JPH0113961B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、皮むきないしは軸旋削するためのバ
イトチツプであつて、第１の主切刃と第２の主切
刃と、この第２の主切刃に接続している副切刃と
を有している形式のものに関する。

棒材、管又は例えば線材を皮むきすることは広
範囲に用いられる。ゆえに皮むき機の操作員及び
この皮むき機用の工具の製作者は、廉価でかつ高
品質な生産品を製作することは目的として、常に
作業条件の改良に努力している。この場合特に、
切刃の幾何学的な形状及び切削部材の形状が注目
されている。この切削部材は、高速度鋼又は超硬
からか、又は両材料の組合せから成る少なくとも
１つのバイトチツプである。バイトチツプは使用
目的に応じて単数か又は複数の切刃を有してい
る。

大きな送りにおける極めて大きな切削深さを得
るために、本発明の出発点となつた公知のバイト
チツプ（ドイツ連邦共和国特許出願公開第
2825748号明細書）は、第１の主切刃と、この第
１の主切刃に直接接続している第２の主切刃と、
この第２の主切刃に接続している副切刃とを有し
ている。この公知のバイトチツプでは、第１の主
切刃が粗又は予備切削の機能を有しているのに対
して、第２の主切刃は残りの切削を行ないかつ、
ある程度の良好な表面を得るために粗バニシ加工
を行なう。また、第２の主切刃に後置されている
副切刃は仕上げバニシ加工及び工作物の案内のた
めに働く。しかしながらこの公知のバイトチツプ
には、加工される工作物の製作誤差及び表面品質
並びにバイトチツプ自体の耐用寿命に問題があ
る。

ゆえに本発明の課題は上述の公知のバイトチツ
プを改良して、切削効率が高いにもかかわらず、
切削後の製作誤差が極めて僅かでしかも高い表面
品質を有する工作物を得ることのできるバイトチ
ツプを提供することである。

この課題を解決するために本発明の構成では、
第１の主切刃に、第２の主切刃に前置された副切
刃が接続している。

本発明の実施態様では、第１の副切刃の長さａ
が式a_nax＝Ln／２によつて規定されており、式中に おいてLnが第１の副切刃の始端部と第２の副切
刃の終端部との間の間隔である。

本発明の別の実施態様によれば、第１の副切刃
と第２の副切刃との間の間隔ｂが式ｂ＝0.1〜0.5
＋Ｋによつて規定されており、式中においてＫが
予備加工された各工作物の自体公知の硬化された
区域である。

本発明のように切刃を第１の主切刃・第１の副
切刃・第２の主切刃・第２の副切刃と配置するこ
とによつて得られる利点としては特に、ただ１つ
のバイトチツプで予備皮むき及び仕上げ皮むきを
行なうことができるということだけでなく、同時
に良好なバニシ特性及び案内特性が得られるとい
うことが挙げられる。本発明によるバイトチツプ
においてこのような利点が得られるということは
個個の切刃がそれぞれ以下に記載の課題を有して
いることに基づいている。すなわち、第１の主切
刃は公知のものと同様予備切削を行なうという課
題を有しているが、本発明によるバイトチツプに
おいて第１の副切刃は粗バニシ加工と案内とを行
なうという課題を有しており、この第１の副切刃
による粗バニシ加工によつて既に比較的良好な表
面が得られるので、第２の主切刃における切削は
問題なく行なわれる。また同じく第１の副切刃に
よる案内によつて加工すべき工作物が安定させら
れるので、振動が阻止される。第２の主切刃は単
に細かな切粉を生ぜしめるという課題を有してい
る。第２の副切刃はただバニシ加工を行なうだけ
である。つまり、本発明によるバイトチツプの第
２の副切刃では僅かな切削圧で作業を行なうこと
ができ、この結果あまり高くない温度で作業が行
なわれ、バイトチツプ自体の摩滅が僅かになり、
ひいては耐用寿命が延びる。またこのことは工作
物に関して言えば製作誤差が僅かに保たれ得ると
いうことを意味する。

以上のことからわかるように、本発明のように
構成することによつて、バイトチツプの長い耐用
寿命と共に、加工される工作物の僅かな誤差及び
高い表面品質が得られる。

次に図面につき本発明の実施例を説明する。

第１図〜第５図からわかるように、本発明によ
るバイトチツプ９を用いると、２つの別々の切粉
が生ぜしめられる。この場合第１の主切刃１は粗
皮むきをするために働く。

第１の主切刃１に続く第１の副切刃２はこれま
での経験から有利には、最大で長さLnの半分で
ある。長さａを有している（第４図参照）。この
ように寸法を設定しておくと、送りＳ＝Ln／２×ｆ が可能である。この式において係数ｆは0.7〜0.9
である。第５図に示されている加工される工作物
７は第１の副切刃２によつて粗バニシ加工されか
つ案内される。

第２の主切刃３は仕上げ加工を行なう。この主
切刃３に続く第２の副切刃４によつて工作物７は
バニシ仕上げされる。この結果、製作誤差は極め
て僅かしか生ぜしめられずかつ高い表面品質が得
られる。

長年にわたる一連の実験から判明していること
であるが、第１の副切刃２と第２の副切刃４との
間の間隔ｂがｂ＝0.1〜0.5＋Ｋであると、有利で
ある（第４図参照）。この場合Ｋは予備加工され
た各工作物の硬化された区域をあらわし、かつこ
の硬化された区域Ｋは自体公知の形式で見つける
ことができる。第６図に示されている線図からわ
かるように、図示の実施例では硬化された区域Ｋ
は０〜0.4mmの範囲内にある。この硬化された範
囲における工作物の硬度は、硬化されていない範
囲における硬度に比べて著しく高い。

第１の副切刃２と工作物７の軸線８とによつて
形成される角度γがγ＝0゜〜15゜、有利には0゜〜5゜
に選択されていることが望ましい（第５図参照）。
第５図において符号１０で示されているように、
第１の副切刃２は第２の主切刃３に向かつてへこ
んで構成されている。

第２の主切刃３は第１の主切刃１に対して必ず
しも平行に延びている必要はないが、しかしなが
ら、第４図に示されている角度βが90゜より小さ
くかつ、第２の副切刃４が工作物７の軸線８に対
して平行に配置されていると、有利である。

第５図に示されている角度α、つまり、第１の
主切刃１の切込み角が切削深さ及び加工される工
作物に応じて5゜±10゜に選択されていると、有利
である。極端な場合にはこの角度αは35゜に至る
まで選択することが可能である。

第１図〜第３図に示されている面５は公知の締
付け工具における保持面及び締付け面として働い
ている。また同様に、孔６及び相応に構成された
装置によつてバイトチツプ９を固定することを可
能である。他の通常の固定形式もまた同様に可能
である。

バイトチツプ９のための材料としてはまず第１
に、超硬及び高速度鋼、又は両者の組合せが適し
ている。しかしながらまた、例えばセラミツクの
ような別のすべてのチツプ用材料が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図及び第３図は本発明によるバイ
トチツプを３つの異なつた方向から見た略示図、
第４図は第１図に示されたバイトチツプの詳細
図、第５図はバイトチツプと加工される工作物と
を示す図、第６図は工作物の硬化された区域Ｋと
工作物の硬度との関係をあらわす線図である。 １，３……主切刃、２，４……副切刃、５……
面、６……孔、７……工作物、８……軸線、９…
…バイトチツプ、１０……凹所、ａ……第１の副
切刃の長さ、ｂ……第１の副切刃と第２の副切刃
との間の間隔、Ln……第１の副切刃の始端部と
第２の副切刃の終端部との間の間隔、Ｋ……工作
物の硬化された区域、α……第１の主切刃の切込
み角、β……第２の主切刃と第２の副切刃とがな
す角度、γ……第１の副切刃と工作物の軸線とが
なす角度。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 皮むきないしは軸旋削するためのバイトチツ
   プであつて、第１の主切刃と第２の主切刃と、こ
   の第２の主切刃に接続している副切刃とを有して
   いる形式のものにおいて、第１の主切刃１に、第
   ２の主切刃３に前置された副切刃２が接続してい
   ることを特徴とする、皮むきないしは軸旋削する
   ためのバイトチツプ。 ２ 第１の副切刃２の長さａが式a_nax＝Ln／２によ つて規定されており、式中においてLnが第１の
   副切刃２の始端部と第２の副切刃４の終端部との
   間の間隔である特許請求の範囲第１項記載のバイ
   トチツプ。 ３ 第１の副切刃２と第２の副切刃４との間の間
   隔ｂが式ｂ＝0.1〜0.5＋Ｋによつて規定されてお
   り、式中においてＫが、予備加工された各工作物
   の硬化された区域である特許請求の範囲第１項記
   載のバイトチツプ。