JP2856038B2 - ムラ染め調布帛の製造方法 - Google Patents

ムラ染め調布帛の製造方法

Info

Publication number
JP2856038B2
JP2856038B2 JP5206319A JP20631993A JP2856038B2 JP 2856038 B2 JP2856038 B2 JP 2856038B2 JP 5206319 A JP5206319 A JP 5206319A JP 20631993 A JP20631993 A JP 20631993A JP 2856038 B2 JP2856038 B2 JP 2856038B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
fabric
fluff
dyed fabric
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5206319A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0754263A (ja
Inventor
哲史 村上
茂 大前
道典 森橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP5206319A priority Critical patent/JP2856038B2/ja
Publication of JPH0754263A publication Critical patent/JPH0754263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2856038B2 publication Critical patent/JP2856038B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織物表面にムラ染め状
光沢差を施し、着古し感を表現する布帛の製造方法に関
する。さらに詳しくは織物表面の微細毛羽に異方向性を
与え、光沢反射によりムラ染め調光沢を表現したストー
ンウォッシュ調布帛の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在ファッショントレンドはカジュアル
志向であり、特に婦人衣料では普段着調の感覚が受けら
れ、布帛の表面変化が求められている。その中で着古し
感を出す衣料として、例えば、ジーンズのように洗濯に
より染料を脱落させる手法や、シルクストーンウォッシ
ュ調手法などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光沢反射を利用して布
帛表面に濃淡差を出すストーンウォッシュ加工は、絹の
フィブリル化を利用して陰影効果を表現する手法であ
る。特開平5−16366では、これらフィブリル化を
フィブリル型複合繊維を用いて製造する方法が記載され
ている。
【0004】しかしこれらの方法は特殊綿である他、フ
ィブリル化処理や加工工程が複雑になるうえ、加工コス
トが高いという問題を有していた。
【0005】本発明の目的は、上記従来の問題点を解決
し、安価で布帛表面に均一なムラ染め表現ができる新規
な工業的に安定した製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。
【0007】すなわち、180℃での乾熱収縮率が6%
以上、ヨリ係数(インチ方式)が6.0以上であるポリ
エステル紡績糸をタテ糸に用いてなる布帛を、起毛加工
し、次いで染色することを特徴とするムラ染め調布帛の
製造方法である。
【0008】以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0009】従来のストーンウォッシュ加工は絹をフィ
ブリル化させ、布帛の表面に毛羽を出現させ、これら毛
羽に異方向性を与え、光沢差を作り、ムラ染め調表面変
化を表現するものである。
【0010】この手法を合成繊維に用いて安定かつ工業
的に製造することは難しく、合繊独自のムラ染め手法を
本発明者らは種々検討した結果、起毛後の布帛表面の毛
羽にあらかじめ異方向性を潜在的に与え、さらに染色投
入後、これら毛羽方向をランダム化し、熱固定すること
により均一なムラ染表現が出来ることを見出したのであ
る。
【0011】さらに詳しくは、布帛上で異方向性すなわ
ち癖のある毛羽を作るための紡績糸について鋭意検討し
た結果、強撚が施された紡績糸の糸軸に沿って中央付近
の表面の単繊維を鋭利なナイフで軽く切断すると、単繊
維は糸断面方向の左と右にはじけるように短い毛羽がで
きる。この毛羽をよく見ると丸みを帯びた湾曲したしか
も左と右で方向が異なる集団状毛羽ができる。このよう
な毛羽は光沢反射が異なり、ムラ染め調表面変化を得る
基本技術となることを見出だしたのである。
【0012】図1は、本発明で用いる紡績糸の起毛後の
毛羽の状態の一例を示す模式図である。
【0013】このような毛羽は紡績糸のヨリによる方向
性を有していることから、図1に示すように左右に方向
性の異なる毛羽ができる。
【0014】このように方向性の異なる毛羽を起こすに
は、紡績糸は強撚を施すことが必要であって、紡績糸の
トータルヨリ係数(インチ方式)は6.0以上であるこ
とが重要である。6.0未満では糸断面方向に単繊維が
左右に分かれた毛羽を立たせることができず、しかもヨ
リによる方向性を有する毛羽も得られない。
【0015】ヨリ係数は最終値であって、精紡強撚糸で
もよく、またダブルツイスターなどで追撚してもよい。
ヨリ方向はS、Zいずれでもよい。双糸の場合は単糸と
同一ヨリ方向とし、単糸ヨリ数と双糸時のヨリ数のトー
タルをT/in とし番手は双糸番手を用いる。なお、ヨリ
係数Kはヨリ数T/in =K×(綿番手)1/2 で表せる値
である。
【0016】また、布帛内で糸の反転作用を得るため、
紡績糸は180℃での乾熱収縮率が6%以上であること
が重要であり、6%未満では糸間拘束に勝る収縮力が得
られず潜在ヨリトルクのみでは反転が十分なされないの
で好ましくない。
【0017】本発明で用いる布帛として、これら強撚糸
をタテ糸として用いることが重要である。また、タテ糸
が布帛表面に出る構造、すなわちタテ浮き構造にするこ
とが好ましい。
【0018】図2は、本発明で用いる起毛後の布帛にお
けるタテ糸の毛羽の状態の一例を示す模式図である。
【0019】布帛はタテ浮き構造とし、図2に示すよう
に布帛表面に出たタテ糸の頂点の一部を上述のごとく起
毛して単繊維を左右に分け開くのである。
【0020】タテ浮き構造の織組織は、特に限定されな
いが、綾、サテン組織が好ましい。目付、ヨコ糸は、特
に限定されるものではない。
【0021】起毛加工は、布表面のタテ糸の単繊維の一
部を切断し短い毛羽を出すという点から、毛羽を引き出
す作用のある針布起毛は適切でなく、ローラにサンドペ
ーパーを巻付けたサンデング起毛が好ましい。ローラ
径、回転数、サンドペーパーのメッシュ、処理回数など
特に限定されるものでない。
【0022】さらに布表面の毛羽の方向性をランダム化
するため、高温液流リラックスなどの染色機を用いるこ
とが好ましく、このとき同時にタテ糸がヨリトルクを顕
在化して布帛内で反転させるようにすることが好まし
い。
【0023】タテ糸を反転させるには生機で強撚糸のヨ
リトルクを残すことが肝要であって、紡績糸の撚糸後の
ヨリ止めセット温度はスチーム100℃以下であること
が好ましい。100℃を越える温度では強撚糸の潜在ヨ
リトルクが消滅し、たとえ110〜140℃の高温染色
させても染色時の布帛内での糸の反転が小さく毛羽のラ
ンダム化がなされなくなる傾向がある。
【0024】染色方法は特に限定されないが、毛羽の方
向性と同時にしわを与えるのが好ましく、そのため染色
と同時にしわ加工を施すことが好ましく、しわ加工は染
色工程において布帛の詰め込み量を通常の量の1.5倍
以上増すことで行なうことができる。具体的には、通常
の布帛の詰め込み量は、浴比(染色機容量[リットル]
/布帛重量[kg])が10〜15であるが、本発明に
おけるしわ加工は浴比5〜9で行なうことが好ましい。
【0025】なお、上記紡績糸に用いるポリエステル原
綿は、特に限定されないが、紡績糸のビリを考慮して剛
性の低い高伸度タイプのものがよく、伸度としては40
%以上のものが好ましい。
【0026】また、前述したような紡績糸の収縮率を得
るため、原綿の乾熱収縮率(180℃)は5%以上が望
ましい。乾熱収縮率(180℃)が5%以上の原綿は、
例えばポリエステルの原料ポリマーに限定なく、通常の
溶融紡糸後、通常用いる延伸工程での定長熱処理を省い
て得たトウをカットして得ることができる。
【0027】さらに、毛羽本数を増やすために、原綿の
デニールは2d以下が好ましい。また、光沢差を強調す
ることから、艶消剤を含有しないあるいは殆ど含有しな
いポリマーからなるブライト系糸が好ましい。ポリエス
テルのなかでもポリエチレンテレフタレートが好ましく
用いることができるが、共重合成分が10モル%以下の
割合で共重合されたポリエチレンテレフタレートも用い
ることができる。また断面形状、カット長などは特に限
定されず用いることができる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
する。
【0029】[実施例1,2]1.1デニール×38mm
レギュラーポリエステル原綿(東レ(株)製“テトロ
ン”)で、丸断面、伸度44%、乾熱収縮率(180
℃)が7%である原綿を100%用いて、通常紡績方法
により、20S(実施例1)、30S(実施例2)をそ
れぞれヨリ係数K=3.4で紡績した。
【0030】続いて、ダブルツイスターでトータルヨリ
係数K=7.0になるように追撚した。
【0031】その後、撚糸チーズを90℃×20分スチ
ームでヨリ止めした。この紡績糸を20Sではタテ糸、
ヨコ糸に用い、30Sでは上記強撚糸をタテ糸に、ヨコ
糸には30Sの追撚前のヨリ係数K=3.4の紡績糸を
用いてそれぞれ2/1綾組織で生機密度が20S使いで
は110×60(タテ×ヨコ本/in)、30S使いでは
120×70(タテ×ヨコ本/in)の生機を得た。
【0032】直径30cmのローラ表面に240メッシュ
のサンドペーパーを巻きつけたサンドローラを回転させ
ながら、上記の生機を押圧し起毛加工した。
【0033】そうして得られた布帛を130℃の高温液
流染色機(小野森鉄工所製)で1000リットル中に布
帛160kgを押し込み、染色および毛羽の方向性をラン
ダム化し、同時にしわ加工を行った。
【0034】その後、低張力乾燥し(乾熱130℃)、
通常条件で中間セットした。
【0035】さらに98℃で13%減量し、乾燥、仕上
げセットした。
【0036】その結果、20S使いの布帛(実施例1)
も30S使いの布帛(実施例2)も、均一で表面変化に
富んだストーンウォッシュ調のムラ染め表現を有する製
品をそれぞれ得た。また、ボトムの着用テストにおける
着心地は非常に良く、表面変化のイメージを大幅に飛躍
する画期的なものであった。
【0037】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、ポリエステ
ル紡績糸を用いて、毛羽の異方向性を極めて良好なもの
にすることができ、均一で表面変化に富んだストーンウ
ォッシュ調のムラ染め調布帛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる紡績糸の起毛後の毛羽の状態の
一例を示す模式図である。
【図2】本発明で用いる起毛後の布帛におけるタテ糸の
毛羽の状態の一例を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06P 3/00 D06P 3/00 M 5/00 123 5/00 123 (56)参考文献 特開 平7−54232(JP,A) 特開 平6−184921(JP,A) 実開 昭63−69175(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06C 29/00 D03D 15/00 D03D 25/00 102 D06C 11/00 D06C 27/00 D06P 3/00 D06P 5/00 123

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】180℃での乾熱収縮率が6%以上、ヨリ
    係数(インチ方式)が6.0以上であるポリエステル紡
    績糸をタテ糸に用いてなる布帛を、起毛加工し、次いで
    染色することを特徴とするムラ染め調布帛の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリエステル紡績糸のヨリ止め温度が10
    0℃以下であることを特徴とする請求項1記載のムラ染
    め調布帛の製造方法。
  3. 【請求項3】布帛の織組織がタテ浮き構造であることを
    特徴とする請求項1記載のムラ染め調布帛の製造方法。
  4. 【請求項4】起毛加工がサンディング起毛であることを
    特徴とする請求項1記載のムラ染め調布帛の製造方法。
  5. 【請求項5】染色と同時にしわ加工することを特徴とす
    る請求項1記載のムラ染め調布帛の製造方法。
JP5206319A 1993-08-20 1993-08-20 ムラ染め調布帛の製造方法 Expired - Fee Related JP2856038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5206319A JP2856038B2 (ja) 1993-08-20 1993-08-20 ムラ染め調布帛の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5206319A JP2856038B2 (ja) 1993-08-20 1993-08-20 ムラ染め調布帛の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0754263A JPH0754263A (ja) 1995-02-28
JP2856038B2 true JP2856038B2 (ja) 1999-02-10

Family

ID=16521334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5206319A Expired - Fee Related JP2856038B2 (ja) 1993-08-20 1993-08-20 ムラ染め調布帛の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2856038B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0754263A (ja) 1995-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2856038B2 (ja) ムラ染め調布帛の製造方法
JPS6160183B2 (ja)
JP3028712B2 (ja) ムラ染め調起毛布帛用紡績糸およびそれを用いたムラ染め調起毛布帛
JPS583064B2 (ja) シルキ−調ポリエステル織物の製造方法
JP2895391B2 (ja) アセテートシボ織物の製造方法
JP2781342B2 (ja) ポリエステル系混繊糸及びその製造方法
JP2859290B2 (ja) スパン調織物の製造方法
JP4202210B2 (ja) 混繊糸及び織編物及び着古し外観を有する縫製品
JP2560170B2 (ja) 高反撥性ウールライク織物の製造方法
JP3536540B2 (ja) ポリエステルスパン織編物およびその製造方法
JPH05117931A (ja) カバリングヤーン
JP3401373B2 (ja) カットパイル布帛の製造方法
JP2839294B2 (ja) 複合糸の製造方法
JPH06306733A (ja) 特殊編織物
JP2677799B2 (ja) ポリエステル加工糸梳毛調織物及びその製造方法
JPH05239726A (ja) 顕在バルキー糸
JPH0544137A (ja) スエード調織物の製造方法
JP3059656B2 (ja) ポリエステル系混繊糸
JP4214626B2 (ja) 強撚織物
JPH09279439A (ja) 陰影表現織物及びその製造方法
JP2530721B2 (ja) 混繊交絡糸
JPH06346340A (ja) 特殊な織物
JPH07118991A (ja) 薄起毛調織物
KR20000020549A (ko) 표면효과가 우수한 스웨드조 직물의 제조방법
JP2001248036A (ja) 長短複合織物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071127

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081127

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081127

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091127

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees