JPH03902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、例えば眉墨や液状口紅等の液状化粧
料を収納する化粧筆付き液体容器に関する。

「従来の技術」 従来のこの種のものとしては、容器形状をペン
シル形として一端に化粧筆を取付け、この化粧筆
に常時或いは所要時に化粧液を供給する方式のも
のが多い。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来では、いずれの方式でも化粧筆は液部
に直接的に取付けられており、液垂れを防ぐのが
むずかしい。

本考案は、弁で閉塞された貯溜室を設け、この
貯溜室から所要時に一定の適量の化粧液が供給で
きる構成として液垂れを防止するようにした化粧
筆付き液体容器を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧筆付き液体容器は、直筒状の胴部
６を有し、この胴部６の軸芯部に頂部開口から操
作棒７を押込み可能に立下げ、この操作棒７と胴
部６間の内部に昇降可能に摺動蓋８を内装した容
器体１と、上部をこの容器体１下部口頚部９外面
に嵌合して垂下し、先端開口部に化粧筆１０を取
付けた筆保持筒２と、この筆保持筒２に摺動可能
に内装された貯溜室Ａ形成用の筒状ピストン３
と、ロケツト形の形状であつて、前記操作棒７下
端にこれを延長した如く配設されて前記ピストン
３を遊通し、かつ先端寄り中途外周面に複数の縦
溝１１を形成し、常時復帰ばね１２で上限位置ま
で押下げ付勢され、そして上部周縁がピストン３
上端周縁との間に常時閉、復帰時開の吸込み弁１
３を形成した可動弁軸４と、前記化粧筆１０とピ
ストン３間の筆保持筒２部に内嵌固定され、弁軸
４先端が挿通する開口部を弾性弁体１４に形成
し、操作時前記縦溝１１で開弁状態に保持される
吐出弁部材５とで構成し、操作時弁軸４及びピス
トン３の吸込み量をピストン３が吐出弁部材５に
当接する一定量としたことを特徴としている。

「作用」 上記構成において、常時はピストン３、可動弁
軸４、操作棒７の結合体は復帰ばね１２により上
限まで押上げられ、また吸込み弁１３は閉弁し、
そして貯溜室Ａ内には吸込まれた化粧液が満たさ
れている。

ここで、化粧時には胴部６を把持して操作棒７
上端部を、ノツク式ペンのように復帰ばね１２に
抗して下方に押下げる。すると弁軸４が同体に下
方に移動し、その中途の鍔部１５により貯溜室Ａ
内の化粧液を加圧し始める。弁軸４がさらに下降
すると、その上端拡径部１６がピストン３上端に
当接しこのピストン３をも下降させるので内部の
化粧液は急速に加圧され、吐出弁体１４を開弁し
て化粧筆１０に供給される。このとき、弁軸４の
縦溝１１が吐出弁体１４部に位置して開弁状態を
保持するので、加圧液体は圧力低下にかかわらず
略全量、つまり一定量供給される。

この後、操作棒７の押込みを停止すると、各部
は復帰ばね１２で原状態に復帰し、貯溜室Ａは負
圧化するので開弁状態にある吸込み弁１３から化
粧液が流入し、この流入に応じて摺動蓋８が下降
する。尚、復帰時、弁軸４先端の復帰で空室Ｂも
負圧化し化粧筆１０に含まれた化粧液の一部がこ
の空室Ｂに吸込まれるが、この液は再び化粧筆１
０に供給される。

「実施例」 容器体１の胴部６上端開口部には通気溝１７を
設けた押え筒１８を内嵌固定し、また下端口頚部
９外面には粗面を形成し、筆保持筒２はこの粗面
により嵌合固定している。また操作棒７の上端に
は上方に突出している筒状押釦１９を設け、この
押釦１９の下端に前記押え筒１８に係止される外
向きフランジ２０を設けて上方に抜け出さないよ
うにしてある。また摺動蓋８は内、外周縁を断面
弧状の弾性部に形成し、これら弾性部を胴部６内
面、操作棒７外面に圧接させ、液密にかつ昇降可
能に内装している。

筆保持筒２は、下半部を段形に縮径し、この段
部と容器体口頚部９下端間で挾持して筒部材２１
を内嵌固定している。化粧筆１０は軸芯部に筒芯
２２を内装して化粧液導入の中空部を形成し、ま
た筆先を除いた外面を筒状の筆押え２３で押え、
この化粧筆１０と筆押え２３の結合体は上端部に
外向きのフランジ部を設け、このフランジ部を筆
保持筒２開口部に上向き段部を利用して抜け出さ
ないように取付けている。尚、２４はパイプ押え
で、空室Ｂを形成している。

ピストン３は、上端内周に突条２５を設け、こ
の突条２５下面にＯリング２６を取付け、また下
部の大径外面を前記筒部材２１下端に係止させて
上限位置を定め、下方の吐出弁部材５に当接する
まで押込み可能に設けられている。

可動弁軸４は、鍔１５と吐出弁部材５間の復帰
ばね１２で常時上方に押上げられ、従つて吸込み
弁１３を形成する上端拡径部１６はピストン３上
端から離れているが、鍔１５がＯリング２６に当
接して封止されることから、吸込み弁１３は閉弁
状態にある。そして押込み操作後の復帰時には、
ピストン３に先行してこの弁軸４が復帰するので
開弁し、このとき鍔１５周縁とピストン３内面間
の間隙を通して化粧液が貯溜室Ａ内に吸込まれ
る。

吐出弁部材５は逆止弁機能のもので、弾性弁体
１４は吐出時のみ下方に開弁する。

尚、２７はキヤツプであり、筆保持筒２外面に
嵌合装着される。また貯溜室Ａは化粧筆１０に充
分ではあるが余分ではない適量の液量を収容する
大きさに整定される。

上記各部は復帰ばね１２を除き合成樹脂材で成
形製作する。

「考案の効果」 上記本考案では、容器体１のほかに適量の液量
を収容する貯溜室Ａを別設し、この貯溜室Ａから
必要時に化粧液を化粧筆１０に供給する方式であ
り、この貯溜室Ａは吸込み弁１３、吐出弁部材５
で容器体１、化粧筆１０とは常時しや断し、しか
も操作時の弁軸４とピストン３の押込量が一定と
なる構造であるから、化粧筆１０には常に適量の
一定量の化粧液が供給でき、外部への液垂れが生
じる懸念がない。尚、復帰動作時、Ｂ室が一旦化
粧液を貯溜するが、この空室Ｂは小室であり問題
はない。また操作は押釦１９を単に押込むのみで
あり、何の面倒もなく簡便である。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案化粧筆付き液体容器の一実施
例の縦断面図である。 １……容器体、２……筆保持筒、３……ピスト
ン、４……可動弁軸、５……吐出弁部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直筒状の胴部６を有し、この胴部６の軸芯部に
   頂部開口から操作棒７を押込み可能に立下げ、こ
   の操作棒７と胴部６間の内部に昇降可能に摺動蓋
   ８を内装した容器体１と、上部をこの容器体１下
   部口頚部９外面に嵌合して垂下し、先端開口部に
   化粧筆１０を取付けた筆保持筒２と、この筆保持
   筒２に摺動可能に内装された貯溜室Ａ形成用の筒
   状ピストン３と、ロケツト形の形状であつて、前
   記操作棒７下端にこれを延長した如く配設されて
   前記ピストン３を遊通し、かつ先端寄り中途外周
   面に複数の縦溝１１を形成し、常時復帰ばね１２
   で上限位置まで押上げ付勢され、そして上部周縁
   がピストン３上端周縁との間に常時閉、復帰時開
   の吸込み弁１３を形成した可動弁軸４と、前記化
   粧筆１０とピストン３間の筆保持筒２部に内嵌固
   定され、弁軸４先端が挿通する開口部を弾性弁体
   １４に形成し、操作時前記縦溝１１で開弁状態に
   保持される吐出弁部材５とからなる化粧筆付き液
   体容器。