JPH0133103Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一定数の賞球を排出するためのパチン
コ機の賞球排出装置に関する。

周知のようにパチンコ機は入賞した打球を制御
器により１個宛に制御し、制御器の作動と関連し
て賞球を排出したら作動状態の制御器を復元しな
ければならない。

従来から、制御器の復元動作と共に賞球排出装
置の排出動作とを電磁ソレノイドを利用して駆動
することが考えられていた。しかし、電磁ソレノ
イドの制御信号としては、制御器の傾動により放
出された入賞球を検出し、この検出信号を利用し
ていた。このため、賞球排出装置の動作時間が制
御器の作動間隔に左右されてしまい、賞球排出装
置での賞球の排出動作時間と球補填時間を確保す
ることが困難であつた。特に、打球が連続的に或
いは同時に複数入賞することがあると、制御器の
動作間隔も短くなり、賞球排出装置の排出動作が
不完全な状態で補填動作に移行したり、逆に、球
の補填が不十分であるにもかかわらず、排出動作
に移行してしまい、賞球数が不規則となり遊技者
に不信感を与える原因となつていた。

そこで、本案は、賞球排出装置での賞球の排出
動作時間と球補填時間を確保して、一定数の賞球
を正確に且つ確実に排出できるパチンコ機の賞球
排出装置を提供しようとするものである。

以下に本考案を図示の実施例について説明する
と、パチンコ機の遊技盤１裏面には集合樋２を有
し、遊技盤表面の入賞口（図示せず）に入つた入
賞球は集合樋２に導かれて底面の傾斜下端に形成
した排出口３に流出する。

排出口３には途中が枢着された制御器４が臨
み、該制御器４は排出口３から放出する入賞球を
受入れたとき該入賞球の重量で傾動し、内部の入
賞球を入賞球流下樋５に放出して傾動状態で静止
する（第１図鎖線）。制御器４の傾動状態で打球
が入賞して排出口３にまで導かれても、排出口３
は制御器４の先端上面に設けたストツパ４′で塞
がれているので入賞球が放出しない。

制御器４には、傾動状態のとき入賞球流下樋５
の内部に突入するストツパー杆６を垂設し、入賞
球流下樋５の内部にはストツパー杆６の上流側に
位置させて入賞球用検出機構７（例えばマイクロ
スイツチ）を設ける。

入賞球検出機構７は通常ではOFFであるが、
上面に球が載るとONになる。したがつて入賞球
排出口３から入賞球を受け入れた制御器４が傾動
状態となつて内部の入賞球を入賞球流下樋５に送
るとともにストツパー杆６が流下樋５を塞ぎ、入
賞球がストツパー杆６で止められて入賞球検出機
構７に載るとONになる。入賞球検出機構７が
ONになると電気的に接続する賞球排出用駆動源
８（例えば電磁ソレノイド）が励磁し賞球排出機
構９が作動して一定数の賞球を遊技者に排出す
る。また、入賞球検出機構７は制御器復元用駆動
源１０（例えば電磁ソレノイド）に電気的に接続
するので、入賞球検出機構７がONになると制御
器復元用駆動源１０が励磁して傾動状態にある制
御器４の後端を押圧し、集合樋２に連通する状態
に復元する。

入賞球流下樋５は第１図の実施例で示すよう
に、傾動した制御器４に臨む流入口から入賞球検
出機構７が位置する流路間を逆コ字状に折曲げ、
流路を長く設定している。このため、制御器４か
ら放出された入賞球は該折曲げられた流路内を転
動し、一定時間遅れて入賞球検出機構７の上面に
載ることとなる。従つて、入賞球が連続した場合
であつても、制御器４が復元した後、制御器４が
次の入賞球を受入れて傾動し、内部の入賞球を入
賞球流下樋５に放出して、該入賞球が入賞球検出
機構７により検出されるまでの時間が常に一定と
なる。即ち、この時間内は、賞球排出用駆動源８
が消磁状態となつており、球の補填が行なわれる
ため、制御器４の動作間隔にかかわらずに常に一
定の球補填時間を確保することができる。

集合樋２の表面一側には基板１１を添設してあ
り、該基板１１には賞球貯留タンク１２、タンク
１２から賞球１列又は２列にして流出させる導出
樋１３、導出樋１３に連通している賞球貯留部１
４が作動したとき内部に存在する一定数の賞球を
パチンコ機表面の上部受皿又は下部受皿（図示せ
ず）に送る賞球排出樋１５、賞球排出機構９を構
成する賞球貯留部１４を作動する賞球排出用駆動
源８などを設けてあり、賞球排出用駆動源８はリ
ンク機構１６を介して賞球貯留部１４に接続す
る。

導出樋１３の途中には球が有ればONとなり、
無ければOFFとなるスイツチ機構１７を臨ませ
て制御器復元用駆動源１０の電気回路に直列に接
続し、導出樋１３に球が有つたときのみ制御器４
の復元を可能にしている。したがつて賞として排
出する球が不足すると、打球が入賞しても制御器
４は傾動状態を維持するので、入賞球はタンク１
２に球が補給されるまで排出口３で待期する。

賞球貯留部１４は第１図の実施例では長さの途
中を軸着した縦方向の筒材として示され、開放上
端部１４′が導出樋１３の下端流出部１３′に連通
している状態では開放下端部１４″が賞球排出樋
１５の上端阻止片１５′で塞がれ、回動して開放
上端部１４′が導出樋１３の先端下面で塞がれた
状態（第１図鎖線）では開放下端部１４″が賞球
排出樋１５に連通する。

そして開放上端部１４′が塞がれた状態では賞
球貯留部１４の上端に延設した舌片１８が導出樋
１３の下端流出部１３′を塞ぎ、導出樋１３から
球が流出するのを防ぐ。したがつて開放上端部１
４′が下端流出部１３′に連通している状態では賞
球貯留部１４に導出樋１３からの球が一定数だけ
貯留し、賞球排出用駆動源８により賞球貯留部１
４が回動すると内部の球が賞球排出樋１５からパ
チンコ機表面の受皿に排出する。そして賞球貯留
部１４が戻り回動して開放上端部１４′が下端流
出部１３′に連通すると、賞球貯留部１４に導出
樋１３からの球が貯留する。

第２図は上記した入賞球検出機構７、駆動源
８，１０及びスイツチ機構１７の電気回路図を示
す。この実施例によれば、遅延タイマー１９とス
イツチ機構１７とを接続し、該遅延タイマー１９
の接点１９′と制御器復元用駆動源１０を直列に
接続すると、制御器復元用駆動源１０は遅延タイ
マー１９の設定時間だけ賞球排出用駆動源８より
も遅れて作動する。したがつて制御器４は、賞球
貯留部１４が内部の球を完全に排出してから復元
し、次の入賞球を受け入れる状態になる。このよ
うに制御器４の復元を賞球排出時よりも遅らせる
と、打球が連続に或いは同時に複数入賞すること
があつても、制御器４が一定時間間隔で入賞球を
放出するので賞球貯留部１４が内部の球を完全に
且つ確実に排出することができる。したがつて打
球が極く短時間に多数入賞しても遊技者には常に
一定数の賞球を確実に排出することができ、賞球
不足などのトラブルを防止することができる。

また、一個の電気的駆動源（例えばロータリー
ソレノイド）で賞球排出と制御器４の復元を制御
することができる。第３図の実施例は、ロータリ
ーソレノイド２０の軸２１に横方向に位置する回
動杆２２を設け、該回動杆２２の一端には制御器
４に臨む押圧杆２３を垂設し、他端にはロツド２
４を接続して賞球貯留部１４に連絡する。押圧杆
２３の下端には押圧部２３′を形成し、制御器４
の後方側面から突出するピン２５に一定の隙間を
おいて上方から臨んでいるので、下降開始位置か
ら少し下降してピン２５に係合し、継続して下降
を続けてピン２５を押し下げ、傾動状態にある制
御器４を復元することができる。ロータリーソレ
ノイド２０が消磁しているときは、スプリング２
６の付勢によつて賞球貯留部１４は導出樋１３に
連通し、押圧杆２３の押圧部２３′は上昇して制
御器４のピン２５から一定の隙間をおいて離隔し
た位置にある。

しかし、打球が入賞して制御器４が傾動し、入
賞球検出機構７が入賞球を検知してONになると
接続するロータリーソレノイド２０が励磁する。
ロータリーソレノイド２０が励磁すると軸２１に
設けた回動杆２２がスプリング２６の付勢に抗し
て第３図中矢印の方向へ回動する。回動杆２２が
回動すると一端のロツド２４が上昇すると同時に
他端の押圧杆２３が下降する。ロツド２４は上昇
すると賞球貯留部１４を回動して内部の球を賞球
として遊技者に排出し、押圧杆２３は一定間隔そ
のまま下降を続けてピン２５に係合し、更に下降
してピン２５を押し下げ、制御器４を復元する。
そしてロータリーソレノイド２０が消磁すると、
スプリング２６の付勢によつて押圧杆２３が上昇
するとともにロツド２４が下降し、賞球貯留部１
４を戻り回動させ導出樋１３から球を補填する。
この場合においては、制御器４に垂設するストツ
パー杆６の長さ、または入賞球検出機構７のスイ
ツチを開閉する踏板の長さを賞球排出機構９の排
出動作に要する時間に合せて設定すると良い。

この実施例によれば、一個の電気的駆動源でも
機械的に制御器４の復元動作を賞球排出機構９の
排出動作より一定時間遅れて作動させることがで
きる。

一定数の球を賞球として排出する賞球排出機構
９は上記実施例の他に、第４図で示すように、導
出樋１３と賞球排出樋１５とを連結する縦樋２７
の一側上下にスリツト２８，２８′を開設し、縦
樋２７に沿つて設けた縦長な規制杆２９の上下端
に各スリツト２８，２８′から縦樋２７の内部に
出入りする係止爪３０，３０′を設ける。そして
規制杆２９の高さの途中には腕杆３１を延設して
途中を軸３２で軸着し、腕杆３１の先端３１′を
賞球排出用駆動源８に接続する。そしてスプリン
グ２６により下方の係止爪３０′が下方のスリツ
ト２８′から縦樋２７の内部に突入して内部の球
を受け止めているように規制杆２９を付勢する。

第４図の実施例は上記のようにしてなるので、
常には導出樋１３内の球が縦樋２７に流入して下
方の係止爪３０′で止められている。しかし打球
が入賞して入賞球検出機構７がONになり賞球排
出用駆動源８が作動すると腕杆３１の先端３１′
は上方に移動する。腕杆３１の先端３１′が上方
に移動すると軸３２を中心に規制杆２９が傾動し
て上方の係止爪３０がスリツト２８から縦樋２７
の内部に突入するとともに下方の係止爪３０′が
縦樋２７から外れる。したがつて両スリツト２
８，２８′の間隔内の球が排出樋１５を伝わり、
賞球として遊技者に排出する。そして賞球排出用
駆動源８が消磁すると規制杆２９が戻り傾動して
下方の係止爪３０′が縦樋２７内に突入し、内部
の球を受け止める。したがつてこの実施例におい
ても入賞球検出機構７の検出によつて賞球が排出
することになり、また、制御器が復元する。

以上の説明からも明らかなように本考案によれ
ば、制御器の動作間隔にかかわらず、賞球排出機
構での賞球の排出動作時間と球補填時間を確実に
確保することができるので、特に打球が極く短時
間に多数入賞しても、遊技者には常に一定数の賞
球を正確に且つ確実に排出することができる信頼
度の高いパチンコ機の賞球排出装置を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
概略正面図、第２図は電気回路図、第３図は他の
実施例の斜視図、第４図は賞球排出機構の他の実
施例の概略正面図である。 ２……集合樋、３……排出口、４……制御器、
５……入賞球流下樋、７……入賞球検出機構、８
……賞球排出用駆動源、９……賞球排出機構、１
０……制御器復元用駆動源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定数の賞球を排出動作する賞球排出機構を賞
   球排出樋に臨ませ、入賞球１個を受けたとき傾動
   する制御器を集合樋の排出口に設け、制御器の傾
   動により放出される入賞球が流下する入賞球流下
   樋に入賞球検出機構を臨ませ、該入賞球検出機構
   を賞球排出機構と制御器とを駆動する駆動源に連
   絡し、該入賞球検出機構の検出信号により制御器
   の復元動作を賞球排出機構の排出動作より一定時
   間遅れて作動させることにより賞球の排出動作時
   間を確保すると共に、上記入賞球流下樋における
   制御器から入賞球検出機構迄の長さを所定の長さ
   に設定して賞球排出機構の球補填時間を確保する
   ようにしたことを特徴とするパチンコ機の賞球排
   出装置。