JPS631441Y2

JPS631441Y2 -

Info

Publication number: JPS631441Y2
Application number: JP1982076893U
Authority: JP
Priority date: 1982-05-27
Filing date: 1982-05-27
Publication date: 1988-01-14
Also published as: US4490699A; JPS58182501U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、有線テレビジヨン装置のコンバータ
などに適した中間周波帯域波器に関する。

無線テレビジヨン放送における難視地域の解消
や地域社会の情報のサービスなどのために、有線
テレビジヨン放送システム（以下、CATVシス
テムという）が広く普及している。かかる
CATVシステムは、放送所からケーブルを介し
て放送番組を伝送し、各家庭に設けられた受信機
により所望チヤンネルの番組を選択して視聴する
ことができるものであつて、他の放送システムに
関係なく取り扱う周波数帯域を非常に広くとるこ
とができるから、チヤンネル数を多く設定するこ
とができる。

受信機においては、かかる多数のチヤンネルの
中から所望のチヤンネルを選択し、これを所定の
周波数に変換するコンバータが設けられており、
かかるコンバータはスーパーヘテロダイン方式が
採用されている。

第１図はかかる従来のコンバータの一例を示す
ブロツク図であつて、１は入力端子、２は入力
波器、３は混合回路、４は局部発振回路、５は中
間周波帯域波器、６は中間周波増幅回路、７は
混合回路、８は局部発振回路、９は出力波器、
１０は出力端子である。

同図において、図示しないケーブルから伝送さ
れてきた多数のチヤンネルは、入力端子１から入
力波器２を通して混合回路３に供給され、局部
発振回路４からの周波数_L1の信号（以下、第１
発振周波数信号という）と混合される。

局部発振回路４の発振周波数_L1は可変であつ
て、入力端子１からのチヤンネルのうちの選択し
ようとする所望のチヤンネルが、所定の周波数帯
域となるように発振周波数_L1が調整される。そ
こで、混合回路３からは、上記所望のチヤンネル
が所定の周波数帯域となるように周波数変換され
た各チヤンネルが出力され、中間周波帯域波器
５に供給される。

中間周波帯域波器５は上記所定の周波数帯域
の通過帯域を有しており、したがつて、供給され
る多数のチヤンネルの中から選択しようとする上
記所望のチヤンネルのみが通過される。そこで、
この所望のチヤンネルは中間周波増幅回路６で増
幅され、混合回路７に供給されて局部発振回路８
からの周波数_L2の信号（以下、第２発振周波数
信号という）と混合される。

局部発振回路８の発振周波数_L2は一定であつ
て、混合回路７において上記所望チヤンネルは所
定の周波数に変換され、出力波器９を通して出
力端子１０に供給される。

ところで、かかるコンバータにおいて、入力
波器２や中間周波帯域波器５の通過帯域は局部
発振回路４の発振周波数_L1のとり得る範囲より
も充分に離し、混合回路３から漏洩する第１発振
周波数信号を充分に減衰できるようにしている。
しかしながら、出力端子１０に所定の中間周波数
のチヤンネル信号を得るためには、局部発振器８
の発振周波数_L2は中間周波帯域波器５の通過
帯域の近傍に設定せざるを得なくなる。そこで、
混合回路７から漏洩した第２発振周波数信号が中
間周波増幅回路６を介して中間周波帯域波器５
に供給され、中間周波帯域波器５の遮断特性が
ある程度以上急峻にされ得ないことから、第２発
振周波数信号は中間周波帯域波器５で充分に減
衰されずに混合回路３に供給される。そして、第
１発振周波数信号と混合されて周波数_L1〜_L2の
ビート信号が生じ、該ビート信号の周波数は入力
波器２の通過帯域内にある場合もあることか
ら、該ビート信号は入力波器２を通過して入力
端子１から図示しないケーブルに放出されること
になる。

たとえば、全チヤンネルの周波数帯域が55MHz
から445MHzまでを利用するCATVシステムにお
いては、入力波器２の通過帯域：55MHz〜445MHz 局部発振回路４の発振周波数_L1：
605MHz〜995MHz 中間周波帯域波器５の共振周波数：550MHz 局部発振回路８の発振周波数_L2：605MHz 出力端子１０のチヤンネル周波数：55MHz であり、第２発振周波数信号の周波数_L2と中間
周波帯域波器５の共振周波数とは、 605MHz−550MHz＝55MHzしか離れておらず、
漏洩した第２発振周波数信号は中間周波帯域波
器５で充分に減衰されることなく混合回路３に供
給され、混合回路３からは、（605MHzないし995MHz）−605MHz＝０ないし
390MHzのビート信号が生ずることになる。この
ビート信号の入力波器２の通過帯域内に入るも
のは入力波器２を通過する。

そこで、このようなビート信号が放出される
と、ケーブルを介して他の受信機で受信されるこ
とになり、該ビート信号を含むチヤンネルを選択
すると該チヤンネルは該ビート信号によつて妨害
を受けることになる。

この不要なビート信号を除くために、従来は中
間周波帯域波器５にトラツプ回路を設けてい
た。

第２図はかかる従来の中間周波帯域波器の一
例を示す回路図であつて、１１は入力端子、１２
はコンデンサ、１３，１４は同調コンデンサ、１
５，１６は同調コイル、１７，１８はコンデン
サ、１９はトラツプコイル、２０はトラツプコン
デンサ、２１は出力端子である。

同図において、中間周波帯域波器は同調コン
デンサ１３と同調コイル１５とからなる同調回路
と、同調コンデンサ１４と同調コイル１６とから
なる同調回路とで複同調回路を形成し、所定の通
過帯域が得られるようにし、入力端子１１からの
混合回路３（第１図）の出力信号である多数のチ
ヤンネルの中から上記通過帯域に入る所望のチヤ
ンネルが選択され、出力端子２１から中間周波増
幅回路６（第１図）に供給される。

中間周波帯域波器には、さらに、トラツプコ
イル１９とトラツプコンデンサ２０からなるトラ
ツプ回路が設けられ、トラツプ周波数が局部発振
回路８の発振周波数_L2に設定されて出力端子２
１から入力端子１１への第２発振周波数信号の通
過を阻止している。

かかる中間周波帯域波器は、枠体でかこまれ
てシールド板によつて区切られた２つの領域に
夫々第２図の同調回路を形成する共振器が取りつ
けられ、シールド板に結合窓が設けられて夫々の
供振器の同調コイル１５，１６（第２図）が結合
するように構成されている。

以上のように、従来技術においては、中間周波
帯域波器にはトラツプ回路を余分に設ける必要
があり、その結果、次のような欠点を有してい
た。すなわち、トラツプ回路のための電子部品が
必要となり、それらの取り付け工程も必要となる
ことから必然的に中間周波帯域波器のコストア
ツプをまねき、電子部品の部品定数にバラツキが
あることからトラツプ周波数の調整が必要とな
り、また、トラツプ回路の温度補償のための高価
な温度補償用コンデンサを必要とする。さらに、
該トラツプ回路は、中間周波帯域波器のインピ
ーダンスが低い個所に挿入するためにＱを高くす
ることができず、トラツプ減衰量が少なくて第２
発振周波数信号を充分に減衰させることができな
いことになる。

本考案の目的は、上記従来の欠点を除き、トラ
ツプ回路を余分に設けることなく、減衰量が充分
に多いトラツプを形成し、かつ、トラツプ周波数
を調整不要とした安価な中間周波帯域波器を提
供するにある。

この目的を達成するために、本考案は、複同調
回路を形成する夫々の共振器間に設けられた結合
窓を有するシールド板に、所定の端面を切込んで
段部を設けてトラツプを形成した点を特徴とす
る。

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第３図は本考案による中間周波帯域波器の一
実施例を示す構成図であつて、２２₁，２２₂，２
２₃，２２₄，２２₅は枠体、２３はシールド板、
２４は結合窓、２５は端面、２６は段部であり、
第２図に対応する部分には同一符号をつけてい
る。

第３図において、枠体２２₁，２２₂，２２₃，
２２₄は側壁を、枠体２２₅が底面を、また、図示
しない枠体が蓋部を形成することにより、これら
の枠体が中空の領域を形成している。該中空領域
中には、側壁２２₁，２２₂にまたがつてシールド
板２３が設けられ、シールド板２３により該中空
領域が２つに区分されて夫々に図示するように共
振器が取りつけられている。

シールド板２３には結合窓２４が設けられ、結
合窓２４を介して同調コイルであるヘリカルコイ
ル１５，１６が結合されている。結合度は結合窓
２４の形状によつて決定される。

シールド板２３の上部端面２５には、その一部
を切込んで段部２６が設けられている。この段部
２６は、図示しない蓋部でもつて上記中空領域を
ふさぐと、シールド板２３によつて区切られる２
つの領域間に窓を形成することになる。シールド
板２３にかかる段部２６を形成することにより、
中間周波帯域波器にトラツプを形成することが
でき、段部２３の横幅（側壁２２₁あるいは２２₂
の面に垂直な方向）がトラツプ周波数を決定す
る。したがつて、この横幅をトラツプ周波数が局
部発振回路８（第１図）の発振周波数_L2に等し
くなるように設定する。

第４図は第３図のシールド板の一例を示す正面
図であつて、第３図に対応する部分には同一符号
をつけて説明を省略する。

第５図は第３図の実施例の中間周波帯域波器
に対する等価回路を示す回路図であつて、第２図
に対応する部分には同一符号をつけている。上記
実施例によると、複同調回路にトラツプが生じ、
第５図に示すように、別にトラツプ回路が設ける
ようなことが必要でなくなる。

第６図は中間周波帯域波器の高域特性の測定
結果を示す特性図であつて、縦軸は減衰量を、ま
た、横軸は周波数を表わし、実線は本考案を、ま
た、点線は従来技術を夫々示している。

第６図は局部発振回路８（第１図）の発振周波
数_L2が620MHzである場合について示しており、
同図から明らかなように、従来技術に比較して約
15dBも多く減衰させることができ、充分なるト
ラツプを形成することができた。

以上、本考案の一実施例について説明したが、
本考案はCATVのコンバータに用いられる中間
周波帯域波器のみに適用されるのではないこと
は明らかであり、また、採用した数値も説明上一
例して掲げたものにすぎない。

以上説明したように、本発明によれば、夫々の
共振器を結合するための結合窓を有するシールド
板の端面に、単に段部を設けるだけで所定のトラ
ツプを形成するものであるから、従来必要とした
トラツプ回路を削減することができ、また、トラ
ツプ周波数は前記段部によつて一意的に定まるも
のであるから、トラツプ周波数の調整も必要とせ
ずに良好なる減衰特性が得られ、従来技術の欠点
を除いて優れた機能の中間周波帯域波器を低コ
ストで提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の有線テレビジヨンシステムの受
信機のコンバータの一例を示すブロツク図、第２
図は第１図の中間周波帯域波器の一例を示す回
路図、第３図は本考案による中間周波帯域波器
の一実施例を示す構成図、第４図は第３図のシー
ルド板の一例を示す正面図、第５図は第３図の等
価回路を示す回路図、第６図は中間周波帯域波
器の高域特性の測定結果を示す特性図である。２２₁，２２₂，２２₃，２２₄，２２₅……枠体、
２３……シールド板、２４……結合窓、２５……
端面、２６……段部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

枠体によつてかこまれ、結合窓を有するシール
ド板によつて区切られた２つの領域に夫々共振器
を設けた中間周波帯域波器において、前記シー
ルド板の端面に所定の段部を設け、通過帯域の近
傍に所望のトラツプを形成することができるよう
に構成したことを特徴とする中間周波帯域波
器。