JPH0135983B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、擁壁やカルバート等のコンクリート
の施工における移動式型枠装置に関するものであ
る。

擁壁、防音壁やカルバートのように水平方向に
長いコンクリート構造物の施工には、近年、施工
の能率化と省力化のために、大きな規模に組まれ
た型枠全体を次々と施工位置に移動して反復使用
する移動型枠工法が実施されるようになつてきて
いる。そして、この工法における型枠移動方式と
しては、台車等を用いて型枠を走行移動させるも
のが主流化されつつある。従来の移動型枠装置
は、大型の走行台車に型枠を種々調節自在に組み
付けた型式のものが殆んどであるが、このような
型枠装置では、走行台車が型枠を支持するばかり
でなく、型枠にかかる打設コンクリートの荷重を
も支持しなければならないため、頑強な構造のも
のになると共に、型枠を操作する機構が複雑とな
つて、重量が過大で取扱いが面倒であり高価にな
り、しかも走行台車を施設するのに広い場所が必
要である等、多くの問題がある。

本発明は、前述のような従来の走行移動型枠装
置の問題点を解決するためになされたもので、型
枠の下部に、そのアタチメントとして簡易に取付
けて使用することができる、型枠移動用の走行車
輪と、型枠の整形や脱型等の操作が簡便にできる
機能を備えた脚車装置を設けたことを特徴として
おり、これによつて、型枠の走行移動および型枠
の取扱いが極めて容易で省力的であると共に、安
価に製作でき、また型枠移動のための広い場所を
要さず、型枠施工が経済的、能率的に行ない得る
装置を提供せんとするものである。

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図において、Ａ，Ａは対向して配置された
一対の型枠で、その一対の型枠Ａ，Ａはその縦バ
タ８，８の上部をそれぞれ対向して屈曲させ、そ
の一方の縦バタ８の上端にはネジ杆１４を回動さ
せることによりピン１５が横方向に移動されるよ
うにした調節ジヤツキ１６が固設され、このピン
１５に他方の縦バタ８の上端部が枢着されてい
る。すなわち、両型枠Ａ，Ａはその上端部で調節
ジヤツキ１６を介して回動自在かつ間隔調節自在
な結合となつている。

そして、それら一対の型枠Ａ，Ａにはそれぞれ
その外側部に脚車Ｂが装着されている。この脚車
Ｂが装着されている。

この脚車Ｂは第４図にも示すように、上下方向
に長く形成した１本の脚本体１の下部に、下端に
車輪２を設けた支脚３が昇降自在に装着した構造
となつている。この装着機構は、通常図のように
脚本体１の上下方向に設けた油圧シリンダ４に支
脚３の上部を関連させて、油圧により昇降調節す
る。しかし、この油圧シリンダ４は脚本体１の外
部に取付けるようにしてもよく、また、油圧シリ
ンダ４に代えてネジ式のものを使つて昇降調節さ
せるようにしてもよい。そして、脚本体１の上部
とこれより所要間隔をおいた下方位置とには、上
下一対の支持アーム５，６の一端部がピン７，７
により枢着されている。それら支持アーム５，６
は平行状態としてその他端側の上方に向けて傾斜
させると共に、その他端部は、縦バタ８やせき板
９等によつて構成された型枠Ａの耐力材である例
えば縦バタ８にピン１０，１０により枢着され
る。

したがつて、脚車Ｂは支持アーム５，６を介し
て型枠Ａの縦バタ８に取付けられ、これらの間に
は平行リンク機構が形成されることになる。そし
て、この平行リンク機構には、その形状の保持お
よびその形状を適宜変形調節する手段が設けられ
ている。換言すれば、支持アーム５，６の傾斜状
態を適宜調節することのできる手段が施されてい
る。すなわち、脚本体１と縦バタ８間には、一端
部を脚本体１の下部にピン１１により枢着すると
共に、他端部を縦バタ８の下部にピン１２により
枢着した伸縮調節装置１３が設けられている。こ
の装置１３は、図においてはシリンダ式となつて
いるが、これはネジ式のものであつてもよい。

そして、本発明の型枠装置は、各脚車Ｂ，Ｂの
車輪２，２を介して地盤Ｄ上に敷設されたレール
１７，１７上に載置される。

次に、本発明型枠装置による施工例について、
第１図乃至第３図を参照して説明する。

まず、第１図のように両型枠Ａ，Ａを整型する
が、型枠の間隔や高低及び法線の調整は、調節ジ
ヤツキ１６、伸縮調節装置１３，１３の調節や支
脚３の昇降調節により適宜行なわれる。そして、
この型枠Ａ，Ａ間にコンクリートＣが打設され
る。打設コンクリートＣが硬化した後は脱型操作
を行なうが、それにはまず一方の型枠Ａの上端に
ある調節ジヤツキ１６のネジ杆１４を回動して、
第２図のようにピン１５を他方の型枠Ａに移動さ
せる。それによつて両型枠Ａ，Ａの上端間隔は矢
印のように開かれ、せき板９，９は上部の方から
コンクリートＣより剥離されることになる。次い
で、各脚車Ｂ，Ｂの伸縮調節装置１３，１３を短
縮すれば、各脚本体１，１と型枠Ａ，Ａとはそれ
ぞれ近接すると共に上下方向に相対移動すること
になる。この場合、脚本体１はレール１７によつ
て、その載置位置が規制されているので、両型枠
Ａ，Ａは第３図のようにそれぞれ脚本体１に近接
しながら持ち上げられることになり、全体の脱型
が行なえると共に型枠Ａ，Ａの下端は地盤Ｄから
昇離することになる。そこで、必要に応じて脚本
体１の油圧シリンダ４を作動して支脚３を伸長し
て脚本体を昇動させて更に型枠Ａ，Ａを上昇さ
せ、型枠Ａ，Ａを適宜な手段で押進させてやれ
ば、レール１７，１７に沿つて走行移動され次の
施工位置に運ばれることになる。そして、前記と
逆の操作を行なえば所定の整型を行なうことがで
き、以上の工程を繰返し行なうことにより、水平
方向に長い壁体等の施工が進められるのである。

第５図および第６図は本発明装置における脚車
Ｂの他の実施例を示したもので、それぞれ前記実
施例とは伸縮調節装置の取付け機構を異にさせた
ものである。

第５図の実施例のものは、脚本体１の中間部に
ブラケツト１８を突設させると共に、上部支持ア
ーム５を枢着ピン７より外方に長く突出させて延
長部１９を形成し、伸縮調節装置１３は延長部１
９とブラケツト１８とに枢着２０，２１して取付
けられている。第６図の実施例は、伸縮調節装置
１３の一端を上部支持アーム５のピン７寄りの個
所に枢着２２し、他端を下部支持アーム６のピン
１０寄りの個所に枢着２３したものである。これ
らいずれの実施例のものも、伸縮調節装置１３を
操作すれば、第１図の実施例の場合と同様の作用
が行なわれる。

本発明は上述のように構成されているので、各
種の型枠に装着して、その型枠を支持し簡易、確
実に走行移動させることができ、また、型枠と脚
車とを連結する支持アームの傾斜角度を調節する
だけの簡易な操作で、型枠の巾方向、法線の調節
や昇降等、型枠の整型や脱型も迅速、確実に行な
うことができ、しかも構造が極めて簡単で安価に
提供することができる等、多くの優れた効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の一実施例を示す正面図、
第２図及び第３図は同施工状態を示す正面図、第
４図は同脚車の装着状態を示す拡大斜視図、第５
図および第６図はそれぞれ脚車取付の他の実施例
を示す正面図である。 Ａ……型枠、Ｂ……脚車、Ｃ……コンクリー
ト、１……脚本体、２……車輪、３……支脚、４
……油圧シリンダ、５，６……支持アーム、７…
…ピン、８……縦バタ、９……せき板、１０，１
１，１２……ピン、１３……伸縮調節装置、１５
……ピン、１６……調節ジヤツキ、１７……レー
ル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上下に長く形成した脚本体に、走行車輪を備
   えた支脚を昇降調節自在に設けた脚車に、上下に
   間隔をおいて一体の支持アームの各一端部を枢着
   し、それら支持アームを平行状態で他端側を上方
   に向け傾斜させて、それら支持アームの各他端部
   を、上端部に設けた調節ジヤツキを介して互に回
   動自在かつ間隔調節自在に結合した一対の型枠の
   各外側部に枢着させると共に、該支持アームの傾
   斜状態を調節する手段を設けたことを特徴とす
   る、移動式コンクリート型枠装置。