JP2022063987A - 混繊糸、それを用いた織編物およびその製造方法ならびにブラックフォーマル衣料 - Google Patents

混繊糸、それを用いた織編物およびその製造方法ならびにブラックフォーマル衣料 Download PDF

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哲矢 武舍
Tetsuya Takeshiya
宏樹 林
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【課題】ブラックフォーマル衣料としての優れた黒色発色性と嵩高性を有する混繊糸と織編物およびその製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】平均一次粒子径0.02~0.1μmのコロイダルシリカを含有するポリエステルマルチフィラメントを芯部および鞘部に用いてなる混繊糸であって、芯部ポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が10%~30%、鞘部ポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が5%以下であることを特徴とする混繊糸。該混繊糸を用いたことを特徴とする織編物およびその製造方法。該織編物で構成されたことを特徴とするブラックフォーマル衣料。【選択図】なし

Description

本発明は従来成し得なかった黒色の高発色性と優れた嵩高性を有する混繊糸、それを用いた織編物とその製造方法ならびにブラックフォーマル衣料に関するものである。
従来、ブラックフォーマル衣料用ポリエステル織編物は上品な黒発色を表現すために、熱水収縮率の異なる芯部と鞘部のポリエステル繊維を混繊し、繊維間空隙を得ることで入射光を吸収する織編物やポリエステル繊維表面に微細孔を形成させ、反射光を低減する織編物が提案されているが、アセテート、レーヨン、羊毛、絹等といった天然繊維と比較して
染色布の発色性に劣り、天然繊維のような色の深みが得られないといった欠点を有する。特に黒色の深みは天然繊維と比較して大幅に劣るため、ブラックフォーマル衣料用途では黒色の発色性向上が強く望まれている。
特許文献1は芯部に熱水収縮率15%以上のポリエステルフィラメントと鞘部に熱水収縮率3%以下で0.02~0.1μmのコロイダルシリカを含有するポリエステルフィラメントからなる混繊糸を用いた高発色性、ふくらみ感、ソフト感などの審美性と耐摩擦特
性、耐アイロンアタリ特性などの品質を両立させた織編物を提案している。
特許文献2は芯部と鞘部に粒子径0.01~1.5μmの含金属リン化合物を含有するポリエステルフィラメントからなる混繊糸を製織し、水酸化ナトリウム水溶液で処理することで微細孔を形成させることで濃染性および軽量感およびドライ感に優れ、通気性にも優れる布帛を提案している。
特開2009-185416号公報 特開2019-183366号公報
特許文献1は記載の布帛は高発色性や耐アイロンアタリ、摩擦堅牢度に優れるものの、芯部を構成するポリエステルフィラメントの繊度が細く、混繊糸の強度が1.7cN/dtex以下と弱いため毛羽になりやすくフォーマル衣料用途としての耐久性は不十分である。
特許文献2記載の布帛は、前記構成により高発色や軽量感およびドライ感に優れ、通気性にも優れるが、芯部と鞘部の熱水収縮率差が小さいためブラックフォーマル衣料用途としての嵩高性を得るには不十分である。
本発明ではかかる従来技術の背景に鑑み、ブラックフォーマル衣料としての優れた黒色発色性と嵩高性を有する混繊糸と織編物およびその製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため本発明の混繊糸は次の構成を有する。すなわち、
平均一次粒子径0.02~0.1μmのコロイダルシリカを含有するポリエステルマルチフィラメントを芯部および鞘部に用いてなる混繊糸であって、芯部ポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が10%~30%、鞘部ポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が5%以下であることを特徴とする混繊糸、である。
本発明の織編物は次の構成を有する。すなわち、
上記混繊糸を用いた織編物、である。
本発明の織編物の製造方法は次の構成を有する。すなわち、
上記織編物の製造方法であって、染色加工のアルカリ減量工程で10~30重量%減量することにより、最終的に織編物を構成する前記混繊糸の芯部および鞘部にミクロボイドを形成することを特徴とする織編物の製造方法、である。
本発明のブラックフォーマル衣料は次の構成を有する。すなわち、
上記織編物で構成されたことを特徴とするブラックフォーマル衣料、である。
本発明の混繊糸は、撚り係数12,000~30,000で撚糸されていることが好ましい。
本発明の織編物は、明度(L値)が7.0~12.0であることが好ましい。
本発明によれば、優れた黒色の高発色性と嵩高性を有する織編物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の混繊糸は、芯部と鞘部が一次粒子径0.02~0.1μmのコロイダルシリカを含有するポリエステルマルチフィラメントで構成され、芯部を構成するポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が10%~30%であり、鞘部を構成するポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が5%以下であることを特徴とする。
芯部を構成するポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率は、10%~30%とするものである。熱水収縮率が10%に満たないと、高収縮化によって鞘糸との糸長差を増大させることができないので嵩高性に劣り、入射光が芯鞘空隙を多回数反射することによる黒色発色性を期待できない。一方、熱水収縮率が30%を超えると、繊維内部の未配向ポリマーが多くなり経時劣化を引き起こす。芯部を構成するポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率は、15%~25%であることが好ましい。
また、鞘部を構成するポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率は、5%以下とするものである。熱水収縮率が5%を超えると、染料の染着性増大による濃色化とミクロボイドの反射光低減による優れた黒色発色性を期待できず、また、芯部ポリエステルマルチフィラメントとの熱水収縮率差が小さくなることから、十分な芯鞘糸長差が得られず嵩高性に劣る。鞘部を構成するポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率は、-5%~5%であることが好ましい。
本発明の混繊糸で用いられる芯部および鞘部のポリエステルマルチフィラメントは平均一次粒子径0.02~0.1μmのコロイダルシリカを含有する。コロイダルシリカの平均一次粒子径が上記範囲を外れると、減量工程でこのコロイダルシリカのうちの繊維表面付近のコロイダルシリカが脱落して繊維表面にミクロボイドを発生させることができず、反射光が低減しないことから、黒色の発色性を向上させることができない。コロイダルシリカの平均一次粒子径は0.02~0.07μm の範囲であることが好ましい。なお、ミクロボイドの大きさは微粒子の大きさに依存し、微粒子の平均粒子径とほぼ同程度となる。
本発明における平均一次粒子径は、(株)堀場製作所製粒子径分析装置(LA-700)にて粒子の外接径を測定し、かつn数50で測定した値をいう。
本発明において好ましく用いられるコロイダルシリカとはケイ素酸化物を主成分とし、単粒子状で存在する粒子が水または単価のアルコール類またはジオール類またはこれらの混合物を分散媒としてコロイドとして存在するものをいう。
本発明で用いる、混繊糸のポリエステルマルチフィラメントとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、例えば、イソフタル酸スルホネート、アジピン酸、イソフタル酸、ポリエチレングリコールなどを共重合して得られる繊維、または、これらの共重合体やポリエチレングリコールをブレンドして得られる繊維であっても構わない。これらの繊維は、1種単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、物性に優れ、安価に入手可能なことから、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、ポリエステルマルチフィラメントのフィラメント断面としても特に制限はなく、丸型の他、異型断面であってもよい。異型断面としては、例えば、H字型、X字型、Y字型、W字型、十字型等の多葉断面や、溝が深い三角形や四角形、五角形、六角形、八角形といった多角形が挙げられ、いかなる形状であってもよい。なかでも安価に入手可能であることから円形断面であることが好ましい。
次に混繊糸の製造方法について説明する。まず、混繊糸の芯部として平均一次粒子径0.02~0.1μmのコロイダルシリカを含有するポリエステルマルチフィラメントを供給し、ホットピンで熱処理を受けながらフィードローラーによって延伸させる。次に中空ヒーターで非接触熱処理を受けながらフィードローラーによって定倍率延伸させる。一方、鞘部は同じく平均一次粒子径0.02~0.1μmであるコロイダルシリカを含有するポリエステルマルチフィラメントを供給して、ホットピンで熱処理を受けながらフィードローラーによって延伸させる。次に中空ヒーターで非接触熱処理を受けながらフィードローラーによって定長熱処理またはオーバーフィードさせて弛緩熱処理を行う。なお、ヒーターの熱処理は、定長熱処理、弛緩熱処理のいずれであっても差し支えない。次に熱処理された芯糸と鞘糸を交絡し、エアー交絡糸を得る。
前記交絡方法としては、エアー交絡が好ましく、走行中の芯糸と鞘糸に、高圧エアーを当てることで、フィラメントを部分的に混じり絡めるインターレース加工を施しインターレース糸としたり、乱流ノズルに供給量の差を付けて供給することでループを形成させるタスラン加工を施しタスラン加工糸としたりすることができる。特には、芯鞘構造を形成させる観点からタスラン加工を施すことが好ましい。
本発明で用いる混繊糸の総繊度はフォーマル用途としての厚み、ハリコシの点から50~300であることが好ましく、80~250であることがより好ましい。
本発明に係る混繊糸は撚糸であり、撚り係数12,000~30,000であることが好ましい。上記の範囲内であると、混繊糸の外層品位が優れ、ハリコシに優れ、製織に支障を来すおそれもない。
なお、撚り係数Kは下記式で表されるものである。
K=T×D1/2
ここで、K:撚り係数、T:単位長さあたりの撚り数(T/m)、D:繊度(dtex)を表す。
次に上記混繊糸で構成される織物について説明する。
本発明の織編物のうち、織物とする場合には、タテ糸および/またはヨコ糸の一部または全部に前記混繊糸が配されており、タテ糸および/またはヨコ糸の全てに配されていることが好ましく、フォーマル衣料としての優れた黒色発色性と嵩高性の両立の点からタテ糸またはヨコ糸の全部に配されていることがより好ましい。
本発明の織編物のうち、織物とする場合の形態としては、特に限定されるものでなく、平、ツイル、サテンおよび平二重、綾二重、タテ二重、バックサテン等の織物が好ましい。編物とする場合の形態としては、天竺、フライス、ポンチ等の丸編、トリコット、ハーフ、デンビー等の経編が好ましい。なかでもフォーマル衣料としての品位の観点から平二重織物であることがより好ましい。
本発明の織編物は、布帛状物であって、帯状物、紐状物など、その構造、形状はいかなるものであっても差し支えない。
本発明の織編物の染色仕上げは、一般的な工程で行えばよく、例えば連続糊抜き精錬した後、乾燥セット、減量、液流染色機による染色、捺染を行い、撥水剤や深色剤等の仕上げ剤を付与し、仕上げセットを行って仕上げる。いずれの形態の織物も同様の工程が採用され、染色条件は素材に応じたものを選択すれば良い。織物には、フッ素系、シリコン系やパラフィン系の撥水剤の他、柔軟剤、帯電防止剤、吸水剤や抗菌防臭剤等の仕上げ剤が付与されていてもよい。
本発明の織編物の製造方法においては、アルカリ減量工程で10~30重量%減量する。減量率を15~25重量%とするのが好ましい。減量率が30重量%を超えるとポリエステルマルチフィラメントにクラックが生じ、強度が低下するおそれがある。一方、減量率が10重量%未満ではミクロボイドが十分に形成されないおそれがある。
本発明の織編物は、染色仕上げ後の明度L値が7.0~12.0であることが好ましい。
また、本発明は、前記織編物を用いた繊維製品としても有用に用いることができる。
本発明においては、衣料品として、特にジャケット、スラックス、スカートなどのフォーマルウェアとしても好ましく用いられる。特に前記明度を満たすことでフォーマル衣料、特にブラックフォーマル衣料として申し分ない上品な外観となる。明度は黒色染料の選択と前記加工糸を強撚して用いることで達成することができる。さらに、深色剤を用いて濃染加工を施すことも好ましい。
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における性能の評価は、以下の方法に従った。
(熱水収縮率)
混繊糸から芯部および鞘部のポリエステルマルチフィラメントをそれぞれ6cmずつ取り出し、サンプルとする。0.1g/dtexの荷重下で5cmの間隔でマークしたサンプルをガーゼにくるみ、無緊張下で98℃・30分で熱処理する。その後、サンプルを取り出し、24時間風乾し、再び、0.1g/dtexの荷重下において、発現した捲縮を完全に伸ばした後、熱処理前にマークした間隔(L)を読みとり、次の式で芯部および鞘部のポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率を表す。
熱水収縮率(%) ={(5-L)/5}×100
(繊度)
JIS-L-1013(2010) 8.3.1 B法に準拠して測定した。
(撚り数)
JIS-L-1013(2010) 7.2.2に準拠して測定した。
(織密度)
JIS-L-1096(2010) 8.6.1 A法に準拠して測定した。
(目付)
JIS-L-1096(2010) 8.3.2 A法に準拠して測定した。
(発色性)
コニカミノルタ(株)製の測色計CM-2600dを用いて、L値を測定した。L値の低いものほど、発色性に優れていることを示す。
(嵩高性)
嵩高性は熟練者10名により官能評価し、次の基準により判定した。
◎:良好な嵩高性を有する、○:一般的な織物と同等である、×:嵩高性に優れない。
(外観品位)
外観品位は熟練者10名により官能評価し、次の基準により判定した。
◎:上品な外観および十分なハリコシがある、○:上品な外観または十分なハリコシどちらかを満たす、×外観・風合い共に優れない。
[実施例1]
平均一次粒子径が0.05μmのコロイダルシリカを1.0重量%含有したポリエチレンテレフタレートからなるポリマーを紡速3,000m/minで紡糸して、90dtex/48フィラメント(丸断面)、伸度150%の高配向未延伸ポリエステルマルチフィラメントを得た。
次に前記ポリエステルマルチフィラメントを芯部および鞘部としてそれぞれに供給し、表1の製造条件に従って混繊し、表1に示す混繊糸特性の混繊糸を得た。
次に、得られた混繊糸に撚り数2,000T/mかつ、撚り係数25,300の撚りをかけた強撚糸をタテ糸およびヨコ糸に用いて平二重織物を製織した。次に常法に従い精練、乾燥、中間セットを行った後、水酸化ナトリウムを3%濃度となるよう調整した溶液中に浸漬し、20%のアルカリ減量処理を実施し、その後、常法に従い、染色、乾燥を行い、さらに明度を向上させるために深色剤を用いて樹脂加工を施し、仕上げセットを行って、タテ密度が151本/2.54cm、ヨコ密度が106本/2.54cmである加工布を得た。上記混繊糸の芯部および鞘部の繊維表面はコロイダルシリカの脱落によりミクロボイドを有した織物であった。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同条件の混繊糸を得た後、撚り数1,600T/mかつ、撚り係数20,240の撚りをかけた強撚糸をタテ糸およびヨコ糸に用いて平二重織物を製織した。次に常法に従い精練、乾燥、中間セットを行った後、水酸化ナトリウムを3%濃度となるよう調整した溶液中に浸漬し、20%のアルカリ減量処理を実施し、その後、常法に従い、染色、乾燥を行い、さらに明度を向上させるために深色剤を用いて樹脂加工を施し、仕上げセットを行って、タテ密度が178本/2.54cm、ヨコ密度が124本/2.54cmである加工布を得た。上記混繊糸の芯部および鞘部の繊維表面はコロイダルシリカの脱落によりミクロボイドを有した織物であった。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様のポリエステルマルチフィラメントを得た後、芯部および鞘部としてそれぞれに供給し、実施例1と異なる表1の製造条件に従って混繊し、表1に示す混繊糸特性の混繊糸を得た。
次に、得られた混繊糸に撚り数2,000T/mかつ、撚り係数25,300の撚りをかけた強撚糸をタテ糸およびヨコ糸に用いて平二重織物を製織した。次に常法に従い精練、乾燥、中間セットを行った後、水酸化ナトリウムを3%濃度となるよう調整した溶液中に浸漬し、20%のアルカリ減量処理を実施し、その後、常法に従い、染色、乾燥を行い、さらに明度を向上させるために深色剤を用いて樹脂加工を施し、仕上げセットを行って、タテ密度が151本/2.54cm、ヨコ密度が106本/2.54cmである加工布を得た。上記混繊糸の芯部および鞘部の繊維表面はコロイダルシリカの脱落によりミクロボイドを有した織物であった。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の芯部をイソフタル酸8モル%共重合させたポリエチレンテレフタレートを紡速1700m/minで紡糸し、その後130℃で熱延伸処理した22dtex/24フィラメント(丸断面)のポリエステルフィラメント変更し、実施例1と同条件で混繊し、表1に示す混繊糸特性の混繊糸を得た。
次に、得られた混繊糸に撚り数2,600T/mかつ、撚り係数28,720の撚りをかけた強撚糸をタテ糸およびヨコ糸に用いて平二重織物を製織した。その後、常法に従い、染色、乾燥を行い、さらに明度を向上させるために深色剤を用いて樹脂加工を施し、仕上げセットを行って、タテ密度が186本/2.54cm、ヨコ密度が135本/2.54cmである一般的なフォーマル衣料に用いられる織物を比較例1とした。得られた加工布は、表1に示す通り黒色発色性に乏しく嵩高性も満足できるものではなかった。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の芯部を、コロイダルシリカを含まないポリエチレンテレフタレートを紡速3,000m/minで紡糸し、その後130℃で熱延伸処理した90dtex/48フィラメント(丸断面)のポリエステルフィラメント変更し、実施例1と同条件で混繊し、表1に示す混繊糸特性の混繊糸を得た。
次に、得られた混繊糸に撚り数2,000T/mかつ、撚り係数25,300の撚りをかけた強撚糸をタテ糸およびヨコ糸に用いて平二重織物を製織した。その後、常法に従い、染色、乾燥を行い、さらに明度を向上させるために深色剤を用いて樹脂加工を施し、仕上げセットを行って、タテ密度が151本/2.54cm、ヨコ密度が106本/2.54cmである一般的なフォーマル衣料に用いられる織物を比較例1とした。得られた加工布は、表1に示す通り黒色発色性に乏しく嵩高性も満足できるものではなかった。評価結果を表1に示す。
Figure 2022063987000001
本発明の織物は優れた黒色発色による上品な外観と優れた嵩高性を有するので、フォーマル衣料の製品を好適に製造することができる。

Claims (6)

  1. 平均一次粒子径0.02~0.1μmのコロイダルシリカを含有するポリエステルマルチフィラメントを芯部および鞘部に用いてなる混繊糸であって、芯部ポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が10%~30%、鞘部ポリエステルマルチフィラメントの熱水収縮率が5%以下であることを特徴とする混繊糸。
  2. 撚り係数12,000~30,000で撚糸されていることを特徴とする請求項1に記載の混繊糸。
  3. 請求項1または2に記載の混繊糸を用いたことを特徴とする織編物。
  4. 明度(L値)が7.0~12.0であることを特徴とする請求項3に記載の織編物。
  5. 請求項3または4に記載の織編物の製造方法であって、染色加工のアルカリ減量工程で10~30重量%減量することにより、最終的に織編物を構成する前記混繊糸の芯部および鞘部にミクロボイドを形成することを特徴とする織編物の製造方法。
  6. 請求項3または4に記載の織編物で構成されたことを特徴とするブラックフォーマル衣料。
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