JPS6118931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、打球が入賞する度に一定数の賞球を
パチンコ機前面の上部供給皿又は下部受皿へ排出
するパチンコ機の賞球排出装置に関するものであ
り、入賞球集合樋から流出する入賞球を上下動す
る昇降部材によつて１個宛揚送して制御し、揚送
する入賞球が直接賞球流下機構を作動するように
したものである。

従来の賞球排出装置は、入賞球の自重で傾動す
る制御器を設け、該制御器によつて入賞球を１個
宛に制御すると共に、該制御器をリンク機構等に
よつて賞球流下機構に接続して賞球を排出した
り、或いは制御器によつて１個宛に制御した入賞
球を検出器で電気的に検出し、該検出器からの信
号によつて励磁する電磁ソレノイドで賞球流下機
構を作動して賞球を排出する。この様な賞球排出
装置においては制御器を復元するためのリンク機
構やロツド、或いは賞球排出のタイミングをとる
ための長尺な流下樋を遊技盤に取付けなければな
らない。したがつて、遊技盤の裏面は上記リンク
機構や流下樋等の諸機構が入り組んで複雑にな
り、例えば近時大型化する特別遊技装置の邪魔に
なる。

また、例えば特開昭54−97126号公報に記載さ
れているように、入賞球集合樋から流下する入賞
球を上下動する昇降部材によつて１個宛揚送し、
揚送する入賞球が直接賞球流下機構を作動するよ
うな賞球排出装置であつても、常に駆動源により
昇降部材が連続的に作動していると、入賞球集合
樋から流下する入賞球を迅速に且つ確実に揚送す
ることができない。即ち、昇降部材が上昇してい
るとき入賞球が流下してきても、昇降部材が最上
昇位置となつた後、再度最下降位置となるまで入
賞球を受入れないので、入賞球は昇降部材の直前
で待機していなければならず、打球が入賞しても
迅速な賞球排出を行なうことができない。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、入賞球
集合樋の排出口に上下動しながら入賞球を１個宛
に制御する昇降部材を設け、昇降部材の上方には
入賞球が直接押圧して上昇する受動片を臨ませ、
該受動片を賞球流下機構に接続するとともに、入
賞球を検出する第１検出器と、賞球流下機構の１
作動を検出する第２検出器を設け、入賞球集合樋
を流下する入賞球と昇降部材の動作とを関連付け
て、迅速で且つ確実な賞球排出が可能なパチンコ
機の賞球排出装置を提供するものである。

以下本考案を実施例の図面にもとづいて説明す
る。

パチンコ機の遊技盤１の裏面には入賞球を集め
る入賞球集合樋２を有し、遊技盤２の表面に設け
た入賞口（図示せず）に入つた入賞球は入賞球集
合樋２に導かれて底面２′の傾斜下端に横に向け
て形成した排出口３に流出する。排出口３には縦
方向に連通する揚送樋４が接続すると共に、該揚
送樋４内には入賞球を１個宛載せる球載置部５を
上面に形成して駆動源６（例えばモーター）の駆
動により上下動する昇降部材７が下方から臨んで
いるので、排出口３から流出する入賞球は球載置
部５が排出口３より下方に位置したとき昇降部材
７の球載置部５上に載る。昇降部材７の上方に
は、球載置部５に球が流れ込む間隔を設けて受部
８を位置させる。該受部８は上下動自在な受動片
９の下端に取付いているので、昇降部材７の球載
置部５上に載つて揚送樋４内を上昇する入賞球は
上昇途中で受部８に接し、該受動片９を押し上げ
る。なお、この時球載置部５の側面に設けた係止
壁１０は排出口３を塞ぐので、集合樋２からの入
賞球は流出しない。受動片９は、一定数の賞球を
放出する賞球流下機構１１にリンク機構１２を介
して接続するので、入賞球が受動片９を上昇する
と賞球流下機構１１は遊技者に一定数の賞球を排
出する。

昇降部材７の球載置部５は下流側（第１図中右
側）に向つて緩く下り傾斜すると共に、受動片９
の受部８下面は球載置部５と同じ方向に向つて緩
く上り傾斜するので、昇降部材７と受動片９に挾
まれた入賞球は横方向（第１図中右側）へ押し出
される力を受ける。そして受動片９の受部８より
も若干高い揚送樋４の側面には入賞球集合樋１３
を接続するので、昇降部材７に載つて上昇する入
賞球は入賞球集合樋１３の入流口１３′に位置し
たとき入賞球排出樋１３内へ流出し、パチンコ機
の外へ排出される。入賞球を排出樋１３へ流出し
た昇降部材７は戻り下降して一行程を終了し、次
の入賞球に備える。

集合樋２の表面一側には基板１４を添設してあ
り、該基板１４には賞球貯留タンク１５、タンク
１５から賞球を１列又は２列にして流出させる導
出樋１６、導出樋１６に連通する縦樋１７に設け
た賞球流下機構１１が作動したとき放出する一定
数の賞球をパチンコ機前面の上部供給皿又は下部
受皿（図示せず）に送る賞球排出樋１８、賞球流
下機構１１を作動するリンク機構１２などを設け
てあり、リンク機構１２は上記受動片９に接続す
る。

導出樋１６の途中には球が有ればONとなり、
無ければOFFとなるスイツチ機構１９を臨ませ
て駆動源６の電気回路に接続し、導出樋１６に球
が有つたときのみ駆動源６の作動を可能にしてい
る。

賞球流下機構１１は、縦樋１７の一側上下にス
リツト２０，２０′を開設し、縦樋１７に沿つて
設けた縦長な規制杆２１の上下端に各スリツト２
１，２１′から縦樋１７の内部に出入りする爪部
２２，２２′を設けたものである。そして、規制
杆２１の高さの途中には腕杆２３を延設して途中
を軸２４で軸着し、腕杆２３の先端は一端を基板
１４に軸着した第１リンク片１２ａの他端に連結
する。第１リンク片１２ａは長さの途中を縦方向
に位置する第２リンク片１２ｂの上端に接続する
と共にスプリング２５に連結する。第２リンク片
１２ｂの下端は、一端を基板１４に軸着すると共
に長さの途中を受動片９の上端に接続する第３リ
ンク片１２ｃの他端に接続する。第１リンク片１
２ａはスプリング２５の作用により、常には下方
の爪部２２′が下方のスリツト２０′から縦樋１７
の内部に突入して内部の球を受け止めているよう
に規制杆２１を付勢すると共に、第２リンク片１
２ｂ及び第３リンク片１２ｃを介して受動片９を
下方に付勢する。したがつて、導出樋１６内の球
は縦樋１７に流入して下方の爪部２２′で止めら
れている。しかし打球が入賞して昇降部材７に載
つた入賞球が受動片９を上昇し、第１リンク片１
２ａが上方へ回動すると、接続する腕杆２３を上
方に移動させ、軸２４を支点に規制杆２１が傾動
して上方の爪部２２がスリツト２０から縦樋１７
の内部に突入するとともに下方の爪部２２′が縦
樋１７から外れる。したがつて両スリツト２０，
２０′の間隔内の球は賞球排出樋１８を伝わり、
賞球として遊技者に排出する。そして昇降部材７
上に載つた入賞球が入賞球排出樋１３を伝わつて
パチンコ機の外へ排出すると、受動片９が戻り下
降して規制杆２１を復元させ、上方の爪部２２を
縦樋１７から外して導出樋１６内の球を縦樋１７
内へ流下させると共に下方の爪部２２′を縦樋１
７内へ突入させて内部の球を受け止める。

このように昇降部材７が一行程を行うと球載置
部５上の球により賞球流下機構１１が１回作動
し、一定数の賞球が遊技者に排出されることにな
る。

第３図は賞球流下機構１１の他の実施例を示す
もので、外周に賞球数だけの半円弧状切欠部２６
…を有するスプロケツト２７を縦樋１７の一側に
臨ませ、該スプロケツト２７の回転軸２８にカム
板２９を設ける。そして受動片９と連動する第２
リンク片１２ｂの上端に爪杆３０の一端を接続
し、該爪杆３０の先端爪部３０′をカム板２９に
臨ませる。この実施例では打球が入賞して球載置
部５に載り、受動片９が上昇すると爪杆３０が回
動する。爪杆３０が回動すると先端の爪部３０′
がカム板２９から外れるので、縦樋１７内の球は
順次半円弧状切欠部２６に入りながらスプロケツ
ト２７を回転させる。スプロケツト２７が１回転
する頃には、受動片９を上昇した入賞球は入賞球
排出樋１３を伝わりパチンコ機の外へ排出するの
で、受動片９はスプリング２５の付勢によつて戻
り下降する。

受動片９が下降すると爪杆３０が復元してカム
板２９に係りスプロケツト２７を停止する。した
がつて打球が入賞すると半円弧状切欠部２６の数
だけの球が賞球として遊技者に排出される。

また賞球流下機構１１の他の実施例としては第
４図で示すように、導出樋１６と賞球排出樋１８
の間に傾動自在な賞球貯留部３１を連通すると共
に、接続杆３２を介して賞球貯留部３１の下部を
第１リンク片１２ａの端部に接続したものでもよ
い。

賞球貯留部３１は長さの途中を軸着した縦方向
の筒材であり、開放上端部３１′が導出樋１６の
下端流出部１６′に連通している状態では開放下
端部３１″が賞球排出樋１８の上端阻止片３３で
塞がれ、回動して開放上端部３１′が導出樋１６
の先端下面で塞がれた状態（図中鎖線）では開放
下端部３１″が賞球排出樋１８に連通する。そし
て開放上端部３１′が塞がれた状態では賞球貯留
部３１の上端に延設した舌片３４が導出樋１６の
下端流出部１６′を塞ぎ、導出樋１６から球が流
出するのを防ぐ。したがつて開放上端部３１′が
下端流出部１６′に連通している状態では賞球貯
留部３１に導出樋１６からの球が一定数だけ貯留
し、リンク機構１２により賞球貯留部３１が回動
すると内部の球が賞球排出樋１８からパチンコ機
前面の受皿に排出する。そして賞球貯留部３１が
戻り回動して開放上端部３１′が下端流出部１
６′に連通すると、賞球貯留部３１に導出樋１６
からの球が貯留する。

昇降部材７を上下動する機構は、第１図で示す
ように、横方向に位置する揺動杆３５の一端を基
板１４に軸着し、他端部分に穿設した長さ方向に
長尺な長孔３６に駆動源６（例えばモーター）に
よつて回転する回転板３７のピン３８を係合する
と共に揺動杆３５の長さの途中に昇降部材７の下
端部を係合する。この様な機構においては駆動源
６が作動すると回動するピン３８が揺動杆３５を
上下に揺動して昇降部材７を上下方向に往復運動
する。また、第５図で示すように、昇降部材７の
下端部と回動板３７のピン３８をロツド３９で連
結してクランク機構を構成するようにしてもよ
い。

一方、打球が入賞したときのみ駆動源６を作動
させるためには、排出口３の近傍に入賞球を検出
する第１検出器４０を設けると共に、回転板３７
に第２検出器４１を臨ませて駆動源６の作動によ
り賞球流下機構１１が１作動したことを検出す
る。そして第１検出器４０が入賞球を検出したと
き駆動源６を始動し、第２検出器４１が賞球流下
機構１１の１行程の終了を検出したとき駆動源６
を停止する。

また、第６図は本考案の他の実施例を示すもの
で、排出口３の底面に踏板４２を臨ませ、踏板４
２の他端４２′を第２検出器４１の作動片４１′に
臨ませたものである。そして、入賞球が踏板４２
を踏み下して踏板４２の他端４２′が第２検出器
４１の作動片４１′を押圧したとき駆動源６を始
動させ、回動板３７が１回転して第２検出器４１
が賞球流下機構１１の１行程の終了を検出したと
き駆動源６を停止させるようにしているので、検
出器は一つで足り、第１検出器と第２検出器とを
一つの検出器で兼ねることができる。

以上説明したように本考案によれば、入賞球が
直接賞球流下機を作動して賞球を排出するので作
動が確実である。また、構造が簡単で極めて小型
であるので、どのような形式のパチンコ機にも利
用することができて実用価値が高く、例えば大型
の特別遊技装置を取付けるに際しても邪魔になら
ず遊技盤の裏面を有効に活用することができる。

更に本考案によれば、入賞球と賞球流下機構の
１作動を検出して駆動源を制御しているので、入
賞球を載せる位置で昇降部材を停止させることが
でき、打球の入賞から賞球排出までの応答時間を
著しく早くできて遊技者に不信感を与えることが
ない。そして打球が入賞したときのみ駆動源が作
動するので消費電力が少なく経済的であるばかり
でなく、長期にわたつて使用に耐えるパチンコ機
の賞球排出装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
概略正面図、第２図は要部の斜視図、第３図及び
第４図は賞球流下機構の他の実施例の縦断概略正
面図、第５図は昇降部材を上下動する機構の他の
実施例の概略正面図、第６図は他の実施例の概略
正面図である。 ２……入賞球集合樋、３……排出口、５……球
載置部、６………駆動源、７……昇降部材、８…
…受部、９……受動片、１１……賞球流下機構、
４０……第１検出器、４１……第２検出器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入賞球を１個宛載せる球載置部を有し、駆動源
   によつて上下動する昇降部材を入賞球集合樋の非
   出口に臨ませ、該昇降部材に載つて上昇する入賞
   球が押圧する受部を形成した上下動可能な受動片
   を昇降部材の上方に臨ませ、該受動片を賞球流下
   機構に連結するとともに、上記入賞球集合樋の排
   出口近傍には入賞球を検出する第１検出器を設
   け、該第１検出器が入賞球を検出したときに駆動
   源を始動し、駆動源の作動により賞球流下機構が
   １作動したことを検出する第２検出器が賞球流下
   機構の１作動を検出したときに駆動源を停止する
   ようにしたことを特徴とするパチンコ機の賞球排
   出装置。