材5も同じ待機位置にある。
【0019】先ず、縫製作業に先立って、押えシリンダ
25の作動によりプランジャ26を伸ばし、レバー部2
8を介してY駆動台11を下方へ揺動させて、縫製テー
ブル1上の適宜の身頃8を押え部材5により押える。ま
た、身頃8に対しては、押え部材5の倣い板6の例えば
左端部の位置に沿わせてミシン針3を位置させておく。
【0020】そして、ミシン2の運転と並行して、R駆
動パルスモータ22の駆動により駆動プーリ18、タイ
ミングベルト17、レール21Rおよびキャリッジ21
C、移動台16、支軸14、突出片13、Y駆動台1
1、押え部材5を介して身頃8を、横方向の矢印A−B
方向に移動する。この時、θ駆動パルスモータ32の駆
動により直動変換機構を介してθ駆動軸33を前後方向
の矢印E−F方向に移動すると、このθ駆動軸33の前
端部のθ駆動コロ35が、Y駆動台11の長手方向に沿
った溝12に摺動自在に係合しているので、Y駆動台1
1、押え部材5を介して身頃8は、移動台16との結合
部の支軸14を支点としてその廻りを前後方向の矢印C
−D方向に揺動する。図中、その揺動角をθで示してお
り、また、倣い板6の左端部からの横方向の距離をRで
示している。
【0021】以上のような第1の駆動手段10および第
2の駆動手段30の動作は、ミシン針3に沿って倣い板
6が倣うように所定のプログラムに従って行われ、これ
により身頃8には、例えば、図示のような縫目9が得ら
れる。即ち、本発明の縫製装置によれば、図2に示すよ
うに、押え部材5の揺動角度2θおよび横方向長さRに
基づく前後方向の最大幅Wの範囲において、適宜の縫目
Sが自由に得られるものであり、従って、図4に示した
ようなジャケットの衿の縫製にも容易に対応できる。
【0022】そして、縫製装置の構成については、縫製
テーブル1上に、押え部材5を支持するY駆動台11、
移動台16、タイミングベルト17、駆動プーリ18、
従動プーリ19、R駆動パルスモータ22からなる第1
の駆動手段10と、ミシン針3の近辺に設置したθ駆動
台31、θ駆動パルスモータ32、Y駆動台11の溝1
2に係合するθ駆動軸33からなる第2の駆動手段30
とを設けるだけでよく、従来のようにX−Yテーブルを
駆動する大掛かりな機構が不要となっている。従って、
構造が簡単になり、動く機構部の重量も軽く、その結
果、高速縫製が可能となる。
【0023】なお、以上の実施例においては、ジャケッ
トの衿の縫製に適用したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、他の衣類等の布地の他の部分の縫製にも
適用されるものである。また、実施例では、支持部材の
係合部を溝として、この溝に前後方向への移動部材のコ
ロを係合するものとしたが、支持部材の係合部を凸部と
して、その凸部に前後方向の移動部材の凹部を係合する
ようにしてもよい。
【0024】そして、押え部材の前後方向に揺動する支
点の位置や、第1および第2の駆動手段の構成等も任意
である。さらに、その他、押え部材とその支持部材を一
体部品とする等、各構成部品の配置箇所を含め具体的な
細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論
である。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る縫製装置に
よれば、テーブル上を横方向に移動すせる第1の駆動手
段と、その横方向移動を許容しながら押え部材を一支点
を中心としてミシンに対し前後方向に揺動させる第2の
駆動手段とによって、例えば、側方の一支点を中心とし
た前後方向の揺動角の範囲内において、押え部材により
テーブル上に押えられた被縫製布に対するミシンによる
パターン縫いが適宜に可能となり、例えば、ジャケット
の衿の縫製に容易に対応することができる。しかも、従
来のようにX−Yテーブルを駆動する大掛かりな機構を
必要とせずに、構成を簡単にすることができ、動く部分
の重量も軽くできるため、縫製の高速化を達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての縫製装置の構成
を示すもので、ミシンを透視状態とした概略斜視図であ
る。
【図2】本発明によるパターン縫いが可能な範囲を例示
した平面図である。
【図3】従来の縫製装置の一例を示すミシンを透視状態
とした概略斜視図である。
【図4】ジャケットの衿の縫製例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 縫製テーブル 2 ミシン 3 ミシン針 5 押え部材 6 倣い板 8 被縫製布 9 縫目 10 第1の駆動手段 11 支持部材 12 係合部 14 支軸 16 横方向への移動部材 22 横方向の駆動源 25 押えシリンダ 30 第2の駆動手段 32 前後揺動の駆動源 33 前後方向への移動部材 35 被係合部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テーブルに配置したミシンと、 ミシンに対しテーブル上を横方向に移動する第1の駆動
    手段と、 第1の駆動手段に一支点を中心としてミシンに対し前後
    方向に揺動可能に支持し、テーブルとの間で布を押さえ
    る押え部材と、 前記押え部材に第1の駆動手段による横方向の移動を許
    容するように係合し、且つ前記押え部材をミシンに対し
    一支点を中心として前後方向に揺動させる第2の駆動手
    段と、を備えたことを特徴とする縫製装置。
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