JPH0133122B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明はトラクタに装着され使用されるロー
タリ耕耘装置に関する。

［従来の技術］ 外周部に耕耘刃を植え付けた回転耕耘軸を回転
させつつ一定方向に牽引し、耕耘を行なうように
したロータリ耕耘装置が広く使用されている。こ
のようなロータリ耕耘装置では、回転耕耘軸の回
転方向を牽引方向に対し正逆両方向に切換え使用
することができるようにしておくのが実用上望ま
しいが、回転耕耘軸の回転方向とこれに植え付け
られている耕耘刃の向きとが一定の方向に揃つて
いなければならないので、正転・逆転の切換えは
必ずしも容易ではなかつた。

回転耕耘軸の回転方向と耕耘刃の向きとの関係
を一定に保つたまま、装置全体を逆向きに牽引す
ることとすれば、結果的に正逆両回転で使用する
ことができることに着目し、例えばロータリ装置
を３点リンク機構に対し反転姿勢に連結可能とし
たものが提案されている（実公昭54−8004号）
が、従来のものは反転連結のための着脱個所が多
く、しかもそれぞれの個所を前後方向、上下方向
に位置調節しながら着脱しなければならなかつた
ので、反転操作が複雑で、正逆切換えに多大の手
間を必要とした。

［発明が解決しようとする課題］ この発明は上記事情に鑑みなされたもので、正
転・逆転の切換えが容易な実用性の高いロータリ
耕耘装置（以下、単に耕耘装置と呼ぶ）を提供す
るものであり、これについて説明する。

［課題を解決するための手段］ この発明にかかる耕耘装置は、耕耘刃が植設さ
れた回転耕耘軸とトラクタのPTO回転動力を受
け入れる入力軸が前後両側にそれぞれ突設された
ギヤユニツトとを有する耕耘機本体と、トラクタ
のリフトアームに対する連結手段を有し前記耕耘
機本体に対し着脱自在な保持枠とを備え、前記ギ
ヤユニツトは一方の入力軸を前に向けてトラクタ
のPTO軸に接続した場合に他方の入力軸を前に
向けて接続した場合と牽引方向に対し反対向きに
回転耕耘軸を回転させる傘歯車装置を内蔵すると
ともに、前記耕耘機本体は保持枠に対し前後に向
きを振り替えて取付け可能で、かつ耕耘機本体と
保持枠には互いに上下方向に係合し固定すること
のできる取付け部材がそれぞれ設けられ、これら
の両側の取付け部材によつて耕耘機本体と保持枠
とが結合一体化されることを特徴としている。

［作用］ 保持枠をトラクタのリフトアームで吊り上げて
耕耘機本体から取り外し、入力軸をPTO軸から
切り離した状態でトラクタを自走により耕耘機本
体の後側へ反転移動させ、再度保持枠を降ろして
耕耘機本体に固定するとともに、反対側の入力軸
をPTO軸に接続することにより、耕耘軸の回転
方向を容易に切り換えることができる。

［実施例］ 以下、実施例をあらわす図面について説明す
る。

第１図はこの発明にかかる耕耘装置の１例をあ
らわす斜視図、第２図は本体と保持枠とを分離し
た状態をあらわす外観図である。この耕耘装置１
は、耕耘機本体２と該本体２に対し着脱自在に取
り付けられる保持枠３とからなる。本体２はその
中央部にギヤユニツト４をそなえ、このギヤユニ
ツト４の前後には入力軸５，５′が対称的に突設
されている。また、ギヤユニツト４の両側部には
駆動軸パイプ６が設けられ、この駆動軸パイプ６
の内部に駆動軸７が収納されている。駆動軸パイ
プ６の一方の端部にはチエーンケース８が設けら
れ、この内部に駆動軸７に固着されたスプロケツ
トホイール９が収納されている。また、駆動軸パ
イプ６の反対側端子には軸受板８′が設けられ、
これに取り付けられたベアリングによつて駆動軸
の端部が支承されている。本体２の下部には複数
の耕耘刃１０をそなえた回転耕耘軸１１が設けら
れ、該回転耕耘軸１１の端部に固着されたスプロ
ケツトホイール９′が上記駆動軸７のスプロケツ
トホイール９とチエーン１２で結ばれている。こ
れらギヤユニツト４と他の伝動部品、すなわち駆
動軸７、スプロケツトホイール９，９′、チエー
ン１２等は駆動力を回転耕耘軸１１に伝える伝動
機構を構成する。トラクタ（図示せず）のPTO
軸から入力軸５，５′に伝えられた回転駆動力は、
ギヤユニツト４内の傘歯車装置により駆動軸７に
伝えられ、チエーン１２を介して回転耕耘軸１１
を回転させる。前後いずれの入力軸から入力して
も、回転耕耘軸１１の回転方向は第４図に示す如
く同一側面視において同一方向（索引方向に対し
ては逆方向）である。なお、回転耕耘軸１１のま
わりにはロータリカバー１３が設けられ、その側
部にスタンド１４，１４′が設けられている。

本体２の上記ロータリカバー１３上面には、ギ
ヤユニツト４を挟むようにして１対の取付け部材
１５が設けられている。取付け部材１５は第３図
に示すように上に開いた溝１５ａをそなえ、この
溝１５ａの側壁にはピン穴１５ｂが設けられてい
る。また、取付け部材１５の中央部には切欠き部
１５ｃが設けられ、該切欠き部１５ｃに駆動軸パ
イプ６が嵌入している。この取付け部材１５の溝
１５ａには保持枠３の取付け部材１６が前後いず
れの向きにも嵌着される。保持枠３の取付け部材
１６は、前記本体２側の取付け部材１５のピン穴
１５ｂに対応する位置に同様な１対のピン穴１６
ａをそなえ、両ピン穴の中間部には下端部から切
込み１６ｂが形成されている。保持枠側の取付け
部材１６は、この切込み１６ｂに駆動軸パイプ６
を嵌入させた状態で本体側の取付け部材１５に嵌
着され、両者のピン穴に固定用のピン１７が挿入
される。なお、ピン１７には細孔１７ａが設けら
れており、両取付け部材に挿入した状態でこの細
孔に抜止め用の割ピンが挿入される。

保持枠の両側の取付け部材１６の前端部には、
動力農機に連結するための下部リンク用取付けピ
ン１８が設けられるとともに、中間部には両側の
取付け部材を連結する基軸２０が設けられてい
る。また、この取付け部材には上方に突出する１
対の支持部材２１が設けられ、上記基軸２０に１
体に設けられている１対の連結部材１９がこの支
持部材２１によつて支持されている。また、取付
け部材１６の後部には２本の支持アーム２２が枢
着されている。

２本の支持アーム２２はそれぞれ、筒状部２２
ａとこれに摺動自在に嵌合した軸部２２ｂとから
なり、両者はボルト２３で固定されているが、ボ
ルト２３をゆるめればその突出長さを調節するこ
とができる。支持アーム２２の後端部には横棒２
４が固着され、この横棒２４の両端部に設けられ
た支持筒２５に尾輪２６の支柱２７が嵌着されて
いる。支柱２７はボルト２８により支持筒に固定
されているが、このボルト２８をゆるめればその
固定位置を上下に調節することができる。支持ア
ーム２２の中間部には、両アームを接続一体化す
る中棒２９が設けられ、これにジヤツキ３０の下
端部が枢着されている。ジヤツキ３０の上部は連
結部材１９から突出させた支持板３１に取り付け
られており、このギヤツキ３０のハンドル３０ａ
を回すことにより尾輪の上下位置を調節すること
ができる。これら取付け部材１６、連結部材１
９、基軸２０、支持アーム２２、横棒２４、尾輪
２６、ジヤツキ３０等は保持枠３を構成し、これ
らを１体として本体２に対し着脱することができ
る。

第４図は耕耘装置本体の概略側面図であり、同
図において牽引方向が矢印Ａ方向、回転耕耘軸１
１の回転方向が矢印Ｘ方向である。いわゆるダウ
ンカツトの状態を正転状態とすれば、回転方向は
Ｘ方向のままで牽引方向を矢印Ｂ方向に切り換え
るだけで、これを逆転状態（いわゆるアツプカツ
トの状態）とすることができる。すなわち、耕耘
刃１０の向きと回転方向との関係を一定に保つた
まま、牽引方向を逆向きに切りかえるだけで正
転・逆転の切換えを行なうことができるのであ
る。

この耕耘装置１は、保持枠３側の取付け部材１
６と本体２側の取付け部材１５を貫通するピン１
７を抜き取り、トラクタのリフトアームを上動さ
せて両取付け部材１５，１６を上下に分割するこ
とにより、本体２と保持枠３を分離することがで
き、分離した保持枠を本体に対し逆向きに取り付
けるだけで容易に牽引方向を逆向きに切り換える
ことができるので、耕耘作業における正転・逆転
の切換えがきわめて容易である。すなわち、保持
枠３をトラクタに連結したままリフトアームを上
動させて該保持枠を本体２から上方へ切り離し、
その状態でトラクタを本体の反対側に自走移動さ
せて前後反転し、保持枠を本体上に下降させるこ
とにより、本体を前後に振り替えた状態で保持枠
に着けかえることができる。保持枠の着けかえに
際しては尾輪２６を一時的に持ち上げる必要があ
るが、図示例の耕耘装置はその本体２にスタンド
１４，１４′をそなえているので、尾輪を持ち上
げても本体が倒れることはない。なお、尾輪２６
は必ずしも必要ではなく、場合によつてはこれを
設けておかなくてもよい。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、この発明にか
かる耕耘装置は、主としてそれが装着されるトラ
クタ自体の機能すなわちリフトアームの上下動
と、トラクタの自走反転動作とを有効に利用して
簡単な操作で耕耘機本体を前後振り替えて装着す
ることが可能となり、しかも前後反転して牽引す
る場合に耕耘刃の回転方向が索引方向に対し反対
向きとなるので、正転状態における耕耘作業と、
逆転状態における耕耘作業とを容易に切り換える
ことのできる、きわめて実用性の高いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかる耕耘装置の１例をあ
らわす斜視図、第２図は本体と保持枠とを切り離
した状態における斜視図、第３図は要部の拡大
図、第４図は本体の概略側面図である。 １……耕耘装置、２……本体、３……保持枠、
４……ギヤユニツト、５，５′……入力軸、６…
…駆動軸パイプ、７……駆動軸、８……チエーン
ケース、１０……耕耘刃、１１……回転耕耘軸、
１５……取付け部材、１６……取付け部材、１７
……ピン、１９……連結部材、２２……支持アー
ム、２６……尾輪、３０………ジヤツキ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 耕耘刃が植設された回転耕耘軸とトラクタの
   PTO回転動力を受け入れる入力軸が前後両側に
   それぞれ突設されたギヤユニツトとを有する耕耘
   機本体と、トラクタのリフトアームに対する連結
   手段を有し前記耕耘機本体に対し着脱自在な保持
   枠とを備え、前記ギヤユニツトは一方の入力軸を
   前に向けてトラクタのPTO軸に接続した場合に
   他方の入力軸を前に向けて接続した場合と牽引方
   向に対し反対向きに回転耕耘軸を回転させる傘歯
   車装置を内蔵するとともに、前記耕耘機本体は保
   持枠に対し前後に向きを振り替えて取付け可能
   で、かつ耕耘機本体と保持枠には互いに上下方向
   に係合し固定することのできる取付け部材がそれ
   ぞれ設けられ、これら両側の取付け部材によつて
   耕耘機本体と保持枠とが結合一体化されることを
   特徴とするロータリ耕耘装置。