JPH0120369B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は都市ガスやプロパンガス等による爆発
事故やガス中毒事故を未然に防止するガス事故防
止装置に関するもので特に一般家庭用を意図した
ものである。

ガス事故の多くは未燃ガスの放出漏洩に起因し
ているが、これを防止するには器具や配管の面か
ら改善を加える必要がある。従来、このような目
的に対してガス漏れ警報器やヒユーズコツクと称
される過流出防止機能を有するガスコツクが用い
られていた。しかし、ガス漏れ警報器はその取付
位置によつては危険状態に至つても作動しなかつ
たり家屋内のどの部屋でガス漏れを生じても感知
するという機能までは有していない。又、ヒユー
ズコツクも作動範囲外のガス放出に対しては遮断
機能を有していない。更に、これらの装置も故意
のガス放出に対しては有効な防止手段にはなり得
ない。

本発明は家屋内へのガス供給ライン中に設けた
流量測定装置と、作動時に前記ラインのガス供給
を停止させる遮断装置と、制御装置と、表示装置
と、前記各装置を作動させるための電源とを有
し、前記制御装置は、前記流量測定装置の流量信
号を受け予め記憶された適正なガス使用条件を逸
脱した場合には前記表示装置と遮断装置を作動さ
せ、前記電源の電圧が設定値以下に低下した場合
には前記表示装置を作動させると共に前記遮断装
置を選択的に作動させる構成であるから、ガスの
過大流量が流れた時はもちろん、適正流量であつ
ても長時間に亘つて流量変化がない時などは異常
と判定してガス供給を遮断すると共に遮断した理
由を表示するものである。これによつてガス事故
を未然に防止することはもちろん、需要家の不適
正な使用や不注意に対して呼びかけることによつ
て総合的なガス供給系の安全確保を図ることが本
発明の目的である。

以下実施例に基いて本発明を詳しく説明する。
第１図は本発明のシステム構成図であつて、ガス
はガス供給ライン１のメータコツク２を通り、遮
断装置３を経てガスメータ４に入る。ここで流量
が積算されてから家屋内に供給される。ガスメー
タ４には瞬時の流量に応じた機械的作動部がある
ので、この動きを検出すれば流量信号を得ること
が可能であつて、これが流量測定装置５である。
流量測定装置５からは刻刻の流量信号が制御装置
６へ送り続けられる。この信号はパルスで送られ
るので制御装置６では単位時間当りのパルス数か
ら現在のガス流量値を知ることができる。一方、
制御装置６にはあらかじめガスの使用方法として
適正と判断される限界値が記憶されている。この
判断基準は需要家が同時に複数のガス器具を使用
した場合の瞬時最大流量やガス流量の時間的変化
がなく継続して使用する最大継続時間などであ
る。特に後者は使用するガス器具の用途によつて
異るので許される瞬時最大流量以下で多数の流量
区分を設け、各々の流量区分での許容最大継続時
間を記憶している。そして、現在のガス流量値が
瞬時最大流量を超えた場合には直ちに、又、瞬時
最大流量以下の場合には、適用される流量区分の
最大継続時間を超えた場合に異常と判定するので
ある。もちろん、途中でガス流量が設定条件以上
に変化した場合には適正な使用状態であると判断
して、それまで積算して来た時間は零にもどし最
初から時間積算を再始動させることになる。この
時に、流量区分を超えるような大幅な流量変化が
あれば、適用すべき許容最大継続時間も変更され
ることになる。

こうして制御装置６では流量測定装置５から送
られてくる流量信号で現在の流量値を判断すると
共に、自分自身が記憶している適正使用条件と比
較してこの使用条件を逸脱すれば異常と判断す
る。異常と判断すれば遮断装置３に対してはガス
供給を遮断するよう遮断信号を送ると共に、表示
装置７にはどういう理由で異常と判断し遮断した
かを表示するよう表示信号を送る。８はこれら装
置のための電源である。

遮断装置３は開状態において電力消費をしない
ように自己保持型とし、閉じさせる一瞬の間だけ
電流を供給される瞬時電流作動の形式にしておけ
ば電源として電池を用いる時に有利である。流量
測定装置５はガスメータ４の機械的作動を検知す
る方法が簡便で、リードスイツチ、半導体センサ
ー、発電型素子などが用いられる。この場合も電
力消費が少いことが機器として構成する場合に有
利である。制御装置６は低消費電力型のマイクロ
コンピユータが適している。更に、表示装置７は
LED，LCDなどの数字表示器を用い、番号によ
つて異常理由を表示することができる。又、電池
８の消耗を少くすると共に、電池８の寿命が来た
後でも表示を保持したいような場合には磁気反転
素子のような自己保持で且つ不揮発性の表示器が
適している。不揮発性表示を行う必要があるのは
例えば、電池８自体の電圧が設定値以下に低下し
た場合で、この時は、電池寿命の表示を行うと共
にマイクロコンピユータの誤動作を防止する目的
で制御装置６の機能を停止させる。この時、遮断
装置３を遮断して停止させても良いし、遮断せず
に機能だけ停止しても良い。遮断しなかつた場合
は安全装置としての機能が失われるが、通常のガ
ス使用には支障が無い。

次に、ガスメータ４とこれら各装置を一体構造
で設けた実施例によつて更に詳しく説明する。

第２図はガス事故防止装置付のガスメータ４の
一例を示す正面図、第３図は同じく左側面図であ
る。ガスメータ４は本体ケース９と上ケース１０
で主として形づくられ、上ケース１０の前面中央
にはガスの積算流量を機械的手段で表示するカウ
ンタ機構を内蔵したカウンターケース１１があ
る。又、本体ケース９中には２枚のダイヤフラム
で区画された４ケの計量室があつて、その両側の
計量室は腹板１２と制御器ケース１３によつて密
閉化されている。上ケース１０は内部にダイヤフ
ラムの往復運動を回転運動に変換し前述のカウン
タ機構へ伝えると共にダイヤフラムの往復運動を
継続するため前述の４ケの計量室へガスを順次供
給するタイミングバルブを駆動する機構部が収納
されており、ガスは入口１４から入つて出口１５
から出る。更に、１６はカウンターを読み取るカ
ウンター窓である。以上のガスメータ構成は公知
であるので詳しい説明は省略する。

制御器ケース１３は一面で計量室を密閉化する
と共に他面には流量測定装置５、制御装置６、表
示装置７と電源としての電池８を収納している。
そして制御蓋１７で風雨からこれらの装置を保護
すると共に制御蓋１７の上部中央には内部の表示
装置７を見るための表示窓１８があり、下部には
電池交換用の電池蓋１９が設けられている。

第４図は制御器ケース１３の内部を示す継断面
図であつて、２枚のプリント基板２０の計量室に
近い側にはリードスイツチ５が設けられ、ダイヤ
フラム側にあらかじめ固着されている磁石の近接
離反に応じてオンオフ信号を発生し流量測定装置
の働きをしている。プリント基板２０にはマイク
ロコンピユータを主役とする制御装置６が組込ま
れており、又、磁気反転型表示素子２１とLCD
表示素子２２もプリント基本２０に取付けられ結
線されている。この両表示素子は既述のように使
い分けられて表示装置７を構成している。これら
表示装置７はガラス板２３で密閉された表示窓１
８と相対応している。次に、下方には電池ケース
２４が取付けられてあつて、電池８を収納し、飾
りビス２５をゆるめて外すことができる電池蓋１
９の部分から電池交換が可能になつている。

次に、第５図には遮断装置３の一例を示した。
図は上ケース１０の部分断面図であるが、ダイヤ
フラムの往復運動を回転運動に変換するための機
構部品は図が繁雑になるので省略した。上ケース
１０の入口１４の下端には弁座２６を形成し、そ
の中心軸線上の真下に自己保持型ソレノイド２７
を設け、その可動鉄心の頂部に弁ゴム２８を挿着
している。弁ゴム２８は可動鉄心とは首振り自在
に固定されていてソレノイド２７と弁座２６の取
付上の若干の傾きは吸収して閉塞できるようにな
つている。一方、可動鉄心と連結した復帰軸３０
がソレノイド２７より下方へ突出しており、その
端部に係合板２９がある。図は開弁状態を示して
いるが、閉弁状態では係合板２９はソレノイド２
７に近接した位置にあり、復帰レバー３１が復帰
つまみ３２を操作した時に反時計方向に回転して
復帰軸３０を図の位置まで押し下げ開弁状態にも
どすことができる。

ソレノイド２７はガス中にあるので、ハーメテ
イツクシールした気密端子３３を介してケーブル
３４から遮断電流を供給する。３５は端子カバー
である。

ソレノイド２７は内部に永久磁石とスプリング
を有しており、通常は磁石吸引力がスプリング反
力に打勝つて吸着保持しているが、コイルに磁石
吸引力を打消す方向の電流を流し、一瞬でもスプ
リング反力の方が上回る状態になれば可動鉄心は
離反して、もはや電流を切つても永久磁石自体の
吸引力は大幅に低下しているので再吸着して開弁
する恐れはない。すなわち、開弁したい瞬時だけ
電流を流せば良にので無駄な電力消費を避け、電
池の小型化が可能になる。

このように、復帰操作が手で容易に行うことが
出来ることは便利である反面、遮断しなければな
らなかつた原因、例えば、器具を接続していない
コツクを誤つて開けていたとかゴムホースが老化
してガスが漏れていた、という原因を除かないま
ま復帰して再び未燃ガスを放出してしまう恐れが
ある。この場合の為に、制御装置６には、復帰操
作後、ある一定時間中に流量パルス信号が送られ
て来た時は、遮断原因が解消されていないと判定
して再び遮断動作を行うような判定機能を付加し
ておくと安全である。この時には、表示信号は前
回遮断の時の理由とは別の表示を行つて原因又は
欠陥が直つていないことを知らしめる。

又、別設のガス警報器やCO検知器、地震感知
器と接続してこれら別設のセンサー入力によつて
遮断させた時は、各々に応じて番号表示を行つて
遮断理由を需要家に知らしめることが出来る。

尚、ガスの流量測定装置５の方法は実施例に示
した方法の他に、回転運動を検出することも可能
であるし、遮断装置３も既述の機構部分の運動を
機械的に拘束する方法や、ガスメータ４とは完全
に別設の電磁弁を設ける方法が考えられるので、
図に示した実施例にこだわるものではない。

以上述べたように本発明では複数のガス器具の
ガス適正使用条件と現在のガス使用実態とを比較
してガス適正使用条件を逸脱した場合には表示装
置を作動させると共にガス供給を遮断し、電源電
圧が低下した場合には表示装置を作動させると共
に遮断装置を選択的に作動させるものであるか
ら、直ちにガス事故につながる緊急な異常時には
ガスの供給を遮断して安全性を確保すると共に、
その旨を表示し、また直ちにガス事故につながら
ない異常時には表示のみを行い、使用者がメンテ
ナンスをしやすくしたものである。これにより、
安全装置としてのレベルを低下させることなく、
異常に対する過剰反応による不便さを解消するも
のである。また表示装置には判定理由に応じた
種々の表示を行うことが可能であり、不正常原因
に対する対応策を容易に取れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるガス事故防
止装置のシステムを示す構成図、第２図は本発明
のガス事故防止装置をガスメータと一体構造にま
とめた実施例を示す正面図、第３図は同じく左側
面図、第４図は同装置における制御器ケースの縦
断面図、第５図は同装置における遮断装置を示す
ための上ケース部分断面図である。 １…ガス供給ライン、３…遮断装置、４…ガス
メータ、５…流量測定装置、６…制御装置、７…
表示装置、８…電源（電池）、２１…不揮発性表
示器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガス供給ラインに設けられた流量測定装置
   と、作動時に前記ラインのガス供給を停止させる
   遮断装置と、制御装置と、表示装置と、前記各装
   置を作動させるための電源とを有し、前記制御装
   置は、前記流量測定装置の流量信号を受け予め記
   憶された適正なガス使用条件を逸脱した時には前
   記表示装置と遮断装置を作動させ、前記電源の電
   圧が設定値以下に低下した時には前記表示装置を
   作動させるガス事故防止装置。 ２ 表示装置の全部又は一部が電源電圧にかかわ
   らず表示を保つ不揮発性表示器で構成された特許
   請求の範囲第１項記載のガス事故防止装置。 ３ 流量測定装置、遮断装置、制御装置、表示装
   置及び電源がガス供給ライン中に設けたガスメー
   タに一体構造で設けられている特許請求の範囲第
   １項記載のガス事故防止装置。