JP2677799B2 - ポリエステル加工糸梳毛調織物及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル加工糸梳毛調織物及びその製造方法

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JP2677799B2 JP62274335A JP27433587A JP2677799B2 JP 2677799 B2 JP2677799 B2 JP 2677799B2 JP 62274335 A JP62274335 A JP 62274335A JP 27433587 A JP27433587 A JP 27433587A JP 2677799 B2 JP2677799 B2 JP 2677799B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明は繊度と染色性の異なる少なくとも2種のフィ
ラメント群で構成された複合加工糸からなり、特に羊毛
先染杢調梳毛織物に匹敵する風合と外観を呈することが
可能なポリエステル加工糸梳毛調織物及びその製造方法
に関するものである。 【従来の技術】 羊毛梳毛織物は嵩高性、ソフトタッチ、腰、反発性、
ウォーム感に優れており秋冬用の外衣素材として広く使
用されている。 仮撚加工糸はそもそも羊毛繊維の如き捲縮をポリエス
テルなどの合成繊維フィラメント糸に所持させて嵩高性
のある織編物とすることを目指して開発されたものであ
って、ポリエステル加工糸においても羊毛織編物分野へ
の展開が進められている。 しかしながら、ポリエステル加工糸を梳毛調織物に製
織してソフトタッチを得るにはフィラメント繊度1.5デ
ニール程度以下とすることが必要であり、この場合には
腰、反発性が極端に小さいものしか得られない欠点があ
る。一方、腰、反発性を大きくしようとしてフィラメン
ト繊度を大きくすると粗硬感が増加するばかりであっ
て、腰があって反発性もある羊毛梳毛織物とは異質な劣
悪な風合のものしか得られない欠点があった。 このために太繊度フィラメントと細繊度フィラメント
の混繊仮燃糸としたり、毛羽を付与した仮燃糸とするな
ど各種技術が提案されているが、風合と工程通過性を満
足させるものはなかったのである。 ここで太繊度フィラメント群を芯とし、細繊度フィラ
メント群を鞘とした複合芯鞘仮燃加工糸はソフトタッチ
と、腰、反発性を同時に付与できることから、このよう
な複合芯鞘仮燃加工糸や複合芯鞘仮燃加工糸使い織物に
ついて多数の改良技術が提案されている。 特開昭50−20025号公報には太繊度フィラメント群と
して75デニール−12フィラメント、細繊度フィラメント
群として75デニール−36フィラメントを使用した複合芯
鞘仮撚加工糸及びこの加工糸で作られた織物の例が記載
されている。しかしながら、ここで開示された技術では
通常の仮撚加工糸使い織物に比較すれば腰、反発性が改
善されたものとなるが、梳毛調織物として特にソフトタ
ッチと腰、反発性が強く要求される秋冬物の紳士外衣用
に適用するには不充分であった。 特開昭55−71835号公報には細繊度フォラメントが1.6
デニール以下で太繊度フィラメントと細繊度フィラメン
トの繊度差が1.8デニール以上の芯鞘複合仮撚加工糸及
びその加工糸で作られた織物が記載されている。しかし
ながら、太繊度フィラメントの繊度については3〜4.4
デニールの範囲の記載しかなく腰、反発性付与の点で不
充分である。しかも毛羽を有する加工糸であって工程通
過性が不良である欠点がある。 特開昭55−112325号公報には芯となるフィラメント群
に特定の割合の超太繊度フィラメント(12〜30デニール
が好ましい範囲と記載されている。)を使用した芯鞘複
合仮撚加工糸及びこの加工糸で作られた織物が記載され
ている。しかしながら、超太繊度フィラメントが太過ぎ
て剛性が大き過ぎるため太繊度フィラメントを完全に糸
表面に出さないようにすることは困難であり、粗硬な風
合となることは避けがたい。さらにこの加工糸は太繊度
フィラメントが太過ぎて仮撚トルクが大きく織物にシボ
を発生させ易い欠点がある。 特開昭57−29629号公報には太繊度フィラメント3〜
6デニール、細繊度フィラメントが1〜4デニールであ
り、鞘部が交互撚状に芯部に巻付けた形状の2層構造ス
パンライク加工糸及びこの加工糸で作られた織物が記載
されている。ここに記載されたスパイライク加工糸は40
0〜800デニールの太デニール糸であって、カーテンなど
の厚地織物用に開発されているが、たとえ400デニール
未満の繊度の加工糸としても梳毛調織物とした場合には
腰、反発性が小さ過ぎる欠点がある。しかも交互撚状に
巻付いた2層構造糸は鞘部の変形に対する自由度が小さ
く粗硬感を解消しにくい欠点がある。 また羊毛梳毛織物においてはスライバー状態で染色
し、異なる色調のスライバーを混防するなどして先染杢
調を付与することが広くおこなわれている。ポリエステ
ル複合加工糸織物においても染色性の異なるフィラメン
トを混繊することにより、杢調外観を付与したスパンラ
イク効果を向上させることが実施されている。特開昭55
−112323号公報、特開昭55−112324号公報、特開昭57−
21526号公報には芯と鞘の染色性を異ならしめて杢調外
観を付与することが記載されている。しかしながらこれ
らの技術においても前記した公知例と同様にソフトタッ
チと腰、反発性の良好な風合を付与できるものでない。 一方、織物を液体中で擦過させながら揉んで毛羽を発
生させる技術が特開昭59−168169号公報、特開昭59−30
955号公報、特開昭59−173364号公報、特開昭60−14606
8号公報、特開昭60−94675号公報に開示されている。加
工糸織物に毛羽を付与する例も示されており、例えば、
150デニール18フィラメント150デニール96フィラメント
のポリエステル混繊仮撚糸で構成された織物に毛羽を付
与する礼が記載されているが、単なる繊度混繊度加工糸
織物であって、前記したような糸長差のある芯鞘複合仮
撚加工糸で構成された織物とは異なり、梳毛織物調のソ
フトタッチ、嵩高性、ウォーム感が不充分であり、太繊
度フィラメントが表面に存在するので粗硬感のある風合
でしかない欠点、及び後述する表面凸凹が避けられない
欠点がある。 以上、説明したように従来技術においてはソフトタッ
チと腰、反発性の良好な風合と杢調も含めた良好な外観
を所持したスパンライクとりわけ梳毛調のポリエステル
加工糸織物は得られていなかった。従来技術では、6.5
デニール以上というような太繊度フィラメントを含む加
工糸使い織物では染色仕上加工時の太繊度フィラメント
の大きなトルク発現に基づく表面凸凹発生が避けられな
かったが、本発明ではこの点も大巾に改善することを見
い出し、本発明に至ったのである。 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、ソフトタッチと腰、反発性の風合と
杢調も含めた外観の点で優れたスパンライクとりわけ先
染杢外観を呈する梳毛調のポリエステル加工糸織物とそ
の製造方法を提供することにあり、特に腰、反発性と外
観の点で高度なレベルが要求される秋冬紳士外衣分野に
使用できる高級梳毛調織物とその構造方法を提供するこ
とにある。 【課題を解決するための手段】 前記した本発明の第1の目的は、フィラメント繊度の
異なる少なくとも2種のポリエステルフィラメント群で
構成された複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸が経あるいは緯
の少なくとも一方を形成した加工糸織物において、該複
合芯鞘延伸同時仮撚加工糸の太繊度フィラメント群のフ
ィラメント繊度が6.5〜11デニールであり、細繊度フィ
ラメント群のフィラメント繊度が0.8〜2.2デニールであ
り、いずれか一方のフィラメント群の少なくとも30重量
%がイオン性染料に可染性であって、いずれか他方のフ
ィラメント群はイオン性染料に不染性であり、太繊度群
に対し細繊度群は糸長が長く、かつ加工糸全体に交絡が
付与されていると共に加工糸1m当り150〜1200個の毛羽
が付与され、織物表面に実質的にシボ状の凹凸がないこ
とを特徴とするポリエステル加工糸梳毛調織物によって
達成できる。 まず本発明で規定する複合芯鞘延伸同時仮燃加工糸に
ついて説明する。ポリエステル複合芯鞘延伸同時仮燃加
工糸はフィラメント繊度の異なる少なくとも2種のポリ
エステルフィラメント群で構成されており、太繊度フィ
ラメント群のフィラメント繊度は6.5〜11デニールであ
り、細繊度フィラメント群のフィラメント繊度が0.8〜
2.2デニールであることが必要である。太繊度フィラメ
ント群のフィラメント繊度が6.5デニール未満では羊毛
梳毛織物に匹敵する腰、反発性が得られない。繊度が大
きいほど腰、反発性は向上するが11デニールより大きく
なると粗硬感が強くなる。粗硬感がなく腰、反発性にす
ぐれた梳毛調織物とするには7〜10デニールの範囲が好
ましい。細繊度フィラメント群のフィラメント繊度はソ
フトタッチを付与するために2.2デニール以下とする必
要があるが、一層ソフトタッチとし梳毛織物調を強調す
ることと、抗ピル性を付与する点から1.7デニール以下
とすることが好ましい。一方あまりに細デニール化する
とソフトタッチ過ぎて梳毛調織物風合とは異質となるの
で0.8デニール以上とすることが必要である。細デニー
ルとなる程抗フロスティング性が低下し、見掛染色性も
低下し濃色化が困難となるので1デニール以上とするこ
とが好ましい。太繊度フィラメント群に対する細繊度フ
ィラメント群の繊度比は0.7〜1.4であるいことが好まし
い。0.7未満では太繊度フィラメント群が織物表面に存
在し易くなり粗硬感が強くなり、1.4より大きいとソフ
トタッチが強調され過ぎて腰、反発性が不足する傾向と
なるので、0.75〜1.3の範囲とすることが好ましい。 またソフトタッチと腰、反発性の点からは太繊度フィ
ラメント群の繊度をdH(デニール)、太繊度フィラメン
ト群の加工糸全体で占る繊度の割合をRHとした際に、 −(dH/30)+0.7≦RH≦−(dH/30)+0.9 の範囲とすることが好ましい。また太繊度フィラメント
の細繊度フィラメントに対する繊度比はふかつき防止の
点より4倍以上とすることが好ましく、4.5倍以上とす
ることがより好ましい。 太繊度フィラメント群に対し細繊度フィラメント 群は糸長が長いことが必要である。糸長は各フィラメン
ト群のフィラメントの平均長さである。糸長差が大きい
ほど梳毛織物調のソフトタッチ、嵩高性、ウォーム感が
向上するので3%以上であることが必要である。一方糸
長差が大きくなり過ぎるとふかつき感が増加し、抗ピル
性が低下するので15%以下とすることが必要である。よ
り良好な糸長差範囲は5〜12%である。 織物を形成する複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸全体には
交絡が付与されている。これは太繊度フィラメント群、
細繊度フィラメント群の群内及び群間のフィラメント間
に流体交絡が付与されていることを意味するもので、こ
の交絡は抗ピル性向上に寄与している。交絡度が大きす
ぎると、粗硬感が出てくるので100〜400コ/mの範囲が好
ましく、150〜350コ/mの範囲がより好ましい。 織物を形成する複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸には毛羽
が付与されており梳毛織物調の外観とソフトタッチ風合
へ寄与している。抗ピル性の点から毛羽は実質的に細繊
度フィラメントにおいて発生していることが好ましい。
梳毛織物調の外観とソフトタッチ付与の点から毛羽数は
150〜1200コ/mの範囲が必要で、200〜1000コ/mの範囲が
好ましい。毛羽数が多過ぎると梳毛織物調の外観とソフ
トタッチが崩れ、抗ピル性も低下する。 太繊度フィラメント群は太繊度であるがゆえにギラツ
いた光沢を発生し易いので5〜8葉断面に異型化し、ノ
ングリッター化しておくことが好ましい。 本発明におけるポリエステル複合芯鞘延伸同時仮撚加
工糸はいずれか一方のフィラメント群の少なくとも30重
量%がイオン性染料に可染性であって、いずれか他方の
フィラメント群はイオン性染料に不染性である必要があ
る。織物としてから染色した際に良好な杢調外観を発揮
させるために、このような糸構成とするものである。太
繊度フィラメント群の方をイオン性染料に不染性とした
方が淡色から濃色に渡って杢調を表現することが可能で
好ましい。イオン性染料に可染性のポリエステルを含む
フィラメント群においては杢調効果を付与するために少
なくとも30重量%がイオン性染料に可染性である必要が
あり、良好な杢調外観を発揮させるには35〜100重量%
がイオン性染料に可染性であることが好ましい。100重
量%がイオン性染料に可染性の場合には低コストでポリ
エステル複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸が製造できるメリ
ットがある。杢こなれを向上させ、一層良好な杢調外観
を付与するには40〜70重量%がイオン性染料に可染性で
あることが好ましい。また杢流れがなく良好な杢調外観
とするためにポリエステル複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸
全体に占るイオン性染料の割合は15〜75重量%が好まし
く、20〜70重量%がより好ましい。 本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸成分
とエチレングリコール、テトラメチレングリコール等の
グリコール成分とから成るポリエステルを主たる対象と
するが、エチレンテレフタレートが80モル%以上のポリ
エステルを好適に対象とするものであって、テレフタル
酸の一部、又は前記グリコール成分の一部を他の二官能
性カルボン酸、又はグリコール成分で置換えたポリエス
テルであってもよい。更に、各種添加剤たとえば難燃
剤、制電剤、親水剤、顔料などを必要に応じて添加でき
る。 本発明におけるイオン性染料に不染性のポリエステル
とは前記したポリエステルの中で酸性染料や塩基性染料
などのイオン性染料によって実質的に染色されないもの
を指す。一方イオン性染料に可染性のポリエステルとは
イオン性染料に可染性の基(たとえばスルホネート金属
塩基)を含有するポリエステルあるいはイオン性染料の
可染性のポリマ(たとえばナイロン6、ナイロン66な
ど)や添加剤をブレンドしたポリエステルであってイオ
ン性染料により良く染色されるものを指す。イオン性染
料の可染性のポリエステルとしてはエチレンテレフタレ
ート/エチレン5−ソジュームスルホイソフタレート
(90〜99モル%/10〜1モル%)共重合ポリエステルを
好適に使用できる。 イオン性染料に不染性のポリエステルは織物の腰、反
発性向上の点より、25℃オルトクロロフェノール中の固
有粘度を0.60〜0.72の範囲とすることが好ましい。イオ
ン性染料に可染性のポリエステルは抗ピル性を付与し、
抗フロスティング性も付与する点から固有粘度は0.50〜
0.65の範囲が好ましく、0.54〜0.60の範囲がより好まし
い。 本発明のポリエステル加工糸梳毛調織物は以上説明し
た複合仮撚加工糸が経あるいは緯の少なくとも一方を形
成する必要があり、本発明の効果を発揮するには経緯と
も形成していることが好ましい。梳毛調織物とは、羊毛
梳毛織物に近似した風合と外観を所持した織物である。
梳毛織物組織としては平織ではポプリン、トロピカル、
ポーラ、マットウースなど、斜文織ではサージ、ギャバ
ジン、サキソニーなど、朱子織ではベネシャン、ドスキ
ン、バラシャなど、畔織ではポプリン、オットマンな
ど、各種混合組織としてウーステッドが挙げられる。こ
れらの織物に対応すべく複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸の
繊度は75〜350デニールの範囲内が好ましく、単糸ある
いは双糸使いであり、該加工糸には無撚あるいは好まし
くは1200T/m以内、より好ましくは1000T/m以内の撚が施
こされている。撚数が多すぎると締った風合が強調され
梳毛織物調とは異質となる。織物の目付や梳毛織物に対
応し160〜350g/m2が好ましい範囲であり、秋冬外衣用と
しては200〜320g/m2がより好ましい。 織物内の複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸は太繊度フィラ
メント群が織物の厚さ方向の中央部分を主として占め、
細繊度フィラメント群が織物の表面を主として占めるこ
とが腰、反発性があってソフトタッチとする点から好ま
しい。 織物表面で実質的にシボ状の凸凹がないことが品位の
点で良好で好ましく、可能である。シボ状の凸凹は織物
を形成する糸条が本来直線状に位置すべき場所から仮撚
トルクによって、よろけることによって発生するもの
で、発生すると品位が不良となり商品価値を著しく低下
させる。 次に、本発明の第2発明である前述したポリエステル
加工糸梳毛調織物を好適に製造できる製造方法について
説明する。第2の発明は、フィラメント繊度の異なる少
なくとも2種のポリエステルフィラメント群で構成され
た複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸において、太繊度フィラ
メント群は芯部を構成しフィラメント繊度は6.5〜11デ
ニールであり、細繊度フィラメント群は鞘部を構成しフ
ィラメント繊度は0.8〜2.2デニールであり、いずれか一
方のフィラメント群の少なくとも30重量%以上がイオン
性染料に可染性であって、いずれか他方のフィラメント
群はイオン性染料に不染性であり、太繊度フィラメント
群に対し細繊度フィラメント群は糸長が3〜15%長く、
実質的に毛羽がなく、かつ加工糸全体に交絡が付与され
ている仮撚加工糸を経糸あるいは緯糸の少なくとも一方
に使用し、織物としてから液体中で該織物より硬質な粗
面に接触走行させて仮撚加工糸1m当たり150〜1200個の
毛羽立て処理することを特徴とするポリエステル加工糸
梳毛調織物の製造方法である。 複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸の糸構造は、太繊度フィ
ラメント群と細繊度フィラメント群のフィラメント繊度
の異なる少なくとも2種のポリエステルフィラメント群
で構成されており、太繊度フィラメント群が芯部、細繊
度フィラメント群が鞘部となった芯鞘構造である。ただ
し加工糸全長に渡って太繊度フィラメント群が加工糸の
中心部付近の芯部を、細繊度フィラメント群が太繊度フ
ィラメント群を完全に囲った鞘部となると杢調効果を発
揮しにくくなるので、このような完全芯鞘部と太繊度フ
ィラメント群が主として加工糸の中心部に存在し、細繊
度フィラメント群がおおむね太繊度フィラメント群を囲
った鞘部となった構造や、太繊度フィラメント群と細繊
度フィラメント群とが並列状となった構造も混在した構
造であることが好ましい。このような構造とする点から
も細繊度フィラメント群は太繊度フィラメント群に対し
糸長が長い必要があり、3〜15%の糸長差の範囲が必要
である。 太繊度フィラメントと細繊度フィラメントのフィラメ
ント繊度は前記したような織物とするためにそれぞれ6.
5〜11デニール、0.8〜2.2デニールとすることが必要で
ある。ただし製織し仕上加工する際に熱処理やアルカリ
減量処理などを施こし風合を好ましく向上させると当然
繊維は変化するので、繊度変化をともなう処理を施こす
場合は、前記した織物で規定した範囲内となるように複
合芯鞘延伸同時仮撚加工糸におけるフィラメント繊度を
設定することが好ましい。 太繊度フィラメント群に対し細繊度フィラメント群は
前記したように糸長差効果を織物に付与するために3〜
15%糸長が長いことが必要である。ただし糸長差につい
てもフィラメント繊度と同様に熱処理によって変化する
ことがあるので、糸長差変化をともなう処理を施こす場
合は、前記した織物で規定した範囲内となるように複合
芯鞘仮撚加工糸における糸長差を設定することが好まし
い。通常この設定値は織物で目標とする糸長差(%)+
2.0(%)である。 このような複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸は、次の方法
で好適に得られる。フィラメント繊度の異なる2種のポ
リエステルフィラメント群の未延伸糸を合糸延伸仮撚し
て複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸とする際に、太繊度フィ
ラメント群の延伸後のフィラメント繊度は6.5〜11デニ
ールであり、細繊度フィラメント群の延伸後のフィラメ
ント繊度は0.8〜2.2デニールであり、いずれか一方のフ
ィラメント群の少なくとも30重量%がイオン性染料に可
染性であって、いずれか他方のフィラメント群はイオン
性染料に不染性であり、(太デニール未延伸糸の複屈折
率)−(細デニール未延伸糸の複屈折率)が2×10-3
り大きく、好ましくは3〜30×10-3、より好ましくは15
〜26×10-3であり、仮撚加工糸にインターレースを施こ
す方法である。 ポリエステル未延伸糸は、複屈折率が13〜40×10-3
範囲内でそれぞれの未延伸糸を準備することが、未延伸
糸の経時変化による仮撚加工や加工糸特性の不安定化を
防止し、良好な糸長差を付与する点から好ましい。 イオン性染料に可染性のフィラメントを含むフィラメ
ト群において、イオン性染料に可染料のフィラメントは
より外側へ配置させる方が淡染から濃染に渡って良好な
杢調を表現することが可能である。このために芯部と鞘
部との糸長差の点でイオン性染料に可染性のフィラメン
トとイオン性染料に不染性の他方フィラメント群との糸
長差を一方のフィラメント群のイオン性染料に不染料の
フィラメントとイオン性染料に不染性の他方のフィラメ
ント群との糸長差と同等以上とすることが好ましい。更
にこのようにするために一方のフィラメント群内の(イ
オン性染料に不染性フィラメントの複屈折率)−(イオ
ン性染料に可染性のフィラメント複屈折率)が4×10-3
より大きいことが好ましく、5〜15×10-3であることが
より好ましい。 延伸仮燃条件は、通常の延伸同時仮撚の条件と大差な
いが次の如くの範囲が好ましい。仮撚ヒーター温度はポ
リエステルフィラメントの融点をTm(℃)とした際に
(Tm−80)℃〜(Tm−30)℃の範囲が好ましい。仮撚数
は、複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸の繊度をD(デニー
ル)とした場合に17000/√D(T/m)〜32000/√D(T/
m)の範囲が安定した仮撚加工性と良好な仮撚捲縮特性
付与の点から好ましく、22000/√D(T/m)〜30000/√
D(T/m)の範囲がより好ましい。 延伸倍率は、複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸の伸度を25
〜40%の範囲内となるように設定することが好ましい。
伸度を25%未満とすると毛羽が発生し易くなり、40%よ
り大きくなると、製織、仕上工程で加工糸は大きな伸長
変化を受け易くなるためである。 なお合糸する方法は、糸長手方向に安定した加工糸構
造や糸長差を付与するために特開昭54−34447号公報に
示されているような合糸すべき2糸条の仮撚加撚が実質
的に同等の関係で開始させることが好ましい。仮撚加工
前には交絡を付与しないことが好ましい。 複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸には、交絡が付与されて
おり、太繊度フィラメント群と細繊度フィラメント群の
群内外に渡ってフィラメント間に交絡が付与されてい
る。このことは両群間の分離を防止し、ネップ化しない
ようにする点と製織工程での糸通過性を向上させる点及
び織物での杢調外観と抗ピル性を向上させる点で効果が
ある。これらの効果を明瞭に付与する点から交絡度は15
0コ/m以上が好ましく、200コ/m以上がより好ましい。た
だし交絡度が多すぎると織物としてからの糸長差効果が
低下し、粗硬感が出てくるので400コ/m以下が好まし
く、350コ/m以下がより好ましい。 加工糸において毛羽が存在すると製編織などの高次工
程でガイドへの引っかかりや、並走する糸どうしのもつ
れなどに基づく加工糸自身のネップの発生や糸切れなど
のトラブルを発生し易すい。このため加工糸には、糸巾
に相当する長さ以上の長さの毛羽が10コ/m以下と実質的
に毛羽がないことが必要で、全毛羽数は5コ/m以下であ
ることが好ましく、3コ/m以下であることが一層好まし
い。なおイオン性染料に可染性のポリエステルを鞘部と
した場合にはイオン性染料に不染性のポリエステルに比
較し、剛性が小さいため毛羽によるトラブルは若干少な
く毛羽数の許容範囲が広いメリットがある。 以上、説明した複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸を経ある
いは緯の少なくとも一方に使用して製織する。本発明の
特徴を発揮させるには経緯の全てに使用することが好ま
しい。織物の組織は前述した梳毛織物の組織である。 毛羽立て処理に先だちリラックス精練と中間熱セット
を施こしておくことが、均一な毛羽立て処理が可能で織
物風合向上に有効で好ましい。リラックス精練は60〜10
0℃の熱水中で20秒〜2分間程度リラックス状態で処理
することが好ましい。中間セットは150〜200℃の乾熱で
30秒〜2分間程度リラックスないし定長状態で処理する
ことが好ましい。 毛羽立て処理は、ブラッシング、バフ、起毛処理が代
表的であるが、本発明では均一な毛羽立てが簡単に低コ
ストでできるなどの点により、液体中で織物より硬質な
粗面で接触走行させて毛羽立て処理するものである。 液体中で織物を走行させながら処理する方法とはパッ
ダーやウインス、ジッガー、液流染色機、リラクサー、
ロータリーワッシャー、縮絨機などで液体を介して織物
を処理する方法であり、本発明ではこのような処理方法
において織物より改質な粗面をロール表面や織物走行経
路に設け、これに織物を接触せしめることにより擦過作
用により毛羽を発生させるものである。 このような処理方法の中でも液流により織物を走行さ
せて処理する液流処理装置、すなわち、構成フィラメン
トがループ状に結合した織物を処理液中で移行させなが
ら一時滞留せしめる部分と急速処理液流とともに移送、
走行させる部分とを有する循環処理装置を好ましく使用
でき、とくに液流染色機が好適である。かかる装置のノ
ズル部分に粗面を装着することが効率的に毛羽を発生さ
せる点と揉み効果による織物風合と表面品位を向上させ
る点から好ましい。 粗面として金属粒または/および鉱物粒から成り天然
および人工の金属粒、鉱物粒の単独あるいはこれらの混
合物から成るものである。このような金属粒、鉱物粒と
しては新モース硬度5以上のものであり、たとえばブロ
ンズ、ステンレスなどの金属粒、溶融アルミナ、炭化ケ
イ素、炭化ホウ素などの鉱物粒が挙げられる。とくに好
ましくは溶融アルミナ、炭化ケイ素が良い。このような
粒子はさらに結合させて用いられるが、好ましい結合体
としては焼結体が挙げられる。結合剤としてはカオリナ
イト、長石、ケイ酸ソーダ、エポキシ樹脂などがある。
結合体としては砥石、研磨紙、ガラスビーズ、金属焼結
体などがあるが、摩擦しても性能が変化しにくく、耐久
性、毛羽の安定形成性、耐薬品性などの点で砥石が好ま
しい。 毛羽立て処理における液体とは水、勇気溶剤などの単
独物、あるいはこれらの混合物であり、好ましくは油
剤、平滑剤、柔軟剤などの界面活性剤、シリコンやアル
カリ、酸染料、樹脂などを含んだ水溶液、分散液、乳化
液などである。本発明でいう毛羽立て処理の例を第1図
〜第3図に示す。液流染色機のノズル噴射部を示す第3
図において、ノズル管2の上部に擦過体粗面1を装填
し、ノズルから噴射される処理液3によってロープ状の
布帛Fが上部から下部に引っ張られながら繰り返し擦過
処理される。 前記したように織物表面には実質的にシボ状の凹凸が
ないことが品位の点で良好で好ましいことである。太繊
度フィラメントの繊度が6デニール程度以上より大きく
なる程シボ状の凹凸が顕著となる。驚くべきことに太繊
度フィラメントの繊度が6.5デニール以上の太繊度フィ
ラメント群を含む複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸使い織物
においても、液体中で織物を粗面に接触走行させて毛羽
立て処理すると、実質的にシボ状の凹凸が著しく軽減
し、毛羽立て処理しないものと比較すると品位が大巾に
良好となる。これは、毛羽立て処理の最中に加工糸を構
成する細繊度フィラメントが毛羽立つと共に細繊度フィ
ラメント及び、太繊度フィラメントがゆさぶられて糸長
差に応じて細繊度フィラメントが織物表面へ、太繊度フ
ィラメントが織物の厚さ方向の中央部へ移動し、シボ状
の凹凸が消去あるいは減少するためである。 織物のソフトタッチと反発性を向上させる点からアル
カリ減量処理を4〜20%施こすことが好ましく、5〜15
%の範囲がより好ましい。アリカリ減量処理はアルカリ
金属の水酸化物の熱水溶液中で好ましく実施されるが、
前記した毛羽立て処理と同時に実施することが可能で処
理効率が向上するばかりでなく、抗ピル性も向上するの
が好ましい。アルカリ減量処理に引き続いて染色と同時
に毛羽立てすることも、ソフト風合を創出すること、お
よび工程合理化の両面からも好ましいことである。 【実施例】 以下、本発明を実施礼により、さらに詳細に説明す
る。 なお、実施例中の物性は次のようにして評価した。 A.抗ピル性 ICI型ピリングスターで10時間処理して測定し、次の
如く判定した。 5級(秀、合格) 4級(優、合格) 3級(良、合格、ただし用途によっては不合格となる場
合がある。) 2級(不可、不合格) 1級(不可、不合格、もっとも悪い) B.抗フロスティング性 ポリエチレンテレフタレート加工糸織物同士で、20分
間擦過したのち肉眼判定した。 5級(秀、合格) 4級(優、ほとんど痕跡が認められない、合格) 3級(良、若干白い痕跡が認められる、合格) 2級(不可、白い痕跡が認められる) 1級(不可、明らかに白くなる、もっとも悪い) C.毛羽数 加工糸を透明なガラス糸に狭み、5〜20倍に拡大した
投映図より毛羽数を測定した。無作為にサンプリングし
た1m10本について測定し、最大値と最小値を除いた8本
の測定値の平均値であらわす。 D.交絡度 第4図に示すごとく、中心軸11回の周りを無抵抗で左
右に回転可能な溝付滑車12に試料糸を滑らないように掛
け、2個所に荷重13、14を掛ける。荷重は試料糸の総デ
ニール×0.4gとする。 次いで、外形0.60mmの固定針15を糸条を構成する単糸
間に実質的に直角に刺し固定する。 次に試料糸の左側にかけた荷重13に、さらに重量が試
料の単子デニール×2.0gである定荷重16を掛け、試料糸
を定荷重16によって交絡部が引掛って止まる所まで左側
に移動させる。 次に荷重13に掛けていた定荷重16を外して、右側の荷
重14に加えて掛け、試料糸を定荷重16によって右側に移
動させ、交絡部が固定針15に引掛り自然に止まるように
する。定荷重16による試料糸の移動速度10mm/secとす
る。前記方法による試料糸の右側への移動距離(mm)を
求め次式から交絡度を計算する。 交絡度=1000/(+0.60)(コ/m) 実施例1 太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群
が鞘部となった表1に示す水準の太繊度フィラメントの
繊度の効果を検討するための複合芯鞘延伸同時仮撚加工
糸を糸加工、製織、毛羽立て処理し、表1に示す織物を
得た。太繊度フィラメント群は固有粘度(25℃オルトク
ロロフェノール中)0.63のポリエチレンテレフタレート
繊維、複屈折率が31〜32×10-3、延伸後158デニール、
8葉断面の未延伸糸を使用した。細繊度フィラメント群
は固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレート繊維、複
屈折率が22×10-3、延伸後73デニール48フィラメント、
丸断面のイオン性染料に不染性の未延伸糸と固有粘度0.
58のエチレンテレフタレート/エチレン5−ソジューム
スルホイソフタレート(97.7モル%/2.3モル%)共重合
ポリエステル繊維、延伸後73デニール48フィラメント、
丸断面、複屈折率が14×10-3であるイオン性染料に可染
性の未延伸糸を使用した。合糸後延伸比1.67、仮撚温度
205℃、仮撚数1620T/m、仮撚速度350m/minで延伸同時仮
撚した。仮撚後にエアー圧力4Kg/cm2でインターレース
を付与し巻取った。該加工糸の糸長差は鞘部のフィラメ
ント種に依らず実質的に等しく水準間でも9.4〜9.8%の
範囲であり、交絡度は262〜283コ/mの範囲であり、毛羽
数は3〜5コ/mで実質的に毛羽のない範囲であった。 得られた複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸を経67本/イン
チ、緯64本/インチの密度で2/2ツイルサキソニーに製
織した。98℃熱水中で30秒リラックス精練した後180℃
で1分間中間セットし、次いで、0.8%水酸化ナトリウ
ムの98℃水溶液にて40分間、浴比1:20で7%の減量をし
つつ毛羽立て処理した。織物200mを“サーキュラー"RS
型液流染色機に装填した。該染色機には砥石製(ビトリ
ファイド砥石:粒度#120、溶融アルミナ焼結体)ラッ
パ管(内径90mmφ、外形150mmφ、厚み35mm)をノズル
部に装着しており、織物をこの砥石粗面に接触させなが
ら300m/minで走行させた。次いで該ラッパ管を装填した
まま引続き、染色と同時に毛羽立て処理した。染色は通
常のカチオン染料(グリーン)を使用し、130℃で染色
てから常法で仕上げた。60番双糸使い先染杢調羊毛サキ
ソニー織物と風合、外観を評価した。評価結果は表1に
示すとうり太繊度フィラメントが6.5〜11デニールであ
ることが必要で、7〜10デニールであることが好まし
い。 織物のソフトタッチ風合はいずれの水準も良好であっ
た。織物における細繊度フィラメント群は135デニール9
6フィラメント(1.4デニール)、糸長差は7.5〜7.7.9%
の範囲、交絡度は220〜277コ/mの範囲、毛羽数は420〜4
61コ/mの範囲、織密度は目付が220〜224g/m2の範囲であ
った。杢調外観は良好であり、織物表面にはシボ状の凹
凸がなく染色以外の外観も梳毛織物調で良好であった。
水準No.2〜6の織物は先染梳毛調の風合と外観が良好で
あり、秋冬紳士スーツ向けの好適なグリーン色の高級加
工糸織物であった。 全ての水準において毛羽立て処理しなかったものはシ
ボ状の凹凸が存在し品位が不良であった。このシボ状の
凹凸は水準No.1でも存在し、太繊度フィラメントの繊度
が大きくなる程悪化傾向を示した。 実施例2 太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群
が鞘部となった表2に示す水準の細繊度フィラメントの
繊度の効果を検討するための複合芯鞘延伸同時仮撚加工
糸を糸加工、製織、毛羽立て処理し表2に示す織物を得
た。太繊度フィラメント群は、固有粘度0.63のポリエチ
レンテレフタレート繊維、複屈折率が32×10-3、延伸後
158デニール18フィラメント、8葉断面の未延伸糸を使
用した。細繊度フィラメント群は、固有粘度0.63のポリ
エチレンテレフタレート繊維、複屈折率が21〜22×1
0-3、延伸後78デニール、フィラメント数が表2に示す
フィラメント数の半数である丸断面のイオン性染料に不
染性の未延伸糸と固有粘度0.58エチレンテレフタレート
/エチレン5−ソジュームスルホイソフタレート(97.7
モル%/2.3モル%)共重合ポリエステル繊維、複屈折率
が14〜15×10-3、延伸後82デニール、フィラメント数が
表2に示す半数である丸断面のイオン性染料に可染性の
未延伸糸を使用した。 実施例1に準じ仮撚、インターレース加工した、該加
工糸の糸長差は鞘部のフィラメント種に依らず実質的に
等しく水準間でも9.0〜9.3%の範囲であり、交絡度は23
5〜318コ/mの範囲であり、毛羽数は1〜5コ/mと実質的
に毛羽のない範囲であった。 得られた複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸を実施例1と同
様に製織、リラックス精練、中間セット、毛羽立て処理
し、染色し仕上げた。ただし減量率は8%とした。 評価結果は表2に示すとおりで、細繊度フィラメント
は0.8〜2.2デニールの範囲であることが必要で、抗フロ
スティング性向上の点から1デニール以上が好ましく、
抗ピル性向上の点から1.7デニール以下が好ましい。 織物の腰、反発性並びに杢調外観はいずれも良好であ
った。織物における太繊度フィラメント群は146デニー
ル18フィラメント(8.1デニール)、糸長差は7.0〜7.3
%範囲、交絡度は215〜320コ/mの範囲、毛羽数は298〜6
96コ/mの範囲、織密度は222〜226g/m2の範囲で織物表面
にシボ状の凹凸がなく、染色以外の外観の梳毛調で良好
であった。水準No.9〜13の織物は先染梳毛調の風合と外
観が良好であり、秋冬紳士スーツ用に好適な高級加工糸
織物であった。 実施例3 太繊度フィラメント群が芯部や細繊度フィラメント群
が鞘部となった複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸を糸加工、
製織、毛羽立て処理し表3に示す細繊度フィラメント群
内におけるイオン性染料に可染性フィラメントの重量割
合の効果を検討するための織物を得た。太繊度フィラメ
ント群は実施例2と同じ未延伸糸を使用した。細繊度フ
ィラメント群は固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレ
ート繊維、複屈折率が21〜22×10-3、延伸後表3のフィ
ラメント数B×1.62の繊度(デニール)でフィラメント
数Bのフィラメント数の丸断面のイオン性染料に不染性
の未延伸糸と固有粘度0.58のエチレンテレフタレート/
エチレン5−ソジュールスルホイソフタレート(97.7モ
ル%/2.3モル%)で共重合ポリエステル繊維、複屈折率
が14〜15×10-3、延伸後表3のフィラメント数A×1.72
の繊度(デニール)でフィラメント数Aのフィラメント
数の丸断面のイオン性染料に可染性の未延伸糸を使用し
た。 実施例1に準じ仮撚、インターレース加工した。該加
工糸の糸長差は鞘部のフィラメント種に依らず実質的に
等しく水準間でも9.2〜9.4%の範囲であり、交絡度は25
2〜270コ/mであり、毛羽数は2〜3コ/mと実質的に毛羽
のない範囲であった。 得られた複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸を実質例2と同
様に製織、リラックス精練、中間セット、毛羽立て処理
し、染色し仕上げた。評価結果は表3に示すとおりで、
淡色から濃色に渡って杢こなれよく良好な杢調外観とす
るためには鞘部の30重量%以上がイオン性染料に可染性
であることが必要である。 織物のソフトタッチと腰、反発性は良好であり、表面
にはシボ状の凹凸がなく染色以外の外観も梳毛調で良好
であった。織物における太繊度フィラメント群は145〜1
47デニール18フィラメント、細繊度フィラメント群は14
6〜152デニール96フィラメント、糸長差は7.3〜7.5%の
範囲、交絡度は245〜258コ/mの範囲、毛羽数は456〜583
コ/mの範囲、織密度は220〜226g/m2の範囲であった。水
準No.16〜20の織物は先染梳毛調の風合と外観が良好で
あり、秋冬紳士スーツ用に好適な高級加工糸織物であっ
た。 【発明の効果】 本発明のポリエステル加工糸織物は、これを構成する
加工糸が特定の織物範囲の太繊度フィラメン群と細繊度
フィラメント群で構成されており、太繊度フィラメント
群と細繊度フィラメント群とには糸長差があり、交絡と
毛羽が付与されていると共に特定の割合のイオン性染料
に可染性の成分を配しているので、ソフトタッチと腰、
反発性の良好な風合と梳毛調外観と杢調染外観に優れた
先染梳毛調織物である。腰、反発性の点で高度なレベル
が要求される秋冬用紳士外衣分野に使用できる高級梳毛
調織物である。 織物仕上工程で液体中で粗面に接触走行させるために
毛羽を安定して効率よく付与できるが、特に本発明の如
き太繊度フィラメントを含むものでも表面に実質的にシ
ボ状の凹凸がない良好な品位が得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例からなる擦過体を示す斜視図、
第2図は同擦過体の縦断面図、第3図は同擦過体の使用
例を示す縦断面図、第4図は交絡度測定法の説明図であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−97940(JP,A) 特開 昭59−30955(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.フィラメント繊度の異なる少なくとも2種のポリエ
    ステルフィラメント群で構成された複合芯鞘延伸同時仮
    撚加工糸が経あるいは緯の少なくとも一方を形成した加
    工糸織物において、該複合芯鞘延伸同時仮撚加工糸の太
    繊度フィラメント群のフィラメント繊度が6.5〜11デニ
    ールであり、細繊度フィラメント群のフィラメント繊度
    が0.8〜2.2デニールであり、いずれか一方のフィラメン
    ト群の少なくとも30重量%がイオン性染料に可染性であ
    って、いずれか他方のフィラメント群はイオン性染料に
    不染性であり、太繊度フィラメント群に対し細繊度フィ
    ラメント群は糸長が3〜15%長く、かつ加工糸全体に交
    絡が付与されていると共に加工糸1m当り150〜1200個の
    毛羽が付与され、織物表面に実質的にシボ状の凸凹がな
    いことを特徴とするポリエステル加工糸梳毛調織物。 2.フィラメント繊度の異なる少なくとも2種のポリエ
    ステルフィラメント群で構成された複合芯鞘延伸同時仮
    撚加工糸において、太繊度フィラメント群は芯部を構成
    しフィラメント繊度は6.5〜11デニールであり、細繊度
    フィラメント群は鞘部を構成しフィラメント繊度は0.8
    〜2.2デニールであり、いずれか一方のフィラメント群
    の少なくとも30重量%以上がイオン性染料に可染性であ
    って、いずれか他方のフィラメント群はイオン性染料に
    不染性であり、太繊度フィラメント群に対し細繊度フィ
    ラメント群は糸長が3〜15%長く、実質的に毛羽がな
    く、かつ加工糸全体に交絡が付与されている仮撚加工糸
    を経糸あるいは緯糸の少なくとも一方に使用し、織物と
    してから液体中で該織物より硬質な粗面に接触走行させ
    て仮撚加工糸1m当り150〜1200個の毛羽立て処理するこ
    とを特徴とするポリエステル加工糸梳毛調織物の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6297940A (ja) * 1985-10-22 1987-05-07 帝人株式会社 杢効果を有する梳毛調織編物の製造法

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