JPH0138065Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、化粧料または薬剤等であつて、特
に、不織布の複数枚に液体を含浸したり粉末を塗
布したりしたものの簡易容器としての開閉蓋付封
入袋に関するものである。

近年、化粧料や薬剤等を不織布に含浸せしめた
使い捨て濡れナプキン様製品が多用されてきてい
る。

化粧料については汚れの拭き取り用等に、ま
た、薬剤については消毒用等にと使用目的も多岐
にわたつており、また、その収納容器も数多く、
種類がある。

ところで、これらの中でも特にコスト的にも安
く、また、生産技術的な面でも管理し易い開閉蓋
付袋状簡易封入体が合理的な方法としてあげられ
る。

従来より、この種の方法としては、例えば、実
開昭49−47018号公報に開示されているように、
袋体の一面に中蓋部を形成し、該中蓋部に取り出
し口を開口穿設し、更に該中蓋部上に外蓋部を重
ねて中蓋部の対面に位置する外蓋面に感圧接着剤
を塗布し繰返し開閉するようにした方法がある。

しかしながら、これらの袋状封入体においての
問題点として、開口穿設されているため内包され
ている内容物と蓋部の感圧接着剤が取り出し部に
おいて常に接触していることになり、接着剤その
ものが、またはその臭気が内容物に移行して内容
物の変質や変臭が生じてしまう等の問題点があ
る。これを防ぐため、取り出し口のみ蓋部の感圧
接着剤塗布をやめて封入袋体を製作してみたが、
接着剤の部分塗布と蓋部の固定化条件とが互いに
影響し合つて、寸法精度の管理が極めて難しくな
り、また製造コストが割高になる等の理由で実用
に供し得なかつた。

一方、この種の開閉蓋付の袋状製品にあつて
は、製品販売時点において初めて使用するという
証し、すなわち、封緘的な要素を加味した機能を
合理的に付与せしめることも強く望まれている。

本考案はこれらの背景に鑑み開発されたもので
あり、その目的とする点は、従来この種の封入袋
の問題点を一掃した極めて付加価値の高い封入体
を提供することにある。

以下、実施例を図示した図面に基づき本考案を
説明すると、固定部６において接着剤または熱シ
ール、若しくは超音波シール等により開閉蓋２を
袋体１に固定している。袋体１の周縁部をシール
部５によりシールしている。このようにして、開
閉蓋２付の取り出し口３を有し、且つシール部５
にてシールされた袋体１が形成される。ここに、
前記袋体１の取り出し口３となる周辺部はミシン
目状切離部４として前記袋体１に設けてなるもの
である。

すなわち、偏平な袋体１の一面に、内容物の取
り出しが可能な大きさの領域（取り出し口３とな
る領域）を囲むミシン目状切離部４が設けられ
る。このミシン目状切離部４は、第１図に示した
ように、取り出し口３となる領域の周辺部の全周
を囲む完全な閉ループ状ではなく、周辺部の一部
にはミシン目が施されていない部分的なものであ
り、不完全な閉ループを描いている。

その使用時にあつては、指先にミシン目４を切
離すと、袋体１の一部が中蓋１０となる。この中
蓋１０はミシン目４が不完全な閉ループであるた
め、ミシン目４が施されていない部分で袋体１に
繋がつており、ミシン目４が施されていた部分で
は袋体１より引き離される。ミシン目４を切離し
た跡が内容物の取り出し口３となる。

中蓋１０は袋体１の一部をなしていたものであ
るから、使用後元に戻せば、中蓋１０は取り出し
口３をぴつたり塞ぐことができる。従つて、内容
物は中蓋１０と開閉蓋２により保護されることに
なる。

また、この袋体において、ミシン目状切離部４
が封緘機能を有するものである。

ここにおいて、袋体１のフイルムおよび開閉蓋
２のフイルムは包装される内容物によつて適宜選
定すればよく、一般的にはポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリビニー
ルクロライド、アセテートフイルム等のラミネー
トフイルムやＴダイ方式により基材フイルム上に
コーテイング的に積層するのもよい。また、極め
て透過性を有する内容物や外気の酸素、水分等の
影響を受け易いものについては７〜15Mのアルミ
フオイルを積層すればその効果は一段と高まるこ
とになる。

次に本考案の最大の要点である袋体１に取り出
し口３としてミシン目状切離部４を設けることに
ついては、ミシン目状歯形の打込み方式等が最適
であり、その形状も所望のものとして円、楕円、
細長方形、ヒシ型、角型等極めて簡単に歯型の取
り替えで処理できる。

以上の如く、本考案によれば、袋体本体が合成
樹脂フイルムまたは合成樹脂フイルムとアルミフ
オイルの積層体からなり、また開閉蓋も合成樹脂
フイルムまたは合成樹脂フイルムとアルミフオイ
ルの積層体からなり、更に中蓋も袋体本体から切
り離された合成樹脂フイルムまたは合成樹脂フイ
ルムとアルミフオイルの積層体で形成されている
ので、本考案の開閉蓋付封入袋は嵩張らず、携帯
に便利である。

また、従来の封入体においては取り出し口であ
る開口が穿設されているため、蓋部の感圧接着剤
が内容物に接触したり、感圧接着剤の臭気が内容
物に移行する等の問題があつたが、本考案によれ
ば、このような問題は一掃できる。すなわち、本
考案では、袋体の一面に不完全閉ループのミシン
目状切離し部を設け、その部分を切り離すことに
よつて内容物の取り出し口を形成するとともに、
一部分が袋体本体に繋がつた中蓋を形成し、その
中蓋の上を開閉蓋で覆うようにしている。従つ
て、使用前は取り出し口を開いていないので、内
容物は開閉蓋の悪影響を受けることなく、袋体に
より完全に保護される。使用後においては、中蓋
が袋体の一部をなしていたものであり、しかも袋
体に一部が繋がつた状態であるから、内容物を取
出した後元に戻せば、中蓋は取り出し口をぴつた
り塞ぎ、内容物は中蓋により開閉蓋と接触するこ
となく保護される。

更に、本考案によれば、ミシン目状切離部が封
緘機能を有するので、消費者は初めて使用すると
いう証を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の封入袋の斜面図、第２図はミ
シン目に沿つて切離した封入袋の斜面図である。 １……袋体、２……開閉蓋、３……取り出し
口、４……ミシン目状切離部、５……袋体シール
部、６……固定部、１０……中蓋部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開閉蓋付の取り出し口を有する封入容器におい
   て、前記封入容器が合成樹脂フイルムまたは合成
   樹脂フイルムとアルミフオイルの積層体からなり
   且つ偏平な形状をした袋体１であり、前記開閉蓋
   ２が合成樹脂フイルムまたは合成樹脂フイルムと
   アルミフオイルの積層体からなり、前記袋体１の
   一面に内容物の取り出しが可能な大きさの領域を
   囲む不完全閉ループのミシン目状切離部４が設け
   られ、該ミシン目状切離部４が切離されると一端
   部が袋体１に連続し且つ他端部が袋体１より引き
   離し可能な、合成樹脂フイルムまたは合成樹脂フ
   イルムとアルミフオイルの積層体からなる中蓋１
   ０となり、切離された跡が取り出し口３となるこ
   とを特徴とする化粧料、薬剤の封入袋。