JPH0353747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、液状化粧料を収納し、かつフエルト
によるマニキユア用塗布具を備えた塗布具付き液
体容器に関する。

「従来の技術」 従来のこの種のものとしては、化粧の都度別体
の塗布具を液つぼに差し入れて使用するか、或い
は容器形状をペンシル形として一端に塗布具を取
付け、この化粧具に常時或いは所要時に化粧液を
供給するものがある。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来では、前者では使用に手数がかかり、
携帯にも不便であり、また後者ではいずれの方式
でも化粧筆は液部に直接的に取付けられており、
液垂れを防ぐのがむずかしい。また塗布体として
フエルトを用いた場合、筆に比べ簡単、安価に作
製できる利点があるが、液がフエルト全体に回る
ので肝心な先端部に集中しにくい欠点がある。

本考案は、弁で閉塞されたシリンダーを設け、
押釦操作によりこのシリンダーから所要時に一定
の適量の化粧液が供給される構成とし、従つて扱
いが極く簡便で液垂れがなく、携帯に便利で、し
かも液が先端部に集中的に流れるフエルトによる
マニキユア用塗布具を持つ塗布具付き液体容器を
得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の塗布具付き液体容器は、直筒状の胴部
７を有し、この胴部７下部に上昇可能な底蓋８を
液密に設けた容器体１と、この容器体１の口頸部
９に下半部を内嵌装着されて上方に突出し、下部
に吸込み弁１０を内装したシリンダー２と、この
シリンダー２上部に下部を上下動可能に当接させ
て上方に延びた筒状の塗布具軸３と、先細の形状
であつて、先端部を除く軸芯部に筒芯１１を有
し、かつこの筒芯１１延長上の先端部に２つ割り
する如き細いスリツト１２を設けて前記塗布具軸
３上端開口部に取付けられたフエルトの塗布具４
と、上端部を前記塗布具軸３上部内面に固定し、
下端を前記シリンダー２に内接する筒状ピストン
１３に形成し、かつ中間部内周面に上向き段部形
の弁座１４を形成して、復帰ばね１５でシリンダ
ー２から離反する方向に付勢された筒状のピスト
ン付き部材５と、上端筒部を前記塗布具軸３また
はピストン付き部材５内面に固定して弾性圧縮板
部１６を垂下し、この板部１６下方に前記弁座１
４に圧接して吐出弁１７を形成する弁体１８を設
けた弁体付き部材６とで構成している。

「作用」 上記において、常時は塗布具軸３、ピストン付
き部材５、弁体付き部材６は復帰ばね１５により
上限まで押上げられ、またシリンダー２内には吸
込み弁１０で吸込まれた化粧液が充満している。

ここで、化粧時にはキヤツプ１９を外し、容器
体１とシリンダー２の結合体を復帰ばね１５に抗
して押上げる（或いは塗布具軸３、ピストン付き
部材５、弁体付き部材６を押し下げる）。すると
シリンダー２内の化粧液が化圧されることからこ
の加圧化粧液が弁体付き部材６の弾性圧縮板部１
６によりこの板部１６下方部を上方に押上げ吐出
弁１７を開弁するので、化粧液は圧縮板部１６を
通して塗布具４に供給される。この供給によりシ
リンダー２内が負圧化するので吸込み弁１０が開
弁し、容器体１内の化粧液はシリンダー２内に吸
込まれ、これに応じて底蓋８が上方に移動する。

しかして、塗布具４の先端部にはスリツト１２
が設けてあるので、液はこのスリツト１２を介し
塗布具４先端部に速やかにかつ集中的に流れる。
尚、液は先端部が飽和すると他部分に浸潤するの
で液垂れは生じない。

「実施例」 容器体１の下端開口には、下方に突出させて押
込み操作用の押釦２０を固定している。この押釦
２０は中央部に直立軸２１を設け、また一部に息
抜き孔２２を明けている。底蓋８は周縁を断面弧
状の弾性周壁２３に形成し、この弾性周壁２３を
胴部７内面に圧接させ、液密にかつ上昇可能に内
装してある。

シリンダー２は、中間部外面の外向きフランジ
２４を容器体口頂面に係止させ、かつ粗面により
下半部を口頸部９に内嵌固定しており、また上端
内周に復帰ばね１５支持部としての上向き段部２
５を形成している。吸込み弁１０は逆止弁機能の
もので、図では玉弁を示しているが、これは弾性
板に舌状の弁部を切設した弾性板状弁でもよい。

塗布具軸３は、上部が上すぼまりの形状で、上
端部を内面側に肉厚として上部内周に下向き段部
２６を形成し、この下向き段部２６直下の拡径内
周に回転止めリブ２７の係合溝を形成している。

塗布具４は第２図に示すように先細のロケツト
形の形状で、先端部のスリツト１２は液道である
筒芯１１に連通する如く形成し、下半部外面を押
え筒２８で押えている。この押え筒２８の下端外
面には外向きフランジ２９があり、このフランジ
２９外周面に回転止めリブ２７の係合条を設け、
フランジ２９を前記下向き段部２６に係止させか
つ回転止めリブ２７の噛合で回転不能に塗布具軸
３先端開口部に取付けてある。塗布体であるフエ
ルトと押え筒２８の固定は、圧着固定、接着剤固
定、粗面固定等いずれの手段でもよい。

ピストン付き部材５は、上端の外向きフランジ
３０によち前記塗布具４下端との間に適宜の間隙
を設けて塗布具軸３に内嵌固定され、下半部を段
形に内方に縮径させて中間部に弁座１４を形成し
ており、また下端の筒条ピストン１３は弾性を有
してシリンダー２内面に液密に圧接し、そして外
向きフランジ３０と前記シリンダー２上端の上向
き段部２５間に配設した復帰ばね１５で常時上方
に押上げられている。

弁体付き部材６は、前記化粧具４の筒芯１１に
連通する上端筒部３１から突出した外向きフラン
ジ３２を塗布具４下端とピストン付き部材５上端
間に挟着させて取付け固定してあり、上端筒部３
１から弯曲した両側の弾性圧縮板１６，１６を介
してシリンダー２軸芯部を垂下する軸３３を設
け、この軸３３上部から前記弁座１４に上面から
圧接する外向きフランジ状の弁体１８を設けてい
る。軸３３はシリンダー２の内容積を調整すると
共に、復帰動作時、その下端が吸込み弁１０を押
下げ強制的に復帰させる役目をする。

キヤツプ１９は塗布具軸３外面に嵌合装着され
る。

尚、３４は、上部を塗布具軸３下部外面に嵌着
した外部筒で、上部寄り内周面にシリンダー２の
外向きフランジ２４を係止する内向きフランジ３
５があり、容器体１外面との間に狭い間隙を設け
ている。この外部筒３４の下端部一側には切欠き
３６があり、押釦２０はこの切欠き３６を利用し
て押込み操作する。

上記実施例にて、シリンダー２は塗布具４に充
分ではあるが余分でない適量の液量を収容する容
積に整定される。また各部は塗布具４のフエルト
塗布体、復帰ばね１５を除き合成樹脂材で成形製
作される。

「考案の効果」 上記本考案では、容器体１のほかにシリンダー
２を別設し、このシリンダー２から必要時に化粧
液を塗布具４に供給する方式であり、しかもシリ
ンダー２は吸込み弁１０、吐出弁１７で容器体
１、塗布具４とは常時しや断している構造である
から外部への液垂れが生じる懸念は全くない。ま
た全体形状はペンシル形であるから携帯用に適し
ており、操作は容器体１底部を押釦２０を介し押
込むワンタツチであり、何の面倒もなく簡便であ
る。また塗布具４の塗布体はフエルト製なので簡
単、安価に作製でき、さらにこの塗布体先端部に
液道としてのスリツト１２を設けたので、液体を
速やかに先端塗布部に集中的に流すことができ、
従つてかすれたりすることなく、常に充分な湿潤
の塗布が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案塗布具付き液体容器の半部縦断
面図、第２図は同実施例の塗布具のフエルト塗布
体の斜視図である。 １……容器体、２……シリンダー、３……塗布
具軸、４……塗布具、５……ピストン付き部材、
６……弁体付き部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直筒状の胴部７を有し、この胴部７下部に上昇
   可能な底蓋８を液密に設けた容器体１と、この容
   器体１の口頚部９に下半部を内嵌装着されて上方
   に突出し、下部に吸込み弁１０を内装したシリン
   ダー２と、このシリンダー２の上部外面に下部内
   面を上下動可能に当接させて上方に延びた筒状の
   塗布具軸３と、先細の形状であつて、先端部を除
   く軸芯部に筒芯１１を有し、かつこの筒芯１１延
   長上の先端部に２つ割りする如き細いスリツト１
   ２を設けて前記塗布具軸３上端開口部に取付けら
   れたフエルトの塗布具４と、上端部に付設した外
   向きフランジ３０を前記塗布具軸３上部内面に固
   定し、下端を前記シリンダー２に内接する筒状ピ
   ストン１３に形成し、かつ中間部内周面に上向き
   段部形の弁座１４を形成して、上記シリンダー２
   と外向きフランジ３０との間に配設した復帰ばね
   １５でシリンダー２から離反する方向に付勢され
   た筒状のピストン付き部材５と、上端筒部を前記
   塗布具軸３またはピストン付き部材５内面に固定
   して弾性圧縮板部１６を垂下し、この板部１６下
   方に前記弁座１４に圧接して吐出弁１７を形成す
   る弁体１８を設けた弁体付き部材６とからなる塗
   布具付き液体容器。