JPH0119609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、果樹園等における農作業の際に枝
等に支障しないように、又、走行前方の目視を容
易にする為に運転席を機体の左右方向中心に対し
て左方又は右方の何れかに偏らせて位置せしめ、
而も、作業機昇降機構のリフトシリンダの側方に
て低い位置に設けるよう構成してある、所謂オフ
セツトトラクタにおける作業機昇降機構の改良に
関するものである。

かかるオフセツトトラクタについて、従来のも
のは第４図に平面視を示したように機体１の左右
方向中心Ｃに対して運転席２を、例えば右方に偏
らせると共に作業機昇降機構Ｌのリフトシリンダ
３の側方にて充分に低く位置せしめ、図示外の作
業機を吊持する為の左右のリフトアーム４，５の
夫々の取付基部４ａと５ａを、後部機体６に軸支
されているリフト軸７に夫々、例えばスプライン
嵌合によつて取付け、リフトシリンダ３のリフト
ピストン８に係合するアーム９をこのリフト軸７
にスプライン嵌合によつて取付けているが、上記
取付基部４ａ，５ａをアーム９の左右に夫々振分
けて位置しているので、リフト軸７の左右部を
夫々軸支している軸受体１０，１１のうち特にア
ーム９に近い軸受体１０が、同側の後車輪１２と
そのフエンダ１３に極めて接近することになり、
従つて、この軸受体１０の幅が極めて狭くならざ
ると得なくなつて、この結果、リフト軸７の軸支
剛性が不充分となつて重量物である作業機を吊持
して回動するときにガタツキし易いと云う欠点が
ある。

そこでこの考案に於ては、リフト軸に左右のリ
フトアームの取付基部が相互に接近して嵌着され
るように設けて、リフト軸の軸受体が夫々充分な
幅に形成できることになつて、これによつてリフ
ト軸の軸支剛性が大きくなつて円滑に昇降回動で
きるように工夫したものである。

そして具体的構造を図示の一実施例に基づいて
説明すれば、第３図のように左右のリフトアーム
１４，１５の取付基部１４ａ，１５ａを例えば一
体に形成するか、又は、図示は省略したが、別体
としたときには夫々の取付基部を互に接近させる
ようにしてリフト軸１７のスプラインボス１７ａ
（機体１の左右方向中心Ｃに近い位置に設けてあ
る）に嵌着し、リフトアーム１４，１５の夫々の
回動先端に設けてある連結部１４ｂ，１５ｂは左
右へ充分に開脚させて、而も、この連結部１４
ｂ，１５ｂの左右方向中心を機体１の左右方向中
心に一致するように形成している。又、アーム９
を嵌着しているリフト軸１７のスプラインボス１
７ｂの左右に夫々軸受体１８と１９（図示例に於
てはリフトシリンダ３を内装しているシリンダケ
ース２０へ一体に形成してある）を設け、そして
このリフト軸１７は、１方の端部附近に形成して
あるジヤーナル部１７ｃを１方の軸受体１８によ
つて、又、スプラインボス１７ａと１７ｂの中間
附近に設けてある今一つのジヤーナル部１７ｄを
他方の軸受体１９によつて夫々軸支するように形
成する。

尚、図示の作業機２１はトラクタ２２の後部へ
ヒツチピン２３によつて連結されて、作業機２１
の連結アーム２４と左右のリフトアーム１４，１
５とをリフトロツド２５，２５にて連結してい
る。

この考案に係る作業機昇降機構は、上述のよう
にリフトシリンダ３にて回動動作するリフト軸１
７に、作業機昇降機構Ｌの左右のリフトアーム１
４，１５の取付基部１４ａ，１５ａが相互に近接
して嵌着されるように構成しているので、このよ
うに相互に近接して形成してある取付基部１４
ａ，１５ａは、リフト軸１７の適宜な位置に嵌着
できることになり、この結果、リフトシリンダ３
の左右中心よりも更に、左右１方の外側方にリフ
ト軸１７の１方の軸支部１７ｃを充分な幅を保有
せしめながら設けることができるものであつて、
他方の軸支部１７ｄと相俟つてリフト軸１７をガ
タツキなくしつかりと軸承できることになつて、
作業機吊持状態においても円滑に回動できるもの
であり、上述した従来の構造のように１方側の軸
受体１０が同じ側のリフトアーム４の取付基部４
ａの為に幅狭とならざるを得ない如き不具合は、
この考案によつて良く解決できたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示すも
ので、第１図は全体側面図、第２図は第１図の平
面図、第３図は第２図の要部拡大図、第４図は従
来の作業機昇降機構を示す平面図である。 符号説明、１……機体、２……運転、３……リ
フトシリンダ、４，５，１４，１５……リフトア
ーム、４ａ，５ａ，１４ａ，１５ａ……取付基
部、６……後部機体、７，１７……リフト軸、８
……リフトピストン、９……アーム、１０，１
１，１８，１９……軸受体、１２……後車輪、１
３……フエンダー、１４ｂ，１５ｂ……連結部、
１７ａ，１７ｂ……スプラインポス、１７ｃ，１
７ｄ……ジヤーナル部、２０……シリンダケー
ス、２１……作業機、２２……トラクタ、２３…
…ヒツチピン、２４……連結アーム、２５……リ
フトロツド、Ｃ……左右方向中心、Ｌ……作業機
昇降機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転席を、機体の左右方向中心に対して左右何
   れかの方向へ偏らせて位置せしめているオフセツ
   トトラクタであつて、作業機昇降機構のリフトシ
   リンダを、上記運転席が設置されている側に対し
   て逆側に位置せしめているものに於て、上記リフ
   トシリンダにて回動動作するリフト軸に作業機昇
   降機構の左右夫々のリフトアームの取付基部が相
   互に近接して嵌着されるように設けたことを特徴
   とするオフセツトトラクタに於ける作業機昇降機
   構。