JPH0144537B2

JPH0144537B2 -

Info

Publication number: JPH0144537B2
Application number: JP58025325A
Authority: JP
Inventors: Hisakazu Okuhara; Kazuo Higuchi; Kiichi Sasaki
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1983-02-17
Filing date: 1983-02-17
Publication date: 1989-09-28
Also published as: US4575119A; JPS59149841A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は三点式シートベルト装置のシートベル
トを前方及び後方に移動させることで乗降容易性
及び装着容易性を確保するようにしたシートベル
トの装着補助装置に関する。

自動車用シートベルト装置として知られる三点
式シートベルト装置は、車室内側部に取付けたリ
トラクタから引き出したシートベルトを、センタ
ピラー内側等に設けたスルーアンカ等で下方へ折
返し、折返したシートベルトの先端をシート側方
の車体サイドシール等に固定し、一方、該折返し
部とベルト先端との間に設けたタングプレートを
車体中央寄りのシート側方に設けたバツクルに係
合することで、シートベルトが乗員の腰と肩に装
着されるようにしている。

斯る三点式シートベルト装置にあつて、シート
ベルトの装着を容易に行なうには、装着の際にシ
ートベルトのタングプレートを設けた部分が前方
位置となるようにシートベルト先端を固定すれば
よいが、このようにすると、乗降に降してシート
ベルトが邪魔になるという相矛盾する問題があ
る。

そこで、第１２図に示すように、ドア側のシー
ト１００の側方に前方及び後方に回動可能とした
起立部材１０１を枢支し、この起立部材１０１に
シートベルト１０２の先部を保持させ、シートベ
ルト装着に際しては起立部材１０１を前方へ回動
させ、乗降に際しては後方へ回動させて装着性及
び乗降性の双方を満足する機構が考えられる。

そして、斯る機構を採用した場合、起立部材１
０１が前後へ回動するときに、その上端部は点
Ａ，Ｂ，Ｃを通る軌跡を描く。例えば後方への回
動限位置にある起立部材１０１が前方へ回動する
場合には、先ずその上端部が点Ａから点Ｂまで移
動する。そして、この移動に際し折返し部Ｄと起
立部材１０１上端部との距離は当初（）であ
つたものが（）となるため、（）−（）
の長さだけリトラクタに巻込まれる。そして更に
起立部材１０１は前方に回動しその上端部が点Ｃ
の位置となるが、この移動で折返し部Ｄと起立部
材１０１上端部との距離は（）−（）だけ長
くなる。このため（）−（）の長さだけリト
ラクタの巻取力に抗してシートベルト１０２を引
出す必要があり、その分だけ大きな駆動力を必要
とする。また起立部材１０１が後方へ回動する場
合にも上記したと同様の理由で大きな駆動力を必
要とする。

このため、モータ駆動によつて起立部材を回動
せしめるようにした場合には、モータ容量を大き
くしなければならず、またドア開閉と機械的に連
動せしめるようにした場合はドア開閉が重くなる
という問題がある。

更に、常にリトラクタによる巻取力が起立部材
１０１に作用しているため、前方への回動限位置
及び後方への回動限位置を精度よく設定できない
という問題もある。

尚、リトラクタに巻取制限機構を備えたものは
既に提案されているが、斯る機構は単にシートベ
ルトをたわませることで、後部シートへの乗降性
を良くしたものであり、上記問題の解決にはなら
ない。

本発明は上記した事情に鑑み成したものであつ
て、三点式シートベルト装置のシートベルトの一
部を前後方向に移動せしめる起立部材を可及的に
少ない駆動力で回動せしめるようにしたシートベ
ルトの装着補助装置を提供することを目的とす
る。

この目的を達成するため本発明に係るシートベ
ルトの装着補助装置は、ドア側のシート側方に基
部を前後方向への回動中心とした起立部材を枢支
し、この起立部材の先端又は内部に、リトラクタ
から繰り出されリトラクタ上方の折返し部で下方
に折返されたシートベルトの端末を保持せしめる
とともに、上記起立部材の前方及び後方の回動限
における起立部材上端部位置が、該折返し部と回
動中心とを結ぶ線を基準として略対称位置となる
ようにし、更に該前方及び後方への回動限位置で
繰り返されるシートベルトの長さを基準にしてリ
トラクタへのシートベルトの巻取り制限するよう
にしたことをその要旨としている。

以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本発明に係るシートベルト装着補助装
置を適用した車室内を示す側面図であり、前部シ
ート１はシートクツシヨン２とシートバツク３と
からなり、この前部シート１後方の車体４内側部
にはシートベルト巻取用のリトラクタ５を取付
け、このリトラクタ５の上方に車体４内側部に折
返し部であるスルーアンカ６を取付け、このスル
ーアンカ６にてリトラクタ５から引き出したシー
トベルト７を下方へ折返し、この折返したシート
ベルト７の中間部に車体中央寄りのシート１側方
に設けたバツクル８と係合するタングプレート９
を取付けている。

またドア側のシート後部側方には起立部材１０
をその基部１０ａを回動中心として前方及び後方
へ回動するようにしている。そして、この起立部
材１０の上端部には前記折返されたシートベルト
７の先端を止着しており、また起立部材１０はモ
ータＭ或いは機械的手段により、乗員が乗降する
際には図中想像線で示すように車体フロアと略水
平となる位置まで倒れ、乗降を妨げることがない
ようにし、またシートベルト７を装着するにあた
つては、図中実線で示す位置、つまり起立部材１
０の上端部１０ｂがシートクツシヨン２表面より
も上方で且つシートバツク３表面よりも前方とな
る位置まで回動し、タングプレート９を掴み易く
している。

そして、上記したスルーアンカ６、起立部材１
０の回動中心１０ａ及び起立部材１０の前後の回
動限における上端部１０ｂの関係は第２図に示す
如くである。即ち、前方への回動限における上端
部１０ｂの位置１０ｂ−１と後方への回動限にお
ける上端部１０ｂの位置１０ｂ−２とが、スルー
アンカ６と回動中心１０ａを結ぶ線ｌを挟んでそ
れぞれ対称位置となるようにしている。したがつ
て上端部の位置１０ｂ−１とスルーアンカ６との
距離D₁と上端部の位置１０ｂ−２とスルーアン
カ６との距離D₂とは等しくなるようにしている。

また、第３図はリトラクタ５の全体斜視図であ
り、リトラクタ５は車体４に固定される支持体１
１に一対のブラケツト１２，１２を形成し、これ
らのブラケツト１２，１２間にシートベルト７の
巻取用ドラム１３を回転可能に取付け、一方ブラ
ケツト１２の側面にはスプリングを収納したカバ
ー１４を取付け、このスプリングによつてドラム
１３巻取り方向に付勢するようにしている。また
ドラム１３には緊急時において所定量以上のベル
トの繰出しを阻止するための爪車１５を嵌挿して
いる。

そして、上記リトラクタ５は、シートベルト７
が所定量以上リトラクタ５に巻取られないように
するための巻取制限装置を備えている。この巻取
制限装置としては第４図乃至第１０図に示すもの
などが考えられる。

第４図に示す巻取制限装置は支持体１１に上下
方向の長孔１６を形成し、この長孔１６に上方へ
付勢されたスライダー１７を挿通してものであ
り、巻取用ドラム１３にシートベルト７が巻取ら
れるにつれ、その径が次第に大きくなるとシート
ベルト７がスライダー１７の先部１７ａに摺接
し、スライダー１７が長孔１６下端まで下がり、
シートベルト７の巻取りを停止させるようにして
いる。また、第５図及び第６図も上記同様に、支
持体１１のドラム１３側の内面にスライダー１７
を取付けたものであり、前記同様シートベルト巻
取りに伴なう巻径の増大を利用して巻取りを制限
するようにしたものである。ここで、単に巻径の
増大のみを利用して巻取量の制限を行なうのであ
れば、巻取ドラム１３と支持体１１の内面との距
離を所定値にして、支持体１１内面にシートベル
トを摺接せしめることも考えられるが、このよう
にすると、停止させる位置が安定せず巻取制限長
のバラツキが大きくなり、また巻取停止による減
速Ｇでセンサーが感知してエンドロツクを生じ、
更に巻取制限状態からベルトを引出す際に支持体
との間のフリクシヨンで初期の引出し荷重が大き
くなるので好ましくない。

また、第７図に示す巻取制限装置は二軸式とし
たものであり、一方の軸１８には巻取ドラム１３
を他方の軸１９には巻取用スプリング２０を設
け、このスプリング２０の先端を巻取ドラム１３
に止着し、巻取ドラム１３を巻取方向に付勢した
ものであり、巻取制限を行なうには、スプリング
２０の弾発力が巻取ドラム１３が所定量回転した
ときに無くなるように設定しておく。このように
二軸式とすることで、一軸式のものより一定のス
プリング特性が得られ、最大引出時のトルクも低
く設定できるので巻取慣性力の影響も少なくな
る。

第８図乃至第１０図に示す巻取制限装置はシー
トベルト７の所定位置にストツパ２１を止着した
ものであり、巻取量の変更を簡単に行なえる点に
特徴を有する。そして、第８図に示すものは、シ
ートベルト７に止着したストツパ２１が支持体１
１の上面１１ａに突当たるようにしたものであ
り、第９図に示すものは、支持体１１の一部に収
容部２２を形成し、この収容部２２内にスプリン
グ２３によつて上方へ付勢されたスライダー２４
を設け、シートベルト７に止着したストツパ２１
が該スライダー２４に突当たるようにしたもので
あり、更に第１０図に示すものは支持体１１の一
部にスプリング２５によつて上方へ付勢されたア
ーム２６を設け、シートベルト７に止着したスト
ツパ２１がアーム２６先端に当たることで巻取量
を制限するようにしたものである。

尚、以上の各巻取制限装置によつてシートベル
ト７の巻取りが停止する時点は、前記起立部材１
０が前方或いは後方への回動端まで回動した時点
か、またはこの時点よりもシートベルト７が若干
引出された時点とする。換言すれば、スルーアン
カ６から少くともD₁（＝D₂）の長さを残したシー
トベルトの巻取りが停止するようにする。

第１１図は本発明に係るシートベルトの装着補
助装置をスライド式のシート１に適用した例を示
したものであり、この実施例ではスライド式シー
ト１が前方或いは後方のいずれに位置した場合で
あつても、第２図に示した条件、つまりスルーア
ンカ６と起立部材１０の回動中心１０ａを結ぶ線
を基準として、前方への回動限にある起立部材１
０の上端１０ｂと後方への回動限にある起立部材
の上端１０ｂとが略対称位置となるようにし、し
かもリトラクタ５は起立部材１０が前方又は後方
への回動限にあるときのシートベルト７の長さを
基準にしてリトラクタ５への巻取りを制限してい
る。

以上説明したように本発明によれば、ドア側の
シート側方に起立部材を前後方向に回動自在に設
け、この起立部材にリトラクタから繰り出したシ
ートベルトの端末をプレート状の起立部材にあつ
てはその先端部に、また中空状の起立部にあつて
はその内面に取付け、この起立部材を前後に回動
させた場合のそれぞれの回動限以置における上端
部位置を、起立部材の回動中心とシートベルトの
折返し部とを結ぶ線を基準として略対称となるよ
うにし、しかも回動限にあるときのシートベルト
の長さを基準にしてリトラクタへの巻取りを制限
しているので、起立部材の回動に要する駆動力を
可及的に小さくすることができる。そして、これ
と合せて起立部材を所定の回動限位置よりも前方
又は後方に回動せしめる力が作用しても、今度は
リトラクタの巻取力が作用するため、起立部材が
回動しにくくなり、したがつて若干の組付誤差が
あつても起立部材の前方或いは後方への回動限位
置を精度よく設定することができる。

また、巻取制限を行なわないと、リトラクタの
巻取力により、起立部材の後方への回動が途中で
停止し後部シートへの乗降性を悪くする。このた
め起立部材の重量を増したり、補正スプリングを
介設すると、今度は前方への回動が安定せず、最
適位置で起立部材が停止せず、このままでシート
ベルトの装着を行なうとフイツト性が良くない。
しかしながら上記の如き構成とすることで、起立
部材の前方への回動を常時最適の位置で安定して
停止せしめることができるので、後部シートへの
乗降容易性を図りつつ乗員に対するベルトのフイ
ツト性を良くすることができる等多くの効果を発
揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は本発明
に係るシートベルトの装着補助装置を適用した車
室内の側面図、第２図は本発明の要部を説明した
概略側面図、第３図はリトラクタの斜視図、第４
図乃至第１０図はリトラクタに具備された巻取制
限装置の構造を示す図、第１１図は別実施例を示
す側面図、第１２図は従来例を示す側面図であ
る。尚、図面中、１はシート、４は車体、５はリト
ラクタ、６は折返し部、７はシートベルト、１０
は起立部材、１０ａは起立部材の回動中心、１０
ｂは起立部材の上端部、１７，２０，２１，２
４，２６は巻取制限装置、ｌは折返し部と起立部
材の回動中心を結ぶ線である。

Claims

【特許請求の範囲】

１車室内側部に設けたリトラクタから繰り出し
たシートベルトをリトラクタ上方にて下方へ折返
し、この折返したシートベルト端末をシート側方
に枢支されシート側方領域にて前後に回動可能と
された起立部材の先端又は内部で保持するように
したシートベルトの装着補助装置において、上記
起立部材の前方への回動限位置は斜め上方となる
位置とされ、また後方への回動限位置は略水平と
なる位置とされ、更に前方への回動限位置及び後
方への回動限位置における起立部材の上端部のそ
れぞれの位置は、シートベルトの折返し部と起立
部材の回動中心を結ぶ基準線に対し略対称となる
位置とされ、且つ前記前方及び後方への回動限位
置で繰り出されるシートベルトの長さを基準にし
てリトラクタへのシートベルトの巻取りを制限す
るようにしたことを特徴とするシートベルトの装
着補助装置。