JPH01118643A - ポリエステル加工糸織物及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル加工糸織物及びその製造方法

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JPH01118643A
JPH01118643A JP62274335A JP27433587A JPH01118643A JP H01118643 A JPH01118643 A JP H01118643A JP 62274335 A JP62274335 A JP 62274335A JP 27433587 A JP27433587 A JP 27433587A JP H01118643 A JPH01118643 A JP H01118643A
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慶明 佐藤
Tetsuo Tsukamoto
塚本 哲男
Sumio Hishinuma
澄男 菱沼
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は繊度と染色性の異なる少なくとも2種のフィラ
メント群で構成された複合加工糸からなり、特に羊毛先
染杢調梳毛織物に匹敵する風合と外観を呈することが可
能なポリエステル加工糸織物及びその製造方法に関する
ものである。
[従来の技術] 羊毛梳毛織物は嵩高性、ソフトタッチ、腰。
反撥性、ウオーム感に優れており秋冬用の外衣素材とし
て広く使用されている。
仮撚加工糸はそもそも羊毛$fiIIの如きの捲縮をポ
リエステルなどの合成l!維フィラメント糸に所持させ
て嵩高性のある11編物とすることを1指して開発され
たものであって、ポリエステル加工糸においても羊毛織
編物分野への展開が進められている。
しかしながら、ポリエステル加工糸を梳毛調織物に製織
してソフトタッチを得るにはフィラメント繊度を1.5
デニ一ル程度以下とすることが必要であり、この場合に
は腰1反溌性が極端に小さいものしか得られない欠点が
必る。一方、腰2反溌性を大きくしようとしてフィラメ
ント繊度を大きくすると粗硬感が増加するばかりであっ
て、腰があって反撥性もある羊毛梳毛織物とは異質の劣
悪な風合のものしか得られない欠点があった。
このために太繊度フィラメントと細繊度フィラメントの
混繊仮撚糸としたり、毛羽を付与した仮撚糸とするなど
各種技術が提案されているが、風合と工程通過性を満足
させるものはなかったのである。
ここで太繊度フィラメン6群を芯とし、細繊度フィラメ
ント群を鞘とした複合芯鞘仮撚加工糸はソフトタッチと
腰2反撥性を同時に付与できることから、このような複
合芯鞘仮撚加工糸や複合芯鞘仮撚m工糸使い織物につい
て多数の改良技術が提案されている。
特開昭50−20025号公報には太繊度フィラメント
群として75デニール−12フイラメント、細繊度フィ
ラメント群として75デニール−36フイラメントを使
用した複合芯鞘仮撚加工糸及びこの加工糸で作られた織
物の例が記載されている。しかしながら、ここで開示さ
れた技術では通常の仮撚加工糸使い織物に比較すれば腰
2反撥性が改善されたものとなるが、梳毛調織物として
特にソフトタッチと腰1反溌性が強く要求される秋冬物
の紳士外衣用に適用するには不充分であった。
特開昭55−71835号公報にはms度フィラメント
が1.6デニール以下で太繊度フィラメントと細繊度フ
ィラメントの繊度差が1゜8デニ一ル以上の芯鞘複合仮
撚加工糸及びこの加工糸で作られた織物が記載されてい
る。しかしながら、太繊度フィラメントの繊度について
は3〜4.4デニールの範囲の記載しかなく腰。
反撥性付与の点で不充分である。しかも毛羽を有する加
工糸であって工程通過性が不良である欠点がある。
特開昭55−112325号公報には芯となるフィラメ
ント群に特定の割合の超人繊度フィラメント(12〜3
0デニールが好ましい範囲と記載されている。)を使用
した芯MW合仮撚加工糸及びこの加工糸で作られた織物
が記載されている。しかしながら、超人繊度フィラメン
トが大過ぎて剛性が大き過ぎるため太繊度フィラメント
を完全に糸表面に出さないようにすることは困難であり
、粗硬な風合となることは避けがたい。さらにこの加工
糸は太繊度フィラメントが大過ぎて仮撚トルクが大きく
織物にシボを発生させ易い欠点がある。
特開昭57−29629号公報には太繊度フィラメント
が3〜6デニール、細繊度フィラメントが1〜4デニー
ルであり、鞘部が交互撚状に芯部に巻付いた形状の2層
構造スパンライク加工糸及びこの加工糸で作られた織物
が記載されている。ここに記載されたスパンライク加工
糸は400〜800デニールの太デニール糸であって、
カーテンなどの厚地織物用に開発されているが、たとえ
400デニ一ル未満の繊度の加工糸としても梳毛調織物
とした場合には腰。
反撥性が小さ過ぎる欠点がある。しかも交互撚状に巻付
いた2層構造糸は鞘部の変形に対する自由度が小さく粗
硬感を解消しにくい欠点がある。
また羊毛梳毛織物においてはスライバー状態で染色し、
異なる色調のスライバーを混紡するなどして先染杢調を
付与することが広くおこなわれている。ポリエステル複
合加工糸織物においても染色性の異なるフィラメントを
混繊することにより、杢調外観を付与しスパンライク′
効果を向上させることが実施されている。特開昭55−
112323号公報、特開昭55−112324号公報
、特開昭57−21526号公報には芯と鞘の染色性を
異ならしめて杢調外観を付与することが記載されている
。しかしながら、これらの技術においても前記した公知
例と同様にソフトタッチと腰2反撥性の良好な風合を付
与できるものでない。
一方、織物を液体中で擦過させながら揉んで毛羽を発生
させる技術が特開昭59−168169号公報、特開昭
59−30955号公報、特開昭59−173364号
公報、特開昭60−146068@公報、特開昭60−
94675号公報に開示されている。加工糸織物に毛羽
を付与する例も示されており、例えば、150デニール
18フイラメントと150デニール96フイラメントの
ポリエステル混繊仮撚糸で構成された織物に毛羽を付与
する例が記載されているが、単なる繊度混繊加工糸織物
であって、前記したような糸長差のある芯鞘複合仮撚加
工糸で構成された織物とは異なり、梳毛織物調のソフト
タッチ、嵩高性、ウオーム感が不充分であり、太繊度フ
ィラメントが表面に存在するので粗硬感のある風合でし
かない欠点、及び侵述する表面凹凸が避けられない欠点
がある。
以上、説明したように従来技術においてはソフトタッチ
と腰0反撥性の良好な風合と杢調も含めた良好な外観を
所持したスパンライクとりわけ梳毛調のポリエステル加
工糸織物は得られていなかった。従来技術では、6.5
デニ一ル以上というような太繊度フィラメントを含む加
工糸使い織物では染色仕上加工時の太繊度フィラメント
の大きなトルク発現に基づく表面凹凸発生が避けられな
かったが、本発明ではこの点も大巾に改善することを見
い出し、本発明に至ったのである。
[発明が解決しようとする問題点コ 本発明の目的は、ソフトタッチと腰2反撥性の風合と杢
調も含めた外観の点で優れたスパンライクとりわけ先染
全外観を呈する梳毛調のポリエステル加工糸織物とその
製造方法を提供することにあり、特に腰1反撥性と外観
の点で高度なレベルが要求される秋冬紳士外衣分野に使
用できる高級梳毛調織物とその製造方法を提供すること
にある。
U問題点を解決するための手段] 前記した本発明の第1の目的は、フィラメント繊度の異
なる少なくとも2種のポリエステルフィラメント群で構
成された複合仮撚加工糸が経あるいは緯の少なくとも一
方を形成した加工糸織物において、該複合仮撚加工糸の
太繊度フィラメント群のフィラメント繊度が6.5〜1
1デニールであり、細繊度フィラメント群のフィラメン
ト繊度が0.8〜2.2デニールであり、いずれか一方
のフィラメント群の少なくとも30重量%がイオン性染
料に可染性であって、いずれか他方のフィラメント群は
イオン性染料に不染性であり、太繊度群に対し細繊度群
は糸長が長く、かつ加工糸全体に交絡が付与されている
と共に毛羽が付与されていることを特徴とするポリエス
テル加工糸織物によって達成できる。
まず本発明で規定する複合仮撚加工系について説明する
。ポリエステル複合加工糸はフィラメント繊度の異なる
少なくとも2種のポリエステルフィラメント群で構成さ
れており、太繊度フィラメント群のフィラメント繊度は
6.5〜11デニールであり、細S度フィラメント群の
フィラメント繊度が0.8〜2,2デニールであること
が必要で必る。太繊度フィラメント群のフィラメント繊
度が6.5デニ一ル未満では羊毛梳毛織物に匹敵する腰
1反撥性が得られない。繊度が大きい程腰2反撥性は向
上するが11デニールより大きくなると粗硬感が強くな
る。
粗硬感がなく腰1反溌性に優れた梳毛調織物とするには
7〜10デニールの範囲が好ましい。
細繊度フィラメント群のフィラメント繊度はソフトタッ
チを付与するために2.2デニール以下とする必要があ
るが、−層ソフトタッチとし梳毛織物調を強調すること
と、抗ピル性を付与する点から1.7デニール以下とす
ることが好ましい。一方あまりに細デニール化するとソ
フトタッチ過ぎて梳毛調織物風合とは異質となるので0
.8デニ一ル以上とすることが必要である。細デニール
となる程抗フロスティング性が低下し、見掛染色性も低
下し濃色化が困難となるので1デニ一ル以上とすること
が好ましい。
太繊度フィラメント群に対する細繊度フィラメント群の
繊度比は0.7〜1.4であることが好ましい。0.7
未満では太繊度フィラメント群が織物表面に存在し易く
なり粗硬感が強くなり、1.4より大きいとソフトタッ
チが強調され過ぎて腰2反撥性が不足する傾向となるの
で、0.75〜1.3の範囲とすることが好ましい。
またソフトタッチと腰1反撥性の点からは太繊度フィラ
メント群の繊度をdll (デニール)、太繊度フィラ
メント群の加工糸仝休で占る繊度の割合をRHとした際
に、 dHdH −−+0.9≦RH≦−−+ 0.7 の範囲とすることが好ましい。また太繊度フィラメント
の細繊度フィラメントに対する繊度比はふかつき防止の
点より4倍以上とすることが好ましく、4.5倍以上と
することがより好ましい。
太繊度フィラメント群に対し細繊度フィラメント群は糸
長が長いことが必要である。糸長は各フィラメント群の
フィラメントの平均長さで必る。糸長差が大きいほど梳
毛織物調のソフトタッチ、嵩高性、ウオーム感が向上す
るので2%以上あることが好ましい。一方糸長差が大き
くなり過ぎるとふかつき感が増加し、抗ピル性が低下す
るので20%以下とすることが好ましい。より良好な糸
長差範囲は3〜15%である。
織物を形成する複合仮撚加工糸全体には交絡が付与され
ている。これは太繊度フィラメント群、細繊度フィラメ
ント群の群内及び群間のフィラメント間に流体交絡が付
与されていることを意味するもので、この交絡は杭ビル
性向上に奇与している。交絡度が大きすぎると粗硬感が
出てくるので100〜400コ/mの範囲が好ましく、
150〜350コ/TrLの範囲がより好ましい。
織物を形成する複合仮撚加工系には毛羽が付与されてお
り梳毛織物調の外観とソフトタッチ風合へ奇与している
。杭ピル性の点から毛羽は実質的に細繊度フィラメント
において発生していることが好ましい。梳毛織物調の外
観とソフトタッチ付与の点から毛羽数は150〜120
0+7mの範囲が好ましく、200〜1000コ/mの
範囲がより好ましい。毛羽数が多過ぎると梳毛織物調の
外観とソフトタッチが崩れ、抗ピル性も低下する。
太繊度フィラメント群は太繊度であるがゆえにギラツい
た光沢を発生し易いので5〜8葉断面に異型化し、ノン
グリツタ−化しておくことが好ましい。
本発明におけるポリエステル加工糸いずれか一方のフィ
ラメント群の少なくとも30重重但がイオン性染料に可
染性であって、いずれか他方のイオン性染料に不染性で
ある必要がある。
織物としてから染色した際に良好な杢調外観を発揮させ
るために、このような系構成とするものでおる。太繊度
フィラメント群の方をイオン性染料に不染性とした方が
淡色から濃色に渡って杢調を表現することが可能で好ま
しい。イオン性染料に可染性のポリエステルを含むフィ
ラメント群においては杢調効果を付与するために少なく
とも30重量%がイオン性染料に可染性である必要があ
り、良好な杢調外観を発揮させるには35〜100重量
%がイオン性染料に可染性であることが好ましい。10
0重偕%がイオン性染料に可染性の場合には低コストで
ポリエステル加工糸が製造できるメリットでおる。
杢こなれを向上させ、−層良好な杢調外観を付与するに
は40〜70重量%がイオン性染料に可染性であること
が好ましい。また杢流れがなく良好な杢調外観とするた
めにポリエステル加工糸全体に占るイオン性染料の割合
は15〜75重攪%が好ましく、20〜70重量%がよ
り好ましい。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸成分と
エチレングリコール、テトラメチレングリコール等のグ
リコール成分とから成るポリエステルを主たる対象とす
るが、エチレンテレフタレートが80モル%以上のポリ
エステルを好適に対象とするものであって、テレフタル
酸の一部、又は前記グリコール成分の一部を他の二官能
性カルボン酸、又はグリコール成分で置換えたポリエス
テルであってもよい。更に、各種添加剤たとえば難燃剤
、制電剤、親水剤、顔料などを必要に応じて添加できる
本発明におけるイオン性染料に不染性のポリエステルと
は前記したポリエステルの中で酸性染料や塩基性染料な
どのイオン性染料によって実質的に染色されないものを
指す。一方イオン性染料に可染性のポリエステルとはイ
オン性染料に可染性の基(たとえばスルホネート金属塩
基)を含有するポリエステルおるいはイオン性染料の可
染性のポリマ(たとえばナイロン6、ナイロン66など
)や添加剤をブレンドしたポリエステルであってイオン
性染料の可染性により良く染色されるものを指す。イオ
ン性染料の可染性のポリエステルとしてはエチレンテレ
フタレート/エチレン5−ソジュームスルホイソフタレ
ート(90〜99モル%/10〜1モル%)共重合ポリ
エステルを好適に使用できる。
イオン性染料に不染性のポリエステルは織物の腰2反撥
性向上の点より、25℃オルトクロロフェノール中の固
有粘度を0.60〜0.72の範囲とすることが好まし
い。イオン性染料に可染性のポリエステルは抗ピル性を
付与し、抗70スティング性も付与する点から固有粘度
は0.50−0.65の範囲が好ましく、0゜54〜0
.60の範囲がより好ましい。
本発明のポリエステル加工糸織物は以上説明した複合仮
撚加工糸が経あるいは緯の少なくとも一方を形成する必
要があり、本発明の効果を発揮するには経緯とも形成し
ていることが好ましい。梳毛調織物と羊毛梳毛織物に近
似した風合と外観を所持した織物である梳毛織物組織と
しては平織ではボブリン、トロピカル、ポーラ、マツト
ウースなど、斜文織ではサージ、ギャバジン、サキソニ
ーなど、朱子織ではベネシャン、トスキン、バラシャな
ど、畔織ではボブリン、オツトマンなど、各種混合組織
としてウーステットが挙げられる。これらの織物に対応
すべく複合仮撚加工糸の繊度は75〜350デニールの
範囲内が好ましく、単糸あるいは双糸使いであり、複合
仮撚加工糸には無撚あるいは好ましくは1200T/m
以内、より好ましくは1000 T/m以内の撚が施こ
されている。撚数が多すぎると締った風合が強調され梳
毛織物調とは異質となる。織物の日付も梳毛織物に対応
し160〜350g/TIiが好ましい範囲であり、秋
冬外衣用としては200〜320g/mがより好ましい
織物内の複合仮撚加工糸は太I1度フィラメント群が織
物の厚さ方向の中央部分を主として占め、細繊度フィラ
メント群が織物の表面を主として占めることが腰2反撥
性があってソフトタッチとする点から好ましい。
織物表面に実質的にシボ状の凹凸がないことが品位の点
で良好で好ましく、可能である。シボ状の凹凸は織物を
形成する糸条が本来直線状に位置すべき場所から仮撚ト
ルクによって、よろけることによって発生するもので、
発生すると品位が不良となり商品価値を著しく低下させ
る。
次に本発明の第2の発明である前述したポリエステル7
1JO工糸織物を好適に製造できる製造方法について説
明する。第2の発明は、フィラメント繊度の異なる少な
くとも2種のポリエステルフィラメント群で構成された
複合芯鞘仮撚加工糸において、太繊度フィラメント群は
芯部を構成しフィラメント繊度は6.5〜11デニール
であり、細繊度フィラメント群は鞘部を構成しフィラメ
ント¥8度は0.8〜2.2デニールでおり、いずれか
一方のフィラメント群の少なくとも30重間%以上がイ
オン性染料に可染性であって、いずれか他方のフィラメ
ント群はイオン性染料に不染性であり、太繊度群に対し
細繊度群は糸長が長く、かつ加工糸全体に交絡が付与さ
れてる仮撚加工糸を経糸あるいは緯糸の少なくとも一方
に使用し、織物としてから液体中で該織物より硬質な粗
面に接触走行させて毛羽立て処理することを特徴とする
ポリエステル加工糸織物の製造方法である。
複合芯鞘仮撚加工糸の糸構造は、太繊度フィラメント群
と細繊度フィラメント群のフィラメント繊度の異なる少
なくとも2種のポリエステルフィラメント群で構成され
ており、太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメ
ント群が鞘部となった芯鞘構造でおる。ただし加工糸全
長に渡って太繊度フィラメント群が加工糸の中心部付近
の芯部を、細繊度フィラメント群が太繊度フィラメント
群を完全に囲った鞘部となると杢調効果を発揮しにくく
なるので、このような完全芯鞘部と太繊度フィラメント
群が主として加工糸の中心部に存在し、細繊度フィラメ
ント群がおおむね太繊度フィラメント群を囲った鞘部と
なった構造や、太繊度フィラメント群と細繊度フィラメ
ント群とが並列状となった構造も混在した構造であるこ
とが好ましい。このような構造とする点からも細繊度フ
ィラメント群は太繊度フィラメント群に対し糸長が長い
必要があり、3〜15%の糸長差の範囲が好ましい。
太繊度フィラメントと細繊度フィラメントのフィラメン
ト繊度は前記したような織物とするためにそれぞれ6.
5〜11デニール、0.8〜2.2デニールとすること
が必要である。ただし製織し仕上加工する際に熱処理や
アルカリ減量処理などを施こし風合を好ましく向上させ
ると当然繊維は変化するので、繊度変化をともhう処理
を施こす場合は、前記した織物で規定した範囲内となる
ように複合芯鞘仮撚加工糸におけるフィラメント繊度を
設定することが好ましい。
太繊度フィラメント群に対し細繊度フィラメント群は前
記したように糸長差効果を織物に付与するために3〜1
5%糸長が長いことが必要である。ただし糸長差につい
てもフィラメント繊度と同様に熱処理によって変化する
ことがあるので、糸長差変化をともなう処理を施こす場
合は、前記した織物で規定した範囲内となるように複合
芯鞘仮撚加工糸における糸長差を設定することが好まし
い。通常この設定値は織物で目標とする糸長差(%)+
2.0(%)である。
このような複合芯鞘仮撚加工糸は、次の方法で好適に得
られる。フィラメント繊度の異なる2種のポリエステル
フィラメント群の未延伸糸を合糸延伸、仮撚して複合芯
鞘仮撚加工糸とする際に、太繊度フィラメント群の延伸
後のフィラメント繊度は6.5〜11デニールであり、
細繊度フィラメント群の延伸後のフィラメント繊度は0
.8〜2.2デニールであり、いずれか一方のフィラメ
ント群の少なくとも30重最%がイオン性染料に可染性
であって、いずれか他方のフィラメント群はイオン性染
料に不染性でおり、(太デニール未延伸糸の複屈折率)
−(細デニール未延伸糸の複屈折率)が2X10°3よ
り大きく、好ましくは3〜30X10’、より好ましく
は15〜26X10’であり、仮撚加工糸にインターレ
ースを施こす方法である。
ポリエステル未延伸糸は、複屈折率が13〜40X10
’の範囲内でそれぞれの未延伸糸を準備することが、未
延伸糸の経時変化による仮撚加工や加工糸特性の不安定
化を防止し、良好な糸長差を付与する点から好ましい。
イオン性染料に可染性のフィラメントを含むフィラメン
ト群において、イオン性染料に可染性のフィラメントは
より外側へ配置させる方が淡染から濃染に渡って良好な
杢調を表現をすることが可能である。このために芯部と
鞘部との糸長差の点でイオン性染料に可染性のフィラメ
ントとイオン性染料に不染性の他方のフィラメント群と
の糸長差を一方のフィラメント群のイオン性染料に不染
性のフィラメントとイオン性染料に不染性の他方のフィ
ラメント群との糸長差と同等以上とすることが好ましい
。更にこのようにするために一方のフィラメント群内の
(イオン性染料に不染性フィラメントの複屈折率)−(
イオン性染料に可染性のフィラメントの複屈折率)が4
X10”3より大きいことが好ましく、5〜15X10
’であることがより好ましい。
延伸仮撚条件は、通常の延伸同時仮撚の条件と大差ない
が次の如くの範囲が好ましい。仮撚ヒーター温度はポリ
エステルフィラメントの融点をTm(℃)とした際に(
Tm−80)℃〜(Tm−30)℃の範囲が好ましい。
仮撚数は、複合芯鞘仮撚加工糸の繊度をD(デニール)
とした場合に17000/FD(T0n)〜32000
/fσ(T0n )の範囲が安定した仮撚加工性と良好
な仮撚捲縮特性付与の点から好ましく、22000/J
′T5(T0n)〜30000/7D(T0n>の範囲
がより好ましい。
延伸倍率は、複合芯鞘仮撚加工糸の伸度を25〜40%
の範囲内となるように設定することが好ましい。伸度を
25%未満とすると毛羽が発生し易すくなり、40%よ
り大きくなると、製織、仕上工程で加工糸は大きな伸長
変化を受は易くなるためである。
なお合糸する方法は、糸長手方向に安定した加工糸構造
や糸長差を付与するために特開昭54−34447号公
報に示されているような合糸すべき2糸条の仮撚加熱が
実質的に同等の関係で開始させることが好ましい。仮撚
加工前には交絡を付与しないことが好ましい。
複合芯鞘仮撚加工糸には、交絡が付与されており、太繊
度フィラメント群とm繊度フィラメント群の群内外に渡
ってフィラメント間に交絡が付与されている。このこと
は両群間の分離を防止し、ネップ化しないようにする点
と製織工程での糸通過性を向上させる点及び織物での杢
調外観と抗ピル性を向上させる点で効果がある。
これらの効果を明瞭に付与する点から交絡度は150−
+/m以上が好ましく、2001/m以上がより好まし
い。ただし交絡度が多すぎると織物としてからの糸長差
効果が低下し、粗硬感が出てくるので400’コ/m以
下が好ましく、350コ/m以下がより好ましい。
加工糸において毛羽が存在すると製編織などの高次工程
でガイドへの引っかかりゃ、並走する糸どうしのもつれ
などに基づく加工糸自身のネップの発生や糸切れなどの
トラブルを発生し易すい。このため加工糸には、系中に
相当する長さ以上の長さの毛羽が0.1コ/m以下と実
質的に毛羽がないことが好ましく、仝毛羽数は10コ/
m以下であることが好ましく、5コ/m以下であること
が一層好ましい。なおイオン性染料に可染性のポリエス
テルを鞘部とした場合にはイオン性染料に不染性のポリ
エステルに比較し、剛性が小さいため毛羽によるトラブ
ルは若干少なく毛羽数の許容範囲が広いメリットがある
以上、説明した複合芯鞘仮撚加工糸を経あるいは緯の少
なくとも一方に使用して製織する。
本発明の特徴を発揮させるには経緯の全てに使用するこ
とが好ましい。織物の組織は前述した梳毛織物の組織が
好ましい。
毛羽立て処理に先だちりラックス精練と中間熱セットを
施こしておくことが、均一な毛羽立て処理が可能で織物
風合向上に有効で好ましい。
リラックス精練は60〜100℃の熱水中で20秒〜2
分間程度リラックス状態で処理することが好ましい、中
間セットは150〜200 ’Cの乾熱で30秒〜2分
間程度リラックスないし定長状態で処理することが好ま
しい。
毛羽立て処理は、ブラッシング、パフ、起毛処理が代表
的であるが、本発明では均一な毛羽立でか簡単に低コス
トでできるなどの点により、液体中で織物より硬質な粗
面に接触走行させて毛羽立て処理するものである。
液体中で織物を走行させながら処理する方法とはパッダ
ーやウィンス、ジッガー、液流染色閤、ワッシャー、ロ
ータリーワッシャー、縮絨機などで液体を介して織物を
処理する方法であり、本発明ではこのような処理方法に
おいて織物より硬質な粗面をロール表面や織物走行経路
に設け、これに織物を接触せしめることにより擦過作用
により毛羽を発生させるものである。
このような処理方法の中でも液流により織物を走行させ
て処理する液流処理装置、すなわち、構成フィラメント
がループ状に結合した織物を処理液中で移行させながら
一時滞留せしめる部分と急速処理液流とともに移送、走
行させる部分とを有する循環処理装置を好ましく使用で
き、特に液流染色機が好適である。かかる装置のノズル
部分に粗面を装着することが効率的に毛羽を発生させる
点と操み効果による織物風合と表面品位を向上させる点
から好ましい。
粗面としては金属粒または/および鉱物粒から成り天然
および人工の金属粒、鉱物粒の単独あるいはこれらの混
合物から成るものである。
このような金属粒、鉱物粒としては新モース硬度5以上
のものであり、たとえばブロンズ、ステンレスなどの金
属粒、溶融アルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素などの鉱
物粒が挙げられる。
とくに好ましくは溶融アルミナ、炭化ケイ素が良い。こ
のような粒子はざらに結合させて用いられるが、好まし
い結合体としては焼結体が挙げられる。結合剤としては
カオリナイト、長石、ケイ酸ソーダ、エポキシ樹脂など
がある。結合体としては砥石、研磨紙、ガラスピーズ、
金属焼結体などがあるが、摩耗しても性能が変化しにく
く、耐久性、毛羽の安定形成性、耐薬品性などの点で砥
石が好ましい。
毛羽立て処理における液体とは水、有機溶剤などの単独
物、あるいはこれらの混合物であり、好ましくは油剤、
平滑剤、柔軟剤などの界面活性剤、シリコンやアルカリ
、酸染料、樹脂などを含んだ水溶液、分散液、乳化液な
どである。
本発明でいう毛羽立て処理の例を第1図〜第3図に示す
。液流染色機のノズル噴射部を示す第3図において、ノ
ズル管2の上部に擦過体粗面1を装填し、ノズルから噴
射される処理液3によってロープ状の布帛Fが上部から
下部に引っ張られながら繰り返し擦過処理される。
前記したように織物表面には実質的にシボ状の凹凸がな
いことが品位の点で良好で好ましいことである。太繊度
フィラメントの繊度が6デニ一ル程度以上より大きくな
る程シボ状の凹凸が顕著となる。驚くべきことに太繊度
フィラメントの繊度が6.5デニ一ル以上の太繊度フィ
ラメント群を含む複合芯鞘仮撚加工糸使い織物において
も、液体中で織物を粗1面に接触走行させて毛羽立て処
理すると、実質的にシボ状の凹凸が著しく軽減し、毛羽
立て処理しないものと比較すると品位が大巾に良好とな
る。これは、毛羽立て処理の最中に加工糸を構成する細
繊度フィラメントが毛羽立つと共に細繊度フィラメント
及び、太繊度フィラメントがゆさぶられて糸長差に応じ
て細繊度フィラメントが織物表面へ、太繊度フィラメン
トが織物の厚さ方向の゛中央部へ移動し、シボ状の凹凸
が消去あるいは減少するためである。
織物のソフトタッチと反撥性を向上させる点からアルカ
リ減m処理を4〜20%施こすことが好ましく、5〜1
5%の範囲がより好ましい。
アルカリ減量処理はアルカリ金属の水酸化物の熱水溶液
中で好まし〈実施されるが、前記した毛羽立て処理と同
時に実施することが可能で処理効率が向上するばかりで
なく、抗ピル性も向上するので好ましい。アルカリ減量
処理に引き続いて染色と同時に毛羽立てすることも、ソ
フト風合を創出すること、および工程合理化の両面から
も好ましいことでおる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお実施例中の物性は次のようにして評価した。
A、抗ピル性 ICI型ピリングテスターで10時間処理して測定し、
次の如く判定した。
5級(秀、合格) 4級<tm、合格) 3級(良、合格、ただし用途によっては不合格となる場
合がある。) 2級(不可、不合格) 1級(不可、不合格、もっとも悪い) B、抗フロスティング性 ポリエチレンテレフタレート加工糸織物との間で20分
間擦過したのち肉眼判定した。
5級(秀、合格) 4級(優、はとんど痕跡が認められない)、合格) 3級(良、若干白い痕跡が認められる、合格) 2扱く不可、白い痕跡が認められる) 1@(不可、明らかに白くなる、もつとも悪い) C1毛羽数 加工糸を透明なガラス板に挟み、5〜20倍に拡大した
投映図より毛羽数を測定した。
無作為にサンプリングした1m10本について測定し、
最大値と最小値を除いた8本の測定値の平均値であられ
す。
D、交絡度 第4図に示すごとく、中心軸11回の周りを無抵抗で左
右に回転可能な溝付滑車12に試料糸を滑らないように
掛け、2個所に荷重13.14を掛ける。荷重は試料糸
の総デニールX0.4!iFとする。
次いで、外形0.60mの固定針15を糸条を構成する
単糸間に実質的に直角に刺し固定する。
次に試料糸の左側にかけた重13に、ざらに重量が試料
の単糸デニールx2.Ogである定荷重16を掛け、試
料糸を定荷重16によって交絡部が引掛って止まる所ま
で左側に移動させる。
次に荷重13に掛けていた定荷重16を外して、右側の
荷重14に加えて掛け、試料糸を定荷重16によって右
側に移動させ、交絡部が固定針15に引掛り自然に止ま
るようにする。定荷重16による試料糸の移動速度は1
 oM/SeCとする。前記方法による試料糸の右側へ
の移動距離α(簡)を求め次式から交絡度を計算する。
交絡度=□(コ/m) u+0.60 実施例1 太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群が
鞘部となった表1に示す水準の太繊度フィラメントの効
果を検討するための複合芯鞘仮撚加工糸を糸加工、製織
、毛羽立て処理し、表1に示す織物を得た。太繊度フィ
ラメント群は固有粘度(25℃オルトクロロフェノール
中)0.63のポリエチレンテレフタレート繊維、複屈
折率が31〜32X10’、延伸後158デニール、8
葉面面の未延伸糸を使用した。細繊度フィラメント群は
固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレート繊維、
複屈折率が22XIO’、延伸後73デニール48フィ
ラメント、丸断面のイオン性染料に不染性の未延伸糸と
固有粘度0.58のエチレンテレフタレート/エチレン
5−ソジュームスルホイソフタレート(97,7モル%
/2.3モル%)共重合ポリエステル繊維、延伸後73
デニール48フィラメント、丸断面、複屈折率が14X
10−3であるイオン性染料に可染性の未延伸糸を使用
した。合糸後延伸比1.67、仮撚温度205℃、仮撚
数1620T/m、仮撚速度350m/minで延伸同
時仮撚した。仮撚後にエアー圧力4に!j/ciでイン
ターレースを付与し巻取った。複合仮撚糸の糸長差は鞘
部のフィラメント種に依らず実質的に等しく水準間でも
9.4〜9.8%の範囲であり、交絡度は262〜28
3コ/mの範囲であり、毛羽数は3〜5コ/TrLで実
質的に毛羽のない範囲であった。
得られた複合加工糸を経67本/インチ、緯64本/イ
ンチの密度で2/2ツイルサキソニーに製織した。98
℃熱水中で30秒リラックス精練した11180℃で1
分間中間セットし、次いで0.8%水酸化ナトリウムの
98℃水溶液にて40分間、浴比1:20で7%の減量
をしつつ毛羽立て処理した。織物200mを゛サーキュ
ラー”R3型液流染色機に装填した。該染色機には砥石
製(ビトリファイド砥石:粒度#120、溶融アルミナ
焼結体)ラッパ管(内径90mφ、外形150mφ、厚
み35M)をノズル部に装着しており、織物をこの砥石
粗面に接触させながら300m/minで走行させた。
次いで該ラッパ管を装填したまま引続き、染色と同時に
毛羽立て処理した。染色は通常のカチオン染料(グリー
ン)を使用し、130℃で染色してから常法で仕上げた
。60番双糸使い先染杢調羊毛サキソニー織物と風合、
外観を評価した。評価結果は表1に示すとうり太繊度フ
ィラメントが6.5〜11デニールであることが必要で
、7〜10デニールであることが好ましい。
織物のソフトタッチ風合はいずれの水準も良好であった
。織物における細Ili度フィラメント群は135デニ
ール96フイラメント(1,4デニール)、糸長差は7
.5〜7.7.9%の範囲、交絡度は220〜277コ
/TrLの範囲、毛羽数は420〜461コ/mの範囲
、織密度は目付が220〜224 Cl/Trtの範囲
であった。
杢調外観は良好であり、織物表面にはシボ状の凹凸がな
く染色以外の外観も梳毛織物調で良好であった。水準N
O12〜6の織物は先染梳毛調の風合と外観が良好でお
り、秋冬紳士スーツ向けの好適なグリーン色の高級加工
糸織物でおった。
全ての水準において毛羽立て処理しなかったものはシボ
状の凹凸が存在し品位が不良であった。このシボ状の凹
凸は水準NQ1でも存在し、太繊度フィラメントの繊度
が大きくなる程悪化傾向を示した。
実施例2 太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群が
鞘部となった表2に示す水準のllllIi度フィラメ
ントの効果を検討するための複合芯鞘仮撚加工糸を糸加
工、製織、毛羽立て処理し表2に示す織物を得た。太繊
度フィラメント群は、固有粘度0.63のポリエチレン
テレフタレート繊維、複屈折率が32X10’延伸後1
58デニール18フイラメント、8墓所面の未延伸糸を
使用した。細繊度フィラメント群は、固有粘度0.63
のポリエチレンテレフタレート繊維、複屈折率が21〜
22X10’、延伸後78デニール、フィラメント数が
表2に示すフィラメント数の半数でおる丸断面のイオン
性染料に不染性の未延伸糸と固有粘度0.58エチレン
テレフタレート/エチレン5−ソジュームスルホイソフ
タレート(97,7モル%72゜3モル%)共重合ポリ
エステル繊維、複屈折率が14〜15X10’延伸後8
2デニール、フィラメント数が表2に示す半数である丸
断面のイオン性染料に可染性の未延伸糸を使用した。
実施例1に準じ仮撚、インターレース加工した、複合加
工糸の糸長差は鞘部のフィラメント種に依らず実質的に
等しく水準間でも9.0〜9.3%の範囲であり、交絡
度は235〜318コ/mの範囲であり、毛羽数は1〜
5コ/mと実質的に毛羽のない範囲であった。
得られた複合芯鞘仮撚加工糸を実施例1と同様に製織、
リラックス精練、中間セット、毛羽立て処理し、染色し
仕上げた。ただし減量率は8%とした。
評価結果は表2に示すとうりで、細繊度フィラメントは
0.8〜2.2デニールの範囲でおることが必要で、抗
70スティング性向上の点から1デニ一ル以上が好まし
く、抗ピル性向上の点から1.7デニール以下が好まし
い。
織物の腰2反撥性並びに杢調外観はいずれも良好であっ
た。織物における太繊度フィラメント群は146デニー
ル18フイラメント(8゜1デニール)、糸長差は7.
0〜7.3%範囲、交絡度は215〜320コ/mの範
囲、毛羽数は298〜696コ/TrLの範囲、織密度
は222〜226g/mの範囲で織物表面にはシボ状の
凹凸がなく、染色以外の外観も梳毛調で良好であった。
水準Nα9〜13の織物は先染梳毛調の風合と外観が良
好であり、秋冬紳士スーツ用に好適な°高級加工糸織物
であった。
実施例3 太繊度フィラメント群が芯部や細繊度フィラメント群が
鞘部となった複合芯鞘仮撚加工糸を糸加工、製織、毛羽
立て処理し表3に示す細繊度フィラメント群内における
イオン性染料に複合加工糸フィラメントの重量割合の効
果を検討するための織物を1qだ。太繊度フィラメント
群は実施例2と同じ未延伸糸を使用した。細繊度フィラ
メント群は固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレ
ート繊維、複屈折率が21〜22X10−3、延伸後表
3のフィラメント数Bx1.62の繊度(デニール)で
フィラメント数Bのフィラメント数の丸断面のイオン性
染料に不染性の未延伸糸と固有粘度0.58のエチレン
テレフタレート/エチレン5−ソジュームスルホイソフ
タレート(97,7モル%/2.3モル%)共重合ポリ
エステル繊維、複屈折率が14〜15X10’、延伸後
表3のフィラメント数AX1.72の繊度(デニール)
でフィラメント数Aのフィラメント数の丸断面のイオン
性染料に可染性の未延伸糸を使用した。
実施例1に準じ仮撚、インターレース加工した。複合加
工糸の糸長差は鞘部のフィラメント種に依らず実質的に
等しく水準間でも9.2〜9.4%の範囲であり、交絡
度は252〜270コ/mの範囲であり、毛羽数は2〜
3コ/TrLと実質的に毛羽のない範囲であった。
得られた複合芯鞘仮撚加工糸を実施例2と同様に製織、
リラックス精練、中間セット、毛羽立て処理し、染色し
仕上げた。評価結果は表3に示すとうりで、淡色から濃
色に渡って杢こなれよく良好な杢調外観とするためには
鞘部の30重量%以上がイオン性染料に可染性であるこ
とが必要である。
織物のソフトタッチと腰0反撥性は良好でおり、表面に
はシボ状の凹凸がなく染色以外の外観も梳毛調で良好で
おった。織物における太繊度フィラメント群は145〜
147デニール18フイラメント、細繊度フィラメント
群は146〜152デニール96フイラメント、糸長差
は7.3〜7.5の範囲、交絡度は245〜2581/
mの範囲、毛羽数は456〜583コ/mの範囲、織密
度は220〜226q/Tdの範囲であった。水準No
16〜20の織物は先染梳毛調の風合と外観が良好であ
り、秋冬紳士スーツ用に好適な高級加工糸織物であった
[発明の効果] 本発明のポリエステル加工糸織物は、これを構成する加
工糸が特定の織物範囲の太繊度フィラメント群と細ll
i度フィラメント群で構成されており、太繊度フィラメ
ント群と細繊度フィラメント群とには糸長差があり、交
絡と毛羽が付与されていると共に特定の割合のイオン性
染料に可染性の成分を配しているので、ソフトタッチと
腰2反撥性の良好な風合と梳毛調外観と杢調染外観に優
れた先染梳毛調織物である。腰。
反撥性の点で高度なレベルが要求される秋冬用紳士外衣
分野に使用できる高級梳毛調織物である。
織物仕上工程で液体中で粗面に接触走行させるために毛
羽を安定して効率よく付与できるが、特に本発明の如き
太繊度フィラメントを含むものでも表面に実質的にシボ
状の凹凸がない良好な品位が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例からなる擦過体を示す斜視図
、第2図は同擦過体の縦断面図、第3図は同擦過体の使
用例を示す縦断面図、第4図は交絡度測定法の説明図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)フィラメント繊度の異なる少なくとも2種のポリ
    エステルフィラメント群で構成された複合仮撚加工糸が
    経あるいは緯の少なくとも一方を形成した加工糸織物に
    おいて、該複合仮撚加工糸の本繊度フィラメント群のフ
    ィラメント繊度が6.5〜11デニールであり、、細繊
    度フィラメント群のフィラメント繊度が0.8〜2.2
    デニールであり、いずれか一方のフィラメント群の少な
    くとも30重量%がイオン性染料に可染性であって、い
    ずれか他方のフィラメント群はイオン性染料に不染性で
    あり、太繊度群に対し細繊度群は糸長が長く、かつ加工
    糸全体に交絡が付与されていると共に毛羽が付与されて
    いることを特徴とするポリエステル加工糸織物。
  2. (2)織物表面に実質的にシボ状の凹凸がない特許請求
    の範囲第(1)項記載のポリエステル加工糸織物。
  3. (3)フィラメント繊度の異なる少なくとも2種のポリ
    エステルフィラメント群で構成された複合芯鞘仮撚加工
    糸において、太繊度フィラメント群は芯部を構成しフィ
    ラメント繊度は6.5〜11デニールであり、細繊度フ
    ィラメント群は鞘部を構成しフィラメント繊度は0.8
    〜2.2デニールであり、いずれか一方のフィラメント
    群の少なくとも30重量%以上がイオン性染料に可染性
    であって、いずれか他方のフィラメント群はイオン性染
    料に不染性であり、太繊度群に対し細繊度群は糸長が長
    く、かつ加工糸全体に交絡が付与されている仮撚加工糸
    を経糸あるいは緯糸の少なくとも一方に使用し、織物と
    してから液体中で該織物より硬質な粗面に接触走行させ
    て毛羽立て処理することを特徴とするポリエステル加工
    糸織物の製造方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5930955A (ja) * 1982-08-16 1984-02-18 東レ株式会社 布「はく」の毛羽出し処理方法
JPS6297940A (ja) * 1985-10-22 1987-05-07 帝人株式会社 杢効果を有する梳毛調織編物の製造法

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