JPS5829898Y2 - 偏向ヨ−ク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジョン受像機等のブラウン管上に装着さ
れる偏向歪補正に適した構成を備えて戒る偏向ヨーク装
置に関する。

従来の偏向ヨーク装置においては、画面上に生ずる偏向
歪の補正を行なうために、第１図に示す如く、偏向ヨー
ク１のボビン２の頭部拡大部２１周面に、長手方向に着
磁された、例えば２個の棒状のマグネット３を保持具４
を介して対角状に位置して固定して戊るものであった。

しかしながら、斯かる構成の偏向ヨーク装置においては
、歪補正用のマグネット３は位置的に固定されているも
ので、マグネット３によって生ずる補正用の磁界は常に
一定となり、一定量の歪を補正する際は特に支障を生じ
ないが、歪補正用の磁界の強さ、向き等を歪に応じて微
調整することを必要とする、例えば、偏向ヨークを装着
するブラウン管のバラツキ、或は、セットのバラツキ等
に伴って生ずる種々の偏向歪を補正する場合には適用で
きないもので、応用性、適用性に乏しく、常に最良の歪
補正を行なうこと（最良の画面特性を得ること）はでき
ないものである、という欠点を有するものであった。

本考案は上記欠点を除去することを目的とした偏向ヨー
ク装置に関し、特に、微調整を必要とする偏向性の補正
に適した構成を備えて成る偏向ヨーク装置に関するもの
である。

以下、本考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明する
。

第２図において、１１は偏向ヨークであり、一対の半環
状コアを接合して環状に形成されたコア１２と、コア１
２の外面上に直接トロイダルに巻回された垂直偏向コイ
ル１３と、コア１２の内面にボビン１４を介してくら型
に巻回された水平偏向コイル（図示せず）とから構成さ
れ、ボビン１４の尾部端部に形成された締付舌片１５Ａ
を締付具１５Ｂにより縮径することにより、ブラウン管
（図示せず）上の最適位置に装着固定される。

偏向ヨーク１１のうち、ボビン１４には、第３図Ａ、Ｂ
に示す如く、頭部拡大部１４Ａの端縁から直立壁１６が
外側に向けて設けられ、直立壁１６の前面には、管軸に
対して対称状に位置して、上、下、左、右の４個所に鉤
状のマグネット取付部１７が形成され、また、頭部拡大
部１４Ａの背面にも管軸に対して対称状に位置して上、
下２個所にマグネット取付部１８が形成されており、マ
グネット取付部１７．１８の各々には、第２図の如く、
画面上に生ずる偏向歪を概略補正するための、長手方向
に着磁された棒状のマグネット１９が取着固定される。

ボビン１４の頭部拡大部１４Ａの外周面１４Ａ１には、
リング状のマグネットホルダー２０が嵌着固定される。

マグネットホルダー２０は、第４図、第５図に示す如く
、断面略コ字状をなし、溝状を威す開口部２１側が直立
壁１６に密接し、底部２２側が偏向ヨーク１１の尾部側
に位置し、内周面２３がボビン１４の頭部拡大部１４の
外周面１４Ａ１に密接した状態で個定されるもので゛、
マグネットホルダー２０の内周面２３には、ボビン１４
の頭部拡大部１４Ａに形成された嵌合孔１４Ｂに対応し
てスプリング性の突片２４が形成され、また、ボビン１
４の頭部拡大部１４Ａに形成された係止孔１４Ｃに対応
して係止突起２５が設けられており、マグネットホルダ
ー２０は、直立壁１６により位置規制され、突片２４、
係止突起２５により回転が防止されて固定されるもので
ある。

マグネットホルダー２０の開口部２１内（底部２２内面
）には、第４図に示す如く、画面の上、下、左、右４つ
のコーナー（左上、左下、右上、右下）に位置的に対応
して、計８個の円柱状マグネット２６が、開口孔２１底
面に立設した固定片２７に囲まれてそれぞれ回転自在に
取着される。

円柱状マグネット２６は、第６図に示す如く、直径方向
に２極に着磁されており、一方の端面２６Ａには、着磁
方向に回転調整用の溝２８が設けられるもので゛、マグ
ネットホルダー２０内において、溝２８が形成された端
面２６Ａを底部２２側に配置して円柱状マグネット２６
を取着するものである。

一方、マグネットホルダー２０の底部２２には、開口部
２１内に取着された円柱状マグネット２６に位置的に対
応して調整孔２９が穿設されるもので、円柱状マグネッ
ト２６の溝２８が形成された端面２６Ａは調整孔２９を
介して外部に露呈するもので、この結果、調整孔２９を
用いることにより、円柱状マグネット２６の外部からの
回転調整（ドライバー等を溝２８に嵌合させて）が威さ
れるものである。

円柱状マグネット２６の各々には、一対の板状のマグネ
ットアーム３０が取着されている。

マグネットアーム３０は、マグネットホルダー２０の開
口部２１内に円柱状マグネット２６と一体的に配置され
るもので、第７図に示す如く、その一部が円柱状マグネ
ット２６の周面に接触し、一端にブラウン管表面の形状
に沿う脚部３０Ａを有しており、マグネットアーム３０
を取着することで、特に脚部３０Ａにより、円柱状マグ
ネット２６によって生ずるビームに対する磁界（磁束）
分布を均一化し、円柱状マグネット２６を回転調整した
際のビームＢの移動軌跡（楕円軌動）Ｒを小さくするこ
とができるものである。

斯かる構成の偏向ヨークにおいて、コア１２、垂直偏向
コイル１３、水平偏向コイルをボビン１４に組み込んだ
時点で、ボビン１４の頭部拡大部１４Ａの外周面１４Ａ
１に、８個の円柱状マグネット２６が所定位置に回転自
在に取着されたリング状のマグネットホルダー２０を、
直立壁１６の後面に開口部２１側を密接させ、マグネッ
トホルダー２０の内周面２３に設けた突片２４、係止突
起２５をボビン１４の頭部拡大部１４Ａに設けた嵌合孔
１４Ｂ、係止孔１４Ｃに嵌合、係止して、位置規制（回
転移動等が生じない）した状態で嵌着固定する。

ここで、接着剤等を用いて固定を確実にしても良いもの
である。

この際、マグネットホルダー２０に取着された円柱状マ
グネット２６からは、ビームＢに対して作用する磁界が
最小となるように、各円柱状マグネット２６を回転（位
置）調整しておくものである。

そして、画面上に生ずる一定量の偏向歪は、ボビン１４
に形成されたマグネット取付部１７．１８に取着固定さ
れた棒状のマグネット１９によって概略補正され、更に
、ブラウン管のバラツキ、或は、セットのバラツキ等に
伴って生ずる偏向性の補正に関しては、マグネットホル
ダー２０に取着された円柱状マグネット２６のうち、歪
の生じている（補正を必要とする）部分のマグネットの
みを、マグネットホルダー２０の底部２２に設けた調整
孔２９を介して、溝２８を用いて回転調整することによ
り行なうものである。

この際、円柱状マグネット２６の各々からは、回転調整
に応じて、第８図に示す如く、ビームＢを移動させる磁
界が発生するもので（第８図の場合は全てのマグネット
２６を回転調整した場合を示す）、画面上のほとんどの
部分における偏向歪に関して補正が威されるものである
。

尚、本考案偏向ヨーク装置の一実施例においては、リン
グ状のマグネットホルダーに合計８個の円柱状マグネッ
トを取着するものについて述べたが、偏向性の位置、量
等に応じて、円柱状マグネットの数は適宜に増減でき、
その取着位置も実施例に何等限定されるものではない。

また、本考案の一実施例においては、円柱状マグネット
の回転トルクを保持するための機構に関しては何等示し
ていないが、必要に応じて、円柱状マグネットに対しス
プリング材等から戊る回転トルク保持機構を設けて構成
しても良いものである。

更に、本考案の一実施例においては、ボビンに形成した
マグネット取付部に棒状のマグネットを取着固定し、画
面上に生ずる一定量の偏向歪を棒状のマグネットによっ
て概略補正する構成に対して、円柱状マグネットを有す
るマグネットホルダーを嵌着固定するものについて述べ
たが、偏向ヨーク、ブラウン管等の精度の向上等により
、偏向歪が極めて小さく、棒状のマグネットによる補正
を必要としない偏向ヨーク装置に適用できることは言う
までもなく、この場合は、単に、マグネットホルダーに
取着された円柱状マグネットの回転調整のみで歪補正を
行なうものである。

以上述べた如く、本考案の偏向ヨーク装置によれば、偏
向ヨークボビンの頭部拡大部外周面に、直径方向に着磁
された少なくとも２個の円柱状マグネットをマグネット
アームを介して対角状に位置して回転自在に取着して成
るリング状のマグネットホルダーを嵌着固定したもので
あり、マグネットホルダーの円柱状マグネットを各々回
転調整することにより、歪補正用の磁界の強さ、向き等
を歪量に応じて微調整することができ、ブラウン管のバ
ラツキ、或は、セットのバラツキ等に伴って生ずる種々
の偏向性をセットに組み込んだ後においても極めて簡単
に補正できるもので、応用性、適用性に富み、常に最良
の歪補正（画面特性）を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の偏向ヨーク装置の正面図、第２図は本考
案の一実施例における偏向ヨーク装置の構成斜視図、第
３図Ａは同じくボビンの要部側面図、同図Ｂは同じくボ
ビンの要部背面図、第４図は同じくマグネットホルダー
の開口部側からみた平面図、第５図は同じく底部側から
みた平面図、第６図は同じくマグネットホルダーに取着
する円柱状マグネットの斜視図、第７図は同じく円柱状
マグネットとマグネットアームとの関係を示す説明図、
第８図は円柱状マグネットによって生ずる磁界及びビー
ムの移動を説明するための説明図である。 １１・・・・・・偏向ヨーク、１４・・・・・・ボビン
、１４Ａ・・・・・・ボビン頭部拡大部、２０・・・・
・・マグネットホルダー２６・・・・・・円柱状マグネ
ット、３０・・・・・・マグネットアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボビンの頭部拡大外周面に、直径方向に着磁された少な
   くとも２個の円柱状マグネットをマグネットアームを介
   して対角状に位置して回転自在に取着して成るリング状
   のマグネットホルダーを嵌着固定したことを特徴とする
   偏向ヨーク装置。