JPS647187B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、トンネルの覆工或はカルバート構築
に使用する移動型枠装置に関するものである。

従来、トンネルのコンクリート覆工や各種カル
バートコンクリート等の施工においては、折畳み
可能な型枠を台車上に装備した移動型枠装置を使
用して作業の省力化、能率化を図るようにしてき
ているが、これまで使用されてきている装置は、
いずれも構造が複雑で重量が大であり、しかも操
作が煩雑である等多くの欠点を有していた。ま
た、装置の軽量化を図るために、型枠自体に走行
装置を設けて台車を省略した装置も開発されてき
たが、これも、装置の全体重量が軽減されたとい
うだけで、操作が面倒で熟練を要し作業能率が悪
いという欠点を有している。

本発明は、上記従来装置の欠点を改善し、構造
簡単で軽量であり、しかも操作が容易で作業能率
の極めて良好なトンネル或はカルバートの施工用
移動型枠装置を提供しようとするものである。

以下、本発明装置の実施例を図面を参照して説
明する。

第１図、第２図において、１はトンネルＡの床
面で、この床面上にはトンネルＡの長さ方向に沿
つて一対のガイドレール２，２が敷設され、この
レール２，２上には、左右に分割されて構成され
た一対の型枠体３，３を支持する走行脚車４，４
が車輪５，５を介して載置されている。

型枠体３はトンネルＡの所要覆工内面形状に適
合して形成され、例えば従来の一般的な構成のよ
うに、縦バタ６を所要間隔をおいて配置して、こ
れらを横バタ（図示を略す）で連結し、縦バタ６
の外面にせき板７を架設して構成されている。こ
れら一対の型枠体３，３は互にその頂部付近にお
いてピン８などにより回動自在に結合されてい
る。

走行脚車４は、脚柱９に車輪５を備えた支脚１
０が油圧式或はネジ式等の昇降手段１１によつて
昇降調節自在に設けられている。そして、この走
行脚車４は、中央部を互に枢着１２した開閉自在
なＸ字状支持体１３を介して型枠体３の耐力材で
ある、例えば縦バタ６に接離自在に装着されてい
る。すなわち、Ｘ字状支持体１３の一対の支持杆
１３ａ，１３ｂの各下端部は脚柱９と縦バタ６と
にそれぞれピン１４，１５により枢着され、また
各上端部は脚柱９に設けた上下方向の長孔１８と
縦バタ６に設けた上下方向の長孔１９とにそれぞ
れピン１６，１７により係合されている。

そして、一対の型枠体３，３の中間部間には、
これら型枠体３，３の間隔調節部材２０がその両
端部を、例えばそれぞれの縦バタ６，６にピン２
１，２１により枢着して架設されている。この間
隔調節部材２０には図示のようなターンバツクル
式或は油圧式等の伸縮機構２２が設けられ、その
伸縮調節によつて間隔調節部材２０のピン２１，
２１間の距離が変化し、両型枠３，３はそれらの
頂部のピン８を中心にして互に開閉動することに
なり、両型枠３，３の間隔が調節できることにな
る。

次に、本発明装置による施工要領について説明
すると、まず、第１図のように装置を車輪を介し
てガイドレール２，２上に載せて移動し、所定の
位置に固定する。そして、間隔調節部材２０を伸
縮操作して型枠体３，３の横断方向の位置決めを
行なうと共に、昇降手段１１，１１を操作して型
枠３，３を上昇させて所定の高さ位置に設定す
る。型枠体３，３が所定の位置に設定されれば、
型枠体３，３の下端に補助型枠２３，２３をセツ
トし、型枠体３，３の外側にコンクリートＢ（第
２図）を打設する。

コンクリートＢの硬化後は型枠体３，３を内方
に移動して脱型し更に縮型して次の施工位置に走
行移動させるのであるが、それには、第２図のよ
うに、まず補助型枠２３，２３を取外し、次いで
間隔調節部材２０を短縮して両型枠３，３を脚柱
９，９の方へ引寄せると共に、昇降手段１１，１
１を操作して脚柱９，９を降下させれば、型枠体
３，３は互にピン８を中心にして回動し下方部が
内側に移動して間隔が狭められると共に、型枠体
全体が下降することになり、型枠体３，３は打設
したコンクリートＢから離れて脱型されることに
なる。そして、更に昇降調節手段１１および間隔
調節部材２０の操作によつて、型枠体３，３を一
層降下させると共に内方に引寄せて縮型させ、次
の施工位置に走行移動させるのである。

上述のような工程を繰返して行うことにより、
水平方向に長いトンネル或はカルバートの施工を
進めて行くことができるのである。

以上説明したように本発明の移動型枠装置は、
互に頂部付近で回動自在に連結した一対の型枠体
の内側の各下部に、車輪を備えた支脚を昇降調節
自在に設けた走行脚車を開閉自在としたＸ字状支
持体を介して、内外方向に接離自在に装着すると
共に、両型枠体の中間部間に、両型枠体の間隔調
節部材を架設したので、型枠体の高低の調節と内
外方向への移動調節およびコンクリートからの剥
離、脱型とが、支脚の昇降操作と間隔調節部材の
伸縮操作だけで極めて簡易に行うことができると
共に、型枠全体の縮型と移動も極めて簡単であ
り、熟練者を必要とせず、作業人員も少なくてす
み、省力的で高能率の施工ができる。また、構造
が極めて簡単で軽量であり、安価に製作すること
ができ、トンネルやカルバート用移動型枠として
多大な利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による装置をトンネ
ルの施工に適用して整型した状態を示した正面
図、第２図は同じく脱型した状態を示した正面図
である。 Ａ……トンネル、Ｂ……コンクリート、１……
床面、２……ガイドレール、３……型枠体、４…
…走行脚車、５……車輪、６……縦バタ、７……
せき板、８……連結ピン、９……脚柱、１０……
支脚、１１……昇降手段、１３……Ｘ字状支持
体、２０……間隔調節装置、２３……補助型枠。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 互に頂部付近で回動自在に連結した一対の型
   枠体の内側の各下部に、車輪を備えた支脚を昇降
   調節自在に設けた走行脚車を、開閉自在としたＸ
   字状支持体を介して、内外方向に接離自在に装着
   すると共に、両型枠体の中間部間に、両型枠体の
   間隔調節部材を架設したことを特徴とする、トン
   ネル或はカルバート用移動内型枠装置。