JPH0145015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は暖房効率が高くしかも不快感の少ない
燃焼式温風暖房機に関するものである。

［従来技術］ 従来、暖房機としては一般に温風暖房機と呼ば
れる強制吸排気式（F.F.式）の温風暖房機やフア
ンヒータと、放射（輻射）を利用した放射式スト
ーブとがある。

上記放射式の石油ストーブにおいては、バーナ
を800℃〜900℃まで加熱して赤熱させ、その時放
射される近赤外線（1μm〜3μmの波長）を暖房に
利用しているため、灼熱感があり、人体への赤外
線の吸収も少なく（一般に人体のおもな赤外線吸
収波長領域は6μm〜15μm）、暖房効果が低いとい
う欠点があつた。

又、上記温風暖房機においては室内（部屋）全
体を暖めないと暖くなく、快適な温度になるまで
時間がかかり、しかも、隙間風やドアの開閉によ
り冷気が流入し室温が低下したり、温風暖房機か
らの温風が人体に当たると非常に不快感を生じる
欠点があつた。特に、燃焼式の温風暖房機（例え
ばフアンヒータ）は専ら温風によつて室内を暖め
るもので、前面からの放射が殆ど無く、人体に対
する暖房感に欠けるという大きな欠点があつた。

［考案の目的］ 本考案は上記のような欠点を除去した燃焼式の
温風暖房機を得ることを目的としたものである。

［考案の実施例］ 以下本考案の暖房機の一実施例を図面とともに
説明する。

本考案の暖房機は気化器１にて気化された燃料
を燃焼させるラインバーナ２を本体３に設けると
ともに該気化器１に燃焼用空気を供給する燃焼フ
アン６を設け、上記ラインバーナ２からの燃焼ガ
スを内部に通過させることにより加熱される薄型
箱状の中空縦型熱交換器８を設けている。該熱交
換器８は上面に上記燃焼ガスを排出する開口部９
を設けるとともに全表面苦しくは前表面に遠赤外
線発生用の遠赤外線塗料を塗装している。上記本
体３の上記熱交換器８に対応する前面に、遠赤外
線を室内に放射する放射口１０を設け、ここに、
高温部から人体を守るためのガード１１を設けて
いる。又、上記熱交換器８の背面には、本体３の
背面に形成された取入孔（図示しない）より室内
空気を取り入れ、当該熱交換器８の背面にて熱交
換して温風とする対流フアン１２を設けている。
この温風は熱交換器８の上部の開口部９の近傍で
該開口部９より排出される燃焼ガスと混合し、本
体３の上面に形成した吐出口１３から室内に吐出
する。

なお、上記構成において、熱交換器８はライン
バーナ２からの燃焼ガスを通過させてことにより
300℃〜500℃に加熱され、遠赤外線（波長5μm〜
25μm）を主に放射するものである。また、本体
３の吐出口１３は吐出方向を任意に可変し得るよ
うに構成しておくものである。更に、放射口１０
は、熱交換器８の下部から上部の排出口９より上
方に亙つて、該熱交換器８の横幅とほぼ等しい横
幅で開口されており、熱交換器８の前面から出る
遠赤外線のほとんどをそのまま前面側へ放射させ
る事が出来る。従つて、遠赤外線を前面側へ多量
に放射させることが出来る。

次に、上記暖房機の動作を説明すると、燃料ポ
ンプ５により燃料タンク４内の燃料を気化器１に
供給するとともに燃焼フアン６により燃焼用空気
を該気化器１に供給し、そこで両者を混合して、
ラインバーナ２に供給し、燃焼させる。燃焼後の
燃焼ガスは熱交換器８内を通過して、該熱交換器
８を加熱し、表面から遠赤外線を発生させる。こ
の遠赤外線は本体３の放射口１０を通して室内に
放射され、室内の暖房を行う。

また、同時に対流フアン１２により熱交換器８
の背面に室内空気を送風し、そこで熱交換して温
風とする。この温風は熱交換器８の上部の開口部
９の近傍で該開口部９より排出される燃焼ガスと
混合され、本体３の吐出口１３より室内へ吐出さ
れ、室内の暖房を行う。この場合、本体３の前面
の大部分を占める放射口１０から遠赤外線が放射
されるので、対流による室内空気自体の温度上昇
と遠赤外線による柔らかい放射暖房とによつて、
極めて快適な暖房感を得ることが出来る。

なお、上記構成において、熱交換器８を実施例
のように薄型で面積の大きいものを使用すると、
薄型で熱交換効率の高い暖房機を得る事が出来
る。また、対流フアン１２の動作を停止させて自
然対流にても暖房を行うことができる。

［考案の効果］ 本考案の燃焼式温風暖房機は上記のような構成
であるから、温風による室内空気の対流暖房と、
遠赤外線による柔らかい放射暖房とによつて、従
来の燃焼式暖房機では得られない極めて快適な暖
房感を得ることができる。

しかも、放射口は熱交換器の横幅にほぼ等しく
かつ熱交換器の開口部よりも上方まで開口してい
るので、熱交換器の前面から出る遠赤外線をその
まま前面側へ放射させる事が出来る上、その放射
範囲が広がる。従つて、遠赤外線による快適な暖
房範囲を広くすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の燃焼式温風暖房機の一実施例を
示す一部切欠概略斜視説明図である。 符号、２……ラインバーナ、３……本体、８…
…熱交換器、１０……放射口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃料を燃焼させるラインバーナと、このライン
   バーナからの燃料ガスを通過させ上部の開口部か
   ら排出する中空の薄型箱状縦型熱交換器と、この
   熱交換器の少なくとも前面に塗装した遠赤外線塗
   料と、上記バーナ及び熱交換器を内装し、上記熱
   交換器の前面に対応して、当該熱交換器の下部か
   ら上部の開口部より上方に亙つて、横幅が該熱交
   換器の横幅とほぼ等しい放射口を開口した本体
   と、室内空気を上記熱交換器に送風して熱交換し
   温風として上記本体の吐出口より吐出する対流フ
   アンと、上記放射口に設けられたガードと、 から成る燃焼式温風暖房機。