JPH0132419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は、例えば、テレビジヨン受像機のチユ
ーナ、ホーム・コンバータ等に用いて好適な高周
波濾波器に関する。

従来技術と問題点 第１図は通常のスーパー・ヘテロダイン方式の
回路構成を示す要部ブロツク図である。

図に於いて、１は入力端子、２はミキサ、３は
局部発振器、４は帯域濾波器、５は出力端子をそ
れぞれ示している。

この回路に於いて、帯域濾波器４は、入力端子
１から入力された信号と局部発振器３からの局部
発振周波数信号とをミキサ２で混合することに依
り得られた中間周波数信号を効率良く通過させ、
局部発振器３からの局部発振周波数信号並びにそ
の高調波及びその他の不要信号を阻止する為に設
けられている。

第２図は第１図に示した帯域濾波器４を具体的
且つ詳細に表した要部回路図であり、第１図に関
して説明した部分と同部分は同記号で指示してあ
る。

図に於いて、６は帯域濾波器入力端、７はコン
デンサ、８，９，１０はコイル、１１は第２のコ
ンデンサ、１２は第１のコンデンサ、１３はコイ
ル、１４，１５はコンデンサ、１６はコイル、１
７はコンデンサをそれぞれ示している。尚、第２
図に於けるコンデンサ１５は実際には、第３図に
見られるように、コンデンサ１９及び２０からな
る並列合成容量で構成されているものとする。

さて、ミキサ２からの信号は帯域濾波器４の入
力端子６に加えられ、コンデンサ７、コイル８，
９，１０、コンデンサ１４，１９で構成される複
同調回路に依つて前記信号の中から希望信号が選
択される。

前記選択された希望信号は、更に、コンデンサ
２０、コイル１６、コンデンサ１７から構成され
る低域濾波器に依り、不要信号に対する減衰を受
け、希望信号のみが出力端子５から取り出される
ことになる。

尚、前記回路に於けるコンデンサ１１、コンデ
ンサ１２、コイル１３は、それ等をもつてトラツ
プ回路を構成しているものであり、希望信号の近
傍に存在する妨害信号を除去する為の隣接トラツ
プとして作用するものである。

第５図は前記説明した帯域濾波器４の一例に於
ける周波数対減衰度特性を表す線図である。

図では、縦軸に減衰度を単位〔dB〕で、横軸
に周波数を単位〔ＭHz〕でそれぞれ採つてあり、
実線が前記帯域濾波器４の特性である。

ところで、この帯域濾波器４に関しては、通過
帯域外に於ける非希望信号の減衰が充分とは言い
難い旨の欠点があり、例えば、局部発振周波数信
号の高調波が出力端子５に漏洩するなどの問題が
ある。

第４図は前記のような不要信号の出力端子５へ
の漏洩を防止する為に開発された帯域濾波器の要
部回路図であり、第１図乃至第３図に関して説明
した部分と同部分は同記号で指示してある。

この従来例が第２図及び第３図に関して説明し
た従来例と相違する点は、新たにコイル２１及び
コンデンサ２２からなる低域濾波器を付加したこ
とである。

第４図の従来例は、不要信号を阻止することで
は第２図及び第３図に見られる従来例に比較して
優れているが、当然のことながら高価になるのは
避けられない。

考案の目的 本考案は、格別の部品或いは回路を必要とする
ことなく、局部発振周波数信号の高調波など妨害
信号に対して充分なる減衰を与えることができる
高周波濾波器を提供する。

考案の構成 本考案の高周波濾波器では、プリント基板上に
形成された信号線路及び接地電極と、所定周波数
に共振する第１のコンデンサ及びコイルの並列回
路と、該並列回路と第２のコンデンサとが直列接
続されて前記信号線路と接地電極との間に挿入設
置され前記所定周波数より低い周波数に於いてト
ラツプとして作用する直並列回路と、前記接地電
極に接続され前記プリント基板を機器に装着する
際の取り付け部材であり且つ前記直並列回路と共
に前記所定周波数より高い周波数に於いてトラツ
プとして作用する取り付け片とを備えてなる構成
になつていて、プリント基板を機器に取り付ける
為の部材である取り付け片がトラツプの一部とし
ても作用するようになつている。

考案の実施例 第６図は本考案一実施例を裏面から見た要部斜
面図、また、第７図はその要部回路図であり、第
１図乃至第４図に関して説明した部分と同部分は
同記号で指示してある。

図に於いて、２３はプリント基板、２４は取り
付け片であるアース棒、２５はプリント基板２３
に形成された中継電極、２６はプリント基板２３
に形成された接地電極、２７はプリント基板２３
に形成された信号線路をそれぞれ示している。

本実施例に於いて、アース棒２４はコンデンサ
１１、コンデンサ１２、コイル１３からなる隣接
トラツプ回路を接地する役割とプリント基板２３
を機器の金属ケースに取り付ける際の取り付け部
材の役割を果している。

また、この実施例に於ける高域周波数に対する
等価回路は、第８図に見られるように、大略コン
デンサ１１とアース棒２４との直列回路で示され
る。

従つて、本実施例では、前記の隣接トラツプに
加えて、コンデンサ１１及びアース棒２４の直列
等価回路で示される高域トラツプも有しているも
のである。

前記従来例の説明にて流用した第５図に於ける
破線は前記本実施例の周波数対減衰度特性を示す
ものである。

例えば、通過帯域周波数61.25〔ＭHz〕〜65.75
〔ＭHz〕、隣接トラツプが59.75〔ＭHz〕であり、ま
た、 コンデンサ11：２〔pF〕 コンデンサ12：51〔pF〕 コイル13：133〔mH〕 アース棒２４の長さ：16〔mm〕 である場合、減衰希望信号1220〔ＭHz〕に於いて、
従来例に比較すると略30〔dB〕の減衰を得ること
ができた。

本考案に於いて、アース棒２４の長さを充分に
採ることができない場合には、プリント・パター
ンを利用して補うことに依り、トラツプ周波数を
希望する値に設定することができる。

考案の効果 本考案の高周波濾波器に依れば、プリント基板
上に形成された信号線路及び接地電極と、所定周
波数に共振する第１のコンデンサ及びコイルの並
列回路と、該並列回路と第２のコンデンサとが直
列接続されて前記信号線路と接地電極との間に挿
入設置され前記所定周波数より低い周波数に於い
てトラツプとして作用する直並列回路と、前記接
地電極に接続され前記プリント基板を機器に装着
する際の取り付け部材であり且つ前記直並列回路
と共に前記所定周波数より高い周波数に於いてト
ラツプとして作用する取り付け片とを備えてなる
構成を採つているので、第１のコンデンサ、コイ
ル、第２のコンデンサからなる隣接トラツプの外
に、第２のコンデンサ並びに取り付け片であるア
ース棒からなる高域トラツプを併せ備えることに
なり、格別の部品を要することなく、局部発振周
波数信号の高調波等の妨害信号を充分に減衰させ
ることが可能であり、出力端子からは良質の希望
信号を取り出すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は通常のスーパー・ヘテロダイン方式を
説明する為の要部ブロツク図、第２図乃至第４図
は従来例を説明する為の要部回路図、第５図は帯
域濾波器の周波数対減衰度特性を表す線図、第６
図は本考案一実施例の要部斜面図、第７図は本考
案一実施例の要部回路図、第８図は本考案一実施
例の等価回路図である。 図に於いて、１は入力端子、２はミキサ、３は
局部発振器、４は帯域減衰器、５は出力端子、６
は帯域濾波器入力端、７はコンデンサ、８，９，
１０はコイル、１１は第２のコンデンサ、１２は
第１のコンデンサ、１３はコイル、１４，１５は
コンデンサ、１６はコイル、１７はコンデンサ、
１９，２０はコンデンサ、２１はコイル、２２は
コンデンサ、２３はプリント基板、２４はアース
棒、２５は中継電極、２６は接地電極、２７は信
号線路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリント基板上に形成された信号線路及び接地
   電極と、所定周波数に共振する第１のコンデンサ
   及びコイルの並列回路と、該並列回路と第２のコ
   ンデンサとが直列接続されて前記信号線路と接地
   電極との間に挿入設置され前記所定周波数より低
   い周波数に於いてトラツプとして作用する直並列
   回路と、前記接地電極に接続され前記プリント基
   板を機器に装着する際の取り付け部材であり且つ
   前記直並列回路と共に前記所定周波数より高い周
   波数に於いてトラツプとして作用する取り付け片
   とを備えてなることを特徴とする高周波濾波器。