JPH0114566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、天井側からクリーンエアーを下吹き
し、下降するエアーを床下に吸引するクリーンル
ーム内に設置され、例えば半導体のような塵埃を
極端にきらう物品（荷）の保管に使用されるクリ
ーンルーム内の荷保管設備に関するものである。

従来の技術 一般的に荷保管設備は、上下方向ならびに横方
向に複数の区画収納空間を有する棚と、この棚に
沿つた一定経路上を走行自在で且つ昇降ならびに
横方向出退自在な荷保持具を有する搬入出装置と
から構成され、さらに搬入出装置の走行は、下部
レールと上部レールとに夫々被ガイド体を支持案
内させることにより行なつている。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の荷保管設備によると、荷保持
具を出退動させる作動装置の部分に多くの塵埃が
発生し、この発生箇所が棚の近くであることか
ら、発生した塵埃は床側に吸引されることなく棚
に保管している荷側に移行することになり、荷に
悪影響を及ぼすことになる。これらのことから、
クリーンルーム内での荷保管の機械化、自動化、
すなわち荷保管設備の採用は困難とされていた。

問題を解決するための手段 上記問題点を解決するたに本考案におけるクリ
ーンルーム内の荷保管設備は、天井側からクリー
ンエアーを下吹きし、下降するエアーを床下に吸
引するクリーンルーム内に、上下方向ならびに横
方向に複数の区画収納空間を有する棚と、この棚
に沿つた一定経路上を走行自在な搬入出装置とを
設け、この搬入出装置は、ポスト内の正逆駆動装
置に昇降体を介して連動する昇降台と、この昇降
台内に設けた作動装置に連動して横方向出退自在
な荷保持具とを有し、前記作動装置の設置空間と
ポスト内とを連通する排気路を前記昇降体に形成
し、さらに設置空間に排気装置を設けている。

作 用 かかる構成によると、作業中に排気装置を作動
させることによつて、設置空間内の空気を排気路
を通してポスト内に流動（排気）し得、これによ
り設置空間で発生した塵埃をポスト内に除去し得
る。

実施例 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。１はクリーンルームで、天井２側からフイ
ルター３を通してクリーンエアー４を下吹きし、
下降するエアーをメツシユ形式の床５を通して床
下に吸引するように構成してある。６は棚で、前
面が開放する箱状の本体７と、この本体７におい
て横方向に多数並設した縦枠８と、これら縦枠８
に上下方向に多数取付けた前後枠９と、相対向す
る前後枠９間に取付けた荷受板１０と、下部にお
いて本体７を切欠いて形成した入出庫口１１と、
この入出庫口１１を通つて裏側に突出する入庫口
荷受台１２ならびに出庫口荷受台１３とからな
り、両枠８，９などによつて上下方向ならびに横
方向に夫々複数の区画収納空間１４を形成する。
１５は搬入出装置で、前記棚６の前面側に沿つた
一定経路１６上を走行自在である。すなわち搬入
出装置１５は本体を四角筒状のポスト１７から形
成し、その下端の棚６側の面にはブラケツト１８
を介してスライド体（下部被スライド体の一例で
あつて、ローラなどに代え得る。）１９が取付け
てある。このスライド体１９は棚６の本体７側に
取付けられ且つ前記一定経路１６に沿つた下部レ
ール２０に支持案内される。前記ポスト１７の下
面から取付け部材２１が垂設され、この取付け部
材２１は本体７側に設けた無端回動体２２の一箇
所に連結し、さらに無端回動体２２は輪体などを
介して正逆駆動装置２３に連動している。前記下
部レール２０や正逆駆動装置２３などは本体７と
一体の防塵カバー２４内に配設され、その際に防
塵カバー２４には、ブラケツト１８や取付け部材
２１の移動を許すスリツト２５，２６が形成して
ある。

前記ポスト１７の上端には一対の遊転ローラ
（上部被ガイド体の一例であつて、スライド体な
どに代え得る。）２８が配設され、これら遊転ロ
ーラ２８間に位置し且つ一定経路１６に沿つた上
部レール２９が、取付け部材３０を介して本体７
側に取付けてある。

前記搬入出装置１５は、両レール２０，２９に
支持案内されて一定経路１６上を走行自在であ
り、そのポスト１７の走行方向側のいずれか一面
には上下方向にスリツト３４を形成している。前
記ポスト１７内には上位輪体３５、下位輪体３
６、駆動輪体３７などが配設され、これら輪体３
５，３６，３７間に無端回動体３８を巻回すると
共に、駆動輪体３７を正逆駆動装置３９に連動し
ている。前記無端回動体３８の一箇所に連結した
昇降体４０はポスト１７内に配設した上下レール
４１に案内され、また昇降体４０の一部である連
結部材４２は前記スリツト３４を通つて突出して
いる。この連結部材４２の突出端には昇降台４３
が取付けられ、また昇降台４３上に横方向退出自
在な荷保持具４４を設けて、両荷受台１２，１３
と区画収納空間１４との間で荷４５の受け渡しを
可能にしている。すなわち昇降台４３は、荷保持
具４４を出退動させる作動装置４６を収納してな
る設置空間４７を下部に有し、また棚６側で開放
する荷収納空間４８を上部に有する。前記設置空
間４７内の上部には下向きのレール４９が配設さ
れ、このレール４９にスライド体５０を介して案
内される可動体５１が設けられる。この可動体５
１に取付けたナツト体５２に螺合する螺子棒５３
が前記レール４９に夫々つて配設され、この螺子
棒５３の端部は正逆駆動装置５４に連動連結して
いる。前記設置空間４７内には排気装置５５が設
置され、この排気装置５５の吸気口５６を該設置
空間４７内に開放すると共に、前記連結部材４２
を含む昇降体４０に形成した排気路５７の始端に
排気口５８を連通している。なお排気路５７の終
端はポスト１７内に開放している。前記設置空間
４７を形成する天板には、前記螺子棒５３に沿つ
たスリツト５９が形成され、前記可動体５１から
立設した連結板６０を、このスリツト５９を通し
て荷収納空間４８内に突出させている。前記連結
板６０の上端に取付けた保持枠６１には、前記レ
ール４９とは直交する横方向のレール７１が取付
けられ、このレール７１に夫々スライド体６２を
介して案内される一対のブラケツト６３には、
夫々前記荷保持具４４が取付けられる。両ブラケ
ツト６３間に亘つて螺子棒６４が貫通され、この
螺子棒６４に螺合する２組のナツトなどからなる
ストツパ６５を両ブラケツト６３の相対向面側に
配置すると共に、両ブラケツト６３間にシリンダ
装置６６を取付けている。前記スリツト５９の両
縁部にはピン６７を介して上下揺動自在な左右一
対のカバー６８が取付けられ、これらカバー６８
はウエイト６９の自重によつてスリツト５９を閉
塞すべく下動している。またカバー６８の相対向
面で奥側部は傾斜面６８ａに形成してあり、これ
ら傾斜面６８ａに対向するローラ７０が前記連結
板６０の前端に取付けてある。なお前記荷４５の
上端には左右方向からの被保持部４５ａが形成さ
れている。

以下に上記実施例の作用を説明する。クリーン
ルーム１内では、フイルター３を通つて下吹きさ
れるクリーンエアー４が下降し、そして下降する
エアーを床５下に吸引することから、そのクリー
ン度は確保されている。このようなクリーンルー
ム１内で搬入出装置１５を使用しての、棚６の目
的とする区画収納空間１４と両荷受台１２，１３
との間での荷４５の受け渡しは、この搬入出装置
１５の一定経路１６上での走行動作と、昇降台４
３の昇降動作と、荷保持具４４の出退動作との組
合わせにより行なえる。このとき荷保持具４４の
出退動は、正逆駆動装置５４の作動により螺子棒
５３を回転させ、これをナツト体５２を介して可
動体５１や連結板６０のスリツト５９方向の移動
に変えることにより可能となる。そして荷４５の
保持は、離間状態にある一対のフオーク状の荷保
持具４４を、シリンダ装置６６により互いに接近
させ被保持部４５ａに係合させることにより行な
われる。荷収納空間４８内においては、最大２個
の荷４５が宙吊り状で保持される。上述した作業
中において排気装置５５が作動しており、設置空
間４７内の空気は吸気口５６から吸い込まれ、そ
して排気口５８と排気路５７とを介してポスト１
７内に排出される。したがつて設置空間４７内の
作動装置４６から発生した塵埃は、スリツト５９
から漏出することなくポスト１７内に除去し得
る。またスリツト５９においては、荷保持具４
４、すなわち連結板６０が退入位置にあるとき、
第７図、第８図実線に示すように水平揺動位置に
ある両カバー６８がスリツト５９を閉塞してお
り、したがつて塵埃漏出の防止をより確実化して
いる。そして突出動させたとき、連結板６０と共
に移動するローラ７０が傾斜面６８ａに接当して
カバー６８を下動側へ付勢し、さらに移動するこ
とにより第８図仮想線に示すように両カバー６８
を開動（下方揺動）させる。

考案の効果 上記構成の本考案におけるクリーンルーム内の
荷保管設備によると、荷出し入れの作業中に排気
装置を作動させることによつて、荷保持具の作動
装置を設置した設置空間内の空気を排気路を通し
てポスト内に流動（排気）することができ、これ
により設置空間で発生した塵埃をポスト内に除去
することができる。したがつて作動装置側で発生
した塵埃がクリーンルーム内、棚側に移行するこ
とを防止でき、クリーンルーム内での荷保管の機
械化、自動化を可能にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
切欠き側面図、第２図は棚の裏側から見た一部切
欠き図、第３図は一部切欠き平面図、第４図は荷
保持具作動部の縦断側面図、第５図は同縦断正面
図、第６図は同横断平面図、第７図はスリツト部
の平面図、第８図は同縦断面図である。 １……クリーンルーム、２……天井、４……ク
リーンエアー、５……床、６……棚、１４……区
画収納空間、１５……搬入出装置、１６……一定
経路、１７……ポスト、３９……正逆駆動装置、
４０……昇降体、４２……連結部材、４３……昇
降台、４４……荷保持具、４５……荷、４５ａ…
…被保持部、４６……作動装置、４７……設置空
間、４８……荷収納空間、５５……排気装置、５
６……吸気口、５７……排気路、５８……排気
口、５９……スリツト、６８……カバー、７０…
…ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井側からクリーンエアーを下吹きし、下降す
   るエアーを床下に吸引するクリーンルーム内に、
   上下方向ならびに横方向に複数の区画収納空間を
   有する棚と、この棚に沿つた一定経路上を走行自
   在な搬入出装置とを設け、この搬入出装置は、ポ
   スト内の正逆駆動装置に昇降体を介して連動する
   昇降台と、この昇降台内に設けた作動装置に連動
   して横方向出退自在な荷保持具とを有し、前記作
   動装置の設置空間とポスト内とを連通する排気路
   を前記昇降体に形成し、さらに設置空間に排気装
   置を設けたことを特徴とするクリーンルーム内の
   荷保管設備。