JPH0130781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カラー陰極線管（以下CRTという）
及び偏向ヨークのミスアライメントによるミスコ
ンバーゼンスを補正する装置の改良に係る。

先ず、かかるコンバーゼンス装置の従来例を第
１図〜第３図を参照して説明しよう。第１図及び
第２図は偏向ヨークを全体として示す。１は円錐
状のコア、２はこのコア１に装着されたボビン、
３はボビン２の円環状の前側（パネル側）鍔部、
４はボビン２の円環状の後側（ネツク側）セパレ
ータ、５は垂直偏向コイル（トロイダル形コイ
ル）である。尚、水平偏向コイル（鞍形コイル）
は、図示せざるもボビン２の内側に配されてい
る。

そして、上述のミスコンバーゼンスを補正する
ために、偏向ヨークをCRTに取付ける前に、予
めセパレータ４上の適当位置に細長の磁石片６を
接着剤７にて固着する。尚、この磁石片６は第１
図の破線及び第３図に示す如く、一対のフツク
７′，７′にてセパレータ４上に固定する場合もあ
る。

かかる従来装置は、次のような欠点がある。磁
石片をボビンのセパレータの面上の任意の位置に
単に取付けるため、コンバーゼンス補正のための
調整が行ない難い。

本考案は垂直偏向磁界に影響を及ばさずして、
CRT及び偏向ヨークのミスアライメント等によ
るミスコンバーゼンスを共に、確実且つ容易に補
正することのできるコンバーゼンス補正装置を提
案しようとするものである。

以下に、トリニトロン（登録商標）の如きイン
ライン３ビーム形カラーCRTを例にとつて、第
４図及び第５図を参照して、本考案の一実施例を
詳細に説明するも、第４図に於いて第２図と対応
する部分には同一符号を付して重複説明を省略す
る。

本考案に於ては、ネツク側に円環状ガイド（後
側セパレータ）４が形成された偏向ヨークと、磁
石片８が取り付けられ円環状ガイド４への装着部
を有するホルダー９とを有し、そのホルダー９を
円環状ガイド４の周囲の任意の角度位置に装着す
ると共にホルダー９の装着の向きを選定し、磁石
片８の偏向ヨークの軸心方向の磁界の向きを任意
に選定し得るようにして成るものである。

ホルダー９は、プラスチツク等の非磁性材料か
らなり、本例では、ガイド４に跨る一対のコ字形
脚部及びその間を連結する連結部を有する本体１
０と、摘み部１１とから成る一体構造である。そ
して、本体１０の一対のコ字形脚部の一方の表面
にコ字形の磁石片８がねじ止め等により取り付け
られている。この場合、磁石片８の前後が入れ替
わるようにホルダー９をガイド４に嵌合すれば、
Ｘ線上の縦ミスコンバーゼンスの向きが反転す
る。

このホルダー９は、偏向ヨークをCRT（図示せ
ず）に装着した後、ガイド４に対する角度位置及
び磁石片８の磁界の向きを調整してミスコンバー
ゼンスを最小にした後、ガイド４に例えば接着剤
により固定する。

次に、第６図及び第７図を参照して、本考案の
他の実施例を説明する。本例では、ガイド４の厚
み方向の両側に円環状の凹溝１２，１２を設ける
と共に、ホルダー９として、矩形の板片に段部１
３を設けると共に、その段部１３と対向して磁石
片８をねじ等により取り付けて対向間隙を作り、
磁石片８が外側に来るようにホルダー９の段部を
ガイド４の凹溝１２，１２のいずれかの所望の角
度位置に嵌入せしめるようになす。

本考案によれば、YBH，APH，YCH，XCV
のパターンのミスコンバーゼンスを有効に補正で
きる。尚、YBHは第８図に示すようなＹ軸上弓
形横ミスコンバーゼンス（Ｒ，Ｇ，Ｂは夫々赤、
緑、青ビームである。以下同じ。）、APHは第９
図に示すようなＸ軸上横ミスコンバーゼンス、
YCHは第１０図に示すようなＹ軸上クロス横ミ
スコンバーゼンス、XCVは第１１図に示すよう
なＸ軸上クロス縦ミスコンバーゼンスである。

尚、磁石片のない場合に於て、YCHが正、
XCVが正のときは磁石片８をCRTのパネル側
に、又、YCHが正、XCVが負のときには磁石片
８をCRTのネツク側に設ければ、その場合のミ
スコンバーゼンスを有効に補正することができ
る。

上述せる本考案によれば、垂直偏向磁界に影響
を及ばさずして、CRT及び偏向ヨークのミスア
ライメント等によるミスコンバーゼンスを共々、
確実且つ容易に補正することのできるコンバーゼ
ンス補正装置を得ることができる。

又、偏向ヨークのミスアライメントによるミス
コンバーゼンスは、CRTを偏向ヨークに対し首
振り調整することにより補正できるが、本考案で
はその必要が無く、首振り調整が不可能な場合に
も本考案は有効である。

又、偏向ヨークの水平及び垂直偏向コイルのＺ
軸（管軸）上のずれによるミスコンバーゼンスの
補正は、首振り調整では完全でないが、本考案で
は確実に補正できる。偏向ヨークの組立精度が悪
い場合も、同様である。

尚、円環状ガイドは、ボビンの後側セパレータ
と別体にネツク側に設けても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のコンバーゼンス補正
装置を有する偏向ヨークの背面図及び側面図、第
３図は従来のコンバーゼンス補正装置の一部を示
す斜視図、第４図は本考案によるコンバーゼンス
補正装置の一実施例を施した偏向ヨークの側面
図、第５図はそのホルダーを示す正面図、第６図
は本考案によるコンバーゼンス補正装置の他の実
施例を施した偏向ヨークの一部拡大側面図、第７
図はそのホルダーを示す正面図、第８図乃至第１
１図はミスコンバーゼンスを示すパターン図であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ネツク側に円環状ガイドが形成された偏向ヨー
   クと、磁石片が取り付けられ上記円環状ガイドへ
   の装着部を有するホルダーとを有し、該ホルダー
   を上記円環状ガイドの周囲の任意の角度位置に装
   着すると共に上記ホルダーの装着の向きを選定
   し、上記磁石片の上記偏向ヨークの軸心方向の磁
   界の向きを任意に選定し得るようにしたコンバー
   ゼンス補正装置。