JPH0142444Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、穀粒搬出用スクリユー軸をタンク内
底部に設け、前記スクリユー軸からの穀粒を揚送
するスロワーを、その回転羽根が前記スクリユー
軸とほぼ同芯状になる状態で設け、前記回転羽根
にその回転軸芯方向から臨む蓋付補修用開口を前
記スロワーのケースに設けた穀粒タンクに関す
る。

従来、上記穀粒タンクにおいて、スロワー連設
方向の長さをコンパクトにしながらタンクの貯留
容量を大きくするために、スロワーケースの穀粒
流入側開口をタンクの側板下部に形成した穀粒排
出開口に極力近接させた状態でスロワーをタンク
に連通接続していたのであるが、スロワーでの詰
り穀粒排出等のために、スクリユー軸及びスロワ
ーを停止した状態でスロワーの補修用開口の蓋を
開いた場合、詰り穀粒と共にタンク内の貯留穀粒
までが自重流下によりスロワー内を通過して補修
用開口から流れ出てしまい、詰まり穀粒の排除作
業の障害となる問題があつた。

本考案の目的は、上述実情に鑑みて、タンク内
構造に対する簡単な改良により、タンクをコンパ
クトにかつその容量を大に維持しながら、スロワ
ー補修用開口からのタンク内貯留穀粒の流出を防
止する点にある。

本考案の特徴構成は、冒記穀粒タンクにおい
て、前記タンク内における前記スクリユー軸がわ
への穀粒流下通路を形成する山形案内部材を、前
記スクリユー軸の略全長にわたつて、かつ前記ス
クリユー軸の上方がわに配置してあるとともに、
前記スクリユー軸のうち前記回転羽根が設けられ
る側のタンクの側壁と前記山形案内部材の上面側
とにわたつて、タンク内貯留穀粒を自重流下によ
り前記回転羽根から離れるがわに導くガイド面を
有したシユートを設け、さらに、前記山形案内部
材およびシユートは、その山形案内部材およびシ
ユートで回転羽根側への自重流下を制限されたタ
ンク内貯留穀粒の、安息角で安定した穀粒の安息
傾斜面が、前記スロワーの前記開口よりも流下方
向での上手側に止まるように位置設定してあるこ
とにあり、その作用・効果は次の通りである。

つまり、シユートをタンク内に設けるだけの極
めて簡単な改良により、スロワーをタンク側板に
近接配置してタンクをコンパクトにかつその容量
を大きく維持しながらも、スロワー及びスクリユ
ー軸停止時においてスクリユー軸側に自重流下し
た穀粒がスロワー側に流出することを、シユート
及び山形案内部材で回転羽根側への自重流下を制
限されたタンク内貯留穀粒の、安息角で安定した
穀粒の安息傾斜面が、前記スロワーの前記開口よ
りも流下方向での上手側に止まるように位置設定
してあることにより確実に回避できて、補修用開
口からタンク内貯留穀粒の流出の無い状態でスロ
ワーの穀粒詰まり解除作業を容易にかつ、極めて
能率良く行なうことができるに至り、全体とし
て、実用上極めて有利な穀粒タンクを提供しえる
に至つた。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、左右一対のクローラ走行
装置１を備えた機体フレーム２に搭乗運転部３及
び自動脱穀装置４を前後に隣設する状態で設け、
かつ、運転部３の後方で脱穀装置４の横側に、脱
穀穀粒回収貯留用タンク５を設けると共に、植立
穀稈を引き起す装置６、引き起された穀稈を刈取
る刈刃７、及び刈取り穀稈を脱穀装置４の脱穀搬
送装置に供給搬送する装置９等諸装置を備えた刈
取部１０を、機体フレーム２の前端に駆動昇降操
作自在に取付け、もつて、コンバインを構成して
ある。

前記タンク５を構成するに、略直方体形状に形
成されたタンク５本体を、その後端側縦軸芯Ｐ周
りで機体外側方に回動自在に、かつ、固定自在に
機体フレーム２に取付け、タンク５を機体外側方
に回動させた状態で脱穀装置４をタンク５側から
広いスペースで点検作業できるように構成してあ
る。

尚、図中１１は、タンク５本体の外側壁部に設
けた出退操作自在な張出しタンク部であり、それ
を突出揺動させることにより収穫作業時における
タンク５容量を大きくするべく構成してある。

前記タンク５からの穀粒排出構造を構成する
に、第１図、第２図及び第３図に示すように、タ
ンク５内の底部に、前後向きの穀粒排出用スクリ
ユー軸１２を、タンク５の前後全長に亘る状態で
設けるとともに、そのスクリユー軸１２の全長に
わたつて、かつそのスクリユー軸１２の上方がわ
に山形案内部材２２を設け、この山形案内部材２
２の両側端とタンク５の底壁との間に、前記スク
リユー軸１２がわへの穀粒流下通路を形成してあ
る。そして、前記スクリユー軸１２の上方に近接
してタンク５内の貯留穀粒のスクリユー軸１２側
への流下を阻止する開閉操作自在なシヤツター１
３を、前記山形案内部材２２の下面に沿つてスラ
イド操作自在に、前記スクリユー軸１２の略全長
に亘つて設けると共に、スクリユー軸１２からの
供給穀粒を揚送するスロワー１４を、タンク５後
壁下部の外面に、スロワー１４の回転羽根１４ａ
の回転軸に前記スクリユー軸１２後端部を兼用す
る状態で、かつ、スロワー１４の穀粒流入用開口
をタンク５後壁下部に形成した穀粒排出用開口に
直接的に連通接続する状態で取付け、もつて、エ
ンジン１５からの動力をタンク５前壁から突出さ
せたスクリユー軸１２に伝達するベルト伝動機構
１６に装備のテンシヨンプーリー式クラツチ１７
の操作により、シヤツター１３開き状態において
スクリユー軸１２、及びスロワー１４を一体駆動
し、シヤツター１３からの流下穀粒をスロワー１
４に連設の揚穀筒１８を介して機外に放出するよ
うに、又、スロワー１４をタンク５後壁に直結し
たことにより、タンク５部の前後長を極力コンパ
クトにしながらも、タンク５の貯留容量を大きく
するように構成してある。

又、前記シヤツター１３は、常に、スクリユー
軸１２及びスロワー１４の始動操作の後に開き操
作されるように前記クラツチ１７の操作レバー１
９に連動連結してあり、そのレバー１９操作だけ
で排出装置１２，１４の駆動操作とシヤツター１
３の開閉操作とを、排出装置１２，１４に過大の
始動負荷を与えない状態で円滑に、かつ、簡便に
行なえるように構成してある。

前記スロワー１４を構成するに、前記揚穀筒１
８を接続するスロワーケース１４ｂを、タンク５
に対してスロワー１４の回転軸芯周りて回動自在
に、かつ、付設の摩擦保持式固定装置２０により
適当回動位置で固定自在に取付け、穀粒放出時に
おいて揚穀筒１８の傾斜姿勢を、スロワーケース
１４ｂの回動機能による適宜変更できるように構
成すると共に、スロワーケース１４ｂの後面に、
開閉自在な蓋１４ｄ付きの開口１４ｃを形成し、
スロワー１４の点検・補修、並びに、スロワー１
４に詰つた穀粒の排除をその開口１４ｃから行な
うように構成してある。

前記タンク５内における貯留穀粒の流下構造に
ついて更に詳述すると、前記シヤツター１３開き
状態においてスクリユー軸１２の後端部上方に位
置する貯留穀粒をその自重流下に伴ない下降する
ほどスロワー回転羽根１４ａから離れる前方側に
案内してスクリユー軸１２に導く傾斜ガイド面２
１ａを形成した板状シユート２１を、タンク５の
全巾に亘る状態で、かつ、側面視においてタンク
５後壁の上下中間部内面からシヤツター１３及び
山形案内部材２２の上面に近接する状態に亘らせ
て取付け、もつて、通常排出時においては穀粒を
スクリユー軸１２に円滑に流下供給させるように
しながらも、スロワー１４に穀粒が詰まつて流下
途中の穀粒のためにシヤツター１３が閉じ操作で
きない場合に、詰まり穀粒排除のために開いたス
ロワーケース１４ｂの補修用開口１４ｃから、詰
まり穀粒と共にタンク５内貯留穀粒が流出するこ
とをシユート２１下縁及び山形案内部材２２の側
縁の流下穀粒に対する自重流下の制限作用によつ
て生じる、スロワーケース１４ｂの前記開口１４
ｃに向かつて形成される穀粒の安息角で安定した
安息傾斜面が、前記開口１４ｃよりも流下方向で
の上手側に止まるように位置設定されることによ
り、防止するように構成してある。

尚、シユート２１の具体的形状、並びに、その
ガイド面２１ａの具体的傾斜角度は、スロワー１
４及びスクリユー軸１２のタンク５に対する配置
関係に応じて適宜変更が可能である。

本考案は、種々の形式の脱穀機等各種の穀粒回
収用機器に備えられる穀粒タンクを対象とするも
のである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀粒タンクの実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は穀粒タンクを
示す一部切欠き側面図、第３図は第２図における
−線断面図である。 ５……タンク、１２……スクリユー軸、１３ａ
……シヤツター、１４……スロワー、１４ａ……
回転羽根、１４ｂ……ケース、１４ｃ……開口、
１４ｄ……蓋、２１……シユート、２１ａ……ガ
イド面、２２……山形案内部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穀粒搬出用スクリユー軸１２をタンク５内底部
   に設け、前記スクリユー軸１２からの穀粒を揚送
   するスロワー１４を、その回転羽根１４ａが前記
   スクリユー軸１２とほぼ同芯状になる状態で設
   け、前記回転羽根１４ａにその回転軸芯方向から
   臨む蓋１４ｄ付補修用開口１４ｃを前記スロワー
   １４のケース１４ｂに設けた穀粒タンクであつ
   て、前記タンク５内における前記スクリユー軸１
   ２がわへの穀粒流下通路を形成する山形案内部材
   ２２を、前記スクリユー軸１２の略全長にわたつ
   て、かつ前記スクリユー軸１２の上方がわに配置
   してあるとともに、前記スクリユー軸１２のうち
   前記回転羽根１４ａが設けられる側のタンク５の
   側壁と前記山形案内部材２２の上面側とにわたつ
   て、タンク内貯留穀粒を自重流下により前記回転
   羽根１４ａから離れるがわに導くガイド面２１ａ
   を有したシユート２１を設け、さらに、前記山形
   案内部材２２およびシユート２１は、その山形案
   内部材２２およびシユート２１で回転羽根１４ａ
   側への自重流下を制限されたタンク内貯留穀粒
   の、安息角で安定した穀粒の安息傾斜面が、前記
   スロワー１４の前記開口１４ｃよりも流下方向で
   の上手側に止まるように位置設定してあることを
   特徴とする穀粒タンク。