JPH0121618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、例えば眉墨や液状口紅等の液状化粧
料を収容する化粧筆付き液体容器に関する。

「従来の技術」 従来のこの種のものとしては、容器形状をペン
シル形として一端に化粧筆を取付け、この化粧筆
に常時或いは所要時に化粧液を供給する方式のも
のが多い。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来では、いずれの方式でも化粧筆は液部
に直接的に取付けられており、液垂れを防ぐのが
むずかしく、従つてまたこの種液容器は液垂れを
考慮して容器体口部が上を向く正立状態の取扱い
としている。

本考案は、弁で閉塞された貯溜室を設け、この
貯溜室から所要時に一定の適量の化粧液が供給さ
れる構成とし、従つて液垂れがなく、また正立、
倒立自在に扱いる便利な化粧筆付き液体容器を得
るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧筆付き液体容器は、直筒状の胴部
７を有し、この胴部７に液密に昇降可能な底蓋８
を設けた容器体１と、この容器体１の口頚部９に
内嵌装着されて上方に突出し、下部に吸込み弁１
０を内装した筒状の口部部材２と、先端開口部に
化粧筆１１を取付けた筆保持筒３と、この筆保持
筒３に内嵌固定され、この筆保持筒３若しくは自
身のいずれかにより前記口部部材２に所定量昇降
可能にかつ液密に嵌合して上方に延び、内周面に
弁用の係合突条１２を周設して復帰ばね１３で常
時上方に付勢され、下半内部が口部部材２とで貯
溜室Ａを形成する弁筒４と、化粧筆１１への連通
路を設けた上部の外向きフランジ１４を介し前記
筆保持筒３内面に固定されて貯溜室Ａ軸芯部を下
方に垂下し、中途外面に前記係合突条１２に上方
から接合して吐出弁１５を形成する係合突条１６
を周設し、この突条１６上方部をリング状弾性部
１７に形成し、この弾性部１７下方部を上下方向
変位可能とした弁軸５と、前記筆保持筒３外面に
嵌合装着されたキヤツプ６とで構成している。

「作用」 上記において、常時は筆保持筒３、弁筒４、弁
軸５は復帰ばね１３により上限まで押上げられ、
また貯溜室Ａには吸込み弁１０で吸込まれた化粧
液が満たされている。

ここで、化粧時にはキヤツプ６を外し、容器体
１と口部部材２の結合体を復帰ばね１３に抗して
押上げる（或いは筆保持筒３、弁筒４、弁軸５を
押し下げる）。すると貯溜室Ａの化粧液が加圧さ
れることからこの加圧化粧液が弁軸５の弾性リン
グ１７によりこのリング１７下方部を上方に押上
げ吐出弁１５を開弁するので、化粧液はフランジ
１４の連通路を通して化粧筆１１に供給される。
この供給により貯溜室Ａ内が負圧化するので吸込
み弁１４が開弁し、容器体１内の化粧液を貯溜室
Ａ内に吸込まれ、これに応じて底蓋８が上方に移
動する。尚、復帰動作時、弁軸５下端が吸込み弁
１０を押下げ強制的に復帰させる。

「実施例」 第１の実施例 （第１図） 容器体１の胴部７下端部を段形に拡径し、この
部に押板１８を取付け、また上部の口頚部９内周
に螺溝を形成している。底蓋８は周縁を断面弧状
の弾性部１９に形成し、この弾性部１９を胴部７
内面に圧接させ、液密にかつ昇降可能に内装して
いる。前記押板１８には息抜き孔１８ａが明けて
ある。

口部部材２は、容器体口頚部９に内嵌される下
部外面に前記螺溝に螺合する螺条２０を形成し、
また上半部は拡径し、この拡径部下部外周に複数
の縦条を形成し、また上端部に外向きの係止用突
条２１を突出している。吸込み弁１０は逆止弁機
能のもので、図では玉弁を示しているが、これは
弾性板に舌状の弁部を切設した弾性板状弁でもよ
い。

筆保持筒３は下端内周に前記口部部材２外面の
縦条に係合する複数の縦溝を形成して昇降可能に
取付け、その上方の内周に前記係止用突条２１に
係止する係止用突条２２を突設して上限位置を定
めており、また上部外周に螺条２３を形成してい
る。化粧筆１１は軸芯部の筒芯２４を内装して化
粧液導入の中空部を形成し、また筆先を除いた外
面を筒条の筆押え２５で押え、この化粧筆１１と
筆押え２５の一体物は下端部を外向きフランジ状
の形状とし、この下端部２６を筆保持筒３開口部
に、下向き段部を利用して抜出さないように取付
けている。

弁筒４は、前記化粧筆１１下端部２６との間に
適宜の間隙を設けて筆保持筒３に内嵌固定され、
下端は口部部材２上部まで垂下し、この垂下端を
弾性を有するスカート２７に形成して口部部材２
内周面に圧接させて液密化しており、そしてその
下端と口部部材２の中途段部間に配設された復帰
ばね１３で常時上方に押上げられている。

弁軸５は、上端の外向きフランジ１４に連通路
として周方向に数個の透孔２８を設けてこのフラ
ンジ１４を弁筒４上端と化粧筆１１下端部２６間
に挟着して取付けられている。

キヤツプ６は、中間部内周に前記螺条２３に螺
合する螺溝を形成し、また内部に前記筆押え２５
外面に嵌合する内キヤツプ２９を形成し、二重に
嵌合させてある。

尚、３０は上部を前記筆保持筒３下部の大径部
外面に嵌着した外部筒で、容器体胴部４との間に
間隙を設けている。

第２の実施例 （第２図） この実施例では、口部部材２は螺合ではなく粗
面により容器体口頚部９に内装固定し、また筆保
持筒３の下半部を省略し、その代りを弁筒４を拡
径垂下した下部で補ない、スカート２７は口部部
材２上端に形成してこれを弁筒４下部内面に摺接
されている。またこの口部部材２は上部に二重筒
の如く内筒３１を設け、この内筒３１の周方向と
ころどころに割り溝３２を設け、さらに上部内面
に第１実施例における係合突条２２を突設し、一
方弁軸５下部に第１実施例における係合突条２１
を設けており、第１の実施例と同様の作用、効果
が得られる。

上記両実施例にて、貯溜室Ａは化粧筆１１に充
分ではあるが余分でない適量の液量を収容する大
きさに整定される。また各部は復帰ばね１３を除
き合成樹脂材で成形製作される。

「考案の効果」 上記本考案では、容器体１のほかに貯溜室Ａを
別設し、この貯溜室Ａから必要時に化粧液を化粧
筆１１に供給する方式であり、しかも貯溜室Ａは
吸込み弁１０、吐出弁１５で容器体１、化粧筆１
１とは常時しや断している構造であるから外部へ
の液垂れが生ずる懸念は全くなく、従つてまたこ
の液体容器は正立、倒立いずれの状態の配置でも
差支えなく、扱いに不便がなく、携帯用に適して
いる。勿論、操作は容器体１底部を押込むのみで
あり、何の面倒もなく簡便である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧筆付き液体容器の第１の実
施例のの半部縦断面図、第２図は第２の実施例の
半部縦断面図である。 １……容器体、２……口部部材、３……筆保持
筒、４……弁筒、５……弁軸、６……キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直筒状の胴部７を有し、この胴部７に液密に昇
   降可能な底蓋８を設けた容器体１と、この容器体
   １の口頚部９に内嵌装着されて上方に突出し、下
   部に吸込み弁１０を内装した筒状の口部部材２
   と、先端開口部に化粧筆１１を取付けた筆保持筒
   ３と、この筆保持筒３に内嵌固定され、この筆保
   持筒３若しくは自身のいずれかにより前記口部部
   材２に所定量昇降可能にかつ液密に嵌合して上方
   に延び、内周面に弁用の係合突条１２を周設して
   復帰ばね１３で常時上方に付勢され、下半部が口
   部部材２とで貯溜室Ａを形成する弁筒４と、化粧
   筆１１への連通路を設けた上部の外向きフランジ
   １４を介し前記筆保持筒３内面に固定されて貯溜
   室Ａ軸芯部を下方に垂下し、中途外面に前記係合
   突条１２に上方から接合して吐出弁１５を形成す
   る係合突条１６を周設し、この突条１６上方部を
   リング状弾性部１７に形成し、この弾性部１７下
   方部を上下方向変位可能とした弁軸５と、前記筆
   保持筒３外面に嵌合装着されたキヤツプ６とから
   なる化粧筆付き液体容器。