JPH0138851Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインライン形カラー陰極線管用コンバ
ージエンス装置に関し、特に、コンバージエンス
装置に使用されるリング状コイルを巻回するため
のボビンに関する。

例えば、特公昭51−4815号公報あるいは特公昭
51−45936号公報に記載されているように、イン
ライン形のカラー陰極線管にあつては、製造時の
各部品の許容誤差のために、あるいは、各電子ビ
ームが管に対して正規な位置にある場合でも使用
する垂直および水平偏向磁界の形式によつて、
種々のミスコンバージエンスが生ずる。このた
め、上記特公昭51−4815号公報記載の発明では、
一対のＥ形コアをカラー陰極線管ネツク部に対向
配置し、両コアの各脚部に所要の補正コイルを巻
装し、これら補正コイルに水平あるいは垂直同期
の補正電流を流し、ミスコンバージエンスを補正
している。しかしながら、このように一対のＥ形
コアを使用した場合にはコンバージエンス装置が
大型化する欠点があり、また部品点数が多いため
製造が煩雑で、かつ高価になる欠点があつた。

本出願人は上記欠点を除去するために、リング
状コアに４極および６極のコイルをトロイダル状
に巻回したダイナミツクコンバージエンス用のリ
ング状コイルを端子板に固定し、該端子板を、ス
タテイツクコンバージエンス用のリングマグネツ
トを装着した装置ホルダーに取付けたコンパクト
な、構造簡単なカラー陰極線管用コンバージエン
ス装置を提案した。

本考案はこのような構成のコンバージエンス装
置において、リング状コイルの巻回に使用して好
適なリング状コイル用ボビンを提供することをそ
の目的とするものであり、特に、リング状コアに
対しコイルをボビンを介して整列巻回することを
可能としたリング状コイル用ボビンを備えたコン
バージエンス装置を提供するものである。

以下、本考案の一実施例を図面を用いて詳細に
説明する。第１図および第２図において、１は装
置ホルダーを示し、装置ホルダー１はその前部が
朝顔状に広がつており、先端にほぼリング状の端
子板取付部２が複数個（図では８個）のフレーム
部材３によつて固定されている。装置ホルダー１
の後部はコンバージエンス装置をカラー陰極線管
のネツク部に固定するための複数個（図では６
個）の管軸方向に延在する舌片４に形成されてい
る。５，６および７は装置ホルダー１に回転可能
に装着されたそれぞれ対をなすリングマグネツト
を示し、これら各対のリングマグネツト５〜７
は、例えば２極、４極、６極に磁化されており、
ピユリテイおよびスタテイツクコンバージエンス
用のものである。８はリングマグネツトロツク部
材を示し、ロツク部材８をゆるめた状態で各リン
グマグネツト５〜７を回転させ、ピユリテイ調整
およびスタテイツクコンバージエンス調整を行な
つた後、ロツク部材８を締付けてリングマグネツ
ト５〜７を最適位置に固定するものである。９，
１０および１１はスペーサを示す。１２はダイナ
ミツクコンバージエンス用のリング状コイルで、
第３図、第４図に示す如く、リング状コア１３の
両側面１３ａ，１３ｂに取着固定されたリング状
コイル用ボビン１４，１５を介してコア１３の外
周にトロイダル状に巻回され、端子板取付部２に
ビスＢを介して固定された端子板Ｔの中央開口部
に配置されている。リング状コア１３の両側面１
３ａ，１３ｂに取着されるリング状コイル用ボビ
ン１４，１５のうち、コア１３の側面１３ａ側に
取着されるボビン１４には、ボビン本体１４ａの
表面にコイル１２の巻回位置を規制する規制手段
として、略等間隔に配置された12個の突起状のセ
グメント１６が放射方向に形成され、ボビン本体
１４ａの内径部からはセグメント１６に連続して
コア１３の内径面に沿つて軸線方向に12個の突出
柱１７が突出形成される。一方、コア１３の側面
１３ｂ側に取着されるボビン１５には、ボビン本
体１５ａの表面にセグメント１６と同じく規制手
段として、コア１３に取着された際にボビン１４
のセグメント１６と位置的に対応して12個の突堤
１８が放射方向に形成される。リング状コイル用
ボビン１４のボビン本体１４ａの外周には、各セ
グメント１６の先端から連続して一体に、配線処
理用凹部１９と端子板固定用突起２０とを具備す
る12個の配線処理部兼端子板固定部２１が形成さ
れる。そして、ボビン１５の本体１５ａの内周縁
には突堤１８の延長線上にボビン１４に形成され
た突出柱１７の先端を係合する切欠き部１５ｂが
形成されている。尚、第２図中２２は端子板Ｔに
取付けられた端子ピンである。

斯かる構成のカラー陰極線管用コンバージエン
ス装置において、リング状コア１３の一方の側面
１３ａにリング状コイル用ボビン１４を接着剤、
両面接着テープ等の接着手段を用いて取着固定
し、コア１３の他方の側面１３ｂにリング状コイ
ル用ボビン１５を同じく接着手段を用いて取着固
定する。この際、ボビン１４に形成された突出柱
１７の各々の先端がボビン１５に形成された切欠
き部１５ｂの各々に係合するもので、ボビン１４
のセグメント１６、突出柱１７とボビン１５の突
堤１８が同一平面上を周回する如く位置設定がな
されている。リング状コア１３に対してリング状
コイル用ボビン１４，１５を取着固定した時点
で、ボビン１４，１５を介して６極および４極の
コイルを各２組トロイダル状に整列巻回し（具体
的には、初めに６極のコイルを互いに約30゜ずら
せた関係で２組巻回し、次に４極のコイルを互い
に約45゜ずらせた関係で２組巻回する）、ダイナミ
ツクコンバージエンス用のリング状コイル１２を
形成する。ここで、コイル１２は、第５図に示す
如く、リング状コア１３の側面１３ａにおいて
は、ボビン１４の本体１４ａに形成したセグメン
ト１６によつて巻回位置が規制され、コア１３の
他側面１３ｂにおいては、ボビン１５の本体１５
ａに形成した突堤１８によつて巻回位置が規制さ
れ、加えて、コア１３の内径面においては、ボビ
ン１４に設けた突出柱１７によつて巻回位置が規
制されるもので、リング状コイル用ボビン１４，
１５に対して整列巻回がなされ、最終的にリング
状コア１３に対して整列巻きがなされるものであ
る。ダイナミツクコンバージエンス用のリング状
コイル１２が形成された後、ボビン１４に設けた
端子板固定部２１を介してコイル１２（コア１
３）を端子板Ｔの中央開口部の所定位置に配置
し、端子板固定部２１の端子板固定用突起２０を
熱融着する等の任意の手段によりリング状コイル
１２を端子板Ｔ上に固定しかつ位置決定して、コ
ンバージエンス装置を構成するものである。

尚、本考案カラー陰極線管用コンバージエンス
装置の一実施例においては、リング状コアの両側
面に取着固定したリング状コイル用ボビンにコイ
ルの巻回位置を規制する規制手段を略等間隔に12
個設けるものについて述べたが、規制手段の数は
コイルの巻回に支障を生じない範囲で適宜に増減
できるものであり、また、規制手段の形状も、コ
イルの巻回位置を規制するものであれば実施例に
何等限定されるものではない。さらに、リング状
コアの両側面にリング状コイル用ボビンを取着固
定する手段として、接着剤、両面接着テープ等の
接着手段を用いるものについて述べたが、ボビン
がコアの側面に取着固定されるものであれば、取
着固定のための手段は実施例に限定されることは
なく、その他の構成も、上記した以外に必要に応
じて種々の変形、変更がなし得ることは言うまで
もない。

以上述べた如く、本考案のカラー陰極線管用コ
ンバージエンス装置によれば、リング状コアの少
なくとも両側面にリング状コイル用ボビンを取着
固定すると共に、リング状コイル用ボビンの表面
にコイルの巻回位置を規制する規制手段を設け、
コイルを規制手段を介してリング状コイル用ボビ
ンに対して整列巻回してなるものであり、コイル
は常に正確に位置決めされて整列巻きがなされ、
コイル分布も経年的にずれたりすることはないも
ので、安定したコンバージエンス特性を得ること
ができる上、装置のコンパクト化が実現できるも
ので、安定した特性、コストダウン、小型化が望
まれる当分野において極めて有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるカラー陰極
線管用コンバージエンス装置の側面図、第２図は
第１図の正面図、第３図は同じくカラー陰極線管
用コンバージエンス装置に用いられるリング状コ
イルを巻回するための装置で、同図Ａはリング状
コアの一側面に取着されるリング状コイル用ボビ
ンの正面図、同図Ｂは同じくリング状コアの一側
面に同図Ａに示したリング状コイル用ボビンを取
着した状態における背面図、同図Ｃは同じくリン
グ状コアの他側面に取着される他のリング状コイ
ル用ボビンの正面図、第４図は同じくリング状コ
アの両側面にリング状コイル用ボビンを取着する
前の状態におけるリング状コアおよびリング状コ
イル用ボビンの分解構成斜視図、第５図は同じく
リング状コイルの巻回状態を示すリング状コアの
部分断面図である。 １２……リング状コイル、１３……リング状コ
ア、１４，１５……リング状コイル用ボビン、１
６，１８……位置規制手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リング状コアに所要のコイルをトロイダル状に
   巻回したリング状コイルを使用するカラー陰極線
   管用コンバージエンス装置において、前記リング
   状コアの少なくとも両側面にリング状コイル用ボ
   ビンを取着固定すると共に、該リング状コイル用
   ボビンの表面に前記コイルの巻回位置を規制する
   規制手段を設け、前記コイルを前記規制手段を介
   して前記リング状コイル用ボビンに対して整列巻
   回したことを特徴とするカラー陰極線管用コンバ
   ージエンス装置。