JPH0544301B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本発明は各種センサや手動釦からの遮断要求信
号に応答してガス供給を遮断するガス遮断弁装置
に関するものである。

Ｂ 従来の技術 この種のガス遮断弁装置は、地震や火災の発生
による生ガス放出を予防するためにガス供給を遮
断するものであり、第１図に示すように、ガス漏
れ警報器２、感震センサ３、供給側の圧力センサ
等の各種センサからの遮断要求信号、制御回路１
内に設けられている異常流量検出回路からの遮断
要求信号、あるいはホームオートメーシヨン用の
HA制御盤５に設けた手動釦からの遮断要求信号
等により遮断弁６が閉弁動作し、復帰釦６ｂの操
作により開弁復帰するものである。復帰時に機器
のガスコツクやパイロツトバーナ等の閉め忘れに
よる生ガス放出を防止する必要があるから、第４
図に示すように、開弁復帰時に一定時間のガス流
監視を行なつて一定値以上の流量が検出された場
合には再遮断するようになつている。流量監視セ
ンサ７としては、積算ガスメータの出力軸と連動
する永久磁石とリードスイツチとで構成されるパ
ルス発生器７ａにより所定流量が通過する毎にパ
ルスを出力するいわゆるパルス式ガスメータを使
用し、例えばパルスが２分間入力しなければ、ガ
ス流なしと判断して開弁保持するとともにHA制
御盤５に復帰表示を行ない、パルスが入力すれば
再遮断するようにしている。

また復帰時のガス流監視中にガス機器を使用す
ると遮断弁６が作動してしまうので、使用者開弁
操作後に必ず一定時間（例えば２分間）持たなけ
ればならず、この待機時間中であることを示すた
めに発光ダイオードなどよりなる表示ランプ８を
点滅させるようにしている。

Ｃ 発明が解決しようとする問題点 上述のように、開弁復帰時に圧力を検出せずに
時間のかかる流量検出を行なう理由は、遮断弁が
生ガス放出等の検出による遮断要求信号を受けて
遮断動作した後には、遮断弁の２次側の圧力が大
気圧まで下がつているために、圧力計でガス漏れ
を検出する方法ではガス遮断後に機器のガスコツ
クが閉じられたかどうかを判別できないからであ
る。しかしながら、実際には、ガス漏れ警報器の
誤動作、外出先からの電話回線による安全確認の
ための遮断、感震センサの誤動作による遮断等の
ように、ガス遮断のほとんどは不必要に行なわれ
ているから、その都度復帰操作を行なつて時間待
ちをするのはきわめて不便である上に、復帰操作
が必要かどうかは一旦ガスを使用して見ないと分
からないので、一層不便な思いをするという欠点
があつた。

またガス遮断弁装置には通常リチウム電池など
の一時電池は使用されて、制御回路、電磁弁及び
上記発光ダイオードに電源を供給しており、正常
な使用状態であれば約10年間は電池交換が不要で
あるが、上述のように誤動作が多く発生する使用
者にあつては、遮断弁のソレノイドによる電力消
費が異常に多くなり、例えば電池寿命が数分の１
以下になるという問題がある。

本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは、ガス漏れ警報器
や感震センサ等からの警報信号が入力しても、実
際にガスが流れていなければ必ずしも遮断弁を作
動させる必要がなく、それ以後はガス流を監視し
て実際にガスが流れた時にのみ遮断弁を遮断すれ
ばよいという点に着眼し、遮断要求信号を受けた
場合に遮断弁を開弁状態に維持したままで制御回
路１をガス流監視状態とし、遮断弁の作動回数を
節減して、上述のような不便さをなくすと共に、
電池寿命の短縮化を防止したガス遮断弁装置を提
供することにある。

Ｄ 問題点を解決するための手段 本発明に係るガス遮断弁装置は、ガス流路上に
配設された遮断弁を有し、各種センサや手動釦か
らの遮断要求信号によりガス供給を遮断する制御
回路を有し、ガス流路上において遮断弁の二次側
にガス流量を検出する流量監視センサを有し、制
御回路は遮断要求信号が入力されると解除信号が
入力されるまでは流量監視センサによりガス流の
監視を行なうガス流監視状態となり、ガス流監視
状態でガス流が検出されれば遮断弁を閉弁し、ガ
ス流が検出されなければ遮断弁を開弁状態に維持
するものであり、ガス漏れ警報器や感震センサか
ら遮断要求信号が入力された時に、実際には遮断
弁を閉弁させずにガス流監視状態とした点に特徴
を有するものである。

Ｅ 作用 上記の構成によれば、遮断要求信号入力時に、
ガスが使用されていれば即時にガス流を検出して
遮断弁が閉弁するが、ガス流が検出されなければ
遮断弁は閉弁せず、以後は解除信号が入力される
まで、ガス流が検出されると直ちに遮断弁が作動
する状態に維持されるので、実際には遮断弁が閉
弁していないにも拘わらず、遮断されているのと
全く同等の機能を果たし得るものである。

Ｆ 実施例 第１図は本発明装置の実施例をブロツク図で示
したもので、制御回路１にはガス漏れ警報器２、
感震センサ３、供給側圧力センサ４等の各種セン
サ、およびホームオートメーシヨン用のHA制御
盤５が接続されており、制御回路１ではこれらの
センサからの遮断要求信号を受けてソレノイド６
ａに弁制御信号を送り、遮断弁６を作動させる。
遮断弁６は操作釦６ｂにより手動で開弁復帰され
るようになつており、このときソレノイド６ａに
発生する逆起電力により、制御回路１に復帰信号
が入力されるようになつている。また積算ガスメ
ータを兼ねた流量監視センサ７は、所定流量が通
過する毎に１個のパルスを出力するパルス発生器
７ａを備えており、制御回路１はこの流量監視セ
ンサ７からの流量検出パルスによつてガス流量を
常時監視し、生ガス放出による流量異常を検出す
ると遮断弁６を直ちに作動させる。また表示ラン
プ８は、復帰操作時にガス流監視中であることを
点滅表示する。

制御回路１は、第２図に示すように動作する。
制御回路１が作動すると、通常ルーチンとして異
常流量の監視等を行なうと共に、ガス漏れ警報器
２、感震センサ３、圧力センサ４等からの遮断要
求信号を常時チエツクする。遮断要求信号が入力
されると、次に解除信号が入力されるまではパル
ス発生器７ａからの流量検出パルスの有無を監視
しガス流路内のガス流監視を行なうガス流監視状
態となる。ガス流監視状態においてガス流れて流
量検出パルスが入力されると遮断弁６を遮断す
る。遮断弁６が遮断された後の動作は従来例と同
じであつて、復帰釦６ｂの操作により復帰信号が
入力すると、２分間のガス流監視を行ない、その
間にもし流量検出パルスが入力すればガス漏れが
あると判断して再遮断を行ない、もしガス漏れが
なければ表示ランプ８の消灯による復帰表示を行
なつて通常ルーチンに復帰する。なお本実施例に
おいては手動釦および解除釦をHA制御盤５に設
けているが、別途設けてもよいことは言うまでも
ない。

上記の構成によれば、たとえば感震センサ３が
動作して遮断要求信号が制御回路１に入力された
場合であつてもガス流がなければ遮断弁６は閉弁
しないが、地震が止んだ後、あるいは感震センサ
３の誤動作であつたことが判明した後に、HA制
御盤５から解除信号が入力されるまでは、実質的
にガス機器の使用あるいは生ガスの放出は不可能
であり、したがつて遮断弁６が作動していなくて
も遮断機能を果たすのである。また解除釦を操作
すれば、通常は制御回路１のガス流監視状態が解
除されるだけで、遮断弁６を復帰操作する必要が
ないので、前述の２分間の待機時間を必要とせず
即座にガス機器の使用が可能になり、しかも感震
センサ３が誤動作する毎に遮断弁６が作動してい
た従来例に比し、電池の無駄な消耗を節減するこ
とができるものである。

なお上記実施例では遮断要求の解除を手動で行
なつているが、遮断要求信号が入力した時点から
適宜時間（例えば10分）経過後に自動的に解除信
号を発生させるようにしてもよい。例えば地震に
より感震センサ３が動作した場合、ガス管の折損
等が発生するのは数分以内と考えられ、もし発生
すれば多量のガス流を検出して即時に遮断弁が作
動するが、10分以内に発生しなかつた場合には不
具合発生の危険は去つたわけであるから、制御禁
止状態を解除しても何等支障がなく、従つてこれ
を自動で解除するようにすれば、一々開弁操作す
る手間が省ける上に、前述のように感震センサ３
が誤動作したことを使用者が知らずにガスを使用
した場合に、ガス出ないというような不便さをな
くすことができるものである。このように要求解
除を自動で行なうための構成としては、例えば制
御回路１内にソフトウエアまたはハードウエアに
よりタイマを形成して、遮断要求信号によつてタ
イマをスタートさせ、そのタイムアツプ出力を解
除信号として用いるようにすればよい。

ところで、遮断弁６はガス流路上においてメー
タコツク９よりも後方に配設されているから、メ
ータコツク９を閉弁した状態で気温が低下する
と、ガス流路内での圧力低下が生じ、圧力センサ
４により遮断要求信号が出力されることになる。
このような状態が生じると、上述のように制御回
路１がガス流監視状態となるから、ガスを使用す
るときには復帰操作を行なう必要が生じ、実際に
はガス流路にはなんら問題が生じていないにもか
かわらず、復帰操作を行なわなければならないと
いう不都合が生じる。第３図に示すのは、このよ
うな不都合を回避する手段であつて、解除信号を
圧力センサ４の出力に基づいて発生させるように
したものである。すなわち、ガス流路内の圧力が
所定値以下となつたときに発生する圧力低下信号
である遮断要求信号を受けた場合に、流量検出パ
ルスが発生すれば遮断弁６を遮断するが、流量検
出パルスが発生していないときには、圧力センサ
４によりガス流路内のガス圧が復帰したかどうか
を監視し、ガス圧が復帰すれば自動的に通常ルー
チンに戻るようにしている。この構成により、ガ
ス流路の圧力が低下して制御回路１がガス流監視
状態になつても圧力が正常状態に復帰すれば、制
御回路１のガス流監視状態が自動的に解除される
から、手動による復帰操作が不要となり使い勝手
が向上するのである。

このように、各種センサからの遮断要求による
ものは自動で要求解除されるように構成すれば、
感震センサ等の誤動作の際に一々要求解除釦を操
作する必要がなく、しかも外出時や就寝時には必
要なだけガス流監視状態を継続させることができ
て非常に好都合である。

またガス流監視状態を長時間継続する際に、安
全基準をはるかに超えた微量のガス流を検出して
遮断弁が作動しまうおそれがある場合には、適当
な時間間隔（例えば10分）で上記タイマがリセツ
トされるように構成すればよい。

Ｇ 効果 本発明は上述のように、ガス流路上に配設され
た遮断弁を有し、各種センサや手動釦からの遮断
要求信号によりガス供給を遮断する制御回路を有
し、ガス流路上において遮断弁の二次側にガス流
量を検出する流量監視センサを有し、制御回路は
遮断要求信号が入力されると解除信号が入力され
るまでは流量監視センサによりガス流の監視を行
なうガス流監視状態となり、ガス流監視状態がガ
ス流が検出されれば遮断弁を閉弁し、ガス流が検
出されなければ遮断弁を開弁状態に維持するもの
であり、たとえば地震が実際に発生したりあるい
は何等かの衝撃（実際にはこれが非常に多いので
あるが）で感震センサが誤動作したような時に、
遮断弁を閉弁せずにガス流監視状態に設定するよ
うにしたものであるから、次にガスを使用する場
合に、従来のような待機時間が省略できる上に、
遮断弁のソレノイドで消費される電力を大巾に節
減して電池寿命を向上することができるという利
点があり、また自動でガス流監視状態の解除を行
なうようにした場合には、ガスコツクを開いて初
めて遮断弁が閉じていることが分かるという従来
の不便さを解消できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロツク図、
第２図は同上の動作を示す動作説明図、第３図は
本発明の他の実施例の動作を示す動作説明図、第
４図は従来例の動作を示す動作説明図である。 １は制御回路、２はガス漏れ警報器、３は感震
センサ、４は圧力センサ、５はHA制御盤、６は
遮断弁、７は流量監視センサである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガス流路上に配設された遮断弁を有し、各種
   センサや手動釦からの遮断要求信号によりガス供
   給を遮断する制御回路を有し、ガス流路上におい
   て遮断弁の二次側にガス流量を検出する流量監視
   センサを有し、制御回路は遮断要求信号が入力さ
   れると解除信号が入力されるまでは流量監視セン
   サによりガス流の監視を行なうガス流監視状態と
   なり、ガス流監視状態でガス流が検出されれば遮
   断弁を閉弁し、ガス流が検出されなければ遮断弁
   を開弁状態に維持することを特徴とするガス遮断
   弁装置。 ２ 遮断要求信号が手動釦による場合は手動で解
   除信号が得られるようにし、各種センサによる場
   合は自動で解除信号が得られるようにして成るこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のガ
   ス遮断弁装置。 ３ ガス流路内のガス圧が所定値以下となると遮
   断要求信号を発生する圧力センサを備え、上記制
   御回路は、ガス流監視状態において流量監視セン
   サによりガス流が検出されずかつ圧力センサによ
   りガス流路内のガス圧の復帰が検出されると遮断
   弁を開弁状態に維持してガス流監視状態を解除す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第２項に記載
   のガス遮断弁装置。