JPH0132157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は機内の商品棚の下方に設置され、商
品棚からの搬出商品を受け止めて商品取出口へ搬
出するようにした、特に搬出商品検知用スイツチ
機構が装備された傾動式の商品搬出シユータに関
する。

一般に自動販売機は商品搬出シユータを介して
キヤビネツトの前面に開口する商品取出口と機内
が通じ合つており、このために商品取出口から手
などを差し入れて収納商品、その他の機内装置を
壊すなどの悪戯を受ける恐れがあり、これに対す
る防止策が望まれる。

〔従来の技術〕

昨今における商品の多様化に応えて、例えばウ
イスキー、樽入りビール等の大形で高価な商品を
取扱う自動販売機として第１図、第２図に示すご
ときものが開発されている。第１図は自動販売機
の外観を示すもので、キヤビネツト１の前面扉２
にはコイン投入口３、商品選択押ボタン４、商品
取出口５等が配備され、機内の商品収納庫６には
第２図に示すごとき商品棚およびこの考案の対象
である商品搬出シユータを含む商品搬出用ゲート
機構が配備されている。商品棚はチエーン機構１
０とチエーンの周域に支持された複数個の棚２０
からなり、このうちチエーン機構１０は庫内中央
に位置して上下に配置されたスプロケツト１１，
１２と、スプロケツト１１，１２にまたがつて張
架されたエンドレスチエーン１３と、上部スプロ
ケツト１１にチエーン１４を介して連結した可逆
転式の駆動モータ１５とで構成されている。そし
て前記エンドレスチエーン１３の周域に沿つて複
数の商品収納棚２０がそれぞれ個々にチエーン１
３へ連結支持してある。この棚２０の本体はその
外周面および前面が開口している断面Ｕ字形の樋
状棚容器２１として構成され、その底辺部が２本
のピン２２を介してチエーン１３のチエーンブロ
ツクに固定支持されている。ここまでの構成で駆
動モータ１５をいずれかの方向に回転すると、エ
ンドレスチエーン１３とともに各棚２０がチエー
ン１３の周域を図示のような姿勢で巡回移動する
ことになる。一方、上記した棚２０の巡回移動経
路に沿つて下方には、移動経路の周域を覆う半円
形状のガイドカバー７が配備されており、その最
下位に位置して第１図の商品取出口５に通じる商
品搬出口８が開口し、ここに先記したゲート機構
３０が設置してある。該ゲート機構３０はその詳
細構造を後述するように、常時は搬出口８を閉塞
していて、指令により指定商品を収納した棚２０
が搬出口８の位置に到達した際にのみ一時的に開
放動作するものである。

さて上記の構成において、商品９は第１図の前
面扉２を開いた状態で各棚２０へ前面からローデ
イングされる。ここでチエーン機構１０を駆動す
れば、各棚２０は商品９を収容したままチエーン
１３とともに巡回移動する。この場合に下部スプ
ロケツト１２の周域をまわる移動経路の下位部で
は棚容器が下向き姿勢となるが、この部分にはガ
イドカバー７があり、かつゲート機構３０が閉塞
していれば、商品９は棚内から脱落することなく
巡回移動を続ける。一方、棚２０のうち例えば符
号９Ａで示す指定商品を収納した特定の棚２０Ａ
が最下位に達したことを検知してチエーン機構１
０を一旦停止し、同時にゲート機構３０を開放す
れば、商品９Ａは商品搬出口８を通じて棚２０か
ら搬出し、商品取出口５へ取り出される。

次に第２図で述べた商品搬出部のゲート機構３
０についてその詳細構造を述べる。第３図におい
て、まず符号８Ａ商品搬出口８を画成する受け容
器であり、その前面が第１図に示した商品取出口
５に通じている。なお５Ａはゲート機構３０と商
品収納庫の前面隔壁６Ａとの間のすき間を塞ぐよ
うに商品搬出通路の前面に設置された前方へ開放
可能な開閉フラツパである。そしてこの商品搬出
口の受け容器８Ａ内に先記したゲート機構３０が
配備されている。該機構３０は、搬出口８の上面
を塞ぐ位置に後端を軸始点として前傾傾動可能に
配置されたゲート板を兼ねる商品搬出シユータ３
１と、シユータ３１の前端にスルーピン３２を介
して揺動自在に連結された前板３３およびこの前
板３３にリンク３４、クランクアーム３５を介し
て連結したゲート駆動モータ３６との組合わせな
るシユータ駆動機構として構成されている。また
シユータ板３１の前部には詳細を後述する搬出商
品検知用スイツチ機構４０が装備されている。ま
たシユータ３１に軸支連結された前板３３は、シ
ユータ３１から下方に伸びて商品取出口へ通じる
受け容器８Ａの前面を塞ぐような形状の板であ
り、かつその下端の左右には受け容器８Ａの底面
上を転がるローラ３９を装備している。駆動モー
タ３６はギヤードモータであり、商品搬出指令に
基づき始動してクランクアーム３５をゆつくりま
わす。図示はシユータ３１が水平姿勢の閉位置に
保持されたゲートを閉じた状態を示しており、前
板３３は起立した位置に在る。ここから駆動モー
タ３６を始動すれば、クランクアーム３５の回転
に伴つて前板３３が後方に傾動し、これにつれて
シユータ３１は後端の軸支点Ｏを中心に下向きに
傾動し商品搬出口を開き始める。そしてクランク
アーム３５が180度回転した位置でシユータ３１
は鎖線で示す最大傾斜した全開位置となる。ここ
からさらにクランクアーム３５の回転が進むと、
回転角180〜360度の範囲で前記と逆に前板３３が
前方へ移動し、これに伴つてシユータ３１は再び
実線の閉位置に復帰する。すなわち、商品を収納
した棚２０が丁度商品搬出口８の位置に停止した
状態で駆動モータ３６に商品搬出指令を与えて始
動すれば、シユータ３１は商品を載せたまま今迄
の水平姿勢から傾動して開き、商品は搬出シユー
タ３１の上を滑動して第１図に示した商品取出口
５の方へ搬出されることになる。そして商品が完
全に取り出されたところで、モータ駆動により再
びシユータ３１は閉位置に復帰される。この場合
に駆動モータ３６は待機位置からクランクアーム
３５を180度回転したところで一旦停止し、商品
棚から搬出された商品が商品取出口を通じて機外
へ取出された条件で再始動して360度まで回転す
るように運転制御される。この場合の商品の検知
を行うのが先記した搬出商品検知用スイツチ機構
４０であり、該スイツチ機構４０は商品搬出時に
シユータ３１に搬出された商品が商品取出口を通
じて完全に外方へ取り出されたか否かを検知する
役目を果たすものであつて、一旦全開位置までシ
ユータ３１を開いた後に再びシユータ３１を閉じ
るように駆動モータ３６を再始動する際の運転制
御に必要となる。かかるスイツチ機構４０はシユ
ータ３１の裏面に取付けたマイクロスイツチ４１
と、先端をシユータ３１の前部上方へ突き出すよ
うにしてシユータ３１に軸支された商品検知レバ
ー４２およびレバー４２の後端に結合された作動
レバー４３を組併せたアクチユエータとからな
り、かつ作動レバー４３がマイクロスイツチ４１
に対向するように相対位置決めして配置されてい
る。また検知レバー４２はシユータ３１に対して
その先端が図示のようにシユータの上面より突き
出る方向にばね付勢され、さらに作動レバー４３
は検知レバー４２に対し反時計方向にばね付勢さ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで上記従来の構成では、シユータ３１に
装備されたスイツチ機構４０、とりわけシユータ
３１の板面から上方へ突き出しているアクチユエ
ータの検知レバー４２、さらにはシユータ３１の
上方に配置されているフラツパ５Ａは自由に動き
得るようになつており、したがつて第１図で示し
た商品取出口５から手を差し入れると、容易にこ
れ等部品に手が届くため、頭記した悪戯によつて
スイツチ機構４０の誤動作、破損が生じたり、あ
るいはフラツパ５Ａを前方へ開いて庫内収納商品
が傷付けられるおそれがある。

この考案は上記の点にかんがみなされたもので
あり、その目的は先記した悪戯に対する防止対策
として、先に説明したゲート機構を巧みに利用
し、販売待機時にはシユータに装備されている搬
出商品検知用スイツチ機構のアクチユエータの動
きを拘束するようにした商品搬出シユータを提供
することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的達成のためにこの考案は、機内におけ
る商品棚の下方に商品取出口との間の商品搬出用
ゲート機構を構成する前傾傾動式のシユータを設
置するとともに、該シユータの前部にはアクチユ
エータの先端がシユータ面から上方へ突き出すよ
うに付勢された搬出商品検知用スイツチ機構を装
備し、かつ前記シユータをシユータ駆動機構によ
り販売待機時には水平姿勢の閉位置に保持し、商
品搬出時に前傾姿勢の開位置へ傾動操作するよう
にした自動販売機の商品搬出シユータにおいて、
前記シユータ駆動機構の構成部材に取付けられ
て、シユータの閉位置でシユータ面上に突き出し
て前記スイツチ機構のアクチユエータと対向し該
アクチユエータを前記シユータ面から上方に突き
出す位置に拘束する位置と、シユータの開位置で
前記アクチユエータの拘束を解く位置とに、前記
シユータの傾動動作に連動して移動動作するよう
に構成されたストツパ片でなるロツク機構を設け
るようにしたものである。

〔作用〕

上記手段に基づくこの考案の商品搬出シユータ
によれば、販売待機時、すなわちシユータ３１の
閉位置においてストツパ片５０がアクチユエータ
４２，４３をシユータ３１から上方に突き出す位
置に拘束する。したがつてアクチユエータが悪戯
で操作されてスイツチ４１が不測に作動されるこ
とがなくなる。また、販売時、すなわちシユータ
３１の開位置においてストツパ片５０はシユータ
３１が開位置に傾斜移動される操作に連動移動し
てアクチユエータ４２，４３の拘束を解くので、
アクチユエータは搬出商品に押されてスイツチ４
１を作動するようになる。

〔実施例〕

第４図および第５図はこの考案の実施例を示す
ものであり、第３図と同じ符号は同一部材を示
す。さてこの考案により、スイツチ機構４０のア
クチユエータを構成する検知レバー４２に対向し
てその前方には、シユータ駆動機構の構成部品で
ある前板３３の上縁から上方に伸びる舌片状のス
トツパ片５０が設置されている。このストツパ片
５０は前記アクチユエータ４０および開閉フラツ
パ５Ａに対するロツク機構を構成するものであ
り、シユータ３１の傾動動作に合わせて動く前板
３３と連動する。すなわち販売待機時においてシ
ユータ３１が水平姿勢の閉位置にあれば、ストツ
パ片５０はシユータ面の上方へ突き出し、前方か
ら検知レバー４２を動かないようにその位置に拘
束する。同時に開閉フラツパ５Ａもその先端が検
知レバー４２と重なり合つてストツパ片５０に係
止拘束され、前方への開放が阻止される。したが
つてこの販売待機状態では、商品取出口から機内
に手を差し入れても、スイツチ機構４０のアクチ
ユエータを動かすことができず、不用意にマイク
ロスイツチ４１が誤動作したりあるいは壊された
りするおそれはない。またフラツパ５Ａが開かな
いので、さらに奥の方へ手などを入れることがで
きず、庫内収納商品への悪戯も防止される。

一方、第４図の状態から販売動作に入り、商品
棚からシユータ３１の上へ商品が受け渡しされた
ところで駆動モータ３６が始動し、前板３３を介
してシユータ３１が傾動すると、第５図のように
ストツパ片５０は前板３３と一緒に傾動してシユ
ータ３１との相対角度を変え、その最大傾斜位置
ではストツパ片５０がシユータ３１の面に沿つて
重なるように開き、検知レバー４２の拘束を解除
する。同時に開閉フラツパ５Ａとの係合も外れ、
フラツパ５Ａは開閉自由になり、これによつてシ
ユータ上を滑動する商品搬出通路が確保されるこ
とになる。次いで鎖線で示すように商品９が商品
取出口へ向けてシユータ３１の上を滑動落下すれ
ば、商品９に押されてストツパ機構４０のアクチ
ユエータは鎖線４２′，４３′で示すように各レバ
ーが揺動してマイクロスイツチ４１を作動する。
また同時に開閉フラツパ５Ａも商品９に押されて
前方へ開く。なお商品９が機外へ取り出されて販
売が終れば、これを検知してスイツチ機構４０が
復帰動作し、再びモータ駆動により第４図の状態
に戻る。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案によれば、シユータ
に装備された商品検知用スイツチ機構のアクチユ
エータに対向して、シユータの傾動動作に連動す
るロツク機構を設け、販売待機時には前記アクチ
ユエータの動きを拘束し、販売時には前記拘束を
解くように構成したことにより、簡単な部品の追
加設置で販売待機時における機内の悪戯防止の効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動販売機の外観図、第２図は第１図
の内部機構の略示構成図、第３図は従来における
商品搬出シユータの機構図、第４図および第５図
はそれぞれこの考案の実施例の販売待機時および
販売時の状態を示す構成図である。 ５……商品取出口、５Ａ……開閉フラツパ、９
……商品、２０……商品棚、３０……商品搬出用
ゲート機構、３１……シユータ、３３……シユー
タ駆動機構の構成部材としての前板、３６……駆
動モータ、４０……搬出商品検知用スイツチ機
構、４１……マイクロスイツチ、４２……アクチ
ユエータとしての検知レバー、５０……ロツク機
構としてのストツパ片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機内における商品棚の下方に商品取出口との間
   の商品搬出用ゲート機構を構成する前傾傾動式の
   シユータを設置するとともに、該シユータの前部
   にはアクチユエータの先端がシユータ面から上方
   へ突き出すように付勢された搬出商品検知用スイ
   ツチ機構を装備し、かつ前記シユータをシユータ
   駆動機構により販売待機時には水平姿勢の閉位置
   に保持し、商品搬出時に前傾姿勢の開位置へ傾動
   操作するようにした自動販売機の商品搬出シユー
   タにおいて、前記シユータ駆動機構の構成部材に
   取付けられて、シユータの閉位置でシユータ面上
   に突き出して前記スイツチ機構のアクチユエータ
   と対向し該アクチユエータを前記シユータ面から
   上方に突き出す位置に拘束する位置と、シユータ
   の開位置で前記アクチユエータの拘束を解く位置
   とに、前記シユータの傾動動作に連動して移動動
   作するように構成されたストツパ片でなるロツク
   機構を設けたことを特徴とする自動販売機の商品
   搬出シユータ。