JPH0124890Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、角型チツプ抵抗器等の電子部品をト
リミング処理するレーザトリミング装置に対して
被加工物を自動的に供給するための供給装置の構
造に関するものである。

〔従来の技術〕

膜集積回路や混成集積回路の素子の一部として
用いられるチツプ抵抗器、例えば厚膜角型チツプ
抵抗器１（第３図及び第４図参照）は、第５図に
示すようなセラミツク基板２の片面に縦横適宜一
定間隔でブレーキング用の細溝３，３を施し、他
面に電極ペーストを印刷、焼成後に抵抗ペースト
を印刷、焼成して抵抗膜４を形成し、その上に保
護膜５としてガラスペーストを印刷、焼成し、こ
の保護膜５及び抵抗膜４に抵抗値トリミングを施
して所定の抵抗値になるようにし、この後、前記
大きな基板２を前記縦横の細溝３，３に沿つて分
割、切断して所定のチツプ抵抗器の大きさにし、
これに側電極６，６を付けるようにしている。な
お、予め側電極６，６をつけた未処理の角型チツ
プ１′に抵抗値トリミングを行うときもある（第
６図参照）。また、薄膜角型チツプ抵抗器におい
ても略同様の工程で製作される。

前記抵抗値トリミングはサンドプラストを用い
る場合と、レーザを用いる場合があり、このレー
ザを用いる従来の方法によれば、前記未処理の角
型チツプ１′又は基板２等の未処理の被加工物を
１種類ごとにまとめてマガジンにセツトし、この
マガジンをレーザトリミング装置の側方に配置
し、このマガジンの上から被加工物を真空吸着装
置等の移送手段にて取出し、レーザトリミング装
置のテーブル上に載置固定し、被加工物上方で前
記レーザ照射筒を平面視Ｘ，Ｙ方向に移動させ、
トリミング処理した後、前記真空吸着装置にて仕
上がり被加工物を取り去り、未処理被加工物をレ
ーザトリミング装置のテーブル上に移送するサイ
クルを繰り返すようにしていた。これにより、第
３図に示すように前記抵抗膜４等に平面視Ｌ字状
等の切溝７を形成し、抵抗膜４のトリミング量を
正確にし、抵抗値の誤差を少なくするようにして
いる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、被加工物の種類が多数ある場合、例
えば抵抗値の異なる複数種類の抵抗器を、１つの
レーザトリミング装置によりレーザトリミング処
理しようとする場合には、前記１種類の被加工物
の処理が終わると、作業者は別の種類の被加工物
を入れたマガジンをセツトし直す一方、前記レー
ザ照射筒の移動を制御する制御指令のデータを入
れ換えるようにしているから、その間上記レーザ
トリミング作業を中断しなければならず、生産性
が極めて悪いのであつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案では、複数種類のパターンで被加
工物にレーザトリミングできるように構成された
レーザトリミング装置に前記被加工物を移送する
ための移送手段と、回転テーブルとから成り、該
回転テーブルには、予め定められた種類ごとに被
加工物を収納する複数のマガジンが当該テーブル
上面の円周方向に適宜間隔ごとに着脱自在にセツ
トできる設置部を設け、該回転テーブルを間欠回
動自在に構成して、回転テーブル上の前記各マガ
ジンの設置部が前記移送手段への供給位置で停止
できるように構成したものである。

〔作用〕

この構成によれば、回転テーブル上に一度にマ
ガジンを複数まとめて設置でき、テーブルを間欠
回動させるだけで所定供給位置に未処理の被加工
物を配置することができるので、同種類のレーザ
トリミングパターンであれば、空になつたマガジ
ンを順次被加工物の詰まつたマガジンに取り替え
て回転テーブル上の所定設置部にセツトするだけ
で長時間連続して被加工物を供給できることにな
り、レーザトリミング作業を連続して行える。

異なる種類のレーザトリミングパターンに変更
してレーザトリミング作業を行うに際しても、異
なる種類ごとの被加工物にまとめて収納したマガ
ジンを予め回転テーブル上に複数設置できるか
ら、被加工物の供給交換作業の手順を予め設定し
準備できることになり、レーザトリミング装置に
おけるレーザトリミングパターン交換指令と前記
テーブルの間欠回動だけで済むから、多種類のパ
ターンに変更してレーザトリミング作業を行う変
換作業も簡単且つ迅速に行える。

なお、予め定められた種類の被加工物に一定の
パターンでレーザトリミングするための複数のト
リミングパターンが予めレーザトリミング装置に
セツトされ、該レーザトリミング装置への入力信
号により前記パターンを切り換えるように構成し
ておくと共に、回転テーブルに関連させた感知手
段にて前記供給位置に来た設置部の種別を感知で
きるように構成しておけば、該感知手段からの識
別信号にて前記レーザトリミング装置における入
力信号を切換えて、前記供給位置に来た被加工物
の種類が変わると、これに合わせて自動的にレー
ザトリミング装置におけるレーザトリミングパタ
ーンも所定のものに自動的に変更でき、作業者は
トリミングパターン変更に際してレーザトリミン
グ装置へのデータ変更指令の手作業も不要にな
り、略完全自動化が図れる。

〔実施例〕

次ぎに本考案の実施例を説明すると、図面にお
いて、１０はレーザトリミング装置における載置
テーブルで、抵抗器の角型チツプまたはセラミツ
ク基板等の未処理の被加工物１１は前記載置テー
ブル１０上にチヤツク１２，１２にて固定され
る。その上部において水平方向のＸ，Ｙ方向に移
動自在に配置する照射筒１３は、前記被加工物１
１の種類ごとに異なるレーザトリミングパターン
をデータとして予め入力セツトされ、後述の入力
信号によりそのうちの一種類のパターンを選択し
てそれに応じて照射するレーザ光線にて前記被加
工物１１の上面に平面視Ｌ字状等の所定形状のパ
ターンのレーザトリミングを施すことができるよ
うに制御する制御器１４によりコントロールされ
る。

１５は本考案の被加工物自動供給装置を示し、
該装置１５は前記レーザトリミング装置における
載置テーブル１０の側方に配置した回転テーブル
１６と、該回転テーブル１６上の供給位置Ａに来
た被加工物１１を前記レーザトリミング装置へ移
送するための真空吸着装置等の移送手段１７とか
ら成る。

前記回転テーブル１６はモータ１８により水平
間欠回動するように構成され、回転テーブル１６
の上面にはその円周方向に一定間隔ごとに筒状マ
ガジン１９を設置できるようにした複数の設置部
２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄ…（実施例では
４箇所）を設け、該各設置部には回転テーブル１
６の下面に設けたエアシリンダ２１ａ，２１ｂ，
２１ｃ，２１ｄの各突上げ体２２を上下動自在に
設け、各設置部に載置したマガジン１９内に落下
不能に積み上げられた多数枚の被加工物１１を上
端開口部に向かつて上昇できるように構成する。

また、この各エアシリンダ２１ａ，２１ｂ，２
１ｃ，２１ｄは制御器２３により前記載置テーブ
ル１０の側方に最も近接する供給位置Ａに前記各
設置部２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄが来たと
きのみ突上げ体２２が被加工物１１の板厚さごと
に間欠的に上昇できるように制御されるものであ
る。

移送手段１７である真空吸着装置１７′は横往
動移動及び上下動自在に構成され、且つ左右一対
の吸着部２４ａ，２４ｂを下向きに突設してあ
り、該各吸着部にて前記供給位置Ａ上の被加工物
１１を吸着して載置テーブル１０上に移送し、該
載置テーブル１０上の被加工物１１を吸着して搬
出部２５上に移送するもので、一方の吸着部２４
ａが前記回転テーブル１６の供給位置Ａ上におけ
るマガジン１９内の最上位置の被加工物上面に臨
むとき他方の吸着部２４ｂが載置テーブル１０上
のチヤツク１２，１２間に位置し、横移動して前
記一方の吸着部２４ａがチヤツク１２，１２間に
臨むときは他方の吸着部２４ｂが前記載置テーブ
ル１０の他側方に配置したローラコンベア等の搬
出部２５上に臨むように配置され、制御器２６に
より前記真空吸着装置１７′の前記横移動及び上
下動並びに真空のON，OFF切換えを前記照射筒
１３によるレーザトリミング作業の開始前及び終
了後に行うように同期連動させるものである。

前記回転テーブル１６におけるモータ１８の一
定方向または正逆方向の間欠回動は主制御器２７
により制御され、回転テーブル１６の下面側に配
置された感知手段２８例えば、ポテンシヨンメー
タ、レゾルバ、パルスジエネレータ等の電気的感
知装置や機械的感知装置により、前記供給位置Ａ
に回転テーブル１６における設置部２０ａ，２０
ｂ，２０ｃ，２０ｄのいずれか一つが来たとき位
相合致の信号を出すと共に、該設置部２０ａ，２
０ｂ，２０ｃ，２０ｄの種別を判別してその認識
信号を出し、これらの信号を前記主制御器２７に
送り、ここからの指令信号により前記各制御器１
４，２３，２６をコントロールして、レーザトリ
ミング装置におけるレーザトリミングパターンの
データ切換えと、エアシリンダの間欠上昇動−移
送手段による被加工物１１の移送−レーザトリミ
ング作業−移送手段による被加工物１１の移送の
サイクルを制御するようになつている。

この構成において、予め定められた種類ごとに
被加工物１１を収納した複数のマガジン１９を準
備し、これらを回転テーブル１６上の各設置部２
０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄに設置する。次い
で、レーザトリミング装置における制御器１４に
は、回転テーブル１６の間欠回転により、供給位
置Ａに来た前記各設置部２０ａ，２０ｂ，２０
ｃ，２０ｄ上に載置されたマガジン１９ごとの被
加工物１１の種類に対応させた種類のレーザトリ
ミングパターンをデータとして予め入力セツトし
ておく一方、前記主制御器２７を介して前記各設
置部２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄの前記感知
手段２８からの識別信号によりこれに対応するレ
ーザトリミングパターンに切り替わるようにセツ
トしておく。

このようにプリセツトした装置を始動させる
と、回転テーブル１６が適宜角度回動して、１つ
の設置部、例えば設置部２０ａが前記供給位置Ａ
に来て位置合わせされて停止する。この設置部に
対応する種類の被加工物１１に応じて前記感知手
段２８からの識別信号が主制御器２７を介して制
御器１４に入り、これに応じてレーザトリミング
パターンが所定のものに切り替わる。それが完了
すると移送手段１７である真空吸着装置１７′が
作動し、一方の吸着部２４ａが供給位置Ａ上にお
けるマガジン１９内の最上位置の被加工物１１を
吸着して載置テーブル１０上に移送する。当該載
置テーブル１０上で真空をOFFにして離された
被加工物１１は両チヤツク１２，１２にて固定さ
れ、次いで移送手段１７がその上部から遠ざかる
と、照射筒１３が被加工物１１上に臨み、前記設
定されたパターンによりレーザトリミングされ
る。この間にエアシリンダ２１ａの突上げ体２２
が１ピツチ上昇して、マガジン１９内に積み重ね
られた被加工物１１の最上部のものが当該マガジ
ン１９の上端開口部近傍に位置するように上昇す
る。

この作業が終わると前記真空吸着装置１７′が
作動し、一方の吸着部２４ａが供給位置Ａ上にお
けるマガジン１９内の最上位置の未処理被加工物
１１を吸着する一方、他方の吸着部２４ｂが前記
載置テーブル１０の処理済み被加工物１１を吸着
して横移動及び上下動して、未処理被加工物１１
は載置テーブル１０上に、処理済み被加工物１１
は搬出部２５上に各々移送され、前記供給位置Ａ
上におけるマガジン１９内の未処理被加工物１１
が無くなるまでこのサイクルを繰り返す。

次いで、回転テーブル１６を回動させて、次ぎ
の設置部２０ｂが供給位置Ａに合致すると、前記
と同様にして前記感知手段２８からの識別信号が
主制御器２７を介して制御器１４に入力信号とし
て入り、これに応じてレーザトリミングパターン
が所定のものに切り替わるので、前記と同じサイ
クルで自動的にレーザトリミング作業を続行で
き、作業の中断時間をきわめて短くすることがで
きる。また未処理被加工物１１の収納されたマガ
ジン１９と空のマガジン１９との交換も、前記レ
ーザトリミング作業中に行え、レーザトリミング
作業自体の中断をなくすることができる。

なお、複数のマガジン１９における被加工物１
１が同種類のもので、これを連続して同じレーザ
トリミングパターンで処理したい場合には、制御
器２７におけるパターン切り替えの指令を中止
し、もしくは同種パターン繰り返し指令を出すよ
うにしておけば良い。

このように、レーザトリミング装置に複数のト
リミングパターンを予めセツトし、入力信号によ
り前記パターンを切り換えるように構成する一
方、回転テーブルに関連させた感知手段にて前記
供給位置に来た設置部の種別を感知できるように
し、該感知手段からの出力信号にて前記レーザト
リミング装置における入力信号を切換えて、前記
供給位置に来た被加工物の種類が変わると自動的
にレーザトリミング装置におけるレーザトリミン
グパターンも所定のものに変更できるように関連
させておけば、作業者は回転テーブルの所定の設
置部に所定のマガジンを設置する取り替え作業だ
けで、種類の異なる被加工物ごとに異なるレーザ
トリミングパターンでレーザトリミング処理で
き、その作業の自動化をより一層図れることにな
る。

さらに、本考案は、移送手段１７と回転テーブ
ル１６との連動関係のみ自動化し、レーザトリミ
ングパターン切り替えの指令を別途作業者が行え
るように構成しても良い。

〔考案の効果〕

以上要するに、本考案に従えば、複数のパター
ンで被加工物をレーザトリミング処理できるよう
に構成されたレーザトリミング装置に、被加工物
を自動的に供給するに際して、この自動供給装置
の回転テーブルには、被加工物を収納する複数の
マガジンが当該テーブル上面の円周方向に適宜間
隔ごとに着脱自在にセツトできる設置部を設け、
該回転テーブルを間欠回動自在に構成して、回転
テーブル上の前記各マガジンの設置部が前記レー
ザトリミング装置に被加工物を移送する移送手段
への供給位置で停止できるように構成したので、
一定種類の被加工物をまとめて収納した複数のマ
ガジンを回転テーブル上に予め載置でき、同種類
のレーザトリミングパターンであれ、異なる種類
のレーザトリミングパターンであれ、空のマガジ
ンと未処理の被加工物が収納されたマガジンとの
交換作業中もレーザトリミング作業自体を中断さ
せなくて済み、作業の能率化、稼動率の向上を図
ることができる。

特に、異なる種類のレーザトリミングパターン
に変更してレーザトリミング作業を行うに際して
も、異なる種類ごとの被加工物にまとめて収納し
たマガジンを予め回転テーブル上に複数設置でき
るから、被加工物の供給交換作業の手順を予め設
定し準備できることになり、レーザトリミング装
置におけるレーザトリミングパターン交換指令と
前記テーブルの間欠回動だけで済むから、多種類
のパターンに変更してレーザトリミング作業を行
う変換作業も簡単且つ迅速に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置の要部断面側面図、第２図は平面
図、第３図は角型チツプ抵抗器の斜視図、第４図
は第３図の−線視断面図、第５図は基板の斜
視図、第６図は未処理の角型チツプの斜視図であ
る。 １……角型チツプ抵抗器、１′……未処理の角
型チツプ、２……セラミツク基板、４……抵抗
膜、６，６……側電極、７……切溝、１０……載
置テーブル、１１……被加工物、１３……照射
筒、１４，２３，２６……制御器、２７……主制
御器、１５……自動供給装置、１６……回転テー
ブル、１７……移送手段、１８……モータ、１９
……マガジン、２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄ
……設置部、２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄ…
…エアシリンダ、２２……突上げ体、Ａ……供給
位置、２５……搬出部、２８……感知手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数種類のパターンで被加工物にレーザトリミ
   ングできるように構成されたレーザトリミング装
   置の側方に配置する回転テーブルと、該回転テー
   ブル上の被加工物を前記レーザトリミング装置に
   移送するための移送手段とから成り、前記回転テ
   ーブルには、一定種類ごとに被加工物を収納した
   複数のマガジンが着脱自在にセツトできる設置部
   を当該テーブル上面の円周方向に適宜間隔ごとに
   設け、該回転テーブルを間欠回動自在に構成し
   て、回転テーブル上の前記各マガジンの設置部が
   前記移送手段への供給位置で停止できるように構
   成して成るレーザトリミング装置における被加工
   物の自動供給装置。