JPH0116670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は新規な車輌用灯具に関する。詳しくは
合成樹脂製のランプボデイを備え、車体に取り付
けるための支持片がランプボデイに一体に形成さ
れた車輌用灯具において、車体への取付位置の調
整が容易であると共に、支持片の強度も確保する
ことができる新規な車輌用灯具を提供しようとす
るものである。

背景技術とその問題点 車輌用灯具を車体に取り付ける方法には種々の
ものがあるが、そのうちの一つにランプボデイか
ら一体の支持片を突設し、該支持片を介してボル
ト締めにより行うものがある。

ところで、最近では車輌用灯具の軽量化のため
に、ランプボデイを合成樹脂で形成するものが出
て来ている。そして、合成樹脂製のランプボデイ
の場合、それに一体に形成された支持片を車体に
ボルト締めするのでは、支持片の強度に不安があ
る。また、複数の支持片を車体にボルト締めする
場合、支持片のボルト挿通孔と車体のボルト挿通
孔との間の位置合わせがすべてうまくいくとは限
らない。

そこで、第１図に示すように、ランプボデイか
ら突設された支持片ａ，ｂ，ｃ，ｄのうち、一つ
ａには、それが基準となるようにボルトの外径に
等しい径を有するボルト挿通孔ｅを形成し、他の
支持片ｂ，ｃ，ｄにはボルトの外径より大きい径
の調整用ボルト挿通孔ｆ，ｇ，ｈを形成してお
き、このような支持片ｂ，ｃ，ｄに第２図に示す
ような補助部材を組み合わせて用いるようにする
考えがある。

第２図Ａに示すものは、支持片ｂ，ｃ，ｄの各
調整用ボルト挿通孔ｆ，ｇ，ｈの径に適合した外
径を有する筒部ｉを有するカラーｊを補助部材と
し、該カラーｊの筒部ｉを支持片ｂ，ｃ，ｄの調
整用ボルト挿通孔ｆ，ｇ，ｈに圧入してカラーｊ
を支持片ｂ，ｃ，ｄに結合し、このカラーｊの筒
部ｉにボルトを挿通してボルト締めを行なうもの
である。このようにカラーｊを介してボルト締め
を行なうと、ボルト締めの力が合成樹脂製である
支持片ｂ，ｃ，ｄに直接に加わることがなく、ボ
ルトの締め過ぎによる支持片ｂ，ｃ，ｄの破損は
防止されるが、カラーｊの筒部ｉを調整用ボルト
挿通孔ｆ，ｇ，ｈに圧入する際に、該圧入による
無理な力が支持片ｂ，ｃ，ｄに加わり、支持片
ｂ，ｃ，ｄが割れてしまうという事故が起こり易
いという欠点がある。

第２図Ｂに示すものは、薄い金属プレートから
成りボルトの外径に適合した径を有する２つのボ
ルト挿通孔ｋ，ｋを有する補助プレートｌを補助
部材とし、この補助プレートｌを中央から折り畳
んで支持片ｂ，ｃ，ｄに挾み付け、このとき２つ
のボルト挿通孔ｋ，ｋが調整用ボルト挿通孔ｆ，
ｇ，ｈを通して対向されるようにし、そして、こ
のボルト挿通孔ｋ，ｋにボルトを挿通してボルト
締めを行なうものである。このようなボルト挿通
孔ｋ，ｋを用いた構造であると、ボルト締めをし
た際に、支持片ｂ，ｃ，ｄのうち補助プレートｌ
のエツヂが当る部分ｍ，ｍに局部的に力が加わ
り、支持片ｂ，ｃ，ｄが該部分ｍ，ｍで座屈する
ことが度々あるという欠点がある。

考案の目的 そこで、本考案は、合成樹脂製のランプボデイ
を備え、車体に取り付けるための支持片がランプ
ボデイに一体に形成された車輌用灯具において、
車体への取付位置の調整が容易であると共に、支
持片の強度も確保することができる新規な車輌用
灯具を提供しようとするものである。

考案の概要 上記目的を達するため、本考案車輌用灯具は、
合成樹脂製のランプボデイの前面をレンズにて覆
いランプボデイ内に光源を配置した車輌用灯具に
おいて、ランプボデイから一体に複数の支持片を
突設し、支持片の両側縁から側壁を立設すると共
に支持片の中央部に挿通孔と該挿通孔を挟んだ位
置に相対向する一対の弧状溝を形成し、前記挿通
孔と同じか又は前記挿通孔より大きい挿通孔と該
挿通孔の縁の相対向する箇所の裏側に形成された
前記一対の弧状溝にそれぞれ嵌合する一対の係合
片を有する補助プレートを前記２つの側壁間に圧
入して支持片に重ね合わせ、補助プレートの挿通
孔を支持片の挿通孔の上に重ね合わせると共に補
助プレートの一対の係合片を支持片の一対の弧状
溝に係合させたことを特徴とする。

実施例 以下に、本考案車輌用灯具の詳細を図示実施例
に従つて説明する。

図中１は合成樹脂製のランプボデイであり、そ
の前面がレンズ２によつて覆われ、このランプボ
デイ１とレンズ２とによつて形成される灯室３内
に反射鏡４が図示しない適当な支持機構によつて
傾動可能に配置されている。そして、この反射鏡
４には電球５が取着されている。

６，７，８及び９はランプボデイ１に一体に形
成された支持片であり、ランプボデイ１の開口部
近くで側方へ突出するように形成されている。そ
して、支持片６，７，８及び９にはそれぞれ両側
縁から立設されランプボデイ１に一体に連結した
補強用の側壁１０，１０，１１，１１，１２，１
２，及び１３，１３が一体に形成されている。そ
して、これら側壁１０と１０、１１と１１、１２
と１２及び１３と１３の間の間隔は皆等しくされ
ている。

各支持片６，７，８及び９にはそれぞれボルト
挿通孔１４，１５，１６及び１７が形成されてい
る。支持片６に形成されたボルト挿通孔１４はこ
こに挿通されるボルトの径と略同じ径を有してお
り、基準孔となる。支持片７に形成されたボルト
挿通孔１５は横方向に長い長孔とされており、そ
の幅、即ち短径はここに挿通されるボルトの径と
略同じ位にされている。支持片８のボルト挿通孔
１６は横長の長孔とされており、このボルト挿通
孔１６の幅、即ち短径はここに挿通されるボルト
の径より大きくされている。支持片９のボルト挿
通孔１７はここに挿通されるボルトの径より大き
い径の円形とされている。更に、これら支持片
６，７，８及び９には、それぞれボルト挿通孔１
４，１５，１６及び１７を挟んだ位置に一対の弧
状の溝１８，１８が形成されていて、そして、こ
の一対の弧状溝１８と１８との間隔及び大きさは
全ての支持片６，７，８、及び９について同じと
されている。

１９は金属板から成る補助プレートである。こ
の補助プレート１９の幅は各支持片６，７，８及
び９の側壁１０と１０、１１と１１、１２と１２
及び１３と１３の間の間隔と略同じにされてい
て、そして、側縁には小さな爪２０，２０及び２
０，２０が一体に突設されている。そして、補助
プレート１９の中央部にはボルト挿通孔２１が形
成されており、このボルト挿通孔２１は前記支持
片６，７，８及び９のボルト挿通孔１４，１５，
１６及び１７のうち最も大きいものと同じかある
いは稍大きく形成されており、かつ、このボルト
挿通孔２１の大きさはこれに挿通されるボルトが
ボルト挿通孔２１のうちのどこを挿通されても該
ボルトの頭部が抜けない程度のものとされてい
る。ただ、ボルト挿通孔２１の大きさが稍大きす
ぎてボルト頭部が抜け出る惧れがある場合には、
ボルトに所定の大きさのワツシヤを係合させれば
良いので、ボルト頭部の大きさとボルト挿通孔２
１の大きさとの関係はそれほど厳密に考えなくと
も良い。ボルト挿通孔２１の縁の相対向する筒所
には裏側へ折り曲げられた一対の係合片２２，２
２が形成されている。そして、この一対の係合片
２２と２２との間隔は支持片の弧状溝１８と１８
との間隔と等しく、又、係合片２２，２２の大き
さは支持片の弧状溝１８，１８の中に嵌合し得る
大きさとされている。

しかして、各支持片６，７，８及び９の側壁１
０と１０、１１と１１、１２と１２及び１３と１
３の各間にはそれぞれ補助プレート１９が圧入さ
れ、そして、補助プレート１９が各支持片６，
７，８及び９と重ね合わされた状態となる。この
とき、補助プレート１９の両側縁に形成された爪
２０，２０及び２０，２０は各側壁１０，１０，
１１，１１，１２，１２，１３，１３に食い込
み、これによつて補助プレート１９は支持片６，
７，８及び９に重ね合わされた状態で固定され
る。また、補助プレート１９の係合片２２，２２
は各支持片６，７，８及び９の弧状溝１８，１８
内に係合され、これによつて補助プレート１９の
支持片６，７，８及び９それぞれへの位置決めが
為される。

上記車輌用灯具においては、ボルト２３がそれ
ぞれ補助プレート１９を有する各支持片６，７，
８及び９のボルト挿通孔２１−１４，２１−１
５，２１−１６及び２１−１７に挿通され車体
（図示しない。）に結合される。そして、このボル
ト締めによる力は、補助プレート１９を介して支
持片６，７，８及び９に伝わるための、支持片
６，７，８及び９の補助プレート１９と接してい
る面全体に分散するため、支持片６，７，８及び
９に局部的応力が加わることがなく、ボルト締め
時に支持片６，７，８及び９が損傷することがな
い。

考案の効果 以上に記載したところから明らかなように、本
考案車輌用灯具は、合成樹脂製のランプボデイの
前面をレンズにて覆いランプボデイ内に光源を配
置した車輌用灯具において、ランプボデイから一
体に複数の支持片を突設し、支持片の両側縁から
側壁を立設すると共に支持片の中央部に挿通孔と
該挿通孔を挟んだ位置に相対向する一対の弧状溝
を形成し、前記挿通孔と同じか又は前記挿通孔よ
り大きい挿通孔と該挿通孔の縁の相対向する箇所
の裏側に形成された前記一対の弧状溝にそれぞれ
嵌合する一対の係合片を有する補助プレートを前
記２つの側壁間に圧入して支持片に重ね合わせ、
補助プレートの挿通孔を支持片の挿通孔の上に重
ね合わせると共に補助プレートの一対の係合片を
支持片の一対の弧状溝に係合させたことを特徴と
する。従つて、車体へのボルト締め時に各ボルト
挿通孔の位置調整が容易であると共に、支持片に
無理な力が加ることがなく、支持片の強度が損な
われることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輌用灯具の一例を示す正面
図、第２図Ａ，Ｂはそれぞれ従来の車輌用灯具に
おける支持片と補助部材との関係を示す要部断面
図、第３図乃至第９図は本考案車輌用灯具の実施
の一例を示し、第３図は正面図、第４図は背面
図、第５図は第３図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第
６図は支持片の拡大斜視図、第７図は別の支持片
の拡大斜視図、第８図は補助プレートの背面から
見た拡大斜視図、第９図Ａ及びＢはそれぞれ第６
図及び第７図の支持片に補助プレートを結合した
状態を示す拡大斜視図である。 符号の説明、１……ランプボデイ、２……レン
ズ、５……光源、６……支持片、７……支持片、
８……支持片、９……支持片、１０……側壁、１
１……側壁、１２……側壁、１３……側壁、１４
……挿通孔、１５……挿通孔、１６……挿通孔、
１７……挿通孔、１８……弧状溝、１９……補助
プレート、２１……挿通孔、２２……係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製のランプボデイの前面をレンズにて
   覆いランプボデイ内に光源を配置した車輌用灯具
   において、ランプボデイから一体に複数の支持片
   を突設し、支持片の両側縁から側壁を立設すると
   共に支持片の中央部に挿通孔と該挿通孔を挟んだ
   位置に相対向する一対の弧状溝を形成し、前記挿
   通孔と同じか又は前記挿通孔より大きい挿通孔と
   該挿通孔の縁の相対向する箇所の裏側に形成され
   た前記一対の弧状溝にそれぞれ嵌合する一対の係
   合片を有する補助プレートを前記２つの側壁間に
   圧入して支持片に重ね合わせ、補助プレートの挿
   通孔を支持片の挿通孔の上に重ね合わせると共に
   補助プレートの一対の係合片を支持片の一対の弧
   状溝に係合させたことを特徴とする車輌用灯具。