JPH0129368B2 - - Google Patents

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JPH0129368B2
JPH0129368B2 JP59078936A JP7893684A JPH0129368B2 JP H0129368 B2 JPH0129368 B2 JP H0129368B2 JP 59078936 A JP59078936 A JP 59078936A JP 7893684 A JP7893684 A JP 7893684A JP H0129368 B2 JPH0129368 B2 JP H0129368B2
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polyimide
powder
polyimide powder
insoluble
particles
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JP59078936A
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Ken Noda
Toshio Nakajima
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Nitto Denko Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • C08J9/02Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof using blowing gases generated by the reacting monomers or modifying agents during the preparation or modification of macromolecules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2379/00Characterised by the use of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing nitrogen with or without oxygen, or carbon only, not provided for in groups C08J2361/00 - C08J2377/00
    • C08J2379/04Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain; Polyhydrazides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • C08J2379/08Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2982Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は熱に不融性でかつ有機溶媒に不溶性
(以下、単に不融不溶という)の球状多孔性ポリ
イミド粉体に関する。
従来、不融不溶のポリイミド粉体の製造方法と
しては、相当するテトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとを有機溶媒中で加熱重合させてポリイミ
ド前駆体であるポリアミド酸の溶液をつくり、こ
れを水などのポリマー不溶溶媒中に投入し、生成
する沈澱を回収したのち加熱閉環してイミド化し
機械的に粉砕する方法、あるいは相当するテトラ
カルボン酸二無水物とジアミンとをエチレングリ
コールなどのポリマー不溶溶媒中で加熱重合させ
てポリアミド酸のスラリーを生成し、このスラリ
ーからポリアミド酸をろ取したのち加熱閉環して
イミド化しさらに粉砕する方法などが知られてい
る。
すなわち、これら従来の方法は、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミンとから直接ポリイミドを
合成したのでは重合中にゲル状となつて重合反応
を円滑に行えない、重合反応物の取り出し粉砕が
容易でないなどの理由から、一旦ポリイミドの前
駆体であるポリアミド酸をつくり、これを加熱閉
環してポリイミドとしたのちに粉砕分級して微粒
子化したものである。
しかるに、かかる方法ではポリイミド粉体とす
るまでの工程が煩雑となる欠点があり、また得ら
れる粉体の粒子径が大きくなりやすく、微粒子状
のポリイミド粉体を得るためには非常に特殊な粉
砕手段が必要となるなど工業的に決して有利な方
法とはいえなかつた。また、ポリイミド粉体はそ
の使用にあたつて球状であることが望まれるが、
上記従来の方法ではこのような球状のポリイミド
粉体を得ることは困難であつた。
一方、不融不溶のポリイミド粉体とは異なり熱
的に流動しやすいつまり熱可塑的な性質を有し、
ある場合には有機溶媒に溶解性の性質を持つたポ
リイミド粉体の製造方法として3・4・3′・4′−
ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無水物とトリ
レンジイソシアネートおよびジフエニルメタン−
4・4′−ジイソシアネートからなるジイソシアネ
ート混合物とを極性溶媒中で重合反応させて直接
ポリイミドのスラリーないし溶液をつくり、これ
をアセトン、イソプロピルアルコールなどの溶媒
中に投入し生成する沈澱をろ取し粉砕してポリイ
ミド粉体とする方法が提案されている。
ここで、トリレンジイソシアネートの割合がジ
イソシアネート混合物中70モル%に達しないとき
には3・4・3′・4′−ベンゾフエノンテトラカル
ボン酸二無水物との重合反応でポリイミドのスラ
リーが生成し、上記ジイソシアネートが70モル%
以上を占めるようになると上記重合反応でポリイ
ミドの溶液が生成する。
上記提案法においては、ジアミン成分に代えて
ジイソシアネート成分を使用しこれとテトラカル
ボン酸二無水物とを重合反応させることによつて
重合中にゲル状化するのを防いで直接ポリイミド
を生成するようにしたものである。したがつて、
ポリアミド酸を得たのち加熱閉環してイミド化す
る方法に較べてそれだけ工程の簡略化を図れる利
点がある。
しかしながら、上記提案法ではポリイミドのス
ラリーないし溶液をつくつたのちこれをさらに、
アセトン、イソプロピルアルコールなどのポリマ
ー不溶溶媒中に投入し生成する沈澱物をろ取し乾
燥したのち粉砕する工程を不可欠としているか
ら、この点において不融不溶のポリイミド粉体を
得る前記従来法となんらかわるところがなく、し
たがつて製造工程上なお改良すべき余地があるば
かりか微粒子状のポリイミド粉体を得にくいとい
う難点がある。しかも、前記従来法同様に球状の
ポリイミド粉体を得ることは困難であつた。
この発明者らは、以上の観点から前記提案に係
るものとは異なる不融不溶のポリイミド粉体であ
つてこれが微粒子状でかつ球状とされたものを工
業的有利に得る方法につき鋭意検討した結果、す
でに不融不溶のポリイミドを生成しうるテトラカ
ルボン酸二無水物とポリイソシアネートとを適宜
選択使用して両者を有機溶媒中特定温度範囲内で
加熱重合させてポリイミド粒子を沈澱析出させた
ときには、これをそのままろ取ないし遠心分離し
たのち洗浄するだけで微粒子状のポリイミド粉体
が得られることを知つた。この方法はすでに特許
出願済みである(特願昭57−217619号明細書)。
この発明は、上記方法の中でもさらに限定され
た特定の手段を採用して得られるポリイミド粉体
が従来全く知られていなかつた特定の性状を有
し、この特定性状によつて各種用途への利用価値
がきわめて大となることを知り、なされたもので
ある。
すなわち、この発明は、熱に不融性でかつ有機
溶媒に不溶性のポリイミドを生成しうる少なくと
も1種の芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれ
と略等モル量の少なくとも1種の芳香族ポリイソ
シアネートとの加熱重合により得られる、硫酸中
濃度0.5g/、温度30±0.01℃で測定される固
有粘度が0.1〜2.0の範囲にある芳香族ポリイミド
よりなる重量平均粒子径が1〜20μmの実質的に
球状多孔性の粒子からなり、タツプかさ比重が
100〜600g/、窒素吸着法により求めた比表面
積が1m2/g以上であることを特徴とする熱に不
融性でかつ有機溶媒に不溶性の球状多孔性ポリイ
ミド粉体に係るものである。
このように、この発明のポリイミド粉体は微粒
子状であるとともに球状多孔性であることを一つ
の特徴としている。前記特性値の中で重量平均粒
子径が1〜20μmの範囲にあり、またタツプかさ
比重が600g/以下で窒素吸着法により求めた
比表面積が1m2/g以上であることが、上記特徴
点を具体的に示す特性値である。この数値が上述
の範囲を越えると、特にタツプかさ比重および比
表面積が上述の範囲を越えると、球状多孔性であ
ることの明確な特徴点が失われる。
この発明のポリイミド粉体のもう一つの特徴点
は、このポリイミド粉体の多孔性が適度な範囲に
抑えられていることにある。この特徴点を具体的
に示す特性値はタツプかさ比重100g/以上と
いう値である。そして、上記特徴点は、このポリ
イミド粉体を構成するポリイミドの前記固有粘度
が前記範囲にある、つまり上記ポリイミドが比較
的小さ目の重合度を有することとの関連から、重
要な意義をもつものである。
すなわち、この発明のポリイミド粉体は、これ
を構成するポリイミドが比較的分子量の低いもの
からなつているため、その多孔性の度合が大きく
なりすぎると機械的強度の乏しいものとなり、取
扱い中に粉砕されまたある場合には凝集してその
粒子形状を保持しにくくなり、これを他種ポリマ
ーの充てん剤粉末として用いる場合などに際して
その混練を行いにくい、均一分散性を損なうとい
つた種々の問題を派生する。しかも、上記粉砕な
どによつて球状多孔性であることの前記特徴点す
ら失われてしまう場合もある。
これに対し、この発明においては、上記ポリイ
ミド粉体のタツプかさ比重を100g/以上とい
う特定の多孔度に設定しているから、その機械的
強度が極端に損なわれることはなく、したがつて
上述の如き問題を派生するおそれはない。
このように、この発明のポリイミド粉体は、上
述した如き従来全く知られていなかつた特定の性
状を有するものであり、この性状によつて樹脂成
形材料用の添加剤として、また各種ワニスへ分散
してチクソトロピツクな特性を付与するためのペ
ースト状組成物の添加剤として、さらには潤滑剤
用添加剤などとしての利用価値がきわめて大きい
ものとなる。特に上記添加剤用としては、バイン
ダへの分散性やチクソトロピツク性の向上、また
バインダとの密着力ないし結着力の向上に好結果
を与える。なお、この発明のポリイミド粉体は上
記添加剤としての用途のほか、液体クロマト用カ
ラム充てん剤、食品関係の油分の吸着剤などにも
有利に使用できる。
なお、この明細書において、ポリイミド粉体に
ついての固有粘度、重量平均粒子径、タツプかさ
比重および比表面積とは、それぞれ下記方法にて
測定される値を意味する。
<固有粘度> ポリイミドの溶解用溶媒として硫酸を使用し測
定温度30±0.01℃で次式にしたがつて算出した値
である。
固有粘度〔ηinh〕=ln(t/t0)/C ln;自然対数 t;オストワルド粘度計で測定されるポリマー溶
液の落下時間 t0;上記同様にして測定される溶媒の落下時間 C;ポリマー濃度(0.5g/dl) <重量平均粒子径> 光透過式粒度分布測定機(たとえばセイシン企
業(株)製SKN−500型)を用いて重量累積分布を求
め、分布50重量%の粒子径を重量平均粒子径とし
て算出する。
<タツプかさ比重> パウダーテスター(たとえば細川粉体工学研究
所製)により測定される固め見かけ比重である。
<比表面積> 窒素吸着法により求めた値を意味し、たとえば
マイクロメリテツクス社製の比表面積・細孔分布
解析装置マキユソーブ2100−02型により測定され
る値である。
この発明のポリイミド粉体の上記特性につき、
さらに詳しく説明すると、まずポリイミドの固有
粘度は0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.0、特に好ま
しくは0.3〜0.8の範囲にある。この固有粘度が0.1
未満のものではポリイミドとしての特性を発揮で
きない。固有粘度が2.0を越えることはポリイミ
ド本来の特性上望ましいことであるが、かかる固
有粘度を有しかつ前記性状を持つたポリイミド粉
体の製造は困難である。
またこの発明のポリイミド粉体の重量平均粒子
径は1〜20μm、好ましくは1〜15μm、特に好
ましくは1〜10μmの範囲にある。上記粒子径が
1μm未満では微粒子すぎてその有用性に欠け、
また前記性状を持つた粉体を得ることが難しい。
一方上記粒子径が20μmを越える粉体を得ること
は可能であるが、このように粒子径の大きい粉体
はその利用価値に欠ける。つまりこの発明の本来
の目的とするところは、20μm以下の微粒子状の
ポリイミド粉体を提供することにある。
この発明のポリイミド粉体における他の重要な
特性は、タツプかさ比重と比表面積であり、前者
のタツプかさ比重は100〜600g/、好ましくは
200〜500g/、特に好ましくは300〜400g/
の範囲にあり、後者の比表面積は1m2/g以上、
好ましくは10m2/g以上、特に好ましくは100
m2/g以上で通常500m2/gまでである。
上記タツプかさ比重が600g/を超えかつ上
記比表面積が1m2/g未満となると、前述したよ
うに球状多孔性であることの明確な特徴点が失わ
れ、その有用性が低下する。またタツプかさ比重
が100g/未満となると多孔質すぎてその強度
が乏しくなり、粒子形状を保持できず、やはりそ
の有用性に欠けたものとなる。
つぎに、上記この発明のポリイミド粉体の製造
方法につき説明する。この製造方法は、不融不溶
のポリイミドを生成しうる少なくとも1種の芳香
族テトラカルボン酸二無水物とこれと略等モル量
の少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネートと
を有機溶媒中100〜200℃の温度で加熱重合させて
ポリイミドの粒子をスラリー状に沈澱析出させる
第1の工程と、この工程で生成したスラリーから
上記ポリイミド粒子をろ取ないし遠心分離する第
2の工程と、さらにこの工程で得られたポリイミ
ド粒子を有機溶媒で洗浄する第3の工程とからな
る。
この方法の特徴点については、既出願のポリイ
ミド粉体の製造方法において詳述されているとお
りであり、前記従来のポリイミド粉体の製造方法
に比し微粒子状で球状多孔性のポリイミド粉体を
粉砕工程を経ることなく作業容易に製造できると
いう利点をもつものである。
この発明においては、上記製造方法における第
1の工程、つまり芳香族テトラカルボン酸二無水
物と芳香族ポリイソシアネートとを加熱重合させ
てポリイミド粒子をスラリー状に沈澱析出させる
工程において、上記加熱重合を特に第三級アミン
からなる特定の触媒を用いて行うことを不可欠と
する。
すなわち、上記触媒を用いなくとも、前記方法
によつて微粒子状で球状多孔性のポリイミド粉体
を得ることは可能である。しかし、この場合多孔
性の度合が大きくなりすぎて前記この発明の目的
とするような機械的強度の良好なポリイミド粉体
は得られない。
これに対し、上記特定の触媒を用いて加熱重合
を行つたときには、これにより得られるポリイミ
ド粉体は、前記適度な多孔性を有するこの発明の
目的に適したものとなる。
第4図は、上記方法にて得られたこの発明のポ
リイミド粉体の倍率5000倍の走査型電子顕微鏡写
真であり、また第5図は、前記触媒を用いないで
製造した比較用のポリイミド粉体の倍率15000倍
の走査型電子顕微鏡写真を示したものである。
つまり、前記触媒を用いない場合は、ポーラス
になりすぎて機械的強度の小さいものとなり、そ
の粒子形状を保持させにくいという難点がある。
これに対し、前記触媒を用いたときには多孔性で
はあるがその多孔度が適当な値となり、粒子形状
を充分に保持させうる機械的強度を備えたものと
なる。
このように、第三級アミン触媒の使用は、多孔
性を適度なものとするのに非常に好結果を与える
という特徴を有するが、これ以外にポリイミド粉
体の収率にも好結果をもたらし、この点でも必要
欠くべからざるものといえる。
以下、上記製造方法につき各工程ごとにさらに
詳しく説明する。
第1の工程で用いられる芳香族テトラカルボン
酸二無水物と芳香族ポリイソシアネートとは、両
者の重合反応で生成するポリイミドが不融不溶と
なる、つまり500℃までの温度に加熱しても溶融
せずさらに加熱すると溶融することなく分解し、
また汎用の有機溶媒はもちろんのこと極性溶媒
(後述する第1工程の重合反応で用いられる極性
溶媒など)などの各種有機溶媒に溶解することの
ないものであれば任意に選択使用できる。かかる
選択は、不融不溶のポリイミド樹脂に関する化学
常識から当業者であれば容易になしうることであ
る。なお、不融不溶のポリイミドを与えうるかど
うかは、いうまでもなく芳香族テトラカルボン酸
か芳香族ポリイソシアネートかのどちらか一方の
種類だけで決まる場合もあるし、また両者の組み
合せによつて決まる場合もある。前記提案の3・
4・3′・4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸二
無水物とトリレンジイソシアネートおよびジフエ
ニルメタン−4・4′−ジイソシアネートとの組み
合せの如きは、熱可塑的なまたある場合には有機
溶媒可溶性のポリイミドを与えるからこの発明に
おいては除外されなければならない。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の例を挙げれ
ば、たとえばピロメリツト酸二無水物、3・3′・
4・4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無水
物、3・3′・4・4′−ビフエニルテトラカルボン
酸二無水物、2・3・3′・4′−ビフエニルテトラ
カルボン酸二無水物、2・3・6・7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、1・2・5・6−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1・4・
5・8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2・2′−ビス(3・4−ジカルボキシフエニル)
プロパン二無水物、ビス(3・4−ジカルボキシ
フエニル)スルホン二無水物、ビス(3・4−ジ
カルボキシフエニル)エーテル二無水物、2・
2′−ビス(2・3−ジカルボキシフエニル)プロ
パン二無水物、1・1′−ビス(2・3−ジカルボ
キシフエニル)エタン二無水物、ベンゼン−1・
2・3・4−テトラカルボン酸二無水物、2・
3・6・7−アントラセンテトラカルボン酸二無
水物、1・2・7・8−フエナンスレンテトラカ
ルボン酸二無水物などがある。
芳香族ポリイソシアネートの具体例を挙げれ
ば、たとえばパラフエニレンジイソシアネート、
メタフエニレンジイソシアネート、ジフエニルメ
タン−4・4′−ジイソシアネート、ジフエニルエ
ーテル−4・4′−ジイソシアネート、ジフエニル
プロパン−4・4′−ジイソシアネート、ジフエニ
ルスルホン−4・4−ジイソシアネート、ジフエ
ニルスルホン−3・3′−ジイソシアネート、ジフ
エニル−4・4′−ジイソシアネート、3・3′−ジ
メチルジフエニル−4・4′−ジイソシアネート、
2・4−トリレンジイソシアネート、2・5−ト
リレンジイソシアネートなどがある。また、ジフ
エニルメタン−4・4′−ジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシ
アネートなどから合成されるつぎの一般式; で表わされるイソシアヌレート環を含有するポリ
イソシアネート、さらにつぎの一般式 で表わされるポリ(メチレンフエニレン)ポリイ
ソシアネート、たとえばトリフエニルメタン−ト
リイソシアネートなどが挙げられる。
上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物および
芳香族ポリイソシアネートのなかからそれぞれの
1種もしくは2種以上を組み合せ使用するが、両
成分の使用割合としては略等モルとなるようにす
るのが好ましい。もちろん、僅かの範囲内であれ
ばどちらか一方の成分が過剰量となつていても差
し支えない。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ポリ
イソシアネートとの重合反応に当つては、前述し
たとおり、触媒として第三級アミンを使用する。
この第三級アミンの使用量は芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物1モルに対し通常0.05〜10モル%程
度でよい。
上記第三級アミンの具体例としては、ピリジ
ン、2−クロロピリジン、2・4・6−コリジ
ン、2・6−ジクロロピリジン、α・β・γ−ピ
コリン、4−フエニルプロピルピリジン、2−プ
ロピルピリジン、2・6−ルチジン、2・4−ル
チジン、2・5−ルチジン、3・4−ルチジンな
どのピリジン類、トリエチルアミン、トリメチル
アミン、N・N−ジメチルドデシルアミン、トリ
エチレンジアミン、トリ−n−ブチルアミンなど
の脂肪族第三級アミン類、1−ベンジル−2−メ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フエニ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル
−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−ウンデシルイミダゾールなどの活性水素を有
しないイミダゾール類、N・N−ジメチル−p−
トルイジン、N・N−ジメチルベンジルアミンな
どの芳香族系第三級アミン類、1・8−ジアザビ
シクロ(5・4・0)ウンデセン−7(以下、
DBUという)およびその酸醋体などが挙げられ
る。
重合反応に用いる有機溶媒としては、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチレンホスホルトリアミドなどの極性溶媒
およびクレゾール、フエノール、キシレノールな
どのフエノール類が挙げられる。また、場合によ
りこれら溶媒と共にヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの有機溶媒を併用することもで
きる。有機溶媒の使用量は、芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物と芳香族ポリイソシアネートとを主
成分とした固型分濃度が5〜80重量%、好適には
10〜30重量%となるようにするのがよい。上記固
形分濃度があまり低すぎては反応速度がおそくな
り、また高すぎては発熱反応によりスケールアツ
プ時の反応制御に問題をきたしやすい。
重合反応は芳香族テトラカルボン酸二無水物と
芳香族ポリイソシアネートと前記触媒とを有機溶
媒中に加え加熱攪拌して行なう。各成分がいずれ
も有機溶媒に溶解する系では初期に均一溶液とな
り重合反応の進行に伴つて炭酸ガスを発生しなが
らわずかに溶液粘度が上がり、つぎにポリイミド
粒子がスラリー状に沈澱析出してくる。その後さ
らに加熱攪拌を続けて反応率を向上させる。
重合反応温度としては、100〜200℃の範囲に設
定する必要がある。100℃より低くなると反応速
度がおそくなるだけでなくポリイミド粒子があま
りに小さくなりすぎ系全体がチクソトロピツクに
なつて攪拌が困難となり、さらに第2の工程での
ポリイミド粒子の直接のろ取ないし遠心分離が不
可能となる。温度が高くなるにしたがつて反応速
度の面で有利であるが、ポリイミド粒子の粒子径
が大きくなる傾向がみられると共に反応熱の制御
に問題がある。したがつて200℃までを上限とす
る。ポリイミド粒子の粒子径その他の性状、反応
速度などの面から勘案したもつとも好適な温度範
囲は110〜180℃である。反応時間は、各成分の種
類などによつて大きく異なるが、一般には2〜8
時間程度である。
第2の工程では、上述の如くして生成したポリ
イミド粒子を含むスラリーから上記粒子をろ取な
いし遠心分離する工程であり、ここでは一般の吸
引ろ過機や遠心分離機が用いられる。この分離さ
れたポリイミド粒子はその粒子表面に未反応物や
低分子量重合体が多少付着しており、このままで
は上記付着物によつてその後の加熱乾燥工程で粒
子同志がブロツキングし粒子径の粗大化がおこ
り、目的とする微粒子状のポリイミド粉体が得ら
れなくなる。
第3の工程では、上記第2の工程で得られたポ
リイミド粒子を有機溶媒で洗浄して粒子表面の前
記付着物を除去し、これによつてブロツキングの
みられない微粒子状のポリイミド粉体の製造を実
質的に可能ならしめるものである。したがつて、
この第3の工程はきわめて重要な工程であり、一
般のただ単なる洗浄工程とはかなり意味合いが異
なるものといえる。洗浄は未反応物や低分子量重
合体を溶解しうるN−メチル−2−ピロリドンの
如き前記極性溶媒などを用いて行うが、この洗浄
後さらにアセトン、メタノールなどの低沸点溶媒
で再洗浄するのが望ましい。
その後、約100〜300℃で約1〜5時間程度の条
件で加熱乾燥して溶媒を揮散除去することによ
り、この発明の目的とするポリイミド粉体が得ら
れる。この粉体は重合平均粒子径1〜20μmの範
囲で前記タツプかさ比重および比表面積を有する
球状多孔性のものであり、また前記範囲の固有粘
度を持つた高温で焼付けても融解せずさらに極性
溶媒に対しても溶解することのない不融不溶の特
性を備えている。
以下に、この発明の実施例を記載してより具体
的に説明する。
実施例 1 3・3′・4・4′−ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸二無水物32.2g(0.1モル)をN−メチル−
2−ピロリドン(以下、NMPという)224gに
溶解し、140℃で加熱攪拌しながら、まずジメチ
ルベンジルアミン0.2gを加えてよく分散させた。
ついで、ジフエニルメタン−4・4′−ジイソシア
ネート25.0g(0.1モル)を徐々に加えると炭酸
ガスを激しく発生した。10分間攪拌するとポリイ
ミド粒子がスラリー状に沈澱析出してきた。その
後さらに同じ温度で5時間重合反応を続けた。
反応後冷却し、ポリイミド粒子をろ取したの
ち、NMPで3回洗浄し、洗浄後250℃で3時間
加熱乾燥することにより、44.6g(収率92.1重量
%)の球状多孔性ポリイミド粉体を得た。この粉
体の重量平均粒子径は9.8μmであり、赤外線吸収
スペクトル(KBr法)により、1720cm-1および
1780cm-1にイミド基に基づくカルボニルの吸収が
認められた。このポリイミド粉体は550℃まで加
熱しても溶融せず、しかも各種溶媒にも不溶であ
つた。
また、このポリイミド粉体のタツプかさ比重は
370g/、比表面積は15.2m2/gであつた。さ
らにポリイミドの固有粘度は0.36であつた。第4
図は上記ポリイミド粉体の前記走査型電子顕微鏡
写真を示したものである。
比較例 1 二無水物とジイソシアネートとの重合反応に際
してジメチルベンジルアミン0.2gを用いなかつ
た以外は、実施例1と全く同様にしてポリイミド
粉体を得た。収量は30.3gで収率62.5重量%であ
つた。
このポリイミド粉体の重量平均粒子径は4.2μ
m、タツプかさ比重は62g/、比表面積は36
m2/gであつた。またこの粉体を構成するポリイ
ミドの固有粘度は0.28で、赤外線吸収スペクトル
(KBr法)により、1720cm-1および1780cm-1にイ
ミド基に基づくカルボニルの吸収が認められた。
第5図は上記ポリイミド粉体の前記走査型電子顕
微鏡写真を示したものである。
実施例 2 300mlの四つ口フラスコ中にピロメリツト酸二
無水物21.8g(0.1モル)、3・3′−ジメチルジフ
エニル−4・4′−ジイソシアネート26.4g(0.1モ
ル)、NMP200gおよDBU0.2gを仕込み、かき
まぜながら加熱すると内容物は透明となつた。つ
ぎに、130〜132℃で約10分間加熱すると炭酸ガス
を激しく発生し粘度が上昇した。さらに20分経過
後に内容物が急に濁り始め、ポリイミド粒子がス
ラリー状に沈澱析出してきた。その後さらに同じ
温度で5時間重合反応を続けた。
反応後冷却し、ポリイミド粒子をろ取したの
ち、NMPで3回洗浄し、最終的にアセトンで2
回洗浄した。洗浄後250℃で3時間加熱乾燥する
ことにより、37.2g(収率95.3重量%)の球状多
孔性ポリイミド粉体が得られた。
このポリイミド粉体の重量平均粒子径は4.8μ
m、ポリイミドの固有粘度は0.53であり、赤外線
吸収スペクトル(KBr法)により、1720cm-1およ
び1780cm-1にイミド基に基づくカルボニルの吸収
が認められた。また、このポリイミド粉体のタツ
プかさ比重は380g/、比表面積は35.2m2/g
で、500℃まで加熱しても溶融せず、しかも各種
溶媒にも不溶であつた。
実施例 3 ピロメリツト酸二無水物21.8g(0.1モル)、ジ
フエニルエーテルジイソシアネート25.2g(0.1
モル)、NMP200g、キシレン20gおよびトリエ
チレンジアミン0.2gを、300mlの四つ口フラスコ
に仕込み、かきまぜながら加熱すると内容物が透
明となつた。つぎに、150〜152℃で約5分間加熱
すると炭酸ガスを激しく発生した。さらに10分経
過すると内容物が急に濁り始め、ポリイミド粒子
がスラリー状に沈澱析出してきた。その後さらに
同じ温度で4時間重合反応を続けた。
以下、実施例2と同様の操作により、37.2g
(収率97.4重量%)の球状多孔性ポリイミド粉体
を得た。この粉体の重量平均粒子径は5.2μm、ポ
リイミドの固有粘度は0.35であり、赤外線吸収ス
ペクトルによりイミド基に基づくカルボニルの吸
収が認められた。また、この粉体のタツプかさ比
重は339g/、比表面積は31.8m2/gで、実施
例1、2と同様の不融不溶の粉体であつた。
実施例 4 3・3′4・4′−ビフエニルテトラカルボン酸二
無水物29.4g(0.1モル)およびNMP223gを130
℃で加熱攪拌して均一な溶液とした。これに3・
3′−ジメチルジフエニル−4・4′−ジイソシアネ
ート26.4g(0.1モル)を加え、さらにN・N−
ジメチル−p−トルイジン0.2gおよびキシレン
20gを加えて、130℃に保つて10分間かきまぜる
とポリイミド粒子がスラリー状に沈澱析出してき
た。その後さらに同じ温度で5時間重合反応を続
けた。
以下、実施例2と同様の操作により、46.0g
(収率97.0重量%)の球状多孔性ポリイミド粉体
を得た。この粉体の重量平均粒子径は4.5μm、ポ
リイミドの固有粘度は0.71であり、赤外線吸収ス
ペクトルによりイミド基に基づくカルボニルの吸
収が認められた。また、この粉体のタツプかさ比
重は348g/、比表面積は37.0m2/gで、実施
例1、2と同様の不融不溶の粉体であつた。な
お、参考のために、第1図に上記赤外線吸収スペ
クトルを示した。
実施例 5 3・3′・4・4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物29.4g(0.1モル)およびジメチルホル
ムアミド218gを、300mlの四つ口フラスコに仕込
み、120℃で加熱攪拌して均一な溶液とした。こ
れにジフエニルメタン−4・4′−ジイソシアネー
ト25.0g(0.1モル)およびN・N−ジメチル−
p−トルイジン0.2gを添加すると、炭酸ガスを
激しく発生した。約15分間かきまぜるとポリイミ
ド粒子がスラリー状に沈澱析出してきた。その後
さらに120〜122℃で5時間重合反応を続けた。
以下、実施例2と同様の操作により、45.2g
(収率98.7重量%)の球状多孔性ポリイミド粉体
を得た。この粉体の重量平均粒子径は5.2μm、ポ
リイミドの固有粘度は0.3であり、赤外線吸収ス
ペクトルによりイミド基に基づくカルボニルの吸
収が認められた。また、この粉体のタツプかさ比
重は352g/、比表面積は30.4m2/gで、実施
例1、2と同様の不融不溶の粉体であつた。な
お、参考のために、第2図に上記赤外線吸収スペ
クトルを示した。
実施例 6 3・3′・4・4′−ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸二無水物32.2g(0.1モル)をジメチルアセ
トアミド224gおよびキシレン20gに溶解し、140
℃で加熱攪拌しながらトリフエニルメタン−トリ
イソシアネート19.1g(0.05モル)、ジフエニル
メタン−4・4′−ジイソシアネート12.5g(0.05
モル)および1−シアノエチル−2−ウンデシル
イミダゾール0.2gを加えた。140〜142℃で約5
分間加熱すると炭酸ガスを激しく発生しながらポ
リイミド粒子がスラリー状に沈澱析出してきた。
その後さらに同じ温度で5時間重合反応を続け
た。
以下、実施例2と同様の操作により、53.8g
(収率92.5重量%)の球状多孔性ポリイミド粉体
を得た。この粉体の重量平均粒子径は6.2μm、ポ
リイミドの固有粘度は0.36であり、赤外線吸収ス
ペクトルによりイミド基に基づくカルボニルの吸
収が認められた。また、この粉体のタツプかさ比
重は330g/、比表面積は24.9m2/gで、実施
例1、2と同様の不融不溶の粉体であつた。
実施例 7 3・3′・4・4′−ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸二無水物32.2g(0.1モル)をNMP232gに
溶解し、130℃で加熱攪拌しながら3・3′−ジメ
チルジフエニル−4・4′−ジイソシアネート26.4
g(0.1モル)、N・N−ジメチル−p−トルイジ
ン0.2gおよびキシレン20gを加えた。130℃に保
つて10分間加熱攪拌すると炭酸ガスを激しく発生
しながらポリイミド粒子がスラリー状に沈澱析出
してきた。その後さらに同じ温度で5時間重合反
応を続けた。
以下、実施例2と同様の操作により、45.0g
(収率90.4重量%)の球状多孔性ポリイミド粉体
を得た。この粉体の重量平均粒子径は2.1μm、ポ
リイミドの固有粘度は0.49であり、赤外線吸収ス
ペクトルによりイミド基に基づくカルボニルの吸
収が認められた。また、この粉体のタツプかさ比
重は350g/、比表面積は49.4m2/gであり、
実施例1、2と同様の不融不溶の粉体であつた。
なお、参考のために、第3図に上記赤外線吸収ス
ペクトルを示した。
比較例 2 3・3′・4・4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物29.8g(0.1モル)とNMP223gとを120
℃で加熱攪拌すると均一な溶液となつた。これに
3・3′−ジメチルジフエニル−4・4′−ジイソシ
アネート26.4g(0.1モル)およびN・N−ジメ
チル−p−トルイジン0.2gを加え、80℃に保つ
て約30分間加熱攪拌すると液が濁り始め、徐々に
ペースト状となつた。その後同じ温度で1時間重
合反応を続けたところ反応物がチクソトロピツク
になりかきまぜ困難となつた。さらに1時間重合
反応を続けたのち約150℃に昇温して3時間後加
熱を行つた。
この反応後、吸引ろ過および遠心分離によりポ
リイミド粒子を分離することを試みたが、不可能
であつた。このため、上記ペースト状物をさらに
アセトンなどに投入し、生成する沈澱物をろ過し
たのち粉砕して目的とするポリイミド粉体を得
た。しかし、実施例1〜7のような微粒子状でか
つ球状多孔性ポリイミド粉体は得られず、粒子相
互の凝集が著しいものであつた。
なお、上記方法で得られるポリイミド粉体が上
記の如き凝集状態となりやすいのは、下記の理由
によるものと思われる。すなわち、重合物スラリ
ーをアセトン中に投入したときには、高分子量の
ポリイミドと共に低分子量重合物や場合により未
反応物もが同時に析出し、これがポリイミド粒子
内部に取り込まれて一体化されその後の溶媒洗浄
工程でも容易に除去されにくい。このため、上記
共析物がその後の加熱乾燥工程などで粒子相互の
ブロツキングを著しく助長するものである。
これに対し、この発明の各実施例では、ポリイ
ミド粒子をスラリーから直接分離しているためそ
の粒子表面に付着するわずかな低分子量重合物な
どを洗浄工程で除去することによつて、粒子相互
の凝集がほとんどみられない前記微粒子状で適度
の多孔度とされた球状多孔性ポリイミド粉体が得
られるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図はこの発明に係る
ポリイミド粉体の赤外線吸収スペクトルを示す特
性図、第4図はこの発明に係るポリイミド粉体の
粒子構造を示す倍率5000倍の電子顕微鏡写真図、
第5図はこの発明に係るものとは異なる比較用の
ポリイミド粉体の粒子構造を示す倍率15000倍の
電子顕微鏡写真図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 熱に不融性でかつ有機溶媒に不溶性のポリイ
    ミドを生成しうる少なくとも1種の芳香族テトラ
    カルボン酸二無水物とこれと略等モル量の少なく
    とも1種の芳香族ポリイソシアネートとの加熱重
    合により得られる、硫酸中濃度0.5g/dl、温度
    30±0.01℃で測定される固有粘度が0.1〜2.0の範
    囲にある芳香族ポリイミドよりなる重量平均粒子
    径が1〜20μmの実質的に球状多孔性の粒子から
    なり、タツプかさ比重が100〜600g/、窒素吸
    着法により求めた比表面積が1m2/g以上である
    ことを特徴とする熱に不融性でかつ有機溶媒に不
    溶性の球状多孔性ポリイミド粉体。
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