JPS644032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、前面パネルの加熱による火傷を防
止すると共に、温風の放出量を増大させて快適な
暖房を行える温風暖房器に関する。

従来、第１図〜第３図に示す如く、燃焼バーナ
ａを備えた燃焼内枠ｂを燃焼外枠ｃで覆い、この
燃焼内枠ｂと燃焼外枠ｃとの間の送風路ｄ中を温
風フアンｅよりの送風を流通させる温風暖房器
は、この考案出願前実開昭55−154949号公報に記
載され公知である。

ところで上記公知の温風暖房器にあつては、送
風路ｄ前面を閉塞する前面パネルｆの温風放出口
ｇが上部にしかない為、下方の送風路ｄを流通し
てきて高温に熱交換された送風は、前面パネルｆ
に衝突してその流速を抑えられ、燃焼内枠ｂと前
面パネルｆとの間に停滞して該前面パネルｆを加
熱し、使用者が不用意に手等を触れると火傷する
等の危険を有するものであり、又折角高温に熱交
換したこの送風路ｄ下方を流通した送風が、停滞
し乍ら温風放出口ｇから徐々にしか放出されない
ので、効率が悪く不経済で良好な暖房が行えない
などの欠点を有するものであつた。

そこでこの考案は、上記公知の温風暖房器の欠
点を解決する為に、送風路下方での送風の停滞を
防止してスムーズに流通させ、前面パネルを加熱
するようなことがなく、しかもこの高温の送風の
放出による暖房も良好に行える温風暖房器を得る
ことを目的とするものである。

この考案は前記に鑑み、上記目的を達成させる
為、特にその構成を、燃焼バーナ及び給油タンク
及び温風フアン等を有した器具本体に、燃焼バー
ナの熱気によつて赤熱される赤熱体を覆うと共に
該赤熱体と対向する前面には覗き窓を有した燃焼
内枠及び、この燃焼内枠外方で該燃焼内枠両側方
との間に温風フアンよりの送風が流通する送風路
を又上方には赤熱体を赤熱した後の熱気を温風フ
アンの送風によつて前方に放出する温風路をそれ
ぞれ形成した燃焼外枠を備え、更に器具本体前面
を閉塞する前面パネルには温風路と対向した温風
放出口及び燃焼内枠の覗き窓と対向する輻射窓を
備え、又この前面パネルと燃焼内枠との間には送
風路よりの送風を直接輻射窓より放出すると共に
一部を温風放出口に導く案内板を設けた温風暖房
器であつて、かかる温風暖房器によれば、燃焼内
枠と燃焼外枠との間の送風路中を流通して高温に
熱交換された送風の大部分は、前面パネルの輻射
窓よりスムーズに放出され、温風路を流通して温
風放出口から放出される温風と共に室内を温風に
よつて効率良く良好に暖房することが出来、しか
もこのように送風路を流通した送風が輻射窓より
スムーズに放出されることで、前面パネルと燃焼
内枠との間に停滞して該前面パネルを加熱するこ
とがないから、使用者が不用意にこの前面パネル
に触れて火傷するなどの危険がなく常に安心して
使用出来るものであり、更にこの送風の一部は輻
射窓だけではなく、温風放出口まで流通してここ
からも放出されるものであるから、この間の前面
パネルの加熱も良好に防止出来るなどの効果を奏
する。以下にこの考案に係る温風暖房器を第４図
〜第６図に示す好適な一実施例について説明す
る。

１は底部に加熱ヒーター２を有した凹状の気化
筒３上部に連結された横に細長いライン状の燃焼
バーナで、気化筒３の一側に臨んだ燃料噴霧ノー
ズル４よりの燃油の気化ガスと送風筒５よりの燃
焼空気との混合ガスを燃焼させるものである。

６は燃焼バーナ１を底部に露呈させ内方にはこ
の燃焼バーナ１の燃焼熱によつて加熱され赤熱す
るジグザグ状に屈曲した赤熱壁７と複数個の小孔
８とから成る赤熱体９を備えた箱形の燃焼内枠
で、前記赤熱体９の赤熱壁７と対向する前面には
この赤熱を放射するガラス等から成る覗き窓１０
が形成され、更に上面には赤熱体９を赤熱した後
の燃焼熱を直接放出する複数個の放出口１１及び
燃焼ガス中の臭気等を除去する触媒装置１２を備
えている。

１３は前後方向を除いて燃焼内枠６を覆つた上
部を横に長くした燃焼外枠で、燃焼内枠６の両側
壁との間には後方の温風フアン１４よりの送風が
流通する送風路１５を形成すると共に上部には燃
焼内枠６の放出口１１及び触媒装置１２を通過し
た燃焼熱を温風フアン１４の送風によつて温風と
して前方に放出する温風路１６が形成されてお
り、又この温風路１６は仕切板１７によつて上下
２段に形成され温風がスムーズに流通するように
されている。

１８は燃焼外枠を覆い下皿１９上に固定された
器具本体で、燃焼外枠１３によつて仕切られた内
方左右には、燃焼バーナ１に燃焼空気を送風する
燃焼フアン２０及び遮熱板２１によつて遮熱され
たカートリツジ式の給油タンク２２等が備えら
れ、後方には前記した温風用の温風フアン１４が
固着されている。

２３は器具本体１８前面を閉塞する前面パネル
で、温風路１６と対向する上部には温風を放出す
る温風放出口２４を備え、又燃焼内枠６の覗き窓
１０と対向するほぼ中央部には赤熱体９の赤熱に
よつて輻射暖房を行う輻射窓２５を形成してい
る。

２６は燃焼内枠６と前面パネル２３との間に備
えられ送風路１５よりの送風を輻射窓２５及び上
方に案内して前方に良好に放出させる為の案内板
で、燃焼内枠６と前面パネル２３との間を輻射窓
２５部分及び上方を残して他方を全て閉塞してい
る。

２７は給油タンク２２を載置し該給油タンク２
２よりの燃油を一旦貯溜する油受皿。

２８は油受皿２７と燃料噴霧ノーズル４とを途
中に電磁弁２９を介して連結する送油管である。

以上の如くこの一実施例は構成されるものであ
り、次に動作について説明すれば、今加熱ヒータ
ー２に通電しこれによつて気化筒３が気化可能温
度に達した時、燃料噴霧ノーズル４及び送風筒５
より燃油及び燃焼室気を気化筒３内に供給すれ
ば、燃油は高温の気化壁に接して瞬時に気化ガス
となり燃焼空気と予混合し乍ら燃焼バーナ１で気
化燃焼する。

そしてこの燃焼バーナ１での燃焼による燃焼熱
によつて、加熱されて赤熱体９の赤熱壁７は赤熱
し、この赤熱状態を燃焼内枠６の覗き窓１０を介
して輻射窓２５より前面に露呈させて輻射暖房を
行う。

又この赤熱体９の赤熱した後の燃焼ガスは、燃
焼内枠６上面の放出口１１及び触媒装置１２を介
して温風路１６内に流入し、後方の温風フアン１
４よりの送風によつて、温風として前面パネル２
３の温風放出口２４より前方に放出され、前記の
輻射による暖房と相俟つて室内を良好に暖房する
ものである。

更にこの温風フアン１４による温室放出時、燃
焼内枠６と燃焼外枠１３との間の送風路１５にも
温風フアン１４の送風の一部が流通し、燃焼内枠
６の熱が両側の燃焼フアン２０及び給油タンク２
２等に伝導しこれらを加熱して異常を来たすこと
を阻止するものであり、又この送風路１５の流通
で高温となつた送風は、前方の案内板２６によつ
て案内されて輻射窓２５より放出されると共に上
方に流通して温風放出口２４より温風と共に放出
され、従来の如く前面パネル２３と燃焼内枠６と
の間に停滞して前面パネル２３を加熱し、火傷等
の危険を生じたりすることがなく、前面パネル２
３と燃焼内枠６との間には常に強力な送風が流通
し、前面パネル２３が高温に加熱されるようなこ
とを確実に防止出来、安心して使用することが出
来るものであり、更に上記の如く送風路１５を流
通して高温となつた送風が輻射窓２５より案内板
２６に案内されスムーズに放出されることで、暖
房の為の温風の放出面積が広くなり、しかも放出
される温風量を増大して効率が良く経済的で良好
な暖房を得ることが出来るものである。

要するにこの考案は、燃焼バーナ１及び給油タ
ンク２２及び温風フアン１４等を有した器具本体
１８に、燃焼バーナ１の熱気によつて赤熱される
赤熱体９を覆うと共に該赤熱体９と対向する前面
には覗き窓１０を有した燃焼内枠６及び、この燃
焼内枠６外方で該燃焼内枠６両側方との間に温風
フアン１４よりの送風が流通する送風路１５を又
上方には赤熱体９を赤熱した後の熱気を温風フア
ン１４の送風によつて前方に放出する温風路１６
をそれぞれ形成した燃焼外枠１３を備え、更に器
具本体１８前面を閉塞する前面パネル２３には温
風路１６と対向した温風放出口２４及び燃焼内枠
６の覗き窓１０と対向する輻射窓２５を備え、又
この前面パネル２３と燃焼内枠６との間には送風
路１５よりの送風を直接輻射窓２５より放出する
と共に一部を温風放出口２４に導く案内板２６を
設けたものであるから、送風路中を流通して高温
となつた送風が前面パネルの輻射窓より案内板に
案内されてスムーズに前方へ放出されるので、暖
房の為の温風量が増大すると共に無駄な熱を有効
に利用出来、極めて効率が良く経済的で良好な暖
房が行えるものである。

更に上記の如く、送風路中を流通した送風をス
ムーズに輻射窓より放出することで、従来のよう
に送風路を流通した送風が前面パネルと燃焼内枠
との間に停滞して前面パネルを加熱し、火傷等の
危険を有するようなことがなく、常に安心して使
用することが出来るなどの利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す温風暖房器の断面図、第
２図は同水平断面図、第３図は同縦断面図、第４
図はこの考案一実施例を示す温風暖房器の縦断面
図、第５図は同水平断面図、第６図は同前面パネ
ルを取外した正面図。 １……燃焼バーナ、６……燃焼内枠、９……赤
熱体、１０……覗き窓、１３……燃焼外枠、１４
……温風フアン、１５……送風路、１６……温風
路、１８……器具本体、２２……給油タンク、２
３……前面パネル、２４……温風放出口、２５…
…輻射窓、２６……案内板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼バーナ１及び給油タンク２２及び温風フア
   ン１４等を有した器具本体１８に、燃焼バーナ１
   の熱気によつて赤熱される赤熱体９を覆うと共に
   該赤熱体９と対向する前面には覗き窓１０を有し
   た燃焼内枠６及び、この燃焼内枠６外方で該燃焼
   内枠６両側方との間に温風フアン１４よりの送風
   が流通する送風路１５を又上方には赤熱体９を赤
   熱した後の熱気を温風フアン１４の送風によつて
   前方に放出する温風路１６をそれぞれ形成した燃
   焼外枠１３を備え、更に器具本体１８前面を閉塞
   する前面パネル２３には温風路１６と対向した温
   風放出口２４及び燃焼内枠６の覗き窓１０と対向
   する輻射窓２５を備え、又この前面パネル２３と
   燃焼内枠６との間には送風路１５よりの送風を直
   接輻射窓２５より放出すると共に一部を温風放出
   口２４に導く案内板２６を設けた事を特徴とする
   温風暖房器。