JP7879246B2 - スライドファスナー - Google Patents

スライドファスナー

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Description

この発明は、開き具を備えるスライドファスナー、及びスライドファスナー用の開き具に関する。
例えば、前開きの衣服、例えばジャンパー、オーバーコートなどに用いられるスライドファスナーでは、左右のファスナーストリンガーの一端部に開き具が設けられる。開き具は、一般に、一方のファスナーストリンガーの一端部に取り付けられる箱体及び箱棒と、他方のファスナーストリンガーの一端部に取り付けられる蝶棒と、を有する。
開き具を備えた従来のスライドファスナーとしては、箱体の上面に、箱棒挿入孔の側壁から蝶棒挿入孔の側壁に向けて下り勾配に形成した斜面部を設け、箱体とスライダーとが当接したとき、スライダーを箱体の蝶棒挿入孔側へ傾倒可能に形成し、スライダーを介して蝶棒を斜め上方から円滑かつ容易に蝶棒挿入孔へ挿入することができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
日本国特許第3621006号公報
ところで、編込みファスナーに止水フィルムを張り付けた止水性のスライドファスナーなど、スライドファスナーの構成によっては、スライドファスナーを閉鎖する際のスライダーの引き上げに力が必要となり、スライダーを引き上げようとすると、箱棒側にスライダーが捩られやすい。
具体的に、図13Aに示すように、スライダー40を箱体62の前面に接触させ、蝶棒70をスライダー40のエレメント案内路48を介して箱体62の蝶棒挿入孔に挿入して収容した状態から、スライダー40を引き上げようとすると、図13Bに示すように、スライダー40が棒箱61側に捩られてしまう。
特に、編込みファスナーは、ファスナーテープを編成すると同時に、ファスナーテープのテープ側縁部にコイル状のファスナーエレメントを編込むことによって得られるもので、ファスナーストリンガーが柔軟に形成されやすい。このため、スライダー40の捩じりに伴って、箱棒61及び箱体62を有する側のファスナーエレメント列30Aが案内柱45によって押され、箱棒61に最も近い最後端エレメント31aの噛合頭部32が前方に向く(箱棒61から離れる)ように動いてしまい、蝶棒70を有するファスナーエレメント列30Bにおける、蝶棒70に最も近い最後端エレメント31bの係合頭部と衝突し、正しく係合しない可能性があった。
このため、箱棒61や蝶棒70に最も近い最後端エレメント31a,31b同士が衝突し正しく係合しないことによって、スライダー40をスムーズに引き上げられない場合が生じていた。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スライダーを引き上げる際の操作性を向上することができるスライドファスナー及びスライドファスナー用の開き具を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 一対のファスナーテープ、及び前記一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部にそれぞれ設けられた一対のファスナーエレメント列を有する一対のファスナーストリンガーと、
前記一対のファスナーエレメント列の一方の後端側に配置される箱棒及び箱体と、前記一対のファスナーエレメント列の他方の後端側に配置される蝶棒と、を有する開き具と、
上下方向に離間して並行に配置される上翼板及び下翼板と、前記上翼板及び前記下翼板を前端部において連結する案内柱と、前記上翼板と前記下翼板の少なくとも一方の後方側縁部に設けられるフランジ部と、を有し、前記一対のファスナーエレメント列を噛合・分離させるスライダーと、
を備えるスライドファスナーであって、
前記箱体には、前記箱棒が、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向一方側で、前記箱体から前方に突出して設けられ、且つ、幅方向他方側には、前記蝶棒を挿入可能な蝶棒挿入孔が形成され、
前記蝶棒は、前記一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部と係合可能な噛合部を備え、
前記蝶棒が前記箱体の前記蝶棒挿入孔に挿入され、前記スライダーが前記箱体の前面に接触した前記スライダーの引き上げ開始位置において、前記一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部は、前記蝶棒に設けられた前記噛合部と近接又は接触する、スライドファスナー。
(2) 前記箱体の前面は、前記箱棒側から前記蝶棒挿入孔側に向かって後方に傾斜する傾斜面を有し、
前記スライダーの引き上げ開始位置において、前記スライダーは、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向に対して傾倒している、(1)に記載のスライドファスナー。
(3) 前記傾斜面は、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向に対して5~12度の範囲で傾斜している、(2)に記載のスライドファスナー。
(4) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さく、
前記傾斜面の蝶棒挿入孔側端部は、前記箱体本体部の前面に接続されている、(2)又は(3)に記載のスライドファスナー。
(5) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さい、(1)~(3)のいずれかに記載のスライドファスナー。
(6) 前記スライダーは、前記フランジ部の内側面に、後口から延在する、互いに平行な平行部を備え、
前記箱棒は、前記蝶棒と対向する側と反対側の側面に、前記スライドファスナーの前後方向に沿った起立面を有し、
前記スライダーの引き上げ開始位置において、前記箱棒の前記起立面全体が、前記フランジ部の平行部と対向する、(1)~(5)のいずれかに記載のスライドファスナー。
(7) 一対のファスナーエレメント列の一方の後端側に配置可能な箱棒及び箱体と、一対のファスナーエレメント列の他方の後端側に配置可能な蝶棒と、を有する、スライドファスナー用の開き具であって、
前記箱体には、前記箱棒が、前記箱体の幅方向一方側で、前記箱体から前方に突出して設けられ、且つ、前記箱体の幅方向他方側には、前記蝶棒を挿入可能な蝶棒挿入孔が形成され、
前記箱棒の前記箱体から突出する部分の長さは、前記箱棒の長手方向における、前記箱体の前記蝶棒挿入孔の底面から前記箱棒の先端までの長さの35~45%である、スライドファスナー用の開き具。
(8) 前記箱体の前面は、前記箱棒側から前記蝶棒挿入孔側に向かって後方に傾斜する傾斜面を有する、(7)に記載のスライドファスナー用の開き具。
(9) 前記傾斜面は、前記箱体の幅方向に対して5~12度の範囲で傾斜している、(8)に記載のスライドファスナー用の開き具。
(10) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さく、
前記傾斜面の蝶棒挿入孔側端部は、前記箱体本体部の前面に接続されている、(8)又は(9)に記載のスライドファスナー用の開き具。
(11) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さい、(7)~(9)のいずれかに記載のスライドファスナー用の開き具。
本発明によれば、スライダーを引き上げる際にスライダーが捩られた場合でも、一対のファスナーエレメント列の最後端エレメント同士が衝突して正しく係合しないことを防止し、スライダーを引き上げる際の操作性を向上することができる。
本発明の一実施形態に係るスライドファスナーを説明する上面図である。 スライダーの側面図である。 蝶棒の上面図である。 開き具の箱体及び箱棒を示す斜視図である。 箱体及び箱棒を示す上面図である。 箱体及び箱棒を示す、箱体の上下方向中間部における断面図である。 スライダーが引き上げ開始位置にある状態での、スライダー、開き具及びエレメントとの位置関係を、スライダーの上翼板を切断して示す図である。 スライダーの後口が箱体本体部の前面と平行となるまでスライダーが箱棒側に捩じられた状態での、スライダー、開き具及びエレメントとの位置関係を、スライダーの上翼板を切断して示す図である。 スライダーが箱棒側に最も捩じられた状態での、スライダー、開き具及びエレメントとの位置関係を、スライダーの上翼板を切断して示す図である。 一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部が、蝶棒に設けられた噛合部と近接している状態を説明するための図である。 第1変形例における、箱体及び箱棒を示す上面図である。 第2変形例における、箱体及び箱棒を示す上面図である。 第3変形例における、箱体及び箱棒を示す上面図である。 第3変形例において、スライダーが引き上げ開始位置にある状態での、スライダー、開き具及びエレメントとの位置関係を、スライダーの上翼板を切断して示す図である。 第3変形例において、スライダーが箱棒側に最も捩じられた状態での、スライダー、開き具及びエレメントとの位置関係を、スライダーの上翼板を切断して示す図である。 第4変形例における、箱体及び箱棒を示す上面図である。 従来のスライドファスナーにおいて、スライダーが引き上げ開始位置にある状態での、スライダー、開き具及びエレメントとの位置関係を、スライダーの上翼板を切断して示す図である。 従来のスライドファスナーにおいて、スライダーが箱棒側に最も捩じられた状態での、スライダー、開き具及びエレメントとの位置関係を、スライダーの上翼板を切断して示す図である。
以下、本発明に係るスライドファスナーの一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以後の説明において、上側とは図1の紙面に対して手前側、下側とは図1の紙面に対して奥側、前側とは図1の紙面に対して上側、後側とは図1の紙面に対して下側、左側とは図1の紙面に対して左側、右側とは図1の紙面に対して右側とする。したがって、スライドファスナーの左右方向は、後述する一対のファスナーエレメント列の幅方向であり、また、後述する箱体の幅方向でもある。また、スライドファスナーの前後方向は、箱棒の長手方向でもあり、スライダーの移動に伴いエレメント列が閉じる方向が前側であり、エレメント列が開く方向が後側である。
本実施形態のスライドファスナー10は、図1に示すように、左右一対のファスナーテープ20A,20B、及び一対のファスナーテープ20A,20Bの対向するテープ側縁部21にそれぞれ設けられた一対のファスナーエレメント列30A,30Bを有する一対のファスナーストリンガー22A,22Bと、一対のファスナーエレメント列30A,30Bを噛合・分離させるスライダー40と、一対のファスナーエレメント列30A,30Bの前端側にそれぞれ設けられる上止部11と、一対のファスナーエレメント列30の後端側に設けられる開き具60と、を備える。
このスライドファスナー10は、一対のファスナーエレメント列30A,30Bが一対のファスナーテープ20A,20Bの下面側に配置される裏使いスライドファスナーである。また、このスライドファスナー10は、止水性のスライドファスナーであり、ファスナーテープ20A,20Bの上面に止水フィルムが張り付けられている。
ファスナーエレメント列30A,30Bは、合成樹脂製のモノフィラメントを一定方向に巻回すことにより形成されるコイル状のファスナーエレメント列であり、複数のファスナーエレメント31を構成する。モノフィラメントの合成樹脂材料としては、ポリエステルやナイロンなどを挙げることができる。
ファスナーエレメント列30A,30Bは、不図示の縫い糸によってファスナーテープ20A,20Bのテープ側縁部21の下面(裏面)に縫い付けられる。また、このスライドファスナー10は、従来技術でも説明した編込みファスナーであり、編込みファスナーは、ファスナーテープ20A,20Bを編成すると同時に、ファスナーテープ20A,20Bのテープ側縁部21にコイル状のファスナーエレメント列を編込むことによって得られる。
スライダー40は、スライダー胴体41と、スライダー胴体41の上面に取り付けられる引手42と、を備える。そして、スライダー40を上止部11側に移動することで、左右のファスナーエレメント列30A,30Bが噛合し、スライダー40を開き具60側に移動することで、左右のファスナーエレメント列30A,30Bが分離する。なお、スライダー40は、本実施形態では自動停止機能付きのスライダーであるが、自動停止機能のないスライダーであってもよい。
図2に示すように、胴体41は、上下方向に離間して並行に配置される上翼板43及び下翼板44と、上翼板43及び下翼板44を前端部において連結する案内柱45と、上翼板43の左右両側縁部に沿って下方に向けて突設されるフランジ46aと、下翼板44の左右両側縁部に沿って上方に向けて突設されるフランジ46bと、上翼板43の下面に形成され、左右のファスナーエレメント列30A,30Bを案内する隆起部47と、を備える。そして、上翼板43と下翼板44との間には、左右のファスナーエレメント列30A,30Bを挿通させる略Y字状のエレメント案内路48が形成されている。また、上下のフランジ46a,46b間には、ファスナーテープ20A,20Bが挿通されるテープ溝49が形成されている。なお、フランジは上翼板43及び下翼板44の少なくとも一方に形成されていればよい。例えば、ファスナーエレメント列30A,30Bがファスナーテープ20A,20Bの下面側に配置される図1に示すような裏使いのスライドファスナーでは、スライダーの下翼板44にのみフランジが設けられていてもよい。
また、左右のフランジ46a,46bは、エレメント案内路48の肩口側で分離した状態のファスナーエレメント31の反転部33を案内し、エレメント案内路48の後口側で噛合した状態のファスナーエレメント31の反転部33を案内するように形成される(図7A参照)。
また、図7Aに示すように、左右のフランジ46a,46bの内側面は、後口から延在する、互いに平行な平行部46b1と、平行部46b1から肩口側へ互いに離れるように湾曲する湾曲部46b2と、湾曲部46b2からさらに肩口側へ互いに離れるように延在する直線部46b3とを有する。なお、図7Aでは、下翼板44のフランジ46bのみが図示されているが、上翼板43のフランジ46aも上面視において、同一形状を有しており、平行部、湾曲部、及び直線部を有する。また、図7A中、二点鎖線は、平行部46b1、曲線部46b2、直線部46b3の境界位置を表している。
図1に戻って、開き具60は、左右のファスナーエレメント列30A,30Bの一方、即ち、ファスナーエレメント30Aの後端側に配置される箱棒61及び箱体62と、左右のファスナーエレメント列30A,30Bの他方、即ち、ファスナーエレメント30Bの後端側に配置される、箱体62に挿入可能な蝶棒70と、を備える。
蝶棒70は、射出成形によってファスナーテープ20Aのテープ側縁部21の後端部に取り付けられている。蝶棒70は、図3に示すように、角柱状の蝶棒本体部71と、蝶棒本体部71の前方側で、箱棒61と対面する蝶棒本体部71の箱棒側の側面71aからさらに箱棒61側に突出する側方突出部72と、蝶棒本体部71の前面71bから前方に突出する前方突出部73と、を有する。
そして、側方突出部72の前方には、箱棒61に最も近い、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32と噛合可能な噛合部74が形成されている。また、噛合部74と前方突出部73との間には、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32の後半部を収容する収容部75が設けられている。さらに、側方突出部72の後方には、上面側が切り欠かれた嵌入凹部76が形成されている。また、側方突出部72及び噛合部74には、幅方向中間部分に段差面77が前後方向に沿って形成されていてもよい。蝶棒70をスライダー40から引き抜く際、噛合部74と最後端エレメント31aの噛合頭部32の間にスライダー40のロックピンが落ちると、蝶棒70が引き抜きにくくなる。段差面77が形成されていることで、噛合部74と噛合頭部32の間にロックピンが落ちにくくなり、容易に蝶棒70をスライダー40から引き抜くことができる。
前方突出部73は、蝶棒本体部71の反箱棒側の側面71bよりも箱棒61と反対側に膨出する膨出部73aを備え、膨出部73aから凹曲面73bを介して反箱棒側の側面71bと繋がっている。この膨出部73aは、後述するスライダー40を引き上げる際にフランジ46bに当接することができ(図7B参照)、蝶棒70が箱棒61から離れる方向に動くのを抑制し、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの係合頭部32と噛合部74とを正しく係合させるように作用する。
また、本実施形態では、箱棒61と箱体62とは、射出成形によって一体に形成され、ファスナーテープ20Aのテープ側縁部21の後端部に取り付けられている。ただし、箱棒61と箱体62とは、別々に成形されて、箱棒61を箱体62に取付けるようにしてもよい。
図4~図6に示すように、箱棒61の蝶棒側の側面には、上面側が突出して、蝶棒70の嵌入凹部76に挿入される係合部63が形成され、係合部63の前方には、側方突出部72が嵌まり込む段部64が形成される。また、箱棒61の反蝶棒側の側面には、スライダー40のフランジ46a,46bの内側面と対向可能な、スライドファスナー10の前後方向に沿った起立面61aが形成されている。起立面61aは、箱体本体部65の前面65aから前側に向けて略垂直に延びる平坦な面であってもよい。起立面61aの前側には、湾曲するとともに箱棒61の先端を形成する湾曲面が接続されている。
箱体62は、略直方体状に形成され、幅方向両側に互いに平行で、スライドファスナー10の前後方向に沿った側面を有する箱体本体部65と、箱体本体部65の前方に設けられ、箱体本体部65の外側面よりも内側から前方に延在する延在部66と、を有する。したがって、図5に示すように、延出部66の幅W1は、箱体本体部65の幅よりも小さい。
箱体62の幅方向一方側には、箱棒61が一体に形成される一方、箱体62の幅方向他方側には、前後方向に貫通すると共に、側面にも開口する蝶棒挿入孔67が形成されている。これにより、箱体62の幅方向他方側には、蝶棒70が蝶棒挿入孔67に挿入可能となる。
延出部66の前方、即ち、箱体62の前面には、箱棒61側から蝶棒挿入孔67側に向かって後方に傾斜した傾斜面68が形成されている。傾斜面68の傾斜角度θは、左右のファスナーエレメント列30A,30Bが並ぶ幅方向に対して5~12度の範囲で傾斜している。なお、本実施形態では、傾斜面68が箱体本体部65の前面65aと同じ高さになる位置を蝶棒挿入孔側端部68aと呼ぶ。蝶棒挿入孔側端部68aは、箱体本体部65の前面65aに接続されている。
これにより、箱棒61は、箱体62の幅方向一方側で、延出部66の傾斜面68から前方に突出して設けられる。
図6に示すように、箱棒61の箱体62から突出する部分の長さL1は、箱棒61の長手方向における、箱体62の蝶棒挿入孔67の底面67aから箱棒61の先端までの長さLの35~45%に設定される。
このように構成されたスライドファスナー10において、一対のファスナーエレメント列30A,30Bを噛合させてスライドファスナー10を閉鎖する際には、まず、スライダー40を箱体62の前面である傾斜面68に接触させるまでスライダー40を引き下げる。
ここで、図7Aに示すように、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aは、スライダー40の後口側により深く入り込んだ状態となるため、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70側のエレメント案内路48に近づくこととなる。即ち、上面視において、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、左右方向において、箱棒62の係合部63の側面の延長線Xを越えて、蝶棒70側のエレメント案内路48に近づく。
ただし、スライダー40は、箱棒側のフランジ46a,46bが蝶棒側のフランジ46a,46bに比べて箱体本体部65から離れて、箱体本体部65の前面、即ち、左右のファスナーエレメント列30A,30Bが並ぶ幅方向に対して傾斜した姿勢となる。
したがって、蝶棒70側のエレメント案内路48は、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32から離れる方向に傾いているので、蝶棒70側のエレメント案内路48を広く確保できる。これにより、蝶棒70の噛合部74と最後端エレメント31bの噛合頭部32との衝突を最小限に抑え、蝶棒70がスライダー40のエレメント案内路48を介して箱体62の蝶棒挿入孔67にスムーズに挿入される。
なお、傾斜面68は、左右のファスナーエレメント列30A,30Bが並ぶ幅方向に対して、傾斜角度θを5度以上とすることで、蝶棒70を挿入する際に、上述した蝶棒70側のエレメント案内路48を広く確保することができる。また、傾斜角度θを12度以下とすることで、蝶棒70側のエレメント案内路48と箱体62の蝶棒挿入孔67とが大きく屈曲して、蝶棒70が挿入しづらくなるのを抑制している。
そして、図7Aに示すように、蝶棒70が箱体62の蝶棒挿入孔67に挿入され、スライダー40が箱体62の傾斜面68に接触した状態が、スライダー40を引き上げるスライダー40の引き上げ開始位置となる。
この引き上げ開始位置では、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74と接触している。
なお、本実施形態では、スライダー40の引き上げ開始位置では、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74と接触しているが、接触していなくても近接していればよい。ここで、最後端エレメント31aの噛合頭部32が、蝶棒70に設けられた噛合部74と近接しているとは、図8に示すように、上面視において、最後端エレメント31aの噛合頭部32と蝶棒70の噛合部74との間の距離D1が、最後端エレメント31aの噛合頭部32と案内柱45との間の距離D2よりも短い場合を言う。
上述したように、スライダー40の引き上げ開始位置において、一対のファスナーエレメント列30A,30Bの最後端エレメント31a,31bは、スライダーの後口側により入り込んだ状態となる。この状態では、蝶棒70と対向する側と反対側の側面に形成された箱棒61の起立面61a全体が、フランジ部46a,46bの平行部46b1と対向する。さらに、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの反転部33は、フランジ部46a,46bの湾曲部46b2によって案内される。
ここで、本実施形態のスライドファスナー10は、ファスナーテープ20A,20Bに止水フィルムが張り付けられているため、上記スライダー40の引き上げ開始位置において、スライダー40の引き上げに力が必要となり、スライダー40を引き上げようとすると、傾斜面68と箱棒61の起立面61aとの接続部69を起点として、図7B、図7Cの順に、箱棒側にスライダー40が捩られていく。
その際、スライダーの引き上げ開始位置では、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aは、フランジ部46a,46bと接触して、最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74と近接又は接触する。また、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、他方のファスナーエレメント列30Bの最後端エレメント31bの噛合頭部32と接触はしていないが、図13Aに示す従来のスライドファスナーの場合に比べて、互いに接近している。
したがって、スライダー40が捩られると、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74と接触した状態のまま、図7Bに示すように、フランジ部46a,46bに押された他方のファスナーエレメント列30Bの最後端エレメント31bの噛合頭部32とも接触する。そして、スライダー40がさらに捩じられると、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、噛合部74と他方のファスナーエレメント列30Bの最後端エレメント31bの噛合頭部32との間を通過して噛み合った状態となる。このため、最後端エレメント31a,31bの噛合頭部32同士が衝突して正しく係合しないことが防止され、その後、スライダー40が円滑に引き上げられる。
以上説明したように、本実施形態のスライドファスナー10によれば、スライダー40の引き上げ開始位置では、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74と近接又は接触している。これにより、スライダー40が捩られた場合であっても、一対のファスナーエレメント列30A,30Bの最後端エレメント31a,31bが衝突して正しく係合しないことが防止され、スライダー40を引き上げる際の操作性を向上することができる。
また、本実施形態のスライドファスナー用の開き具60によれば、箱棒61の箱体62から突出する部分の長さL1は、箱棒61の長手方向における、箱体62の蝶棒挿入孔67の底面67aから箱棒61の先端までの長さLの35~45%に設定される。すなわち、箱棒61の長さL1が、長さLの45%以下となるように箱棒61の長さを短くすることで、スライダー40の引き上げ開始位置において、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aが、スライダー40の後口側により深く入り込んだ状態となる。これにより、スライダー40を引き上げる際にスライダー40が捩られた場合でも、一対のファスナーエレメント列30A,30Bの最後端エレメント31a,31b同士が衝突して正しく係合しないことが防止され、スライダー40を引き上げる際の操作性を向上することができる。一方、箱棒61の長さL1を、長さLの35%以上とすることで、蝶棒70の挿入性や箱体62の外観性を維持することができる。
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、図9Aに示す第1変形例では、箱体62の延出部66が、箱棒61側と蝶棒挿入孔67側の両方に、スライドファスナー10の前後方向に沿った側面を持った構成としている。
この場合、上記実施形態に比べ、箱棒61の箱体62から突出する部分の長さL1が短くなり、箱棒61の長手方向における、箱体62の蝶棒挿入孔67の底面67aから箱棒61の先端までの長さLに対する、箱棒61の長さL1の比率が小さくなる。これにより、スライダー40の引き上げ開始位置において、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aが、スライダー40の後口側により深く入り込んだ状態となり、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74とより近接又は接触しやすくなる。
また、図9Bに示す第2変形例では、箱体62は、延出部66を設けずに、箱体本体部65を箱棒61の長手方向に長くして、箱体本体部65の前面に傾斜面68が形成される構成としてもよい。
この場合も、第1変形例と同様に、箱棒61の箱体62から突出する部分の長さL1が短くなり、箱棒61の長手方向における、箱体62の蝶棒挿入孔67の底面67aから箱棒61の先端までの長さLに対する、箱棒61の長さL1の比率が小さくなる。
さらに、図10に示す第3変形例では、箱体62が、延出部66を設けずに、箱体本体部65を蝶棒61の長手方向に長くし、且つ、箱体本体部65の前面は、傾斜面68を有さずに、箱体62の幅方向に沿って形成される。
この場合も、上記実施形態と同様に、箱棒61の長手方向における、箱体62の蝶棒挿入孔67の底面67aから箱棒61の先端までの長さLに対する、箱棒61の長さL1の比率が35~45%に設定される。これにより、図11Aに示すように、スライダー40の引き上げ開始位置において、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aが、スライダー40の後口側により深く入り込んだ状態となり、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74と近接又は接触した状態となる。
さらに、図11Bに示すように、スライダー40が捩られても、一方のファスナーエレメント列30Aの最後端エレメント31aの噛合頭部32は、蝶棒70に設けられた噛合部74と接触した状態のまま、噛合部74と他方のファスナーエレメント列30Bの最後端エレメント31bの噛合頭部32との間を通過して噛み合った状態となる。このため、最後端エレメント31a,31bの噛合頭部32同士が衝突して正しく係合しないことが防止され、その後、スライダー40が円滑に引き上げられる。
なお、第3変形例のように、箱体62が傾斜面を有しない構成の場合には、蝶棒70の箱体62への挿入性を確保するため、蝶棒70は、前方突出部73の膨出部73aの幅を維持しつつ、凹曲面73bをより凹ませて、蝶棒70を細くするようにしてもよい。
また、図12に示す第4変形例では、第3変形例と同様に、箱体62が、傾斜面を有しない構成であるが、箱体62は、上記実施形態と同様に、箱体本体部65と延出部66とを有する。したがって、延出部66の前面は、箱体本体部65の前面と平行で、箱体62の幅方向に沿って形成される。
また、上記実施形態では、本発明をファスナーエレメント列がファスナーテープの下面側に配置される裏使いスライドファスナーに適用する場合を例示したが、これに限定されず、ファスナーエレメント列がファスナーテープの上面側に配置される表使いスライドファスナーに本発明を適用してもよい。
さらに、上記実施形態では、本発明の開き具が、編込みファスナーに止水フィルムを張り付けた止水性のスライドファスナーに適用されているが、本発明は、これに限らず、スライダーを引き上げる際にスライダーが捩られる傾向にあるスライドファスナーに好適に適用できる。
以上のとおり、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 一対のファスナーテープ、及び前記一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部にそれぞれ設けられた一対のファスナーエレメント列を有する一対のファスナーストリンガーと、
前記一対のファスナーエレメント列の一方の後端側に配置される箱棒及び箱体と、前記一対のファスナーエレメント列の他方の後端側に配置される蝶棒と、を有する開き具と、
上下方向に離間して並行に配置される上翼板及び下翼板と、前記上翼板及び前記下翼板を前端部において連結する案内柱と、前記上翼板と前記下翼板の少なくとも一方の後方側縁部に設けられるフランジ部と、を有し、前記一対のファスナーエレメント列を噛合・分離させるスライダーと、
を備えるスライドファスナーであって、
前記箱体には、前記箱棒が、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向一方側で、前記箱体から前方に突出して設けられ、且つ、幅方向他方側には、前記蝶棒を挿入可能な蝶棒挿入孔が形成され、
前記蝶棒は、前記一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部と係合可能な噛合部を備え、
前記蝶棒が前記箱体の前記蝶棒挿入孔に挿入され、前記スライダーが前記箱体の前面に接触した前記スライダーの引き上げ開始位置において、前記一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部は、前記蝶棒に設けられた前記噛合部と近接又は接触する、スライドファスナー。
この構成によれば、スライダーを引き上げる際にスライダーが捩られた場合でも、一対のファスナーエレメント列の最後端エレメント同士が衝突して正しく係合しないことが防止され、スライダーを引き上げる際の操作性を向上することができる。
(2) 前記箱体の前面は、前記箱棒側から前記蝶棒挿入孔側に向かって後方に傾斜する傾斜面を有し、
前記スライダーの引き上げ開始位置において、前記スライダーは、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向に対して傾倒している、(1)に記載のスライドファスナー。
この構成によれば、スライダーが箱体の前面である傾斜面に接触した状態において、蝶棒の噛合部と他方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部との衝突を最小限に抑え、蝶棒を箱体の蝶棒挿入孔にスムーズに挿入できる。
(3) 前記傾斜面は、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向に対して5~12度の範囲で傾斜している、(2)に記載のスライドファスナー。
この構成によれば、スライダーが箱体の前面である傾斜面に接触した状態において、蝶棒を箱体の蝶棒挿入孔にスムーズに挿入できる。
(4) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さく、
前記傾斜面の蝶棒挿入孔側端部は、前記箱体本体部の前面に接続されている、(2)又は(3)に記載のスライドファスナー。
この構成によれば、傾斜面の蝶棒挿入孔側端部において、段差なく箱体本体部の前面に接続されるので、延出部の寸法を小さくして、箱体の外観性を極力維持することができる。
(5) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さい、(1)~(3)のいずれかに記載のスライドファスナー。
この構成によれば、箱体本体部の寸法を従来品と同じくしつつ、延出部の寸法を小さくして、箱体の外観性を極力維持することができる。
(6) 前記スライダーは、前記フランジ部の内側面に、後口から延在する、互いに平行な平行部を備え、
前記箱棒は、前記蝶棒と対向する側と反対側の側面に、前記スライドファスナーの前後方向に沿った起立面を有し、
前記スライダーの引き上げ開始位置において、前記箱棒の前記起立面全体が、前記フランジ部の平行部と対向する、(1)~(5)のいずれかに記載のスライドファスナー。
この構成によれば、スライダーの引き上げ開始位置において、一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントが、スライダーの後口側により深く入り込んだ状態となり、一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部は、蝶棒に設けられた噛合部と近接又は接触しやすくなる。
(7) 一対のファスナーエレメント列の一方の後端側に配置可能な箱棒及び箱体と、一対のファスナーエレメント列の他方の後端側に配置可能な蝶棒と、を有する、スライドファスナー用の開き具であって、
前記箱体には、前記箱棒が、前記箱体の幅方向一方側で、前記箱体から前方に突出して設けられ、且つ、前記箱体の幅方向他方側には、前記蝶棒を挿入可能な蝶棒挿入孔が形成され、
前記箱棒の前記箱体から突出する部分の長さは、前記箱棒の長手方向における、前記箱体の前記蝶棒挿入孔の底面から前記箱棒の先端までの長さの35~45%である、スライドファスナー用の開き具。
この構成によれば、スライダーの引き上げ開始位置において、一方のファスナーエレメント列の最後端エレメントが、スライダーの後口側により深く入り込んだ状態となり、スライダーを引き上げる際にスライダーが捩られた場合でも、一対のファスナーエレメント列の最後端エレメント同士が衝突して正しく係合しないことが防止され、スライダーを引き上げる際の操作性を向上することができる。
(8) 前記箱体の前面は、前記箱棒側から前記蝶棒挿入孔側に向かって後方に傾斜する傾斜面を有する、(7)に記載のスライドファスナー用の開き具。
この構成によれば、スライダーが箱体の前面である傾斜面に接触した状態において、蝶棒の噛合部と他方のファスナーエレメント列の最後端エレメントの噛合頭部との衝突を最小限に抑え、蝶棒を箱体の蝶棒挿入孔にスムーズに挿入できる。
(9) 前記傾斜面は、前記箱体の幅方向に対して5~12度の範囲で傾斜している、(8)に記載のスライドファスナー用の開き具。
この構成によれば、スライダーが箱体の前面である傾斜面に接触した状態において、蝶棒を箱体の蝶棒挿入孔にスムーズに挿入できる。
(10) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さく、
前記傾斜面の蝶棒挿入孔側端部は、前記箱体本体部の前面に接続されている、(8)又は(9)に記載のスライドファスナー用の開き具。
この構成によれば、傾斜面の蝶棒挿入孔側端部において、段差なく箱体本体部の前面に接続されるので、延出部の寸法を小さくして、箱体の外観性を極力維持することができる。
(11) 前記箱体は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部と、前記箱体本体部から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部と、を備え、
前記延出部の幅は、前記箱体本体部の幅よりも小さい、(7)~(9)のいずれかに記載のスライドファスナー用の開き具。
この構成によれば、箱体本体部の寸法を従来品と同じくしつつ、延出部の寸法を小さくして、箱体の外観性を極力維持することができる。
10 スライドファスナー
11 上止部
20A,20B ファスナーテープ
21 テープ側縁部
22A,22B ファスナーストリンガー
30A,30B ファスナーエレメント列
31 ファスナーエレメント
40 スライダー
43 上翼板
44 下翼板
45 案内柱
46a,46b フランジ部
60 開き具
61 箱棒
61a 起立面
62 箱体
65 箱体本体部
66 延出部
67 蝶棒挿入孔
68 傾斜面
70 蝶棒
74 噛合部

Claims (4)

  1. 一対のファスナーテープ(20A,20B)、及び前記一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部(21)にそれぞれ設けられたコイル状の一対のファスナーエレメント列(30A、30B)を有し、前記一対のファスナーテープが編成により形成され、前記コイル状の一対のファスナーエレメント列が前記一対のファスナーテープのテープ側縁部に編込まれている編込みファスナーであって、前記ファスナーテープの上面に止水フィルムが張り付けられている一対のファスナーストリンガー(22A,22B)と、
    前記一対のファスナーエレメント列の一方の後端側に配置される箱棒(61)及び箱体(62)と、前記一対のファスナーエレメント列の他方の後端側に配置される蝶棒(70)と、を有する開き具(60)と、
    上下方向に離間して並行に配置される上翼板(43)及び下翼板(44)と、前記上翼板(43)及び前記下翼板(44)を前端部において連結する案内柱(45)と、前記上翼板(43)と前記下翼板(44)の少なくとも一方の後方側縁部に設けられるフランジ部(46a,46b)と、を有し、前記一対のファスナーエレメント列(30A,30B)を噛合・分離させるスライダー(40)と、
    を備えるスライドファスナー(10)であって、
    前記箱体(62)には、前記箱棒(61)が、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向一方側で、前記箱体から前方に突出して設けられ、且つ、幅方向他方側には、前記蝶棒(70)を挿入可能な蝶棒挿入孔(67)が形成され、
    前記蝶棒(70)は、前記一方のファスナーエレメント列(30A)の最後端エレメント(31a)の噛合頭部(32)と係合可能な噛合部(74)を備え、
    前記スライダー(40)は、前記フランジ部(46a,46b)の内側面に、後口から延在する、互いに平行な平行部(46b1)と、前記平行部から肩口側へ互いに離れるように湾曲する湾曲部(46b2)と、を備え、
    前記箱棒(61)は、前記蝶棒と対向する側と反対側の側面に、前記スライドファスナーの前後方向に沿った起立面(61a)を有し、
    前記蝶棒(70)が前記箱体(62)の前記蝶棒挿入孔(67)に挿入され、前記スライダー(40)が前記箱体(62)の前面に設けられた前記箱棒(61)側から前記蝶棒挿入孔(67)側に向かって後方に傾斜する傾斜面(68)に接触した前記スライダーの引き上げ開始位置において、(i)前記箱棒(61)の前記起立面(61a)全体が、前記フランジ部の前記平行部と対向し、(ii)前記一方のファスナーエレメント列(30A)の最後端エレメント(31a)の反転部(33)は、前記フランジ部の前記湾曲部によって案内され、且つ、(iii)前記一方のファスナーエレメント列(30A)の最後端エレメント(31a)の噛合頭部(32)は、前記蝶棒(70)に設けられた前記噛合部(74)と近接又は接触する、という前記(i)~(iii)の3つの状態が同時に成立している、スライドファスナー(10)。
  2. 前記傾斜面(68)は、前記一対のファスナーエレメント列が並ぶ幅方向に対して5~12度の範囲で傾斜している、請求項1に記載のスライドファスナー(10)。
  3. 前記箱体(62)は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部(65)と、前記箱体本体部(65)から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部(66)と、を備え、
    前記延出部の幅(W1)は、前記箱体本体部の幅(W2)よりも小さく、
    前記傾斜面(68)の蝶棒挿入孔側端部(68a)は、前記箱体本体部(65)の前面(65a)に接続されている、請求項1に記載のスライドファスナー(10)。
  4. 前記箱体(62)は、前記蝶棒挿入孔が設けられる箱体本体部(65)と、前記箱体本体部(65)から連続し、前記箱体の前面を構成する延出部(66)と、を備え、
    前記延出部の幅(W1)は、前記箱体本体部の幅(W2)よりも小さい、請求項1又は2に記載のスライドファスナー(10)。
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