JPS6310606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインライン形電子銃（３個の電子銃を
水平に直線配列した方式）を内装するカラー受像
管の偏向装置に関するものである。

インライン形電子銃を内装したカラー受像管を
使用したカラーテレビジヨン受像機においては、
原則的に第１図に示すように垂直偏向コイルより
発生する磁界をバレル分布磁界１とし、水平偏向
コイルから発生する磁界をピンクツシヨン分布磁
界２とすることによつてコンバーゼンスのずれを
補正して良好なコンバーゼンス特性をもつた画像
を再生することが行なわれている。一般にこのよ
うな方式をセルフコンバーゼンス方式と云う。

ところで、このような方式によつて良好なコン
バーゼンス効果が得られるけれども、スクリーン
の曲率および電子ビームの偏向曲率の違いからラ
スタとしての歪は依然として第２図に示すように
左右が矢印３で示すようにピンクツシヨン形状４
をなす。

従来、この左右糸巻歪を補正するために垂直信
号と同期したパラボラ状に振幅が変化する信号を
水平信号に重畳して補正する左右糸巻歪補正回路
装置を付加しているが、このような歪補正回路装
置は省資源、低価値化および簡素化という点から
みると、逆行したものであり、その改善が望まれ
ている。

この改善の１例として特開昭54−75215号公報
に示されているような構造が考えられている。即
ち、この公報の技術は垂直偏向コイルの漏れ磁界
を磁性体を使用して偏向装置のフアンネル側に導
き出し、垂直偏向バレル磁界をピンクツシヨン磁
界の方向へ影響させてやることによつてラスタの
左右糸巻歪の補正を達成しようとするものであ
る。

次にその概略を第３図乃至第６図によつて説明
する。

ところで第１図に示されているバレル形の垂直
偏向磁界１は第３図に示すような載頭円錐状コア
５₁，５₂に巻かれた１対のトロイダル巻の垂直偏
向コイル６₁，６₂によつて達成されている。

そして原理的なこととしては、ラスタの左右の
糸巻歪を補正するには垂直偏向磁界をピンクツシ
ヨン形に、また上下の糸巻歪を補正するには水平
偏向磁界をピンクツシヨン形にすればよいことは
実験的に確められており、また偏向装置によつて
発生する磁界はこの偏向装置のネツク側およびフ
アンネル側との総合的なバレル形あるいはピンク
ツシヨン磁界によつてビームのコンバーゼンスが
決定されるが、ラスタ歪はフアンネル側の磁界に
よつて強く影響されることも確認されている。

前述した技術を基にして考えられた偏向装置は
第４図及び第５図に示すように軸方向に半分に切
断した載頭円錐状コア５₁，５₂を結合して、それ
ぞれにトロイダル垂直コイル６₁，６₂を巻き、垂
直偏向コイルとし、この垂直偏向コイルにセパレ
ート７を介して、サドル形水平コイル８₁，８₂が
装着されており、更に１対のドロイダル垂直コイ
ル６₁，６₂の対向するコア５₁，５₂上に磁性体９
_１，９₂を配置する。この部分は第３図の磁束発生
図からもわかるように、上方の垂直コイル６₁に
よつて発生する磁束と、下方の垂直コイル６₂に
よつて発生する磁束が反撥し合つている所で垂直
コイル６₁，６₂より発生する磁界が最も強く、漏
れ磁界を最も効率良く拾うことが出来る。次に磁
性体９₁，９₂のそれぞれの両端からコーン側に突
出させ、スクリーンの隅部に対応した位置にアー
ム１０₁，１０₂及び１０₃，１０₄を一体的に形成
させた補助偏向器１１を設ける。従つて、このア
ーム１０₁，１０₂，１０₃，１０₄には垂直偏向磁
界と同期した磁界が発生し、カラー受像管のスク
リーン側からみた配置は第６図に示すように発生
し、第１図に示したバレル分布磁界１は、ほぼ実
線１２のようにピンクツシヨン磁界方向へ変化す
る。

前述した補助偏向器１１は硅素鋼板やパーマロ
イなどの高透磁率材料からなる磁性体で形成され
ているが、このような補助偏向器１１によつては
コンバーゼンス特性及びラスタ歪特性の両者を同
時に十分満足することは出来ず、例えば格子状画
面をスクリーン上に再現した場合、第７図に示す
ように両側に於てはバレル形１３上下に於ては歪
のあるピンクツシヨン形１４をなし、全体として
ラスタ歪の多い画像しか得られない欠点が発生し
易い。

本考案は前記欠点に鑑みなされたものであり、
補助偏向器の主としてアームの先端舌片の配設位
置によつて良好な画面を得ることが可能な偏向装
置を提供することを目的としている。

次に本考案の偏向装置の一実施例を第８図及び
第９図によつて説明する。

即ち軸方向に半分に切断した載頭円錐状コア２
５₁，２５₂を結合して、それぞれにトロイダル垂
直コイル２６₁，２６₂を巻き垂直偏向コイルと
し、この垂直偏向コイルにセパレータ２７を介し
て、サドル形水平コイル２８₁，２８₂が装着され
ており、更に１対のトロイダル垂直コイル２６₁，
２６₂の対向するコア２５₁，２５₂上に磁性体２
９₁，２９₂を配置する。次に磁性体２９₁，２９₂
の両端近傍からフアンネル側に５mm乃至30mm程度
突出させ、スクリーンの隣接する隅部を挾むよう
に磁性体２９₁にはアーム３０₁及び３０₃、磁性
体２９₂にはアーム３０₅及び３０₇のアーム群を
それぞれの磁性体２９₁，２９₂に一体に形成す
る。更にアーム３０₁と３０₅及び３０₃と３０₇の
スクリーンの垂直軸線を挾んで互に対向する部位
側に部分的に舌片３０₂，と３０₆及び３０₄と３
０₈が各アームの先端にアームと一体に形成され
た補助偏向器３１を設ける。この様にすることに
よりアーム３０₁乃至３０₇及び舌片３０₂乃至３
０₈には垂直偏向磁界と同期した磁界が発生する
のは従来の偏向装置と同様であるが、カラー受像
管のスクリーン側からみた配置は第１０図に示す
ようになる。

即ち図示しないバレル分布磁界は垂直軸線を挾
んで相対設するアームの先端の舌片３０₂と３０₆
及び３０₄と３０₈の間に於てはピンクツシヨン分
布磁界となり、また同じく垂直軸線を挾んで相対
設するアーム３０₁と３０₅及び３０₃と３０₇の間
の舌片のない部分に於ては緩やかなピンクツシヨ
ン分布磁界となり、中心部に於てはバレル分布磁
界となり、アーム３０₁，３０₃，３０₅，３０₇の
先端の夫々舌片のある部分とない部分との間には
磁界密度の小さい部分３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，
３２ｄが形成されることになり、この３２ａ，３
２ｂ，３２ｃ，３２ｄは丁度スクリーンの隅部と
なるため、第７図に示すようなラスタの歪を防止
出来ると共に上下の歪は各アーム先端の舌片３０
_２，３０₆，３０₄，３０₈により補正出来る。

また両側の歪を補正する場合は、第７図に示す
各アーム３０₁，３０₃，３０₅，３０₇の先端の舌
片を水平軸線を挾んで互に対向する部位側に設け
れば良い。（図示せず）。

上述のように本考案の偏向装置によればインラ
イン形電子銃を内装するカラー受像管を使用した
カラーテレビジヨン受像機の特性を向上すること
が可能であり、その工業的価値は極めて大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はインライン形電子銃を内装するカラー
受像管のセルフコンバーゼンス方式の偏向磁界を
示す図、第２図は第１図の場合のラスタ歪を示す
図、第３図は第１図の垂直偏向磁界を示す図、第
４図は従来の偏向装置の一例を示す斜視図、第５
図は第４図の補助偏向器を示す斜視図、第６図は
第４図の偏向装置の垂直偏向磁界を示す図、第７
図は第６図の垂直偏向磁界によるラスタ歪を示す
図、第８図は本考案の偏向装置の一実施例を示す
斜視図、第９図は第８図の補助偏向器を示す斜視
図、第１０図は第８図の偏向装置の垂直偏向磁界
を示す図である。 ５₁，５₂，２５₁，２５₂……コア、６₁，６₂，
２６₁，２６₂……垂直偏向コイル、８₁，８₂，２
８₁，２８₂……水平偏向コイル、９₁，９₂，２９
_１，２９₂……磁性体、１０₁，１０₂，１０₃，１０
_４，３０₁，３０₃，３０₅，３０₇……アーム、３０
_２，３０₄，３０₆，３０₈……舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外囲器の一端のネツク部に内装されるインライ
   ン形電子銃及びこの電子銃に対向し前記ネツク部
   からフアンネル部を介して連結される前記外囲器
   他端のパネル部にスクリーンを内装するカラー受
   像管の前記ネツク部から前記フアンネル部にかけ
   て配設され、バレル形偏向磁界を発生する垂直偏
   向コイルと、ピンクツシヨン形偏向磁界を発生す
   る水平偏向コイルとを有する偏向装置に於て、前
   記垂直偏向コイル上の漏れ磁束の最大密度付近に
   配設された一対の磁性体のそれぞれから少くとも
   前記スクリーンの隣接する偶部を挾むようなアー
   ムと、このアームから前記スクリーンの垂直軸線
   又は水平軸線を挟んで互に対向する部位側に部分
   的に舌片を前記フアンネルの方向に突出させたこ
   とを特徴とする偏向装置。