JPH0344097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、液状化粧料を収容し、かつ化粧筆を
備えた化粧筆付き液体容器に関する。

「従来の技術」 従来のこの種のものとしては、化粧の都度別体
の化粧筆を液つぼに差し入れて使用するか、或い
は容器形状をペンシル形として一端に化粧筆を取
付け、この化粧筆に常時或いは所要時に化粧液を
供給するものがある。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来では、前者では使用に手数がかかり、
携帯にも不便であり、また後者ではいずれの方式
でも化粧筆は液部に直接的に取付けられており、
液垂れを防ぐのがむずかしい。

本考案は、弁で閉塞されたシリンダーを設け、
押釦操作によりこのシリンダーから所要時に一定
の適量の化粧液が供給される構成とし、従つて扱
いが極く簡便でしかも液垂れがなく、そして携帯
に便利な化粧筆付き液体容器を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧筆付き液体容器は、直筒状の胴部
７を有し、この胴部７下部に上昇可能な底蓋８を
液密に設けた容器体１と、この容器体１の口頚部
９に下半部を内嵌装着されて上方に突出し、下部
に吸込み弁１０を内装したシリンダー２と、この
シリンダー２上部に下部を上下動可能に内接させ
て上方に延びた筒状の筆軸３と、筆穂１１の下半
部外面を金属筒１２で押え、この金属筒１２の上
から先端が金属筒１２より穂先側に延びたゴム筒
１３をかぶせ、かつ液道用の筒芯１４もその先端
を金属筒１２より穂先側に突き出して前記筆軸３
上端開口部に取付けられた平筆形の化粧筆４と、
上端部を前記筆軸３上部内面に固定し、下端を前
記シリンダー２に内接する筒状ピストン15に形成
し、かつ中間部内周面に上向き段部形の弁座１６
を形成して復帰ばね１７でシリンダー２から離反
する方向に付勢された筒状のピストン付き部材５
と、上端筒部を前記筆軸３またはピストン付き部
材５内面に固定して弾性圧縮板部１８を垂下し、
この板部１８下方に前記弁座１６に圧接した吐出
弁１９を形成する弁体２０を設けた弁体付き部材
６とで構成している。

「作用」 上記において、常時は筆軸３、ピストン付き部
材５、弁体付き部材６は復帰ばね１７により上限
まで押上げられ、またシリンダー２内には吸込み
弁１０で吸込まれた化粧液が充満している。

ここで、化粧時にはキヤツプ２１を外し、容器
体１とシリンダー２の結合体を復帰ばね１７に抗
して押上げる（或いは筆軸３、ピストン付き部材
５、弁体付き部材６を押下げる）。するとシリン
ダー２内の化粧液が加圧されることからこの加圧
化粧液が弁体付き部材６の弾性圧縮板部１８によ
りこの板部１８下方部を上方に押上げ吐出弁１９
を開弁するので、化粧液は圧縮板部１８を通して
化粧筆４に供給される。この供給によりシリンダ
ー２内が負圧化するので吸込み弁１０が開弁し容
器体１内の化粧液はシリンダー２内に吸込まれ、
これに応じて底蓋８が上方に移動する。

しかして、筆穂１１外面には穂先近くまでゴム
筒１３をかぶせてあるので筆穂１１に生じるバラ
毛が防止でき、また筒芯１４も金属筒１２より穂
先側に頭を突き出してあるので、平筆にするため
金属筒１２を潰したりしても液道を塞ぐようなこ
とはない。

「実施例」 容器体１の下端開口には、下方に突出させて押
込み操作用の押釦２２を固定している。この押釦
２２は中央部に直立軸２３を設け、また一部に息
抜き孔２４を明けている。底蓋８は周縁を断面弧
状の弾性周壁２５に形成し、この弾性周壁２５を
胴部７内面に圧接させ、液密にかつ上昇可能に内
装してある。

シリンダー２は、中間部外面の外向きフランジ
２６を容器体口頂面に係止させ、かつ粗面により
下半部を口頚部９に内嵌固定しており、また上端
内周に復帰ばね１７支持部としての上向き段部２
７を形成している。吸込み弁１０は逆止弁機能の
もので、図では玉弁を示しているが、これは弾性
板に舌状の弁部を切設した弾性板状弁でもよい。

筆軸３は、上部が上すぼまりの形状で、上端部
を内方に肉厚として上部内周に下向き段部２８を
形成し、また上部外面に螺条２９を形成してい
る。

化粧筆４は、下端部に接着剤、熱溶着等で固め
たフランジ３０を形成した筆穂１１下半部外面に
金属筒１２をかぶせ、その上から、下端を前記フ
ランジ３０に対応させて段形に拡径し、そして先
端が金属筒１２より穂先側に延びたゴム筒１３を
かぶせ、また筒芯１４も金属筒１２より頭を穂先
側に突き出させて挿入し、ゴム筒１３の下端大径
部３１を下向き段部２８に係止させて筆軸３上端
開口部に上半部を外方に突出させて取付けてあ
る。即ち、この化粧筆４は、第１図に示すように
丸筆の状態で筆軸３に内装セツトし、この後金属
筒１２の外部に露出した上端部を潰して第２図の
ように平筆に形成する。

ピストン付き部材５は、上端の外向きフランジ
３２により前記化粧筆４下端との間に適宜の間隙
を設けて筆軸３に内嵌固定され、下半部を段形に
内方に縮径させて中間部に弁座１６を形成してお
り、また下端の筒状ピストン１５は弾性を有して
シリンダー２内面に液密に圧接し、そして外向き
フランジ３２と前記シリンダー２上端の上向き段
部２７間に配設した復帰ばね１７で常時上方に押
上げられている。

弁体付き部材６は、前記化粧筆４の筒芯１４に
連通する上端筒部３３から突出した外向きフラン
ジ３４を化粧筆４下端とピストン付き部材５上端
間に挾着させて取付け固定してあり、上端筒部３
３から弯曲した両側の弾性圧縮板１８，１８を介
してシリンダー２軸芯部を垂下する軸３５を設
け、この軸３５上部から前記弁座１６に上面から
圧接する外向きフランジ状の弁体２０を設けてい
る。軸３５はシリンダー２の内容積を調整すると
共に、復帰動作時、その下端が吸込み弁１０を押
下げ強制的に復帰させる役目をする。

キヤツプ２１は筆軸３外面に螺合装着される。
このキヤツプ２１には内キヤツプ３６が内嵌固定
してある。この内キヤツプ３６はキヤツプ２１内
空間を縮少し筆穂１１の乾燥を防止するために用
いている。

尚、３７は、上部を筆軸３下部外面に嵌着した
外部筒で、上部寄り内周面にシリンダー２の外向
きフランジ２６を係止する内向きフランジ３８が
あり、容器体１外面との間に狭い間隙を設けてい
る。この外部筒３７の下端部一側には切欠き３９
があり、押釦２２はこの切欠き３９を利用して押
込み操作する。

上記実施例にて、シリンダー２は化粧筆４に充
分ではあるが余分でない適量の液量を収容する容
積に整定される。また各部は金属筒１２、ゴム筒
１３、復帰ばね１７を除き合成樹脂材で成形製作
される。

「考案の効果」 上記本考案では、容器体１のほかにシリンダー
２を別設し、このシリンダー２から必要時に化粧
液を化粧筆４に供給する方式であり、しかもシリ
ンダー２は吸込み弁１０、吐出弁１９で容器体
１、化粧筆４とは常時しや断している構造である
から外部への液垂れが生じる懸念は全くない。ま
た全体形状はペンシル形であるから携帯用に適し
ており、操作は容器体１底部を押釦２２を介し押
込むワンタツチであり、何の面倒もなく簡便であ
る。また化粧筆４は、穂先近くまで外面にゴム筒
１３をかぶせているのでバラ毛の生じるのが防止
でき、また筒芯１４の頭を金属筒１２より先端側
に突き出してあるので、平筆にするため金属筒１
２を潰しても液道を塞ぐことはなく、信頼性が高
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧筆付き液体容器の実施例の
半部縦断面図、第２図は同実施例の化粧筆部の平
面図である。 １……容器体、２……シリンダー、３……筆
軸、４……化粧筆、５……ピストン付き部材、６
……弁体付き部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直筒状の胴部７を有し、この胴部７下部に上昇
   可能な底蓋８を液密に設けた容器体１と、この容
   器体１の口頚部９に下半部を内嵌装着されて上方
   に突出し、下部に吸込み弁１０を内装したシリン
   ダー２と、このシリンダー２上部に下部を上下動
   可能に内接させて上方に延びた筒状の筆軸３と、
   筆穂１１の下半部外面を金属筒１２で押え、この
   金属筒１２の上から先端が金属筒１２より穂先側
   に延びたゴム筒１３をかぶせ、かつ液道用の筒芯
   １４もその先端を金属筒１２から穂先側に突き出
   して前記筆軸３上端開口部に取付けられた平筆形
   の化粧筆４と、上端部を前記筆軸３上部内面に固
   定し、下端を前記シリンダー２に内接する筒状ピ
   ストン15に形成し、かつ中間部内周面に上向き段
   部形の弁座１６を形成して復帰ばね１７でシリン
   ダー２から離反する方向に付勢された筒状のピス
   トン付き部材５と、上端筒部を前記筆軸３または
   ピストン付き部材５内面に固定して弾性圧縮板部
   １８を垂下し、この板部１８下方に前記弁座１６
   に圧接して吐出弁１９を形成する弁体２０を設け
   た弁体付き部材６とからなる化粧筆付き液体容
   器。