JP4051460B2 - トラクタ用モーアコレクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタに装荷したミッドモーアから刈草を受けて機体後部に収容するトラクタ用モーアコレクタに関し、特に、刈草の収容容積を大きく確保しつつ、ダンプ動作によって刈草を排出する際の引っ掛かりを防止して能率良く排出することを可能とするトラクタ用モーアコレクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
トラクタに装荷したミッドモーアから刈草を受けて機体後部に収容するトラクタ用モーアコレクタが知られている(特許文献1、特許文献2等を参照)。コレクタは、後輪幅に掛かる(後輪幅に及ぶ、または、後輪幅を越える)幅寸法で機体後部に取付けられる幅広かご状の通気性箱型容器であり、収容容積を大きく確保するために、機体フレームに近接する位置まで左右の後輪の間に入り込むように配置した導入部を備え、この導入部とミッドモーアとの間を案内路で接続することにより、ミッドモーアからの送出気流とともに送り出される刈草を貯留する。また、コレクタは、備えたダンプ機構により転動され、開口部を下方転向させることにより、コレクタ内の刈草を一括排出することができる。
【特許文献1】
特開2000−50715号公報
【特許文献2】
特開平10−56844号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コレクタの導入部は、左右の後輪の間に入り込んで間口寸法が制限されることから、上記ダンプ機構によってコレクタを下方転向させても、狭い導入部が災いして刈草が詰まることがあり、排草に手間取るという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、刈草の収容容積を大きく確保しつつ、ダンプ動作によって刈草を排出する際の引っ掛かりを防止して能率良く排出することを可能とするトラクタ用モーアコレクタ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、トラクタに装荷したミッドモーアから受けた刈草を後輪より後位置に収容し、同後輪幅に掛かる幅寸法に形成した箱型コレクタと、この箱型コレクタを転動動作させて収容物を排出するダンプ機構とを備えるトラクタ用モーアコレクタ装置において、
上記箱型コレクタは、その前壁部に左右後輪の間を通って刈草を導くための略トンネル状の導入部を備え、かつ、この導入部を含む前壁部を箱型コレクタと別体に構成してその全幅を開放可能に構成し、さらに、箱型コレクタの底部には、その前側の導入部の底面に及ぶ延長底板を備えると共に、導入部の底面を、この延長底板によって開放可能に構成することを特徴とする。
【0006】
上記箱型コレクタは、その前面部に備えたトンネル状の導入部を通してミッドモーアから刈草を受け、導入部と合わせて刈草を収容貯留する。貯留された刈草を箱型コレクタから排出する際は、ダンプ機構によって箱型コレクタを転動動作させると箱型コレクタが導入部から分離し、その全幅が開放された状態で転動され、内部の刈草が一括して排出される。
上記延長底板は、箱型コレクタの底部から導入部の底面に及ぶことから、箱型コレクタをダンプ動作させると導入部の底面まで含めて下方転向され、したがって、箱型コレクタとその導入部に収容された刈草が一括排出される。
0007
【発明の効果】
本発明のトラクタ用モーアコレクタ装置は以下の効果を奏する。
上記構成のトラクタ用モーアコレクタ装置は、箱型コレクタの全幅を開放可能に構成し、ダンプ動作により内部の刈草が一括して排出されることから、幅広の箱型コレクタによって収容容量を確保できる上に、ダンプ動作させた際にも人手を煩わすことなく刈草を一括して能率良く排出することが可能となる。
【0008】
上記延長底板により導入部に及ぶ範囲について刈草が一括排出されるようにするので、ダンプ後の次の草刈り稼動に際し刈草の送出路が確保され、残留刈草による滞留や詰まりを招くことなく、刈草は導入部からスムーズに箱型コレクタに送られる。
0009
【発明の実施の形態】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
0010
本発明のトラクタ用モーアコレクタ装置の構成例の透視側面図を図1に、その平面図を図2に示す。図1および図2において、トラクタには、前輪(不図示)と後輪3、3の間に草刈り用のミッドモーア4を装荷し、後輪3、3より後位置に取付けた箱型のコレクタ(箱型コレクタ)5、そのダンプ機構7等により構成したモーアコレクタ装置を備える。
0011
コレクタ5は、後輪幅に掛かる(左右後輪又はその一方の車輪幅内または幅外に及ぶ)幅寸法に形成された幅広かご状の通気性箱型容器である。コレクタ5の上部前端には支点6を形成して機体に軸支し、かつ、同コレクタ5を回動させるためのアーム8を突設し、その先端にシリンダ等によるダンプ機構7を連結する。このダンプ機構7により、アーム8を介してコレクタ5が下に開くように所定の角度範囲(図1の紙面で反時計方向に略90°)で転動動作する。
0012
コレクタ5の前壁部5aには、機体フレーム9に近接する位置まで左右の後輪3,3の間に入り込むように配置した略トンネル状の導入部11を設け、この導入部11を含む前壁部5aをその全幅で開放可能にコレクタ5と別体に構成する。導入部11の底面は、コレクタ5の底面から延びる延長底板12によって開放可能に構成する。導入部11とミッドモーア4との間は案内路(シュータ)13で接続する。
0013
上記構成のモーアコレクタ装置は、コレクタ5の前側に備えたトンネル状の導入部11を通してミッドモーア4から案内路13を介してコレクタ5に刈草を受け、導入部11と合わせて刈草を収容貯留する。貯留された刈草をコレクタ5から排出する場合は、ダンプ機構7によってコレクタ5をダンプ動作させる。このダンプ動作により、コレクタ5が別体の導入部11から分離され、その前面の前壁部5aの全幅が開放された状態で下方転向されるので、内部の刈草が一括して排出される。したがって、上記構成のトラクタ用モーアコレクタ装置は、幅広のコレクタ5によって収容容量を確保した上で、コレクタ5をダンプ動作させた際は、人手を煩わすことなく刈草を一括して能率良く排出することが可能となる。
0014
また、延長底板12がコレクタ5の底部から導入部11の底面に及ぶことから、コレクタ5をダンプ動作させると導入部11の底面まで含めて一体に下方転向される。すなわち、コレクタ5とその導入部11に収容された刈草は、コレクタ5のダンプ動作により、導入部11に及ぶ範囲の刈草が一括排出される。その上、幅の狭い案内路13を短く構成できるので、残留刈草による滞留や詰まりを減少することができる。その結果、次の草刈り稼動に際し刈草の送出路が確保され、ミッドモーア4からの刈草を導入部11からコレクタ5にスムーズに送り込み、効率良く集草することができる。したがって、コレクタ5の実質的な大容量化と集草効率の向上を図ることができる。
0015
つぎに、ミッドモーア4について、図3の断面図により説明する。以下において、前記同様の部材はその符号を付すことによって説明を省略する。トラクタの前後輪間にリフト可能に装荷するミッドモーア4につき、PTO21からユニバーサルジョイント23,23を備える伝動軸23aを介して動力を受け、ベルト24伝動によってブレード25を回転駆動する場合に、ベベルギヤケース27の主動プーリ29をベベルギヤケース27の外径より大きく形成してベベルギヤケース27の外周部の比較的低い位置Bにベベルギヤケース27とオーバラップさせてベルト24を配置する。このように、ベルト24の高さ位置をベベルギヤケース27とオーバラップさせてベルトラインBを下げ、ブレード部の全高Hを小さく構成することにより、ユニバーサルジョイント23,23の折れ角θが小さくできるので耐久性を向上するとともに、ミッドモーア4のリフト高さを大きく確保することができる。
0016
ベベルギヤケースの別の構成例として、図4のミッドモーアの平面図、図5のベベルギヤケースの断面図(a)および斜視図(b)に示すように、ベベルギヤケース31のプーリ軸33をブレード35の作用範囲(ブレード部)に近接して配置する。ベベルギヤケース31は、プーリ軸33側のベベルギヤ33aの一部がブレード部と平面視で重なるように部分的に後退した形状に形成する。このようにしてベベルギヤケース31と連結する伝動軸23aのユニバーサルジョイント23,23間の長さを大きくとることにより、軸線の折れ角度を小さくできるので、耐久性の向上を図ることができる。
0017
ミッドモーアの内部構成については、図6の断面図(a)に示すように、モーアデッキ41に近接して遊転羽根43をブレード軸45に軸支する。遊転羽根43は、モーアデッキ41の下面に沿う形状のフレーム43aと抵抗板44とを備え、同図6(b)(c)の遊転羽根43の要部拡大図とその斜視図のように、ブレード45aのボス45bにブシュ46を介して軸支し、ブレード45aの回転風力を抵抗板44に受けて回転する。この遊転羽根43により、消費動力を抑えつつ、内部に付着した刈草Aを落とすことができる。特に、濡れ草の刈草作業に際して、雪だるま式に付着堆積する刈草による草詰まりを効果的に防止することができる。
0018
つぎに、ハイダンプのコレクタ構造について説明する。図7のハイダンプコレクタを備えるトラクタの側面図に示すように、シュータ13の下半部13aの一部をコレクタ51の導入フレーム53に取り付けて構成する。詳細には、図8の要部拡大図(a)とそのA矢視部分図(b)に示すように、シュータ13の下半部13aの底部を前後に分割して構成し、コレクタ51側の分割底板54を跳ね上げ式に支軸54aによって導入フレーム53に支持するとともにその反転用のシリンダ(後述)を取り付ける。シュータ13は、機体フレーム9に取付プレート13dを介して取付け、支軸13bにその下半部13aを可動支持し、モーア4のリフト動作と対応して下半部13aを追従させるようにスプリング13cで付勢する。
0019
コレクタ51のダンプ機構は、ダンプ動作時の側面図を図9に、そのA−A線断面図(a)およびB−B線断面図(b)を図10に示すように、機体フレーム9に取り付けたゲートフレーム57から平行リンク59を介してコレクタ51のサポートフレーム61を支持し、このサポートフレーム61の前方に導入フレーム53を配置してこの導入フレーム53に分割底板54を開閉するシリンダ63を設ける。
0020
コレクタ51をダンプ動作させる場合は、平行リンク59によってコレクタ51を一定姿勢のまま振り出すように後退上昇させ、この時、シュータ13から分離した分割底板54を跳ね上げてコレクタ51の前面を押さえることにより収容物を保持し、導入フレーム53からコレクタ51を開くように後方に転動させることによって収容物を一括排出することができる。ダンプ後の下降位置では分割底板54を前方に開くことにより、シュータ13の下半部13aの底面として機能する。
0021
シュータの別の構成例として、図11の側面図(a)とそのA−A線断面図(b)に示すように、シュータ13は、支軸13bにその下半部13aを可動支持し、モーア4のリフト動作に追従させるべくスプリング13cで付勢する他に、下半部13aを開いた位置に保持してその追従動作を規制するストッパ71を進退可能に設けて構成する。
0022
このストッパ71を進出させて下半部13aの追従動作を規制することにより、シュータ13の下半部13aが開いた位置に保持されることから、メンテナンス等の後にモーア4を組み付ける際に、従来のように下半部13aを開くための押し下げ操作を要することなく、モーア4を移動してその排出口4aをシュータ13に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトラクタ用モーアコレクタ装置の構成例の透視側面図
【図2】 図1のモーアコレクタ装置の平面図
【図3】 ミッドモーアの断面図
【図4】 ミッドモーアの平面図
【図5】 ベベルギヤケースの断面図(a)とその斜視図(b)
【図6】 ミッドモーアの内部構成断面図(a)、遊転羽根の要部拡大図(b)およびその斜視図(c)
【図7】 ハイダンプコレクタを備えるトラクタの側面図
【図8】 要部拡大図(a)とそのA矢視部分図(b)
【図9】 ダンプ動作時の側面図
【図10】 図9のA−A線断面図(a)、および同B−B線断面図(b)
【図11】 シュータの別の構成例の側面図(a)とそのA−A線断面図(b)
【符号の説明】
3 後輪
4 ミッドモーア
5 箱型コレクタ(コレクタ)
5a 前壁部
6 支点
7 ダンプ機構
8 アーム
9 機体フレーム
11 導入部
12 延長底板
13 シュータ(案内路)
29 主動プーリ
31 ベベルギヤケース
43 遊転羽根
43a フレーム
44 抵抗板
54 分割底板
54a 支軸
63 シリンダ
71 ストッパ
B ベルトライン
H 全高
θ 角度

Claims (1)

  1. トラクタに装荷したミッドモーアから受けた刈草を後輪より後位置に収容し、同後輪幅に掛かる幅寸法に形成した箱型コレクタと、
    この箱型コレクタを転動動作させて収容物を排出するダンプ機構とを備えるトラクタ用モーアコレクタ装置において、
    上記箱型コレクタは、その前壁部に左右後輪の間を通って刈草を導くための略トンネル状の導入部を備え、かつ、
    この導入部を含む前壁部を箱型コレクタと別体に構成してその全幅を開放可能に構成し、
    さらに、箱型コレクタの底部には、その前側の導入部の底面に及ぶ延長底板を備えると共に、導入部の底面を、この延長底板によって開放可能に構成することを特徴とするトラクタ用モーアコレクタ装置。
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