JPS6160183B2 - - Google Patents

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Publication number
JPS6160183B2
JPS6160183B2 JP52132073A JP13207377A JPS6160183B2 JP S6160183 B2 JPS6160183 B2 JP S6160183B2 JP 52132073 A JP52132073 A JP 52132073A JP 13207377 A JP13207377 A JP 13207377A JP S6160183 B2 JPS6160183 B2 JP S6160183B2
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JP
Japan
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yarn
raised
false twisting
fabric
suede
Prior art date
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Application number
JP52132073A
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English (en)
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JPS5468461A (en
Inventor
Akiji Anahara
Hiroshi Yasuda
Mamoru Shimakura
Takayoshi Fujita
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP13207377A priority Critical patent/JPS5468461A/ja
Publication of JPS5468461A publication Critical patent/JPS5468461A/ja
Publication of JPS6160183B2 publication Critical patent/JPS6160183B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスエード様の起毛織物の製造方法に関
する。
従来、スエード調の人工布は高分子配列体を用
いたニードルパンチ不織布から得られることが知
られていた。しかし、このようなニードルパンチ
不織布を用いる方法は製造工程が煩雑で生産性が
低いのみならず布地は厚く、硬い風合いでドレー
プ性に乏しく又縫製がしにくい欠点を有してい
た。一方これら不織布の風合いを改良する方法と
して、海島繊維を緯糸に用いて織物を形成した後
海成分を除去し、島成分である細繊維を残存さ
せ、起毛加工および高分子弾性体を付与すること
により、スエード調布を得ることも行われてい
る。しかし、該海島繊維を得るためには特殊で複
雑な紡糸設備を必要とすると共に該繊維を用いて
織物に織成後、海成分を除去しなければならず、
生産工程がきわめて煩雑でそのために不良品の発
生も多く製造コストが非常に高価につく欠点を有
していた。また、異なる2種以上の重合体を貼合
〓〓〓〓
せ状に紡糸して得られる糸に毛羽加工を行つた
後、編織し該貼合せ構造を有する重合体を剥離す
ることによつてスエード調の起毛織物を得ようと
することも行われているが、海島繊維の場合のよ
うに特殊な複雑な紡糸設備を要することには変り
がない。さらにまた、通常の紡糸設備を用い紡
糸・延伸したモノフイラメント1デニール程度の
細デニール糸からなるマルチフイラメント糸を用
い編織物に形成し、起毛処理および高分子弾性体
の付与処理をすることも行われているが、モノフ
イラメントデニールが1デニール程度ではスエー
ド本来のなめらかな立毛タツチを出すには不充分
であると共に起毛された部分が、着用により摩擦
を受けるとピリングが発生しやすい欠点も有して
いた。
本発明者らはこれらの問題を克服するためポリ
エステル繊維について鋭意研究を進めた結果、次
に述べるような発明に到達した。すなわち本発明
の目的は細繊維からなる起毛密度の高いしなやか
なしかも抗ピル性にすぐれたスエード調起毛織物
を合理的に安価に得る方法を提供しようとするも
のである。
本発明は上記目的を達成するために、仮撚加工
後の構成モノフイラメントの平均繊度が0.8デニ
ールより細く、且つ、少なくとも50本のモノフイ
ラメントよりなるポリエステル連続マルチフイラ
メント糸を糸条としての強力(等速伸長型引張試
験機を用いて試長50cm、初荷重0.1g/D、引張
速度100%/minで測定した10コの値の平均値を
糸条の繊度で除した値)が0.3g/D〜1.5g/D
以下となるように耐磨耗性材料を摩擦部材とする
摩擦仮撚装置により仮撚加工した後、これに連続
して又は連続せずに集束交絡させるか、或いは仮
撚加工後の糸条としての強力が0.3g/D〜0.9
g/D以下となる場合に限り引続いて又は非連続
にドラフトゾーンに供給し牽引切断、集束絡合さ
せた糸を起毛糸として該糸をたて糸あるいはよこ
糸に用いて、3〜11本浮かせる組織に織成した
後、起毛処理および高分子弾性体の付与処理を施
すことを特徴とするものである。更に加工に供す
る原料フイラメントの極限粘度(フエノール:テ
トラクロロエタン=6:4混合溶液30℃で測定、
以下Ivfと称する)を0.30〜0.48とすることにより
抗ピル性にすぐれたスエード調起毛織物の製造を
可能としたのである。
次に本発明のスエード調起毛織物の製造方法に
ついて、更に詳細に説明する。先ず起毛布にスエ
ード様のしなやかな立毛タツチを付与するには起
毛繊維の繊度が最大の決定要因であり、該起毛繊
維の平均繊度は0.8デニール以下であることが必
要であり、更に好ましくは0.6デニール以下が望
ましい。該起毛繊維の平均繊度が0.8デニールを
越えるとスエード様のしなやかな立毛タツチが得
られないばかりでなく起毛密度が粗くなり、織り
目が目立ち商品価値を著しく低下させることにな
る。また、糸条を構成するフイラメント数が50本
以上とし、摩擦仮撚装置による仮撚後の糸条とし
ての強力が1.5g/D以下とするのは以下に述べ
るように構成繊維に適当な周期で損傷を与え、起
毛性をよくし且つ、抗ピル性を寄与させるととも
に、仮撚後の集束交絡処理によつて糸条としての
強力をもたせ、その後の工程での操作性および布
帛としての実用性にも充分適応させるためであ
る。すなわち、糸条を構成するフイラメント数を
少なくとも50本以上とするのは連続マルチフイラ
メント糸全体を劣化させないようにするためであ
る。仮撚加工ではほぼその糸に加えうる飽和撚数
が施されており、糸断面内における構成フイラメ
ントの配置は最も稠密なものとなりその外周にく
るフイラメント数の割合はその構成フイラメント
数により決定される。又、これらのフイラメント
は周知の如く外周部、中心部の位置により、伸長
の程度が異なり、従つて、個々のフイラメントに
発生する局部的な張力は異なるが長手方向でみる
とこの張力を平均化するように個々のフイラメン
トはマイグレーシヨンし、糸断面内の相互の位置
を変換しあつて、構成繊維が適当な周期で外周部
に表われるようになるのである。そこで加撚装置
に適当な材質を有する摩擦仮撚装置を選択するこ
とによつて、ツイスターデイスクの表面に接触す
るフイラメントすなわち最外周に位置するフイラ
メントのみに擦過による損傷を与え、その内周に
位置するフイラメントには擦過による影響を与え
ないようにすることが出来るのである。これは前
述のフイラメントのマイグレーシヨンにより充分
に長い区間について見れば全てのフイラメントが
いずれも適当なズレをもつて最外周に表われるこ
とになるのでその最外層部のみが損傷をうけるこ
〓〓〓〓
とになり、この損傷部が起毛性を良くし、且つ、
布帛になつてからの摩耗に対しても毛羽端が脱落
してピルになりにくい効果を合せ奏されるととも
に、仮撚加工後の集束交絡処理によつて残留強力
の高い内周フイラメントが糸条として充分なる強
力を発揮するのに寄与することになるのである。
そのために構成フイラメント本数が少ないと最外
層部に表われるフイラメント数の割合が大きくな
り、しかも最外層に表われる周期も短かくなり、
従つて内層部にあつて、何ら損傷を受けずに加工
後に、糸条としての強力を保つべきフイラメント
の割合が少なくなる。そこで最外層に表われツイ
スタデイスクにより損傷をうけるフイラメント数
を全構成フイラメント数の40%以下にする必要が
あり、このためにはフイラメント数は少なくとも
50本以上とすることが必要となるのである。一方
このように最外層に位置するフイラメントのみ大
きな損傷を与えつつ、マルチフイラメント糸に仮
撚を与えるには通常のピンタイプの仮撚スピンド
ルに糸を捲付け加撚する方法では困難でセラミツ
ク部材又は金属のベースにセラミツクの熔射した
如き耐摩耗性材料で作られた円板を多段に重ねた
2軸ないし3軸の摩擦仮撚装置が好ましい。この
円板の表面形態は低重合度若しくは異成分を共重
合又は混練されたポリマーから紡出された強力の
低い糸若しくはモノフイラメントデニールの細い
ものは円板の表面粗度が小さくても大きな損傷を
受け易いので滑かな表面のものが好ましいなど素
材によつて適当な表面状態のデイスクを選ぶ必要
がある。更に仮撚加工の際の加工温度、糸と摩擦
加撚デイスクの周縁の速度比及びフイード比(=
(給糸ローラ表速−引取ローラ表速)/給糸ロー
ラ表速=フイード比、通常%表示)又はドラフト
比(引取ローラ表速/給糸ローラ表速)などによ
つてもフイラメントの損傷の程度は大巾に変化す
るのでこれらの条件も適当に選ばなければならな
い。
次に糸条としての強力を1.5g/D以下にする
のは個々のフイラメントに前述のようにある周期
で大きな損傷を与え起毛性をよくし、しかも得ら
れた起毛布が磨耗を受けたときに毛羽が脱落しや
すくピルを多く発生しないようにするためであ
る。しかし余り強力が低いと、すなわち、0.3
g/D以下になると擦過損傷以外の原因も加わつ
て糸条全体が損傷され正常部が消失し集束交絡処
理によつても糸として後処理に耐え得る強力が得
られなくなるので集束交絡処理前の強力を0.5
g/D以上とすることが好ましい。次に集束交絡
処理も本方法では必須のことであり、これなより
後工程で問題とならない糸条としての強力、集束
性を保ちうるとともに前記の仮撚加工で擦過損傷
をうけた部分が起毛性に大きく寄与するのであ
る。このための集束交絡処理方法としては2個以
上の渦流を含む撹乱流体域に糸条を実質的にオー
バーフイード状態で供給して個々のフイラメント
を絡み合せる方法が最も一般的であるが、必ずし
もこれに限定されるものではなく、流体旋回ノズ
ルやこれらを組合せた流体ノズルを使用すること
ができるがいずれにしても後工程で問題とならな
い糸条としての強力をもたせることが必要であ
る。後工程で問題とならない強力は糸条としての
太さによつても異なるが通常、少なくとも1g/
D以上、好ましくは1.5g/D以上、もしも総デ
ニールが100デニール以下の如く細い場合には好
ましくは0.7g/D以上がよい。又、必要に応じ
て流体による絡合処理につづいてリングツイスタ
ーなどで加撚することにより、糸条に強力と丸み
をもたせることも可能である。
以上は摩擦仮撚加工後、集束交絡して得られる
糸を起毛糸とする糸製法について詳述したが、前
述の如きポリエステル連続マルチフイラメント糸
を摩擦仮撚装置により糸条としての強力が0.9
g/D以下になるように仮撚加工すれば引続いて
又は別の工程でドラフトゾーンに供給し牽伸切
断、集束絡合処理することにより従来には得られ
なかつた平均繊度0.8デニール以下の極細繊維か
らなる紡績糸を得ることができ、該紡績糸を用い
て、目的とするスエード調起毛織物を得ることも
できるのである。すなわち、従来の紡績工程では
そのクリンプ特性などにもよるが、1デニール以
下の細デニール繊維になると特にカードなどの通
過性が極めて悪く繊維が切断され易く、ネツプが
激増することになり、実際上操作性も悪く、糸特
性も低下し、満足な紡績糸とすることが出来ず品
質及び操業性の面からポリエステル繊維を含む紡
績糸は一般にその単繊維フイラメントデニールは
1デニール以上に限定されていた。したがつて1
デニール未満の極細繊維による紡績糸を得ようと
〓〓〓〓
すれば、海島繊維、或いは2種以上の重合体を多
層貼合せ状にした如き複合繊維として紡績する必
要があつたのである。仮撚加工後の糸条としての
強度が、0.9g/D以下とする理由はドラフトゾ
ーンで容易に牽伸切断し、スムースにドラフトさ
れ、均斉な糸とするためであり0.9g/Dを越え
る強度になると従来のドラフト機構をもつ設備で
は牽伸切断しにくくなるばかりでなく、牽引時の
フイラメントの切断端のはね返りが大きくドラフ
トが不円滑になり均斉な糸が得られなくなるから
である。摩擦仮撚装置により仮撚加工後、糸条の
強度を0.9g/D以下とする方法は前述した仮撚
加工法と同様にポリマーおよび加撚デイスクの選
定、更に仮撚加工の際の加工温度、糸と摩擦加撚
デイスクの周縁の速度比及びフイード比又はドラ
フト比などを適当に設定すればよい。このように
して得られた仮撚加工糸は通常のリング精紡機に
使用されている如き2組以上のニツプローラ群よ
りなるドラフトパートに供給され、捲縮加工糸の
破断伸度より大きなドラフトを与えて全構成繊維
を切断せしめるのであるが、牽切時のフイラメン
トのはねかえりを防止するためにはローラ間の浮
遊繊維をコントロールするために通常用いられて
いるダブルエプロン方式が好ましい。マルチフイ
ラメント糸を、牽切した後に、集束絡合処理を施
すことも本方式では必須のことであり、これによ
りはじめて糸条として充分なる強力を保ち得るの
である。集束絡合には最も一般的はリングツイス
ターが用いられるが、旋回気流による仮撚スピン
ドルなどにより末端繊維で糸条を結束してもよい
が糸条として後工程で問題とならない程度の強度
すなわち前述の如く1g/D以上となるような集
束絡合処理を施すことが必要である。
又本方法に用いるフイラメントの極限粘度とし
ては0.48以下とすることは糸条に充分なる抗ピル
性を与えるのに重要なことである。すなわち通常
のポリエステルのIvfは0.58〜0.63が一般的である
が、このようにIvfの高い連続フイラメントから
なる毛羽を有する布帛は、本方法のようにフイラ
メントに間欠的に大きな損傷を与え見掛上、その
強力を低下させても充分なる抗ピル性を付与する
までは到らない。そのため、適度にIvfの小さい
ポリマーを使用することが好ましいが、種々検討
の結果0.48以下が特に好ましいことが明らかにな
つた。しかし、Ivfが0.30以下と極端に低いもの
は製造工程でのトラブル、とくに紡糸工程でのフ
イラメント切れによるゴデツトローラ類への捲付
き、仮撚工程での糸切れなども低くなり、0.30以
上好ましくは0.35以上がよい。次に仮撚加工する
際の供給糸は通常の紡糸延伸を経て製造された延
伸糸であつても構わないが、未延伸マルチフイラ
メント糸を使用して仮撚加工と同時に延伸した方
が延伸工程を省略することによるコストダウンと
ともに得られる糸条は加撚装置で延伸されるので
その加撚状態のときのフイラメントの配置により
大きな変形と繊度差が生じ、且つ、外層フイラメ
ントが大きな伸長を受け損傷も大きくなるため、
加撚デイスクの耐摩耗性材質、表面状態などの選
択許容巾も広くなり好ましい。
次に本発明でいうポリエステル繊維とは、エチ
レンテレフタレート単位を主単位とするものであ
つて、通常エチレンテレフタレート単位を85%モ
ル%以上含むコポリエステルもしくはホモポリエ
ステル又はそれらのポリエステル混合物である。
テレフタール酸エチレングリコール以外の共重合
成分としてはイソフタール酸、2・6ナフタリン
ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、蓚酸、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
シクロヘキサン、ジメタノール、P−オキシ安息
香酸、少なくとも1つの金属塩スルフオネート基
を含むジカルボン酸またはジオールあるいはそれ
らの機能的誘導体、たとえば3・5−ジ(カルボ
キシ)ベンゼンスルフオン酸ナトリユウム、ある
いはこれらの誘導体などが上げられる。そして、
これらのポリエステル繊維を単独で又は複合して
使用してもよい。
かくして得られた平均繊度が0.8デニール以下
の集束絡合糸を起毛糸に用いて織成するが、該糸
は織物を構成する他方(起毛方向でない方向)、
例えば経或いは緯方向の糸に対して3〜11本浮か
せた組織に織成することが必要である。例えば4
枚朱子、5枚朱子、………10枚朱子あるいはこれ
らの変化組織にするが、就中、該糸を緯糸に用い
る場合は、経糸に対して7本浮かせた8枚緯朱子
あるいはその変化組織が組織の拘束が適当なため
起毛性は良好である。しかし、浮き数が2本以下
になると起毛しにくく、かつ、立毛が少なくな
り、また12本以上になると立毛が細かくならず、
〓〓〓〓
且つ、大きなループ状の輪奈が多数発生しやす
く、また組織点がルーズになるため、起毛処理に
より布帛の強力が著しく低下することになるので
好ましくない。また、該起毛糸と織物を構成する
他方向の糸としては通常の仮撚加工糸、複合潜在
捲縮糸、紡績糸或いは本発明の糸と同じ糸など任
意の糸を用いることができるが、織物に柔軟な風
合いをもたせ、且つ、強力を保持させるため通常
の仮撚加工糸を用いることが好ましい。更にま
た、これらの構成糸は染色性が同じであることが
後の染色加工工程において好都合であるため該起
毛糸と同系ポリマーであるのがよいが霜降調ある
いは多色染を目的とする場合はこの限りではな
い。
本発明では前述の如くして得られた織物に精練
リラツクス、染色加工、起毛処理および高分子弾
性体の付与処理を施す。精練リラツクスは通常の
ポリエステル仮撚加工糸使いの織物に施す如き80
〜100℃の熱水中に浸漬しもみ効果を与える方法
でよく、この処理により捲縮が発現し、組織が密
になると同時に起毛しやすくなる。染色加工もま
た通常のポリエステル繊維の染色法と同じで良
く、使用するポリエステルの染色性、目的により
分散染料、塩基性染料、酸性染料などが使われ
る。起毛処理は染色の容易なことから普通染色後
に行われるが、これに限定されるものではなく染
色前であつてもよい。起毛処理の方法、程度は用
途により適宜選択することが必要であるが英式、
仏式、独式、ユニバーサルなどの起毛機、または
エメリー(サンド)ペーパー、エメリークロス、
サンドネツトのドラムあるいはサンドホーニング
などを用いることができる。なお、本発明の織物
は前述の如く、構成繊維が適当な周期をもつて損
傷を受けている糸で作られているため起毛性は通
常のフイラメントを起毛する場合と比べて抜群に
良好で且つ、均斉に起毛できる利点がある。織物
の起毛面は片面であることが立毛状態、強度の点
から好ましい用途によつては両面起毛してもよ
い。
得られた良好な起毛織物に風合の改良、立毛の
安定性の向上、抗ピル性の付与などを目的とし
て、ポリウレタン、ニトリル−ブタジエンゴム、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミドな
どの高分子弾性体のいずれか1つまたはそれ以上
を組合せて適正付着量を付与することが必要であ
る。高分子弾性体の付与方法としては高分子弾性
体の溶液あるいは分散液を該起毛織物に含浸した
り、また起毛していない面より塗布したりした後
乾燥したり湿式凝固して固化させる方法がある。
ここで含浸した場合は固化後、再度起毛処理し
た方が風合向上の意味で好ましい。
かくして得られた本発明による起毛織物は特殊
な複合繊維用の紡糸設備を必要とすることもな
く、合理的に安価に製造でき起毛密度の大なるし
なやかな立毛タツチを有し、且つ、抗ピル性にす
ぐれた高級なスエード調織物となつた。
本発明によるスエード調起毛織物は織物である
ためにドレープ性もよく縫製性にもすぐれた特徴
を有するのでスーツ、ブレザー、パンタロンなど
の衣料用の外、椅子カバー、その他インテリア用
などとして多方面にも使用することができる。
実施例 1 Ivf0.42のポリエチレンテレフタレートを96Hの
ノズル口金を用い口金直下で急冷固化し、13000
m/minで紡出した。この紡出糸を4本合糸して
得た300d−384fの糸を延伸仮撚機を用いて次の条
件で加工した。
摩擦仮撚装置;ツイスターを表面粗度2Sの円板
デイスクを3軸タイプのツイスタに各1枚ずつ
計3枚組合せたもの 速度比(デイスク周縁の速度/糸速度);1.61 仮撚機の延伸倍率(デリベリローラ周速/フイー
ドローラ周速);2.10 フイードローラ周速;200m/min 仮撚ヒーター温度;150℃ 長さ;50cm 流体処理域すなわちデリベリローラとニツプロー
ラ間のオーバーフイード比;+5% 流体絡合装置としては糸通路2.5φの中央部に
直角に対向してさく孔された1.0φのエア導入孔
を有するものを使用し、エアは0.8Kg/cm2Gで供
給した。
得られた加工糸は143D−380fで強力1.7g/
D、伸度12%であつた。
なお、ここで集束絡合処理を施さない加工糸は
強力0.95g/D、伸度16%であつた。得られた集
束絡合加工糸を2本引揃え経糸が通常のポリエス
テル加工糸75D−36fの緯糸として8枚朱子に打
込んだ。経、緯密度は夫々2.54cm当り130本、85
〓〓〓〓
本であつた。この織物を非イオン活性剤および炭
酸ソーダを含む100℃の熱水中で精練リラツクス
した後、分散染料を用いて130℃、60分で染色を
行つた。
これを仏式起毛機および独式起毛機を通し立毛
密度の大なる起毛織物を得た。さらにこのものに
ポリウレタン系の高分子弾性体を全体にわたつて
含浸し、ニツプローラで絞り、湿式凝固後乾燥し
た。次いて起毛面をベルトサンダーバフ機で仕上
バフを行い、ブラツシングして余分の繊維を取除
き仕上げた。得られた起毛織物は柔軟な風合でド
レープ性が良くしなやかな立毛タツチを有し抗ピ
ル性にすぐれた起毛織物であつた。
実施例 2 3・5(ジカルボメトキシ)ベンゼンスルフオ
ン酸ナトリウム成分をジメチルテレフタレートに
対して2.3モル%含むポリオキシエチレングリコ
ールとの縮重合ポリマーを96Hのノズル口金の極
く近傍にて急冷固化し1300m/minで紡出した。
この紡出糸を3本合糸した300D−288fの糸を延
伸仮撚機を用い次の条件で加工した。
摩擦仮撚装置;ツイスタ表面粗度2Sの円板デイ
スクを3軸タイプのツイスタに各1枚ずつ計3
枚組合せたもの 速度比;1.53 仮撚機の延伸倍率;2.1 デリベリローラ速度;150m 仮撚ヒーター温度;120℃ 得られた仮撚加工糸は162D−330fで強力0.6
g/Dであつた。この加工糸を3本引揃えてドラ
フトゾーンを若干改良した梳毛式精紡機に供給
し、2.7倍のドラフトを与え牽引した後、撚(撚
係数80)を加えつつボビンに巻取つた。
得られた紡績糸の糸質は次の通りである。
番 手 Nm1/54′s 単糸強力 288g 伸 度 12% この紡績糸を3本合撚し、経糸が塩基性可染ポ
リエステルの仮撚加工糸100D−36fの緯糸として
経、緯密度が夫々125本/2.54cm、55本/2.54cm
の8枚朱子に織成した。その後実施例1と同様に
精練リラツクス、塩基性染料による染色加工、起
毛処理およびウレタンを主成分とする高分子弾性
体の付与処理をした。得られた起毛織物は起毛密
度の大なるきわめてソフトなタツチを有する鮮明
な色彩のスエード調起毛織物となつた。
〓〓〓〓

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 仮撚加工した後の構成モノフイラメントの平
    均繊度が0.8デニールより細く、且つ、少なくと
    も50本のモノフイラメントより成るポリエステル
    連続マルチフイラメント糸を、糸条としての強力
    が0.3g/D〜1.5g/Dとなるように、摩擦仮撚
    装置により仮撚加工した後、これに連続してまた
    は連続せずに集束交絡して得られた糸を起毛糸と
    して用い、該糸をたて糸あるいはよこ糸に用いて
    3〜11本浮かせる組織に織成した後、起毛処理お
    よび高分子弾性体の付与処理を施すことを特徴と
    するスエード調起毛織物の製造方法。 2 仮撚加工した後の構成モノフイラメントの平
    均繊度が0.8デニールより細く、且つ、少なくと
    も50本のモノフイラメントより成るポリエステル
    連続マルチフイラメント糸を、糸条としての強力
    が0.3g/D〜0.9g/Dとなるように摩擦仮撚装
    置により仮撚加工した後、これに連続して又は非
    連続にドラフトゾーンに供給し、牽伸切断集束絡
    合して得られる嵩高紡績糸を起毛糸として用い、
    該糸をたて糸あるいはよこ糸に用いて3〜11本浮
    かせる組織に織成した後、起毛処理および高分子
    弾性体の付与処理を施すことを特徴とするスエー
    ド調起毛織物の製造方法。 3 ポリエステル連続マルチフイラメント糸のフ
    イラメントの極限粘度が0.30〜0.48である特許請
    求の範囲第1項または第2項に記載のスエード調
    起毛織物の製造方法。
JP13207377A 1977-11-01 1977-11-01 Production of suede like raised fabric Granted JPS5468461A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13207377A JPS5468461A (en) 1977-11-01 1977-11-01 Production of suede like raised fabric

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JPS56378A (en) * 1979-06-15 1981-01-06 Teijin Ltd Production of suede like raised fabric
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