JP7448326B2 - 段ボールシート、包装箱 - Google Patents

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Description

本発明は、商品などの梱包や包装に用いて好適な折り返し防止用の切り込みを設けた段ボールシートに関する。
従来より商品等の包装箱や保護部材などに段ボールシートが用いられている。通常、この段ボールシートは、任意の位置で折り曲げられて、包装する商品等の形状や用途に応じた所望の形に形成される。
一方、段ボールシートは一定の弾性を有しているため、例え折り曲げを容易とするための折り曲げ線等を設けたとしても、テープやその他の部材を用いなければ、所望の角度で折り曲げた状態を保持することが難しいという問題がある。この問題を解決するため、段ボールシートが折り曲げられる折り目の位置に、切り込み線で区画されたロック片を設けた段ボールシートが知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照。)。
実公平6-13059号公報 特許第4309743号公報
上述の特許文献に記載された技術では、段ボールシートを所定の折り目の位置で折り曲げると、ロック片の一部が、切り込み線の外側にある段ボールシートの対応する部分と接触して係止され、段ボールシートの折り曲げ角度が保持される。
しかしながら、上述の特許文献に記載された技術では、ロック片の係止が十分ではなく、段ボールシートの折り曲げ角度を所望の角度で保持するのが難しいという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、所望の角度で折り曲げた状態を維持することが可能な段ボールシートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の段ボールシートは、所定の箇所で折り曲げられて使用される段ボールシートであって、第1のシート部と、前記第1のシート部に対して折り曲げられる第2のシート部と、前記第1のシート部から前記第2のシート部に向かって延出する第1のロック片と、前記第1のロック片と隣接し、前記第2のシート部から前記第1のシート部に向かって延出する第2のロック片を少なくとも備え、前記第1のロック片は、前記第2のシート部に設けられた第1の切り込み線によって区画された部分であり、前記第2のロック片は、前記第1のシート部に設けられた第2の切り込み線によって区画された部分であり、前記第1のロック片の前記第2のシート部側の部分は、前記第1のシート部側の部分よりも、前記第2のロック片側に延出しており、前記第2のロック片の前記第1のシート部側の部分は、前記第2のシート部側の部分よりも前記第1のロック片側に延出していることを特徴とする。
上記発明においては、前記第1のロック片と、前記第2のロック片は、前記段ボールシートの中芯が延びる方向に隣接していることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記第1のロック片と、前記第2のロック片は、前記段ボールシートの中芯が延びる方向と交わる方向に隣接していることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の境目であって、使用時に折り曲げられて折り目となる部分に折り目線が設けられていることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記第1の切り込み線、及び前記第2の切り込み線は、前記段ボールシートの表側あるいは裏側の少なくとも一方の側に設けられた切り込み線であることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記第1のロック片の前記第2のロック片側に延出している部分を区画する前記第1の切り込み線の部分と、前記第2のロック片の前記第1のロック片側に延出している部分を区画する前記第2の切り込み線の部分は、連続する直線状の切り込み線であることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記第1のロック片の前記第2のロック片側に延出している部分を区画する第1の切り込み線の部分と、前記第2のロック片の前記第1のロック片側に延出している部分を区画する前記第2の切り込み線の部分は連続する略S字の形状をしていることを特徴とすることが好ましい。
本発明の段ボールシートによれば、第1のロック片と第2のロック片のそれぞれの側に向かって延出している部分が接触し、互いに係止されるため、テープなどのその他の部材を用いることなく、段ボールシートの折り曲げ角度が保持されるという効果を奏する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る段ボールシートを用いたL字型保護材の展開図である。図1(b)は、本発明の一実施形態に係る段ボールシートを用いたL字型保護材の展開図の部分拡大図である。 本発明の一実施形態に係る段ボールシートを折り曲げて形成したL字型保護材の斜視図である。 図3(a)は、本発明の一実施形態に係る段ボールシートを用いたL字型保護材の部分拡大図である。図3(b)は、本発明の一実施形態に係る段ボールシートを用いたL字型保護材の部分拡大図である。 本発明の一実施形態に係る段ボールシートを折り曲げて形成したL字型保護材の斜視図のである。 図5(a)は、本発明に係る段ボールシートの変形例を示す図である。図5(b)は、本発明に係る段ボールシートの他の変形例を示す図である。 図6(a)は、本発明に係る段ボールシートの折り曲げ試験の結果(両面段ボール、順目)を示す図である。図6(b)は、図6(a)の折り曲げ試験における試験サンプルが折り曲げられた状態を例示する図である。 図7(a)は、本発明に係る段ボールシートの折り曲げ試験の結果(両面段ボール、逆目)を示す図である。図7(b)は、図7(a)の折り曲げ試験における試験サンプルが折り曲げられた状態を例示する図である。 図8(a)は、本発明に係る段ボールシートの折り曲げ試験の結果(ダブルルフルート、順目)を示す図である。図8(b)は、図8(a)の折り曲げ試験における試験サンプルが折り曲げられた状態を例示する図である。 図9(a)は、本発明に係る段ボールシートの折り曲げ試験の結果(ダブルルフルート、逆目)を示す図である。図9(b)は、図9(a)の折り曲げ試験における試験サンプルが折り曲げられた状態を例示する図である。 本発明に係る段ボールシートを用いた包装箱の一例を示す斜視図である。 本発明に係る段ボールシートを用いた包装箱の一例を示す斜視図である。 本発明に係る段ボールシートを用いた他の包装箱の一例を示す斜視図である。 本発明に係る段ボールシートを用いた他の包装箱の一例を示す斜視図である。 図14(a)は、本発明の他の実施形態に係る段ボールシートを用いたL字型保護材の展開図である。図14(b)は、本発明の他の実施形態に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てる手順を説明する図である。 図15(a)は、本発明の他の実施形態に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てた状態を示す図である。図15(b)は、本発明の他の実施形態に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てた状態を示す図である。 図16(a)は、他の実施形態の第1の変形例に係る段ボールシートを用いたL字型保護材の展開図である。図16(b)は、他の実施形態の第1の変形例に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てる手順を説明する図である。 図17(a)は、他の実施形態の第1の変形例に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てた状態を示す図である。図17(b)は、他の実施形態の第1の変形例に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てた状態を示す図である。 図18(a)は、他の実施形態の第2の変形例に係る段ボールシートを用いたL字型保護材の展開図である。図18(b)は、他の実施形態の第2の変形例に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てる手順を説明する図である。 図19(a)は、他の実施形態の第2の変形例に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てた状態を示す図である。図19(b)は、他の実施形態の第2の変形例に係る段ボールシートをL字型保護材として組み立てた状態を示す図である。 図20(a)は、他の実施形態の第1の変形例に係る段ボールシートの更なる変形例の展開図である。図20(b)は、他の実施形態の第2の変形例に係る段ボールシートの更なる変形例の展開図である。
〔第1の実施形態〕
1.構成の説明
以下、本発明の第1の実施形態に係る段ボールシートについて主に図1から図5を参照しながら説明する。本実施形態では、本発明に係る段ボールシート10を略L字状に折り曲げて、L字型保護部材50として用いる例に適用して以降の説明を行う。ここで、L字型保護部材とは、その断面がL字状になるように板状の部材を略90°に折り曲げたもので、梱包される商品を保護するために用いられるものである。
なお以降の説明において、前後、左右、上下の方向は特に断りの無い限り図中に示す方向とする。また、各図において現れている側の面を表面と、各図に現れていない側の面を裏面と記載する。
本実施形態に係る段ボールシート10は、公知の段ボールシートからできている。即ち段ボールシート10は、一組の紙製のシート(以降において「ライナー」とも記載する。)の間に、波状に形成された紙製のシート(以降において「中芯」とも記載する。)が張り合わされた紙製のシート材である。なお、以降において、この中芯の山状に形成された部分が延びる方向を、「中芯が延びる方向」、あるいは「紙巾方向」、または「順目の方向」とも記載する。また、中芯が延びる方向と交わる方向を「逆目の方向」とも記載する。
本実施形態に係る段ボールシート10は、中芯が延びる方向に長い長方形状をしている。段ボールシート10の逆目の方向における中心付近には、略S字状の複数の切り込み線20が、段ボールシート10の中芯の延びる方向に延びる辺、即ち段ボールシート10の長い側の辺と略平行に、所定の間隔で直線状に並んで設けられている。
切り込み線20の間には、折り線13がそれぞれ設けられている。また、最も左側に設けられている切り込み線20の左側の端部と、段ボールシート10の左側の短い側の辺との間、及び最も右側に設けられている切り込み線20の右側の端部と、段ボールシート10の右側の短い側の辺との間にも、それぞれ折り線13が設けられている。この折り線13は、段ボールシート10を折り曲げ容易にするために、公知の方法で設けられた線状の折り曲げ線であり、段ボールシート10の長い側の辺と略平行にそれぞれ同一線上に左右に並んで設けられている。
即ち段ボールシート10は、直線上に交互に並んで設けられた折り線13及び切り込み線20によって二つ部分に区画されている。以降において、この区画された上側の部分を「上側シート部11」と、下側の部分を「下側シート部12」と記載する。なお、本実施形態における上側シート部11が、特許請求の範囲における第1のシート部と、下側シート部12が特許請求の範囲における第2のシート部とされている。
切り込み線20は、刃物などを用いた公知の方法によって段ボールシート10を切り込むことによって形成された連続した切り込み線である。本実施形態では切り込み線20が、段ボールシート10の表側の面から裏側の面に貫通し、所定の箇所に連続して設けられている例に適用して以降の説明を行う。
切り込み線20は、直線状の切り込み線21~25から構成されている。図1(b)を参照してより詳細に説明すると、切り込み線20は、切り込み線21~25が連続した切り込みとなるように、端部がつなげられて設けられている。
切り込み線21及び切り込み線25は、それぞれ折り線13が延びる方向と交差する方向に上側シート部11と下側シート部12に跨がって設けられた切り込みである。切り込み線22は、上側シート部11に設けられた切り込みで、切り込み線21の上側の端部から折り線13と略平行に切り込み線25の側に向かって延びて設けられている。
切り込み線24は、下側シート部12に設けられた切り込みで、切り込み線25の下側の端部から折り線13と略平行に切り込み線21に向かって延びて設けられている。切り込み線23は、切り込み線22の右側の端部と切り込み線24の左側の端部を直線状につなぐ様にして、上側シート部11と下側シート部12に跨がって設けられた切り込みである。
この切り込み線21、22、23にて区画された部分が、詳細は後述するロック片30である。即ちロック片30は、図1(a)及び図1(b)に示す平面図において、下側シート部12から、上側シート部11の側に向かって延出している略台形の部分である。ロック片30の切り込み線22の側の左右方向の幅は、下側(下側シート部12側)の左右方向の幅よりも広くなっている。
また、切り込み線23、24、25にて区画された部分が、詳細は後述するロック片40である。即ち、ロック片40は、図1(a)及び図1(b)に示す平面図において、上側シート部11から、下側シート部12に向かって延出している略台形の部分である。ロック片40の切り込み線24の側の左右方向の幅は、上側の左右方向の幅よりも広くなっている。なお本実施形態におけるロック片40が、特許請求の範囲における第1のロック片と、本実施形態におけるロック片30が、特許請求の範囲における第2のロック片とされている。
切り込み線22の右側の端部は、切り込み線24の左側の端部よりも切り込み線25側に延びている。このため切り込み線23は、切り込み線25の側、即ち右側に傾斜して設けられている。即ち、ロック片30の切り込み線22側の部分は、折り線13の端部から折り線13が延びる方向に直線状に延びる仮想線14と切り込み線23が交わる位置よりも、ロック片40の側に向かって延出している。換言すればロック片30の上側シート部11の側の部分は、下側シート部12側の部分よりもロック片40の側に向かって延出している。
同様にロック片40の下側シート部12側の部分は、ロック片30の側に延出している。即ち、ロック片40の切り込み線24側の部分は、仮想線14と切り込み線23が交わる位置よりも、ロック片30の側に向かって延出している。換言すればロック片40の下側シート部12の側の部分は、上側シート部11側の部分よりもロック片30の側に向かって延出している。
なお切り込み線23は、切り込み線23と切り込み線25の間にある仮想線14となす角度A(図1(b)参照。)が、90°よりも小さな角度となる様に設けられている。なおこの角度Aは、90°よりも小さな角度であれば、意図する折り曲げ角度、即ち上側シート部11と下側シート部12がなす角度や、段ボールシート10の厚さ、あるいは段ボールシートの固さなどに応じた任意の角度としてもよい。
前述の様に、この切り込み線20は、段ボールシート10の中心付近に所定の間隔で、段ボールシート10の長い側の辺と略平行に並んで設けられている。本実施形態では、切り込み線20は、切り込み線23と切り込み線25の間の仮想線14の長さと略同一の長さの間隔で配置されている例に適用して以降の説明を行う。なお、この切り込み線20の設けられる間隔は、L字型保護部材50の使用用途や段ボールシートの特性などに応じた任意の長さの間隔であってもよい。
なお折り線13は、切り込み線25のその長さが約半分となる点と、右側に隣接する切り込み線21のその長さが約半分を結ぶ様にして設けられている。換言すれば、折り線13の端部から延びる仮想線14が、ロック片30及びロック片40の上下方向の長さの半分の位置をとおるように折り線13は設けられている。
2.作用の説明
続いて主に図2を参照して、段ボールシート10の作用について説明を行う。本実施形態に係る段ボールシート10は、折り線13にて折り曲げられて使用されるものである。換言すれば段ボールシート10は、上下方向に延びる辺の側から見たときに、上側シート部11に対する下側シート部12の角度が略90°となる様に折り曲げられて使用されるものである。
段ボールシート10を折り曲げると、隣接するロック片30及びロック片40が切り込み線20にて切り離され、ロック片30は下側シート部12から、ロック片40は上側シート部11から、それぞれ突出した状態となる(図2、図3(a)参照。)。即ち、ロック片30は、下側シート部12から、中芯が延びる方向と交わる方向に突出した状態となり、ロック片40は、上側シート部11から、中芯が延びる方向と交わる方向に突出した状態となる(図2、図3(a)参照。)。このとき、切り込み線23にて形成されたロック片30の断面31と、当該ロック片30と隣接するロック片40の断面41は、接触した状態となっている(図3(a)参照。)。
前述の様に、ロック片30の切り込み線22側の部分は、隣接するロック片40側に向かって延出している。またロック片40の切り込み線24側の部分は、隣接するロック片30側に向かって延出している。このため、下側シート部12に対して上側シート部11を折り曲げていくと、断面31と断面41は次第に強く接触する様になり、ロック片30とロック片40がより強く係止されるようになる。
上記実施形態における段ボールシート10によれば、ロック片30の切り込み線22側の部分、即ち上側シート部11側の部分は、ロック片40の側に延出し、ロック片40の切り込み線24側の部分、即ち下側シート部12側の部分は、ロック片30の側に延出している。そして、段ボールシート10を折り曲げると、ロック片30及びロック片40の前述の延出した部分の断面が互いに接触することとなり、ロック片30とロック片40が強く係止される。このため、テープなどのその他の部材を用いることなく、上側シート部11と下側シート部12が互いに係止され、折り曲げられた所望の角度が保持される。
また、折り線13と切り込み線20が、中芯が延びる方向に直線上に交互に並んで配置されて、ロック片30とロック片40が、中芯が延びる方向に隣接して配置されているため、段ボールシート10を折り曲げる作業が行いやすい。
更に、段ボールシート10の折り目となる部分、即ち上側シート部11と下側シート部12の境目の部分に折り線13が設けられているため、更に段ボールシート10を折り曲げる作業が行いやすい。なお段ボールシート10を構成する段ボールシートの種類や用途によっては、折り線13を設けない構成としてもよい。
更に切り込み線23と、切り込み線23と切り込み線25の間にある仮想線14のなす角度Aが、90°よりも小さな角度となる様に、ロック片30とロック片40を区画する切り込み線23が直線状に設けられている。このため、段ボールシート10が折り曲げられて上側シート部11と下側シート部12のなす角度B(図2,図3参照。)が小さくなるにつれ、断面31と断面41は更に強く接触する様になり、ロック片30とロック片40が強く係止されるようになる。即ち、段ボールシート10の折り曲げ角度が保持されやすくなる。このため、例えば段ボールシート10の厚さ、あるいは段ボールシートの固さなどに応じてこの角度Aを調節することで、保持される折り曲げ角度を所望の角度に調整とすることも可能となる。
なお上記実施形態では、切り込み線20が、段ボールシート10の表側の面から裏側の面に貫通し、かつ連続して設けられた切り込み線である例に適用して説明を行った。一方、切り込み線20は、段ボールシート10を折り曲げた際に、ロック片30とロック片40を切り離すことができるのであれば、段ボールシート10を貫通して設けられていなくてもよく、例えばボールシートの一方の側のライナーを切り込んだハーフカット(半切り)の切り込み線であってもよい。あるいは切り込み線20は、破断線など、切り込みが断続的に設けられたものであってもよい。この様な切り込みとすることで、使用前に外部から不要な力が加わり、段ボールシート10が意図せずに折れ曲がってしまうことが防がれる。
また上記実施形態では、折り線13及び切り込み線20が、中芯が延びる方向に並んで設けられている例に適用して説明を行ったが、折り線13及び切り込み線20が、中芯が延びる方向と交わる方向に並んで設けられていてもよい。即ち、ロック片30とロック片40が逆目の方向に隣接して設けられていてもよい(図4参照。)。
通常、段ボールシートにおいて、中芯の延びる方向は段ボールシートの剛性が高く折り曲げ作業が行いにくいが、この折り目となる部分に折り線13及び切り込み線20を設けると、段ボールシートを容易に折り曲げることができる様になる。またロック片30及びロック片40による係止によって、折り曲げ角度を保持する段ボールシートとすることができる。
なお、逆目の方向に折り線13及び切り込み線20を並べ、ロック片30とロック片40が逆目の方向に隣接する様にした場合には、切り込み線22によって形成されたロック片30の先側の断面32、及び切り込み線24にて形成されたロック片40の先側の断面42に、波状の中芯の断面が現れる(図3(b)参照。)。ロック片30及びロック片40は、折り曲げられた状態でそれぞれ上側シート部11及び下側シート部12から突出する部分であるため、外部との接触がおきやすく、ロック片30及びロック片40を構成する段ボールシートのライナーが剥がれるなど、破損が生じやすい。一方、図3(b)参照に示されている様に、断面32、断面42に中芯の波状の断面が現れた状態となっていれば、ライナーが、中芯の山の部分に一定の間隔で接着されている為、外部から力が加わってもライナーが剥がれにくいロック片30及びロック片40とすることが可能となる。
また上記実施形態では、2枚のライナーの間に中芯を貼り合わせた段ボールシート(以降において当該段ボールシートを「両面段ボール」とも記載する。)を用いた例に適用して説明を行ったが、段ボールシート10を、複数のライナーの間にそれぞれ中芯を貼り合わせた段ボールシートを用いて構成してもよい。例えば、3枚のライナーの間に、中芯をそれぞれ貼り合わせた段ボールシート(復両面段ボール)を用いてもよい。
あるは、中芯の波の間隔、即ち波状に形成された中芯の隣接する山と山の間隔(以降において「波の間隔」とも記載する。)が異なる中芯を、複数のライナーの間に貼り合わせた段ボールシートを用いてもよい。例えば、3枚のライナーの一方の間に、所定の波の間隔の中芯を貼り合わせ、他方のライナーの間に前述の中芯よりも波の間隔の広い中芯を貼り合わせた段ボールシート(以降において「ダブルフルートの段ボールシート」とも記載する。)を用いてもよい(図3(b)、図4参照。)。
通常、ダブルフルートの段ボールシートは、強い剛性を有するため折り曲げ作業を行いにくいが、この様にすることで折り曲げ作業が行い易く、また折り曲げた状態を保持できる段ボールシートとすることができる。
なお、この場合、少なくとも中芯の波の間隔が狭い段ボールシートが、切り込み線20によって切り込まれている様にしてもよい。そして、折り曲げる際には、波の間隔の狭い中芯の側を外側にして、即ち、波の間隔の広い中芯の側の面を互いに近づける様にして、段ボールシート10を折り曲げる様にしてもよい。通常、中芯の波の間隔が狭い段ボールシートはその厚さが薄く、剛性も小さいため、波の間隔の狭い中芯の側を外側にして折り曲げることで、波の間隔の広い中芯の側を外側にした場合と比べて小さな力で折り曲げることができる、折り曲げやすい段ボールシートとすることができる。
なお上記の実施形態では、切り込み線22の端部と切り込み線24の端部を直線状につなぐ切り込み線23が設けられ、ロック片30及びロック片40が略台形形状に形成されている例に適用して説明を行った。一方、ロック片30の上側シート部11側の部分がロック片40側に延出し、ロック片40の下側シート部12側の部分がロック片30側に延出した形状であれば、ロック片30及びロック片40は他の形状であっても構わない。即ちロック片30とロック片40を区画する切り込み線は、直線以外の形状をなす切り込み線であっても構わない。
例えば、切り込み線22と切り込み線24のそれぞれの端部をつなぐ切り込み線26が、S字状の形状の切り込み線となっており、ロック片30の上側シート部11側の半円状の部分が、ロック片40側に延出し、ロック片40の下側シート部12側の半円状の部分が、ロック片30側に延出する様に形成されていてもよい(図5(a)参照。)。あるいは、切り込み線22と切り込み線24のそれぞれの端部が、連続して設けられた直線状の切り込み線27、28、29によってつながれて、ロック片30の上側シート部11側の略三角形状の部分がロック片40側に延出し、ロック片40の下側シート部12側の略三角形状の部分がロック片30側に延出する形状に形成されていてもよい(図5(b)参照。)。
上記の実施形態の様に、切り込み線22と切り込み線24を直線状につなぐ切り込み線23を設けた場合には、ロック片30の切り込み線22と切り込み線23で区画される角の部分、及びロック片40の切り込み線24と切り込み線23で区画される角の部分が鋭角となる。この場合には、段ボールシート10を折り曲げてロック片30及びロック片40が突出した際に、これらの角の部分が外部に引っかかり、ライナーが剥がれるなど、ロック片30やロック片40が破損してしまう畏れがある。しかしながら、切り込み線22と切り込み線24の端部をつなぐ切り込みを図5(a)のS字状の切り込み線26としたり、図5(b)に示す様な角のない切り込み線27~29としたりすれば、その様な角の部分がなくなる。このため、段ボールシート10を折り曲げてロック片30及びロック片40が突出した状態となった際に、それらの角の部分が外部に引っかかりにくくなるため、ロック片30及びロック片40が破損してしまう畏れが少なくなる。
3.折り曲げ試験の結果
次に、本実施形態における段ボールシートの、折り曲げられた角度を保持する性能を評価するために行った折り曲げ試験の結果について説明を行う。本試験では、本実施形態に係る段ボールシート10である試験サンプルEと、試験サンプルEとは異なる形状の切り込み線がそれぞれ設けられた試験サンプルA~Dの折り曲げ角度を保持する性能を比較する試験を様々な条件で行っている。
なお、以降の説明において、試験サンプルA~Eを構成する段ボールシートの、折り線及び切り込みによって区画された一方の側をシート部60、他方の側をシート部70と記載する。また、シート部60とシート部70の間の折り目に設けられた折り線を折り線80と記載する。
本試験では、試験サンプルA~Eをそれぞれ任意の角度に折り曲げて、その折り曲げ角度の経時的な変化を測定している。具体的には、折り曲げた直後、折り曲げてから1時間後、4時間後、8時間後、1日後及び4日後のそれぞれの試験サンプルの折り曲げ角度、即ちシート部60とシート部70のなす角度Bをそれぞれ測定している(図6(a)~図9(a)参照。)。なお図6(a)~図9(a)の測定結果において、上段にはそれぞれの時間経過時における折り曲げ角度(角度B)を、下段に折り曲げ直後から変化した角度の大きさが表されている。
また試験サンプルの折り曲げ状態、及び試験条件を示す代表図として、試験サンプルEが折り曲げられた状態を示す図を図6(b)~図9(b)に記載している。
試験サンプルAは、シート部60からシート部70に向かって略台形のロック片が延出する様に切り込み線が設けられた段ボールシートである。即ち試験サンプルAには、折り曲げた際に、シート部60からロック片が突出する様に切り込み線が設けられている。なお試験サンプルAのロック片は、延出する方向の先側の左右の幅が、当該ロック片が延出する元側の左右の幅よりも広い略台形の形状をしている。
試験サンプルBは、シート部60からシート部70に向かって2つの略台形のロック片が延出し、前述の2つのロック片の間に、一つの略台形のロック片がシート部70から延出するように切り込み線が設けられた段ボールシートである。即ち、試験サンプルBには、折り曲げるとシート部60から2つの略台形のロック片が突出し、シート部70から延びる一つの略台形のロック片が、前述のシート部60から延出する2つのロック片の間から突出する様に切り込み線が設けられている。この試験サンプルBのロック片は、いずれも延出する方向の先側の左右の幅が、当該ロック片が延出する元側の左右の幅よりも狭い略台形形状をしている。
試験サンプルCは、シート部60からシート部70に向かって略台形のロック片が延出し、シート部70からシート部60に向かって略台形のロック片が、前述のシート部60のロック片と隣接して延出する様に切り込み線が設けられた段ボールシートである。即ち、試験サンプルCには、折り曲げた際に、シート部60から略台形のロック片が突出し、当該ロック片と隣接してシート部70から略台形のロック片が突出する様に切り込み線が設けられている。なお試験サンプルCのロック片は、いずれも延出する方向の先側の左右の幅が、当該ロック片が延出する元側の左右の幅よりも狭い略台形形状をしている。また、シート部60から延出するロック片とシート部70から延出するロック片を区画する斜めの切り込み線は、折り線80と略平行に設けられているロック片の延出する側の辺との角度が、90°よりも大きな角度となる様に設けられている。
試験サンプルDは、シート部60からシート部70に向かって長方形のロック片が延出し、当該ロック片と隣接して、シート部70からシート部60に向かって長方形のロック片が延出する様に切り込み線が設けられた段ボールシートである。即ち、試験サンプルDには、折り曲げた際にシート部60から長方形のロック片が突出し、当該ロック片と隣接してシート部70から長方形のロック片が突出する様に切り込み線が設けられている。
なお、本折り曲げ試験では、試験サンプルA~Eを構成する段ボールシートの中芯の延びる方向と、折り線と切り込み線の異なる組み合わせ、及び試験サンプルA~Eを構成する段ボールの種類など、条件を変えた折り曲げ角度の経時的な変化を計測する試験を行っている。
具体的には、試験(1):中芯が延びる方向と同じ方向に折り曲げ線と切り込みを直線状に設けた場合(図6(b)参照。)、試験(2):中芯が延びる方向と交わる方向(逆目の方向)に折り曲げ線と切り込みを直線状に設けた場合(図7(b)参照。)、試験(3):ダブルフルートの段ボールシートの中芯が延びる方向と同じ方向に折り曲げ線と切り込みを直線状に設けた場合(図8(b)参照。)、試験(4):ダブルフルートの段ボールシートの中芯が延びる方向と交わる方向(逆目の方向)に折り曲げ線と切り込み線を直線状に設けた場合(図9(b)参照。)のそれぞれの場合について、折り曲げ角度の経時的な変化を測定している。
なお、それぞれの試験において、試験サンプルA~Eは、同一の種類の段ボールシートを用いて形成されている。具体的には、試験(1)、(2)では、試験サンプルA~Eは公知の両面段ボールシートから構成されている。また、試験(3)、(4)では、試験サンプルA~Eは、公知のダブルフルートの段ボールシートから構成されている。
図6(a)~図9(a)に示されている試験結果から明らかな様に、本発明に係る段ボールシート10である試験サンプルEは、いずれの条件においても、他の試験サンプルA~Dと比較して、優れた折り曲げ角度を保持する性能を有することが示されている。具体的に説明すると、試験サンプルA~Dは、折り曲げてから8時間を経過すると、折り曲げ角度が折り曲げ直後と比較して2°~23°大きくなっている。一方、試験サンプルEは、いずれの条件においても折り曲げてから8時間を経過するまでは、折り曲げ角度に変化はなく、当初の折り曲げられた角度が保持されている。
また、試験サンプルEは、8日を経過すると折り曲げ角度に変化があるもの、その変化の大きさは、折り曲げ直後と比較して5°~7°程度の変化であり、他の試験サンプルA~Dの変化した角度よりも小さな値である。即ち、本試験結果から、本実施形態に係る段ボールシート10(試験サンプルA~D)は、他の形状の切り込みを設けた試験サンプルA~Dと比較して、中芯の向きや使用する段ボールシート種類にかかわらず、優れた折り曲げ角度を保持する性能を有していることが示されている。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図10から図11を参照しながら説明を行う。本実施形態では、本発明に係る段ボールシートが、商品の包装や輸送の際に使用される包装箱に用いられる例に適用して以降の説明を行う。なお、以降の説明において、上記の実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を省略する。
1.構成の説明
本実施形態に係る包装箱100の構成について、主に図10、11を参照して説明する。包装箱100は、所定の箇所に切り込みや折り線などが設けられた段ボールシートを、折り曲げて組み立てた直方体の包装箱である。包装箱100は、角筒体形状の本体部160と、本体部160の開口を塞ぐ内側フラップ130及び外側フラップ140から主に構成されている。
本体部160は、包装箱100の側面を構成する部分である。本体部160には、包装箱100の左右の側面である一組の側面部110と、前後の側面である一組の側面部120とが設けられている。本体部160は展開された状態において、側面部110と側面部120が相互に並んだ帯状の形状をしており、側面部110と側面部120との境目には、折り目210が設けられている。なお、本体部160の端部には、角筒体形状を形成する際に用いられる貼付部150が、折り目210を介して延出している。図10及び図11において、貼付部150は図示されていない。
即ち本体部160は、帯状の段ボールシートが折り目210にて折り曲げられて、角筒体形状に形成されたものである。なお貼付部150は、本体部160の他方の端部に貼り付けられて、角筒体形状を固定している。この角筒体形状の一方の開口が、包装箱100の上側の開口となり、他方の開口が包装箱100の底面側の開口となる。
側面部110の上下の辺からは、折り目220を介して内側フラップ130がそれぞれ上下の方向に延出している。この内側フラップ130は、折り目220にて側面部110に対して包装箱100の内側の方向に略直角に折り曲げられて、包装箱100の上下の開口部の少なくとも一部を塞ぐ部分である。
側面部120の上下の辺からは、折り目230を介して外側フラップ140がそれぞれ上下の方向に延出している。この外側フラップ140は、折り目220にて側面部120に対して略直角に折り曲げられ、内側フラップ130の外側に配置されて包装箱100の上下の開口を塞ぐ部分である。なお、折り目220、及び折り目230には、複数の折り線13及び切り込み線20が直線状に交互に並んで設けられている。この折り線13及び切り込み線20は、第1の実施形態における段ボールシート10に設けられた折り線13及び切り込み線20と同一のものである(図1(b)参照。)。なお、本実施形態に係る内側フラップ130、及び外側フラップ140が特許請求の範囲における蓋フラップとされている。
2.作用の説明
続いて本実施形態に係る包装箱100の作用について、その組み立て方法に沿って説明を行う。はじめに側面部110及び側面部120を、それぞれの面のなす角度が略直角になるように折り目210にて包装箱100の内側の方向に折り曲げて、角筒体形状の本体部160を組み立てる。この際、本体部160の一方の端部にある、貼付部150を折り目210にて折り曲げて、本体部160の他方の端部に貼り付け、側面部110及び側面部120を固定する。
続いて、側面部110の下側の辺から延出している内側フラップ130を、側面部110に対する角度が略直角となる様に、折り目220にて包装箱100の内側の方向に折り曲げる。この際、内側フラップ130は、折り目220に設けられた切り込み線20によって側面部110に係止される。即ち、内側フラップ130と側面部110がなす角度である折り曲げ角度が保持される。
同様に、側面部120の下側の辺から延出している外側フラップ140を、側面部120に対する角度が略直角となる様に、折り目230にて包装箱100の内側の方向に折り曲げる。この際、外側フラップ140は、折り目230に設けられた切り込み線20によって側面部120に係止される。即ち、外側フラップ140と側面部120の折り曲げ角度が保持される。
内側フラップ130及び外側フラップ140にて包装箱100の底面側の開口を塞いだら、折り曲げた外側フラップ140を、テープなど公知の部材で固定し、包装箱100の底面を塞いだ状態で固定する。
包装箱100の底面部を塞いだ状態で固定したら、包装箱100の上側の開口を閉じる。具体的には、側面部110の上側の辺から延出している内側フラップ130を、側面部110となす角度が略直角となる様に折り目220にて包装箱100の内側の方向に折り曲げる。この際、内側フラップ130は、折り目220に設けられた切り込み線20によって側面部110に係止される。即ち内側フラップ130と側面部110の折り曲げ角度が保持される。同様に側面部120の上側の辺から延出している外側フラップ140を、側面部120に対する角度が略直角となる様に、折り目230にて包装箱100の内側の方向に折り曲げる。この際、外側フラップ140は、折り目230に設けられた切り込み線20によって側面部120に係止される。即ち外側フラップ140と側面部120の折り曲げ角度が保持される。外側フラップ140を折り曲げた後、必要に応じてテープなどの公知の部材によって主に外側フラップ140を固定して、包装箱100の上側の開口を塞いだ状態で固定する。
本実施形態に係る包装箱100では、折り目220及び折り目230に、複数の折り線13及び切り込み線20が相互に並んで直線状に設けられている。このため、内側フラップ130や外側フラップ140を折り曲げる際に、テープなどの部材を用いなくても折り曲げられた角度が保持される。従って、包装箱100の上下の開口部を塞ぐ際に、内側フラップ130や外側フラップ140を手などで押さえることなく容易に包装箱100の開口を塞ぐ作業を行うことができる。また、包装箱100の用途によっては、包装箱100の開口をテープなどの部材を用いることなく塞がれた状態とするも可能である。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図12から図13を参照しながら説明する。本実施形態では、本発明に係る段ボールシートが、主に書籍などの板状の商品の包装に用いられるヤッコ型(たとう式)の包装箱に用いられる例に適用して以降の説明を行う。
1.構成の説明
はじめに本実施形態に係る包装箱300の構成について説明を行う。
本実施形態に係る包装箱300は、所定の箇所に切り込みや折り線などが設けられた段ボールシートが折り曲げて形成された直方体の包装箱である。包装箱300は、底面部310と、それぞれ一組の側面部320、側面部340、上面部330、及び内側上面部350から主に構成されている。
包装箱300の構成について、図12~13を参照して具体的に説明すると、底面部310は、包装箱300が包装する商品の下側の面を主に覆う部分であり、包装箱300の底面となる部分である。なお、底面部310は、包装する商品の下側の面と略同一の大きさをしている。
側面部320は、包装箱300を展開した状態において、底面部310の前後の辺から、折り目410を介して前後の方向に向かってそれぞれ延出している部分である。側面部320は、折り目410にて底面部310に対してなす角度が略直角となる様に折り曲げられて、商品の前後の側面を覆う部分である。
側面部340は、包装箱300を展開した状態において、底面部310の左右の辺から、折り目420を介して、左右の方向に向かってそれぞれ延出している部分である。側面部340は、折り目420にて底面部310に対してなす角度が略直角となるように折り曲げられて、商品の左右の側面を覆う部分である。
内側上面部350は、包装箱300を展開した状態において、組立時に上側となる側面部340の辺から、折り目440を介して、側面部340が延びる方向にそれぞれ延出している部分である。内側上面部350は、折り目440にて側面部340に対してなす角度が略直角となる様に折り曲げられて、商品の上側の面の少なくとも一部を覆う部分である。
外側上面部330は、包装箱300を展開した状態において、組立時に上側となる側面部320の辺から、折り目430を介して、側面部320が延びる方向に向かってそれぞれ延出している部分である。外側上面部330は、折り目430にて側面部320となす角度が略直角となる様に折り曲げられ、商品の上側の面を覆う部分である。なお外側上面部330は、内側上面部350の上側に重ねて配置され、包装箱300の上側の面となる部分である。なお、折り目410~440には、複数の折り線13及び切り込み線20が直線状に交互に並んでそれぞれ設けられている。この折り線13及び切り込み線20は、第1の実施形態における段ボールシート10に設けられた折り線13及び切り込み線20と同一のものである(図1(b)参照。)。
2.作用の説明
続いて本実施形態に係る包装箱300の作用について、その組み立て方法に沿って説明を行う。はじめに、商品を底面部310の表側(包装箱300の内側を向く面)に乗せる。続いて側面部320、及び側面部340を折り目410、及び折り目420に沿ってそれぞれ底面部310となす角度が略直角となる様に、包装箱300の内側に向かって折り曲げる。この様にすることで、商品の下側の面と側面が、側面部320及び側面部340で覆われた状態となる。
折り目410及び折り目420には、折り線13及び切り込み線20がそれぞれ設けられているため、容易に側面部320及び側面部340を折り曲げることができる。また、切り込み線20によって側面部320と底面部310の折り曲げ角度、及び側面部340と底面部310の折り曲げ角度がそれぞれ保持される。
続いて、内側上面部350を折り曲げて商品の上側の面を覆う。具体的には、折り目440に沿って、側面部340に対する角度が略直角となる様に内側上面部350を内側に折り曲げる。この際、折り目440には、折り線13及び切り込み線20が設けられているため、内側上面部350を容易に折り曲げることができる。また、切り込み線20によって、内側上面部350は側面部340に係止され、折り曲げられた角度が保持される。
内側上面部350を折り曲げて商品の上側の面を覆った後、折り目430に沿って上面部330を折り曲げる。具体的に説明すると、折り目430に沿って側面部320に対する角度が略直角となる様に、上面部330をそれぞれ折り曲げ、内側上面部350の上側に配置する。この様にすると、商品の上側の面は、上面部330にて覆われた状態となる。必要に応じて、上面部330やその他の部分をテープなどの公知の部材を用いて、包装箱300が閉じた状態(商品を包装した状態)で固定する。
上記の構成からなる包装箱300によれば、折り目410~440に折り線13及び切り込み線20が直線状に設けられている。このため、商品を包装する作業を容易に行うことができる。また、切り込み線20によって形成されたロック片30及びロック片40による係止によって折り曲げ角度が保持されるため、包装箱300の組立作業を容易に行うことができる。
また、ロック片30及びロック片40による係止によって折り曲げられた角度が保持されるため、包装する商品や、包装箱300を形成する段ボールシートの種類によっては、テープなどの公知の部材を用いることなく、商品を包装した状態とすることも可能である。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について主に図14から図15を参照しながら説明する。本実施形態では、本発明に係る段ボールシート500を二つに折り畳み、更に略L字状に折り曲げてL字型保護部材として用いる例に適用して以降の説明を行う。なお本実施形態では、ダブルフルートの段ボールシートを用いる例に適用して説明を行うが、その他の公知の種類の段ボールシートを用いたり、あるいはその他の公知のシート材を用いたりしてもよく、これに限定される訳ではない。
1.構成の説明
本実施形態の段ボールシート500は、中芯が延びる方向に長い長方形状であって略同一の大きさの表側シート部501と裏側シート部502が、中芯が延びる方向と交わる方向(逆目の方向)に並んで配置されたものである(図14(a)参照。)。
裏側シート部502は、二つに折り畳んだ段ボールシート500をL字状に折り曲げる際に、互いに近づく側に配置されている部分である。即ち裏側シート部502は、二つに畳んだ段ボールシート500をL字状に折り曲げる際の、折り曲げ方向の側に配置されている部分である。表側シート部501は、段ボールシート500を二つに折り畳んだ際に、裏側シート部502とは反対側を向く部分である。なお、以降において、段ボールシート500によるL字型保護部材の、裏側シート部502が配置されている側の面を「内側面」と、裏側シート部502とは反対側の面、即ち表側シート部501が配置されている側の面を、「外側面」とも記載する。本実施形態における裏側シート部502が、特許請求の範囲における第3のシート部に相当する部分である。
裏側シート部502の中芯が延びる方向の中心付近には、逆目の方向に延びる折り目526が設けられている。この折り目526は、折り畳んだ段ボールシート500をL字上に折り曲げる際の折り目となる部分である。裏側シート部502は、この折り目526によって、裏側第1シート部521と裏側第2シート部522に区画されている。折り目526上の任意の箇所には、折り曲げを容易にするための所定の長さの切り込み線528が設けられている。
表側シート部501の中芯が延びる方向の中心付近には、切り込み線520が設けられており、その両側には、折り目513が設けられている。折り目513は、それぞれ折り目526が延びる方向に延びる仮想直線514上に設けられている。この折り目513は、折り畳んだ段ボールシート500をL字上に折り曲げる際の折り目となる部分である。切り込み線520は、仮想直線514と交わるように設けられている。表側シート部501は、折り目513及び切り込み線520によって、第1シート部511と第2シート部512に区画されている。なお、本実施形態では、切り込み線520の端側が、折り目513の端側とつながっている例に適用して説明を行うが、切り込み線520は、その端側が折り目513との交点を越え、更に表側シート部501の側、及び第2シート部512の側に延びて設けられていてもよい。
切り込み線520は、第1の実施形態における切り込み線20に対応する切り込み線である。切り込み線520は、第2シート部512から、第1シート部511に向かって延出するロック片530と、第1シート部511から、第2シート部512に向かって延出するロック片540を区画している。ロック片530及びロック片540は、それぞれ仮想直線514を跨いで延出している。なお、ロック片530、ロック片540は、それぞれ第1の実施形態におけるロック片30、ロック片40に対応するものであり、詳細な説明は省略する。
表側シート部501と裏側シート部502の境目には、切り込み線503,504,505が、所定の間隔をあけて同一線上に設けられている。切り込み線503は、表側シート部501と裏側シート部502の境目の、第1シート部511側の端側に設けられた切り込み線であり、切り込み線505は、第2シート部512側の端側に設けられた切り込み線である。また、切り込み線504は、表側シート部501と裏側シート部502の境目の、第1シート部511と第2シート部512に跨がる部分に設けられた切り込み線である。
切り込み線503と切り込み線504の間であって、第1シート部511と裏側第1シート部521との境目の中心付近には、折り曲げ部523が設けられている。また、切り込み線504と切り込み線505の間であって、第2シート部512と裏側第2シート部522との境目の中心付近にも同様に、折り曲げ部523が設けられている。即ち、表側シート部501と裏側シート部502は、二つの折り曲げ部523にて連接され、他の部分は互いに切り離されている。
折り曲げ部523は、所定の間隔をあけ、切り込み線503と略平行に延びる一組の折り目525と、切り込み線503及び切り込み線504と交わる方向に延び、折り目525のそれぞれの端部をつなぐ一組の切り込み線524にて囲まれた部分である。折り目525の一方は、表側シート部501に設けられ、その他方は、裏側シート部502にそれぞれ設けられている。折り曲げ部523は、切り込み線524が延びる方向の中心を、切り込み線503が延びる方向にのびる仮想直線が通るように設けられている。
本実施形態では、この一組の折り目525が、段ボールシート500の厚さの約2倍の長さの間隔で設けられている例に適用して以降の説明を行う。なお、折り目525を設ける間隔は、段ボールシート500の折り畳みが容易となる長さであれば上記と異なる間隔でもよい。あるいは、折り曲げ部523の代わりに、段ボールシート500の折り畳みを容易とする、他の公知の構成が設けられていてもよい。
本実施形態では、折り畳みを更に容易にするために、それぞれの折り曲げ部523の切り込み線503が延びる方向の中心付近に、追加の切り込み線527が設けられている。なお、そのような追加の切り込みは、設けられていなくてもよい。
2.使用方法の説明
続いて、段ボールシート500をL字型保護部材として用いる使用方法について説明を行う。はじめに、表側シート部501と裏側シート部502の境目にて、段ボールシート500を2つに折り畳む(図14(b)参照。)。このようにすると、表側シート部501と裏側シート部502は、切り込み線503,504,505にて切り離されると共に、それぞれ折り目525にて折り曲げ部523に対して略直交するように折り曲げられる。即ち、折り曲げ部523が、表側シート部501と裏側シート部502に対して略直交して配置されて、段ボールシート500が折り畳まれる。前述のように折り目525は、段ボールシート500の厚さの約2倍の長さの間隔で設けられているため、段ボールシート500の厚さが支障となることなく、段ボールシート500の折り畳みを行うことができる。
続いて、折り目513、及び折り目526を境目にして、裏側シート部502が内側面になるようにして折り畳んだ段ボールシート500を、L字状に折り曲げる。換言すれば、裏側第1シート部521を裏側第2シート部522に近づけるようにして、表側シート部501と裏側シート部502を折り曲げる(図15(a)参照。)。このようにすると、ロック片530及びロック片540が、それぞれ第2シート部512及び第1シート部511から突出し、互いに当接した状態となる。このようにロック片530とロック片540が当接することで、折り畳んだ段ボールシート500のL字状に折り曲げられた状態が保持される。
本実施形態による段ボールシート500によれば、二つに折り畳んだ段ボールシート500によってL字型保護部材を形成している。このため、第1の実施形態と比較して、緩衝効果の大きなL字型保護部材を提供することができる。また、ロック片530及びロック片540を備えていることから、粘着テープなどを用いなくても、L字状に折り曲げた状態を保持することができる。
なお段ボールシート500は、逆目の方向に、切り込み線503,504,505及び折り曲げ部523を並べた構成としてもよい(図15(b)参照。)。このようにすれば、ロック片530及びロック片540の断面においてライナーの剥がれにくいL字型保護部材を提供することができる。また、折り目526の方向に加わる荷重に対して、更なる強度を有したL字型保護部材を提供することができる。
<第1の変形例>
続いて、主に図16~図17を参照し、本実施形態の変形例について説明を行う。本変形例では、本発明に係る段ボールシート600を三重に折り重ね、更に略L字状に折り曲げてL字型保護部材として用いる例に適用して以降の説明を行う。なお以降の説明において、上記の実施形態と同一の構成には同一の符号を用いて、その詳細な説明を省略する。
本変形例に係る段ボールシート600は、中芯が延びる方向に長い略長方形状であって略同一の大きさの中側シート部603、表側シート部601、及び裏側シート部602が、逆目の方向に並んで連接されたものである。
表側シート部601は、段ボールシート600によって構成されたL字型保護部材の外側面となる部分であり、裏側シート部602は、そのL字型保護部材の内側面となる部分である。中側シート部603は、L字型保護部材を構成するために段ボールシート600が折り畳まれる際に、表側シート部601と裏側シート部602の間に挟まれて配置される部分である。
裏側シート部602の中芯が延びる方向の中心付近には、逆目の方向に延びる折り目526と切り込み線528が設けられている。裏側シート部602は、この折り目526によって、裏側第1シート部621と裏側第2シート部622に区画されている。
表側シート部601の、中芯が延びる方向の中心付近には、切り込み線620が設けられている。この切り込み線620は、第1の実施形態の切り込み線20に相当する切り込み線であり、折り目626が延びる方向に延びる仮想直線614と交わるように設けられている。表側シート部601は、この切り込み線620によって、第1シート部611と第2シート部612に区画されている。
切り込み線620は、第2シート部612から、第1シート部611の側に延出するロック片630と、第1シート部611から第2シート部612の側に延出するロック片640を区画している。このロック片630、及びロック片640は、それぞれ第1の実施形態におけるロック片30、ロック片40に相当する部分であり、その詳細な説明は省略する。
中側シート部603の中芯が延びる方向の中心付近には、仮想直線614が延びる方向の線上に折り目636が設けられている。中側シート部603は、折り目636によって中側第1シート部631と中側第2シート部632に区画されている。折り目636の任意の箇所には、折り曲げを容易にするための切り込み線638が設けられている。
表側シート部601と中側シート部603の境目には、所定の間隔をあけ、切り込み線503,504,505が同一線上に設けられている。また、切り込み線503,504,505のそれぞれの間には、折り曲げ部523が設けられている。
表側シート部601と裏側シート部602の境目にも同様に、切り込み線503,504,505が設けられている。切り込み線503,504,505のそれぞれの間には、折り曲げ部623が同様に設けられている。この折り曲げ部623は、折り曲げ部523に対応する部分であり、所定の間隔をあけて切り込み線503と略平行に延びる一組の折り目625と、折り目625のそれぞれの端部をつなぐ一組の切り込み線624にて囲まれた部分である。なお折り目625の一方は、表側シート部601に設けられ、折り目625の他方は、裏側シート部602に設けられている。折り曲げ部623は、その切り込み線624が延びる方向の中心を、切り込み線503が延びる方向に延びる仮想直線が通るように配置されている。
本実施形態において、折り目625は、段ボールシート600の厚さの約3倍の長さの間隔で設けられている。なお、折り目625が設けられる間隔は、段ボールシート600の折り畳みに支障のない間隔であれば、上記と異なる間隔であってもよい。
中側シート部603の、表側シート部601とは反対側の辺の部分であって、折り曲げた際、折り曲げ部623と対応する部分には、切欠部637がそれぞれ設けられている。切欠部637は、段ボールシート600を折り畳んだ際に、その間に折り曲げ部623を配置可能な幅を有した切欠きである。本実施形態では、切欠部637の切り込み線503が延びる方向の長さが、折り曲げ部623の切り込み線503が延びる方向の長さと略同一である例に適用して以降の説明を行う。なお、切欠部637は、段ボールシート600を折り畳んだ際に、その間に折り曲げ部623を配置可能であれば、上記と異なる長さの切欠きであってもよい。なお、本実施形態にかかる裏側シート部602及び中側シート部603が、特許請求の範囲における第3のシート部に相当する部分である。
続いて、段ボールシート600をL字型保護部材として組み立てる方法について説明を行う。はじめに、中側シート部603を、表側シート部601との境目にて、表側シート部601に重ねるようにして折り曲げる。
さらに裏側シート部602を、表側シート部601との境目にて、中側シート部603に重ねるようにして折り曲げる(図16(b)参照。)。このようにすると、裏側シート部602と裏側シート部602は、切り込み線503,504,505にて切り離される。そして、それぞれ折り目625にて折り曲げ部623に対して略直交するように折り曲げられて、裏側シート部602が中側シート部603に重ねられて配置される。
前述のように、折り曲げ部623は、段ボールシート600の厚さの約3倍の幅を有している。このため、中側シート部603を間に配置した状態であっても、その厚さが支障となることなく、裏側シート部602を折り畳むことができる。換言すれば、段ボールシート600の厚さが支障となることなく、段ボールシート600を三重に折り畳むことができる。また、中側シート部603の折り曲げ部623と対応する部分に、切欠部637が設けられているため、中側シート部603が折り曲げ部623と当接して折り畳みの支障となることもない。
続いて、折り畳んだ段ボールシート600を、折り目526を境にして、裏側第1シート部621を裏側第2シート部622に近づけるようにしてL字状に折り曲げる。本実施形態では、中側シート部603にも折り目636、及び切り込み線638が設けられているため、そのような折り曲げを行い易い。このようにしてL字状に折り曲げると、第2シート部612から突出するロック片630と、第1シート部611から突出するロック片640がそれぞれ当接して、段ボールシート600がL字状に折り曲げられた状態で保持される(図17(a)参照。)。
本変形例に係る段ボールシート600によれば、三重に折り畳んだ段ボールシートによってL字型保護部材が形成されている。このため、さらに緩衝効果を増したL字型保護部材を提供することができる。また、折り曲げ部623、及び折り曲げ部523は、折り重ねられる段ボールシート600の厚さに応じた幅をそれぞれ有している。このため、折り重ねられた段ボールシート600の厚さが支障となることなく、折り畳みの作業を行うことができる。なお段ボールシート600は、上記の実施形態と同様に、逆目の方向に、切り込み線503,504,505、折り曲げ部523及び折り曲げ部623を並べた構成としてもよい(図17(b)参照。)。このようにすれば上記実施形態と同様の効果が得られる。
<第2の変形例>
本変形例に係る段ボールシート700は、中芯が延びる方向に長い長方形であって略同一の大きさの中側シート部703、表側シート部701、裏側シート部702及び中側シート部704が、逆目の方向に並んで連接されたものである。
表側シート部701は、段ボールシート700によって構成されたL字型保護部材の外側面となる部分であり、裏側シート部702は、そのL字型保護部材の内側面となる部分である。
中側シート部703,704は、L字型保護部材を構成するために段ボールシート700が折り畳まれる際に、それぞれ表側シート部701と裏側シート部702の間に挟まれて配置される部分である。
表側シート部701と中側シート部703の境目、及び裏側シート部702と中側シート部704の境目の間には、切り込み線503,504,505及び折り曲げ部523がそれぞれ設けられている。また、表側シート部701と裏側シート部702との境目には、切り込み線503,504,505と折り曲げ部723が設けられている。
中側シート部703は、中芯が延びる方向の中心付近に設けられた、折り目636によって、中側第1シート部731と中側第2シート部732に区画されている。また中側シート部704は、中芯が延びる方向の中心付近に設けられた、折り目526によって、中側第1シート部741と、中側第2シート部742に区画されている。なお折り目636は、折り目526が延びる方向に延びる仮想直線714と同一の線上に延びている。折り目636,526の任意の箇所には、切り込み線638,528がそれぞれ設けられている。また、中側シート部703,704の、折り曲げた際に、詳細は後述する折り曲げ部723と対応する部分には、切欠部637がそれぞれ設けられている。
表側シート部701の中芯が延びる方向の中心付近には、切り込み線720が設けられている。表側シート部701は、切り込み線720によって第1シート部711と第2シート部712に区画されている。この切り込み線720は、第1の実施形態の切り込み線20に相当する切り込み線であり、第2シート部712から、第1シート部711の側に延出するロック片730と第1シート部711から第2シート部712の側に延出するロック片740を区画している。このロック片730、及びロック片740は、それぞれ第1の実施形態におけるロック片30、ロック片40に対応するものであるため、その詳細な説明は省略する。
裏側シート部702の、中芯が延びる方向の中心付近には、仮想直線714と平行に延びる一組の切り込み線726と、切り込み線504にて区画された略長方形状の貫通穴727が設けられている。この貫通穴727は、その中芯が延びる方向の中心を仮想直線714が通るようにして設けられている。裏側シート部702は、この貫通穴727によって裏側第1シート部721と裏側第2シート部722に区画されている。なお本実施形態では、裏側第2シート部722側に設けられた切り込み線726が、切り込み線720と繋がっている例に適用して説明を行うが、切り込み線720と繋がっていなくてもよい。
折り曲げ部723は、上記の変形例の折り曲げ部623に対応する部分であり、一組の折り目725と、折り目725のそれぞれの端部をつなぐ一組の切り込み線724にて囲まれた部分である。本実施形態において、折り目725は、段ボールシート700の厚さの約4倍の長さの間隔で設けられている。なお、折り目725が設けられる間隔は、段ボールシート700の折り畳みに支障のない間隔であれば、上記と異なる間隔であってもよい。なお本変形例における裏側シート部702及び中側シート部703,704が、特許請求の範囲における第3のシート部に相当する部分である。
続いて段ボールシート700をL字型保護部材として組み立てる方法について説明を行う。はじめに中側シート部703,704を、それぞれ表側シート部701及び裏側シート部702との境目にて折り曲げて、表側シート部701及び裏側シート部702に重ねて配置する(図18(b)参照。)。続いて、中側シート部703,704を重ねた表側シート部701、及び裏側シート部702を、それぞれの境目にて折り曲げる。この様にすると、表側シート部701に重ねた中側シート部703と、裏側シート部702に重ねた中側シート部704が、折り目725にて折り曲げ部723に対して略直角に折り曲げられて、段ボールシート700が四重に折り畳まれた状態となる。前述のように折り曲げ部723は、厚さの約4倍の長さの幅を有しているため、このように段ボールシート700を四重に畳んでも、その厚さが支障となることはなく、折り畳み作業が行い易い。
続いて折り畳んだ段ボールシート700を、折り目526を境にして、裏側第1シート部721を、裏側第2シート部722に近づけるようにしてL字状に折り曲げる。このようにすると、第2シート部712から突出するロック片730と、第1シート部711から突出するロック片740がそれぞれ当接して、段ボールシート700がL字状に折り曲げられた状態で保持される(図19(a)参照)。
なお、裏側シート部702には、貫通穴727が設けられている。即ち、裏側シート部702の折り目となる部分には、シート部材が存在していない。このため、折り重ねた段ボールシート700が折り曲げに伴って意図しない方向にはみ出したり、他の部分を押圧したりすることはないため、折り曲げ作業が行いやすい。また、中側シート部703,704には折り目636,526及び切り込み線638,528が設けられているため、折り畳み作業が行い易い。
本変形例に係る段ボールシート700によれば、四重に折り畳んだ段ボールシートによってL字型保護部材が形成される。このため、さらに緩衝効果を増したL字型保護部材を提供することができる。なお段ボールシート700は、上記の変形例と同様に、逆目の方向に切り込み線503,504,505、折り曲げ部523、及び折り曲げ部723を並べた構成としてもよい(図19(b)参照。)。このようにすれば上記実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の変形例において、段ボールシート600の中側第1シート部631、及び中側第2シート部632の略中心に、貫通穴650を設けた構成としてもよい(図20(a)参照。)。あるいは段ボールシート700の中側第1シート部731,741、及び中側第2シート部732,742の略中心に、貫通穴750を設けてもよい(図20(b)参照。)。この様な貫通穴650,750を設ければ、第1シート部611,711と裏側第1シート部621,721の間、及び第2シート部612,712と裏側第2シート部622,722の間に空間が設けられるため、更に緩衝効果の増した保護部材を提供することができる。なお、段ボールシート600の中側第1シート部631あるいは中側第2シート部632のいずれか一方、あるいは中側第1シート部731,741、又は中側第2シート部732,742の少なくともいずれか一つの部分にそのような貫通穴を設けた構成としてもよい。
また、上記の実施形態では、二重、三重、四重に段ボールシートを重ねてL字型保護部材を形成する例に適用して説明を行ったが、更に多くの段ボールシートを重ねてL字型保護部材を形成してもよい。また、切り込み線520,620,720を、図5(a),(b)に記載のような形状の切り込みとしてもよい。あるいは、異なる部分に追加の切り込み線720等を設けて、異なる部分にて更に折り曲げて、L字型とは異なる形状の保護部材を形成してもよい。あるいは、上記の実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
10・・・段ボールシート 11・・・上側シート部
12・・・下側シート部 13・・・折り線 14・・・仮想線
20・・・切り込み線 21~29・・・切り込み線
30・・・ロック片 31,32・・・断面 40・・・ロック片
41,42・・・断面 50・・・L字型保護部材
60,70・・・シート部 80・・・折り線
100・・・包装箱 110,120・・・側面部
130・・・内側フラップ 140・・・外側フラップ
150・・・貼付部 160・・・本体部
210~230・・・折り目 300・・・包装箱 310・・・底面部
320,340・・・側面部 330・・・上面部
350・・・内側上面部 410~440・・・折り目
500,600,700・・・段ボールシート 503~505・・・切り込み線
501,601,701・・・表側シート部
502,602,702・・・裏側シート部
511,611,711・・・第1シート部
512,612,712・・・第2シート部
513,525,526,625,626,636,725・・・折り目
514,614,714・・・仮想直線
530,540,630,640,730,740・・・ロック片
521,621,721・・・裏側第1シート部
522,622,722・・・裏側第2シート部
523,623,723・・・折り曲げ部
603,703,704・・・中側シート部
631,731,741・・・中側第1シート部
632,732,742・・・中側第2シート部
524,527,624,724・・・切り込み線
528,638,726・・・切り込み線
520,620,720・・・切り込み線
650,727,750・・・貫通穴

Claims (10)

  1. 所定の箇所で折り曲げられて使用される段ボールシートであって、
    第1のシート部と、
    前記第1のシート部に対して折り曲げられる第2のシート部と、
    前記第1のシート部から前記第2のシート部に向かって延出する第1のロック片と、
    前記第1のシート部と前記第2のシート部の間の境目が延びる方向に前記第1のロック片と隣接し、前記第2のシート部から前記第1のシート部に向かって延出する第2のロック片と、
    を少なくとも備え、
    前記第1のロック片の前記第2のシート部に向かって延出する部分は、前記第2のシート部に設けられた第1の切り込み線によって区画された部分であり、
    前記第2のロック片の前記第1のシート部に向かって延出する部分は、前記第1の切り込み線とつながって延びる前記第1のシート部に設けられた第2の切り込み線によって区画された部分であり、
    前記第1のロック片の前記第2のシート部側の部分は、前記第1のシート部側の部分よりも、隣接する前記第2のロック片側に延出しており、
    前記第2のロック片の前記第1のシート部側の部分は、前記第2のシート部側の部分よりも、隣接する前記第1のロック片側に延出していることを特徴とする段ボールシート。
  2. 前記第1のロック片と、前記第2のロック片は、前記段ボールシートの中芯が延びる方向に隣接していることを特徴とする請求項1に記載の段ボールシート。
  3. 前記第1のロック片と、前記第2のロック片は、前記段ボールシートの中芯が延びる方向と交わる方向に隣接していることを特徴とする請求項1に記載の段ボールシート。
  4. 前記境目の使用時に折り曲げられて折り目となる部分に折り目線が設けられ、前記第1のロック片及び前記第2のロック片のそれぞれの前記折り目に対応する部分には、前記折り目線が設けられていないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の段ボールシート。
  5. 前記第1の切り込み線、及び前記第2の切り込み線は、前記段ボールシートの表側あるいは裏側の少なくとも一方の側に設けられた切り込み線であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の段ボールシート。
  6. 前記第1の切り込み線の一部であって、前記第1のロック片の前記第2のロック片側に延出している部分を区画する部分と、前記第2の切り込み線の一部であって、前記第2のロック片の前記第1のロック片側に延出している部分を区画する部分のそれぞれは、複数の直線状の切り込みが、それぞれの端部にて連続してつながった折れ線状の切り込み線であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の段ボールシート。
  7. 前記第1の切り込み線の一部であって、前記第1のロック片の前記第2のロック片側に延出している部分を区画する部分と、前記第2の切り込み線の一部であって、前記第2のロック片の前記第1のロック片側に延出している部分を区画する部分のそれぞれは、略S字の形状の切り込み線であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の段ボールシート。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の段ボールシートを用いて構成された包装箱であって、
    前記包装箱は、
    角筒体の側面部と、
    前記角筒体の開口部を塞ぐ蓋フラップから構成されており、
    前記第1のシート部が、前記角筒体の側面部を構成し、
    前記第2のシート部が、前記蓋フラップを構成していることを特徴とする包装箱。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の段ボールシートを用いて構成された包装箱であって、
    前記包装箱は、
    前記包装箱が包装する内容物の下側の面を覆う底面部と、
    前記底面部から延出し前記内容物の側面を覆う側面部と、
    前記側面から延出し、前記内容物の上面の少なくとも一部を覆う上面部と、
    から主に構成されており、
    前記第1のシート部が、前記側面部を構成し、
    前記第2のシート部が、前記底面部、又は前記上面部の少なくともいずれか一方を構成していることを特徴とする包装箱。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の段ボールシートであって、
    前記所定の箇所で折り曲げて使用される際に、前記第1のシート部と前記第2のシート部の、互いに近づく面の側に配置される第3のシート部を更に備えた段ボールシート。
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