JPH0512912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はカラーテレビジヨン受像機等の陰極線
管上に装着される偏向ヨーク装置に関する。

〈従来の技術〉 一般に、カラーテレビジヨン受像機の陰極線管
上に装着される偏向ヨーク装置においては、各電
子銃から発射される各ラスターに対して、偏向ヨ
ークで発生する偏向磁界の印加量を調整し、コン
バージエンスヨークを用いることなく良好なコン
バージエンス特性を得ることができる。所謂セル
フコンバージヨンス型のものが実用化されてきて
いる。一方、上述した偏向ヨーク装置において
は、偏向ヨーク装置を陰極線管上に装着する際、
つまり、陰極線管と偏向ヨーク装置との組合せ時
に、両者の整合（マツチング）を良好に行なう必
要があること、また、偏向ヨーク装置を陰極線管
上に装着した後も、受像管性能のバラツキ等に起
因して、例えば、第４図に示すように、画面のＹ
軸上下点においてラスターＢ，Ｒが垂直方向のミ
スコンバージエンス（以下このミスコンバージエ
ンスをYvと称す）を生じたり、同じく画面のＹ
軸上下点においてラスターＢ，Ｒの中心（破線で
示す）とラスターＧが垂直方向のミスコンバージ
エンス（垂直コマ収差）（以下このミスコンバー
ジエンスをVCRと称す）を生じたりするもので
あること、が知られている。これに対し、近来、
偏向ヨークの後部側に数種類の磁性片を取着する
ことにより、陰極線管と偏向ヨーク装置の整合を
良好とし、かつ、Yv，VCRといつたミスコンバ
ージエンスが生じることのない偏向ヨーク装置を
得ることがなされてきている。

従来の偏向ヨーク装置においては、第５図に示
すように、偏向ヨーク装置１０の後部側でコイル
ボビン１１の後端拡大部１２の背面の電子銃
（Ｒ，Ｇ，Ｂ）の配列方向（管軸）に対して上下
に位置して、後端拡大部１２の背面に設けた対向
する一対の略Ｌ字状片からなる取付部１３を介し
て、陰極線管と偏向ヨーク装置１０との整合を行
なうための一対の磁性片１４，１５を取着固定
し、また、同じくコイルボビン１１の後端拡大部
１２の背面の管軸に対して上下斜め方向に位置し
て、ミスコンバージエンスYvを補正するための
一対の磁性片１６，１７を取着固定するものであ
つた。そし、この場合、磁性片１４，１５は、偏
向ヨーク装置１０を陰極線管上に装着する際に、
テレビジヨン受像機等のセツトメーカーによつて
取着固定がなされるものであつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、斯かる構成によれば、コイルボ
ビン１１の後端拡大部１２の背面に磁性片１４，
１５を取着固定するためのスペースを確保してお
かなければならず、この部分（取付部１３間）に
対して偏向ヨーク装置１０自体の特性を補正する
ため（例えばミスコンバージエンスVCRを補正
する等）の手段（磁性片の取着等）を設けること
はできず、偏向ヨーク装置として良好なコンバー
ジエンス特性、偏向特性のバラツキの圧縮を得る
ことが極めて困難である、という問題点があつ
た。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案の偏向ヨーク装置は上記問題点を解決す
るため、コイルボビンの後端拡大部の背面に管軸
に対して上下に位置して一対の略Ｌ字状片を対向
させ、磁性片を上下方向に調整して取付け可能と
した第１の磁性片取付部と、第１の磁性片取付部
の表面に窪みを設け、磁性片を左右方向に調整し
て取付け可能とした第２の磁性片取付部とを設
け、第１の磁性片取付部に取付けられる磁性片
と、第２の磁性片取付部に取付けられる磁性片と
を重畳して配置できるようにしたものである。

〈実施例〉 以下、本考案偏向ヨーク装置の一実施例を図面
を用いて詳細に説明する。第１図において、２０
は偏向ヨーク装置であり、磁性材料からなるコア
２１と、コア２１の外周上に直接トロイダルに巻
回された垂直偏向コイル２２と、コア２１の内面
にコイルボビン２３を介して挿着されたくら型の
水平偏向コイル（図示せず）とから構成され、ブ
ルー電子銃Ｂ、グリーン電子銃Ｇ、レツド電子銃
Ｒの３本の電子銃がインライン状に配列されたカ
ラー陰極線管２４の所定位置に締付舌片２５を縮
径することにより装着固定される。偏向ヨーク装
置２０を構成するコイルボビン２３の後部拡大部
２６の背面２６ａには、管軸に対して上下（電子
銃の配列方向に対して上下）に位置して一対の略
Ｌ字状片２７，２８を対向させてなる第１の磁性
片取着部２９が設けられ、第１の磁性片取着部２
９の表面で略Ｌ字状片２７，２８間には、第２
図、第３図に示すように、窪み部３０からなる第
２の磁性片取着部３１が設けられるものである。

斯かる構成の偏向ヨーク装置では、偏向ヨーク
装置メーカーにおいて、第２の磁性片取着部３１
に対して磁性片３２，３３を第１図の矢印Ａ方向
から取着固定し、これにより、ミスコンバージエ
ンスVCRの補正およびミスコンバージエンスYv
の補正を行ない、かつ、垂直偏向コイル２２の偏
向特性のバラツキ等の圧縮を行なつて、偏向ヨー
ク装置２０のコンバージエンス特性、偏向特性を
良好に設定し、第２の磁性片取着部３１に磁性片
３２，３３を取着固定した状態で、偏向ヨーク装
置２０に対して、テレビジヨン受像機等のセツト
メーカーによつて第１の磁性片取着部２９に磁性
片３４，３５を矢印Ｂ方向から取着固定し、偏向
ヨーク装置２０と陰極線管２４との整合（マツチ
ング）を行なうものである。ここで、各磁性片３
２，３３，３４，３５は、それぞれ最適位置に取
着固定された時点で接着剤等により位置規定がな
されるものである。

尚、本考案偏向ヨーク装置の一実施例において
は、コイルボビンの後端拡大部の背面で管軸に対
して上下に位置して磁性片を取着固定するものに
ついて述べたが、実施例の構成に加えて、必要に
応じて管軸に対して左右方向に位置して、例え
ば、画面のＹ軸上下点で生じるラスタＢ，Ｒの水
平方向のミスコンバージエンスY_Hを補正するた
めの磁性片を取着固定しても良いものである。ま
た、その他、偏向ヨーク装置の構成は実施例に限
定されるものではなく、適宜に変形、変更がなさ
れるものである。また、実施例においては、偏向
ヨーク装置メーカーが第２の磁性片取付部３１に
磁性片を取付固定し、テレビジヨン受像機等のセ
ツトメーカーが第１の磁性片取付部２９に磁性片
を取付固定しているが、両者が磁性片を取付ける
磁性片取付部を逆にしてもよい。

〈考案の効果〉 本考案の偏向ヨーク装置は以上詳細に述べたと
おりであり、以下に示す効果を生じるものであ
る。つまり、テレビジヨン受像機等のセツトメー
カーにおいて偏向ヨーク装置と陰極線管との整合
を行なうための磁性片の取着位置を確保した状態
で、偏向ヨーク装置メーカーにおいてコイルボビ
ンの後端拡大部の背面の管軸に対する上下位置に
磁性片を取着固定することができ、偏向ヨーク装
置自体のコンバージエンス特性の改善（ミスコン
バージエンスVCR，Yvの補正）、および、偏向
特性のバラツキの圧縮を行なうことができるもの
である。また、従来、コイルボビンの後端拡大部
の背面の管軸に対して上下斜め方向に位置して取
着固定したミスコンバージエンスYvを補正する
ための磁性片が不要となり、ミスコンバージエン
ス補正の簡素化、部品点数の低減が実現できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における偏向ヨーク
装置の概略背面図、第２図は同じくコイルボビン
の要部側面図、第３図は同じくコイルボビンの磁
性片取着部の拡大側面図，第４図は従来のミスコ
ンバージエンス状態のラスターの説明図、第５図
は従来の偏向ヨーク装置の概略背面図である。 ２０……偏向ヨーク装置、２３……コイルボビ
ン、２６……コイルボビン後端拡大部、２６ａ…
…後端拡大部背面、２９……第１の磁性片取着
部、３０……窪み部、３１……第２の磁性片取着
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コイルボビンの後端拡大部の背面に管軸に対し
   て上下に位置して一対の略Ｌ字状片を対向させ、
   磁性片を上下方向に調整して取付け可能とした第
   １の磁性片取付部と、 該第１の磁性片取付部の表面に窪みを設け、磁
   性片を左右方向に調整して取付け可能とした第２
   の磁性片取付部とを備えてなり、 第１の磁性片取付部に取付けられる磁性片と、
   第２の磁性片取付部に取付けられる磁性片とを重
   畳して配置することを可能としたことを特徴とす
   る偏向ヨーク装置。