JPH0121614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 産業上の利用分野 本考案は化粧筆を備えたマニキユア、アイライ
ナー、液状口紅等の化粧液容器に関する。

従来の技術 この種容器として、スクイズ容器体の口部に化
粧筆を取り付け、容器体を圧搾して内部の化粧液
を化粧筆に含せる方式のものがある。しかし、こ
の種化粧液は粘性があるので、使用時化粧筆は液
で暫時接着状態がつづき、負圧化防止の吸気作用
が不可能となつて容器復元が遅れる欠点がある。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、化粧液を一方向送り出し機構を用い
て強制的に化粧筆に押出し供給する構造として上
記不都合を解消した化粧筆を備えた化粧液容器を
提供するにある。

ロ 考案の構成 問題点を解決するための手段 本考案による化粧筆を備えた化粧液容器は、上
部を口頸部８とし、下端を開口した直筒状の容器
胴体１と、下部を前記口頸部８に螺装し、上部を
段形に縮径して筆押え部９とした押え筒２と、下
部に設けた外向きフランジ１０により前記押え筒
２中間部内面に固定されて口頸部８軸芯の延長上
を上方に延びる吐出管３と、筆先以外の部分を中
空部とし、この中空部にて前記吐出管３外面に取
付けられ、かつ下部周りが前記筆押え部９で押え
られた化粧筆４と、前記容器胴体１下端開口に封
着された押込み操作可能な弾性底板５と、下端を
この弾性底板５上面に固定して容器胴体１軸芯部
を口頸部８近くまで立ち上つた案内棒６と、ドー
ナツ状であつて、内、外周縁が前記案内棒６外
面、容器胴体１内壁面に液密にかつスライド可能
に圧接し、さらにこの内、外周縁部に、それぞれ
案内棒６外面、容器胴体１内壁面に下降不能に逆
刺する数個の爪１１，１２…を有し、前記弾性底
板５の押込みによる案内棒６の昇降動毎に上方に
のみ遂次移動して化粧液を化粧筆４に押出し供給
する中皿７とで構成している。

作用 上記にて、マニキユア等の化粧時には、弾性底
板５を指先にて上方に押込み、案内棒６を上方に
押上げる。すると、中皿７の内周縁の爪１１…は
案内棒６外面に逆刺してあるので、中皿７は案内
棒６と同体に上方に移動し、これにより容器胴体
１内の化粧液を上方に押出し、吐出管３を通し化
粧筆４に供給するので、この後化粧筆４で化粧す
る。

化粧液の押出しを終え、弾性底板５の押込みを
停止すると、弾性底板５、案内棒６は下方に降下
し元状態に戻るが、中皿７は外周縁の爪１２…が
容器胴体１の内壁面に逆刺してあるので下降しな
い。即ち、弾性底板５の押込み操作を繰返す毎に
中皿７は遂次上方に移動し、化粧液を化粧筆４に
強制的に供給する。

実施例 容器胴体１の口頸部８外周には螺条１３を形成
し、また下部には二重筒の如く胴体１の外囲にこ
れより長く垂下させたやや径の大きい脚筒１４を
設けている。

押え筒２の下部内周には、前記螺条１３に螺合
する螺溝１５が形成してある。

化粧筆４は熱硬化性樹脂材によるもので、筆先
を除き中空状に束ねてつくられ、その下端部外面
にフランジ部１６を設け、このフランジ部１６を
加熱硬化し、この硬化部分を押え筒２の筆押え部
９下端段部で押え固定している。

弾性底板５は下方に膨出した球面状体の周縁か
ら取付け周壁１７を起立し、また上面中心部から
保持用短筒１８を立設し、この短筒１８内周に係
合溝を凹設したもので、周壁１７を前記脚筒１４
と容器胴体１下端部間に挟着させて取付け固定さ
れ、容器胴体１下端開口を封止している。尚、周
壁１７上端の周方向ところどころに突出し部を設
け、これらを脚筒１４から突出させて取付けを確
実にしているが、必らずしもこのようにする必要
はない。

案内棒６は下端外周に係合突条１９を突設し、
この係合突条１９の下端部を前記保持用短筒１８
に押込み係合固定し、弾性底板５から一体に立設
したかの如く取付けられている。

中皿７は第２図ａで拡大して示すように、ドー
ナツ状基板２０の内、外周縁から案内棒６外周面
及び容器胴体１内壁面に先端が圧接する弾性を有
する傾斜周壁２１，２２を起立し、また内周縁側
から案内棒６に遊嵌されるガイド筒２３を立設
し、さらに下面からボス２４を垂設し、その内、
外両面に取付け用周溝を凹設したもので、この中
皿７は容器胴体１内を上下に液密にしや断する。

内周側爪１１…は、同図ｂに示すように斜め内
下方向に傾斜して周方向とびとびに設けた数個か
らなり、これら爪１１…は前記ボス２４の内面側
の取付け用周溝に係合固定したリング２５の内周
縁から一体に突出形成されている。

また外周側爪１２…は、斜め外下方向に傾斜し
て周方向とびとびに設けた数個からなり、これら
爪１２…は前記ボス２４の外面側の取付け用周溝
に係合固定したリング２６の外周縁から一体に突
出形成されている。

前記弾性底板５、案内棒６及び爪１１群と１２
群が中皿７の一方送出し機構を構成しており、リ
ング２５を含む爪１１群、リング２６を含む爪１
２群は金属材でつくられ、他の各部は合成樹脂材
で成形製作される。尚、２７は装着されるキヤツ
プを示す。

ハ 考案の効果 上記した如く本考案では、一方向送出し機構を
設け、化粧時この機構により、容器胴体１内にス
ライド可能かつ液密に配設した中皿７を上方に押
上げて化粧液を強制的に化粧筆４に供給する構成
としたので、従来における負圧化防止機能として
の吸気系を形成する必要がなく、従つてこの吸気
系を設けることに基ずく問題が解消でき、使用上
有利かつ便利である。しかも操作は、単に弾性底
板５を押込むのみであつて何の面倒もなく簡単で
ある。また、化粧筆４の筆先以外の部分を中空と
し、該中空部内に吐出管３を嵌合させたから、容
器胴体１内の化粧液が化粧筆４に、吐出管３を通
して化粧筆の内部から供給されることとなり、よ
つて、化粧筆４に化粧液を迅速に浸透させること
ができ、使用上極めて都合が良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧筆を備えた化粧液容器の一
実施例の半部縦断面図、第２図ａは同実施例の一
方向送出し機構を示す拡大断面斜視図、同図ｂは
ａ図機構の内周側爪の全体斜視図、同図ｃはａ図
機構の外周側爪の半部斜視図である。 １……容器胴体、２……押え筒、３……吐出
管、４……化粧筆、５……弾性底板、６……案内
棒、７……中皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部を口頸部８とし、下端を開口した直筒状の
   容器胴体１と、下部を前記口頸部８に螺装し、上
   部を段形に縮径して筆押え部９とした押え筒２
   と、下部に設けた外向きフランジ１０により前記
   押え筒２中間部内面に固定されて口頸部８軸芯の
   延長上を上方に延びる吐出管３と、筆先以外の部
   分を中空部とし、この中空部にて前記吐出管３外
   面に取付けられ、かつ下部周りが前記筆押え部９
   で押えられた化粧筆４と、前記容器胴体１下端開
   口に封着された押込み操作可能な弾性底板５と、
   下端をこの弾性底板５上面に固定して容器胴体１
   軸芯部を口頸部８近くまで立ち上つた案内棒６
   と、ドーナツ状であつて、内、外周縁が前記案内
   棒６外面、容器胴体１内壁面に液密にかつスライ
   ド可能に圧接し、さらにこの内、外周縁部に、そ
   れぞれ案内棒６外面、容器胴体１内壁面に下降不
   能に逆刺する数個の爪１１…，１２…を有し、前
   記弾性底板５の押込みによる案内棒６の昇降動毎
   に上方にのみ遂次移動して化粧液を化粧筆４に押
   出し供給する中皿７とからなる化粧筆を備えた化
   粧液容器。