JPH0516902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば刈取部で刈取つた穀稈を脱穀部
に全量投入し脱穀処理するようにした普通形コン
バインに関し、刈刃でもつて刈取つた穀稈を掻込
オーガに取入れる刈取ヘツダーと、該ヘツダーに
取入れた穀稈を脱穀部に送給するフイーダハウス
を備えた刈取装置に関する。

「従来の技術」 従来、特開昭60−244223号公報に示す如く、フ
イーダハウス上面に蓋を設ける技術があつた。

「考案が解決しようとする課題」 前記従来技術は、蓋を着脱自在に構成すること
により蓋を取外してフイーダハウス上面を開放さ
せ、例えば手刈り穀稈を投入させることができた
が、手刈り穀稈が刈取ヘツダーに送られた後で再
びフイーダハウスから脱穀部に送給されることに
なり、穀稈の搬送系路が無駄に長くなると共に、
フイーダハウスに配設させる未刈り穀稈掻込み用
リールまたは刈刃などの不要部位も作動するか
ら、動力が無駄に消費され、またフイーダハウス
近くで行われる未刈り穀稈投入作業が危険である
等の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、刈刃で刈取つた穀稈を掻込
オーガに取入れる刈取ヘツダーと、該ヘツダーに
取入れた穀稈を脱穀部に送給するフイーダハウス
を備えた構造において、前記刈取ヘツダーまたは
フイーダハウスの少なくとも一方の側面に、刈取
ヘツダー内或いはフイーダハウス内に穀稈を投入
する穀稈投入口を開設すると共に、刈取部におけ
る手刈り穀稈投入作業に不要な未刈り穀稈掻込み
用リールなどの部位を前記投入口の開放動作と連
動させて停止させる連係手段を設けたことを特徴
とするものである。

「作用」 従つて、手刈り穀稈を前記投入口から脱穀部に
容易に送給し得、また前記投入口を介して内部の
掃除及び保守点検などを容易に行い得ると共に、
刈取部の手刈り穀稈投入作業に不要な部分を前記
投入口の開放によつて自動的に停止させるから、
手刈り穀稈投入作業を安全に行い得、取扱い操作
性並びに安全性の向上などを容易に図り得るもの
である。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は刈取部の外観部分説明図、第２図は全
体の側面図、第３図は同平面図であり、図中１は
走行クローラ２をトラツクフレーム３に装備する
機台、４は軸流式のスクリユ形扱胴５及び選別機
構６を備えていて前記機台１に搭載する脱穀部、
７は揚穀筒８を介して取出す脱穀部４の穀粒を溜
める穀物タンク、９は前記脱穀部４の下部前方に
油圧シリンダ１０を介して昇降可能に装設する刈
取部、１１は運転席１２及び運転操作部１３を備
えていて前記穀物タンク７の前方に固設させる運
転台、１４は前記穀物タンク７の後方に備えてい
てエンジン１５を内設するエンジン室、１６は前
記穀物タンク７内の穀粒を取出す穀粒搬出オーガ
である。

そして前記刈取部９は、未刈り穀稈を取入れる
穀物刈取ヘツダー１７と、該ヘツダー１７の後部
略中央に連結させて刈取り穀稈を脱穀部４に送給
するフイーダハウスである供給室１８によつて構
成すると共に、未刈り穀稈掻込み用リール１９及
び往復駆動型刈刃２０及び穀稈掻込オーガ２１と
を前記刈取ヘツダー１７に備え、前記ヘツダー１
７に取込まれる刈取穀稈を供給室１８に内設する
供給チエンコンベア２２を介し脱穀部４に送り込
んで脱穀処理するように構成している。

また前記脱穀部４の左外側には二番還元筒２３
を突出状に配備させていて、二番処理物を選別機
構６上方に戻し再脱穀及び再選別するように設け
ている。

一方、前記ヘツダー１７の後側面１７ａで供給
室１８より左側に第１穀稈投入口２４を、また供
給室１８の左側面に第２穀稈投入口２５を開設す
ると共に、これら各投入口２４，２５を蓋カバー
２６，２７で常時は閉封するように設けている。
前記第１穀稈投入口２４の蓋カバー２６は上端を
ヘツダー後側面１７ａに蝶番２８を介し開閉自在
に取付けたもので、蓋カバー２６下端部に左右ス
ライド自在に備えるロツク軸２９を、ヘツド後側
面１７ａの軸係合部材３０に係入させることによ
り前記投入口２４を蓋カバー２６で閉封保持する
と共に、前記蓋カバー２６を上動し供給室１８の
上側面１８ｂに前記ロツク軸２９をスライドさせ
摺接させることによつて該カバー２６を上動保持
つまり前記投入口２４を開放維持させるように構
成している。

また、前記第２穀稈投入口２５の蓋カバー２７
は下端を供給室左側面１８ａに蝶番３１を介し開
閉自在に取付けたもので、前記左側面１８ａの投
入口２５上方位置に備える鉤部材３２を蓋カバー
２７に係合させることにより前記投入口２５を閉
封保持すると共に、鉤部材３２の係合を解除させ
ることにより前記投入口２５を開放維持させるよ
うに構成している。なお３３は前記リール１９の
取付高さを変更するリール高さ調節用シリンダで
ある。

ところで、前記エンジン１５にベルト伝動機構
３４を介し連動連結する刈取入力軸３５に、前記
チエンコンベア２２の駆動スプロケツト３６を連
動連結すると共に、前記入力軸３５にカウンタ軸
３７をスプロケツト３８，３９及びチエン４０を
介し連動連結し、前記掻込オーガ２１のオーガ軸
２１ａをスプロケツト４１，４２及びチエン４３
を介し前記カウンタ軸３７に連動連結している。
また前記刈刃２０の駆動入力軸４４をプーリ４
５，４６及びベルト４７及びテンシヨンプーリで
ある刈刃クラツチ４８を介し前記カウンタ軸３７
に連動連結すると共に、前記掻込み用リール１９
のリール駆動軸１９ａをベルト変速伝動機構４９
及びチエン伝動機構５０及び噛合せ式リールクラ
ツチ５１を介し前記カウンタ軸３７に連動連結
し、前記入力軸３５の回転駆動力でもつてリール
１９、刈刃２０、オーガ２１並びにチエンコンベ
ア２２をそれぞれ駆動するように構成している。
そして前記第１穀稈投入口２４の蓋カバー２６に
前記刈刃クラツチ４８及びリールクラツチ５１を
ワイヤなど連結要素５２を介し連動連結させ、前
記蓋カバー２６を開放動作させるときこれに連動
させ各クラツチ４８，５１を切操作しリール１９
及び刈刃２０の駆動を停止させるように構成して
いる。

上記から明らかなように、刈刃２０で刈取つた
穀稈を掻込オーガ２１に取入れる刈取ヘツダー１
７と、該ヘツダー１７に取入れた穀稈を脱穀部４
に送給するフイーダハウス１８を備えた構造にお
いて、前記刈取ヘツダー１７またはフイーダハウ
ス１８の少なくとも一方の側面に、刈取ヘツダー
１７内或いはフイーダハウス１８内に穀稈を投入
する穀稈投入口２４，２５を開設すると共に、刈
取部９における手刈り穀稈投入作業に不要な未刈
り穀稈掻込み用リール１９及び刈刃２０などの部
位を前記投入口２４，２５の開放動作と連動させ
て停止させる連係手段であるワイヤなどの連結要
素５２を設け、前記投入口２４，２５開放操作に
よつて前記リール１９及び刈刃２０を自動的に停
止させ、手刈り穀稈投入作業などを行うように構
成している。

本実施例は上記の如く構成しており、前記刈取
ヘツダー１７にリール１９を介して未刈り穀稈を
取入れ、その未刈り穀稈の株元を刈刃２０によつ
て切断すると共に、前記ヘツダー１７略中央部か
ら供給室１８に穀稈掻込オーガ２１を介して刈取
り穀稈を送込み、その刈取り穀稈を刈取り穀稈供
給チエンコンベア２２によつて脱穀部４に送給
し、スクリユ形扱胴５によつて順次脱粒し、その
脱粒した穀粒を選別機構６を落下させる間に選別
し、整粒のみ穀物タンク７に取出すものである。

而して作業途中或いは作業終了時など機体の走
行を停止させた状態で圃場散在する拾い残しの残
稈や手刈りで刈取つた穀稈を脱穀処理する場合に
は、前記蓋カバー２６，２７の何れか一方を開放
し投入口２４，２５よりヘツダー１７内或いは供
給室１８内へその穀稈を送り込むもので、今第１
穀稈投入口２４の蓋カバー２６を開放状態とさせ
たときにはこれに連動して前記刈刃クラツチ４８
及びリールクラツチ５１が切状態となつてリール
１９及び刈刃２０の駆動が停止する。したがつて
第１穀稈投入口２４より穀稈が投入されるような
手作業時にあつては安全に作業が行え、また蓋カ
バー２６の開放時にあつて前記ロツク軸２９を供
給室１８側に伸出させ該室１８に係合させカバー
２６を供給室１８の上側面と略同じ高さ位置に位
置固定させることにより、このカバー２６を作業
の障害とさせることなくカバー２６上面に穀稈な
ど載置させることができて作業上の至便化が図
れ、さらには通常時投入口２４が蓋カバー２６で
閉封されることによつて投入口２４よりヘツダー
１７外側への穀稈飛び出しや塵埃飛散が防止され
る。また前記掻込オーガ２１やチエンコンベア２
２に穀稈詰まり事故を発生した場合或いはヘツダ
ー１７及び供給室１８を内部点検する場合などに
も前記投入口２４，２５より容易に且つ安全に行
えてその機能の安定維持が図られる。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、刈刃
２０で刈取つた穀稈を掻込オーガ２１に取入れる
刈取ヘツダー１７と、該ヘツダー１７に取入れた
穀稈を脱穀部４に送給するフイーダハウス１８を
備えた構造において、前記刈取ヘツダー１７また
はフイーダハウス１８の少なくとも一方の側面
に、刈取ヘツダー１７内或いはフイーダハウス１
８内に穀稈を投入する穀稈投入口２４，２５を開
設すると共に、刈取部９における手刈り穀稈投入
作業に不要な未刈り穀稈掻込み用リール１９など
の部位を前記投入口２４，２５の開放動作と連動
させて停止させる連係手段５２を設けたもので、
手刈り穀稈を前記投入口２４，２５から脱穀部４
に容易に送給でき、また前記投入口２４，２５を
介して内部の掃除及び保守点検などを容易に行う
ことができると共に、刈取部９の手刈り穀稈投入
作業に不要な部分を前記投入口２４，２５の開放
によつて自動的に停止させるから、手刈り穀稈投
入作業を安全に行うことができ、取扱い操作性並
びに安全性の向上などを容易に図ることができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は刈取部の部分外観説明図、第２図は全
体側面図、第３図は同平面図、第４図は駆動系を
示す説明図である。 ４……脱穀部、１７……刈取ヘツダー、１７ａ
……側面、１８……フイーダハウス、１８ａ……
側面、２１……掻込オーガ、２４，２５……穀稈
投入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈刃２０で刈取つた穀稈を掻込オーガ２１に取
   入れる刈取ヘツダー１７と、該ヘツダー１７に取
   入れた穀稈を脱穀部４に送給するフイーダハウス
   １８を備えた構造において、前記刈取ヘツダー１
   ７またはフイーダハウス１８の少なくとも一方の
   側面に、刈取ヘツダー１７内或いはフイーダハウ
   ス１８内に穀稈を投入する穀稈投入口２４，２５
   を開設すると共に、刈取部９における手刈り穀稈
   投入作業に不要な未刈り穀稈掻込み用リール１９
   などの部位を前記投入口２４，２５の開放動作と
   連動させて停止させる連係手段５２を設けたこと
   を特徴とするコンバインの刈取装置。