JP7439448B2 - 原稿搬送装置及び原稿読取装置 - Google Patents
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Description
本体部31(図2参照)は、扁平な形状に形成された底部40と、前後方向(原稿Gの搬送方向と交差する原稿Gの幅方向)に互いに対向する第1壁部41と第2壁部42とを有する。本体部31の後縁部は、スキャナー8のコンタクトガラス85(図1参照)の後方にヒンジ結合されており、本体部31は、コンタクトガラス85上の原稿Gを押さえる押さえ板の機能を兼ね備える。第1壁部41は、底部40の前縁部の中央部から左端部にわたって設けられ、第2壁部42は、底部40の後縁部の全体に設けられている。
底部40の上面の中央よりも右側には、排出トレイ43が形成されており、排出トレイ43の上方には、給紙トレイ44が設けられている。給紙トレイ44は、左側が低くなるように傾斜した板状の部材であり、前後方向の原稿Gの端部をそろえるカーソル45を備えている。給紙トレイ44の左端部に隣接する位置に、積載された原稿Gの左方への移動を規制する給紙壁部46が設けられている。給紙壁部46の前後両端部が、第1壁部41と第2壁部42とに固定されている。排出トレイ43は、左側が低くなるように傾斜しており、排出トレイ43の左端部には、排出された原稿Gの左方への移動を規制する排出壁部47が形成されている。
繰出機構34は、第1壁部41と第2壁部42との間の空間に設けられている(図2、3参照)。繰出機構34は、下部が開口した箱形のホルダー53を備え、ホルダー53の内部に、繰出ローラー51と、繰出ローラー51の左方に設けられた従動ローラー55と、従動ローラー55の左方に設けられた駆動ローラー52と、駆動ローラー52と従動ローラー55とに巻き掛けられたゴム製のベルト56と、ベルト56の下側の部分の下面に押し当てられた補助ローラー57と、を備える。繰出ローラー51、従動ローラー55、駆動ローラー52及び補助ローラー57は、前後方向を軸方向として配置されている。繰出ローラー51は、芯金と、ゴム等で形成された弾性層と、を備える(図示省略)。従動ローラー55、駆動ローラー52及び補助ローラー57は、樹脂等で形成されている。駆動ローラー52の駆動軸54の前後両端部は、第1壁部41と第2壁部42に支持され、モーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。ホルダー53は、駆動軸54に支持され、駆動軸54を中心として揺動可能である。駆動軸54の駆動力は、ギア列やタイミングベルト等の伝達機構(図示省略)により繰出ローラー51に伝達される。
搬送機構35(図3参照)は、繰出機構34から読取位置を経由して読取位置の右上方に至るU字形に湾曲した形状に形成された搬送路61と、搬送方向に配置された複数の搬送ローラー対63と、を備える。読取位置は、ホームポジションに位置する第1キャリッジ81(図1参照)の反射鏡に対向する位置である。読取位置には、シェーディング板49が設けられており(図1、3参照)、シェーディング板49とコンタクトガラス85との間には、原稿Gを通過させる間隙が設けられている。スキャナー8は、読取位置を通過する原稿Gを読み取る。搬送路61は、原稿Gを通過させる間隙を設けて互いに対向する板状の搬送案内部材により形成されている。搬送ローラー対63は、駆動ローラーと従動ローラーとを備え、駆動ローラーがモーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。搬送機構35の上方には、開閉可能な板状のカバー部32が設けられている。カバー部32の左端部は、本体部31の底部40の左端部にヒンジ結合されている。
排出機構36は、搬送路61の搬送方向下流側の端部付近から排出トレイ43に至る排出路65と、排出路65の搬送方向上流側の端部に配置された搬送ローラー対67と、排出路65の搬送方向下流側の端部に配置された排出ローラー対68と、を備える。排出路65は、原稿Gを通過させる間隙を設けて互いに対向する板状の排出案内部材66により形成されている。搬送ローラー対67及び排出ローラー対68は、排出案内部材66の前後両端部に垂直に形成されたローラー支持部69に支持されている。
揺動機構37は、揺動軸71と、偏心カム72と、備える。揺動軸71は、排出路65の搬送方向上流側の端部に、前後方向を軸方向として設けられている。本実施形態では、搬送ローラー対67の駆動軸67cが揺動軸71を兼ねる。偏心カム72は、前後方向を軸方向とするカム軸を中心として揺動可能であり、モーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。偏心カム72の摺動面は、下側の排出案内部材66の下面に接触している。偏心カム72の揺動により、排出機構36が揺動軸71を中心として揺動する。
昇降機構38(図4A参照)は、駆動プーリー74及び従動プーリー75と、駆動プーリー74及び従動プーリー75に巻き掛けられたベルト76と、を備える。昇降機構38は、給紙トレイ44の前後に設けられており、駆動プーリー74は、給紙トレイ44よりも上方に配置され、従動プーリー75は、給紙トレイ44よりも下方に配置されている。駆動プーリー74は、モーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。給紙トレイ44の前後の縁部には、左右方向に2つの摺動部77が形成され、第1壁部41の後面及び第2壁部42の前面には、摺動部77の上下方向の摺動を案内する摺動案内部78が形成されている。摺動部77は、例えば給紙トレイ44の前後の縁部から突出しており、摺動案内部78は、摺動部77が嵌合する溝状に形成されている。給紙トレイ44の前後における2つの摺動部77の一方(この例では、左側の摺動部77)は、ベルト76に固定されている。図4Aに示される矢印の方向にベルト76が駆動されることで給紙トレイ44が上昇し、矢印の反対方向にベルト76が駆動されることで給紙トレイ44が下降する。
制御部10(図5参照)は、プロセッサーを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサーを用いる場合には、プロセッサーがメモリーに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサーとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。メモリーは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の記憶媒体を含む。メモリーには、複合機100の各部の制御に用いられる制御プログラムが記憶される。
昇降機構38には、昇降駆動量計測部12が設けられている(図4A参照)。昇降駆動量計測部12は、例えば、光学式のロータリーエンコーダーであり、遮光板13、フォトインタラプター14及び演算部15を備える。遮光板13は、円板の縁に放射状に延びる複数の羽根が等間隔(ただし、ホームポジションのみ広い間隔)で形成された部材であり、駆動プーリー74に設けられている。フォトインタラプター14は、第2壁部42に固定され、遮光板13の回転により交互にレベルが変化するパルス信号を出力する。演算部15は、フォトインタラプター14から出力されたパルス信号を解析して遮光板13の回転角(つまり、駆動プーリー74の回転角)を算出し、算出された回転角を示すデータを制御部10に出力する。駆動プーリー74の回転角は、昇降機構38の駆動量を示す量である。なお、遮光板13は、駆動プーリー74を駆動するモーターの出力軸や従動プーリー75に設けられていてもよい。
揺動機構37には、揺動駆動量計測部16が設けられている(図3参照)。揺動駆動量計測部16は、例えば、光学式のロータリーエンコーダーであり、遮光板13、フォトインタラプター14及び演算部15を備える(昇降駆動量計測部12と同様の構成のため、図示省略)。遮光板13は、偏心カム72のカム軸に設けられている。フォトインタラプター14は、底部40に固定されている。演算部15は、フォトインタラプター14から出力されたパルス信号を解析して遮光板13の回転角(つまり、偏心カム72の回転角)を算出し、算出された回転角を示すデータを制御部10に出力する。偏心カム72の回転角は、揺動機構37の駆動量を示す量である。なお、遮光板13は、偏心カム72を駆動するモーターの出力軸に設けられていてもよい。
上面高さ計測部19(図3参照)は、排出機構36の揺動可能範囲の上限(図9Bに示される上限位置)における排出口70の位置よりも上方、且つ、原稿Gの幅方向の中央部に対応する位置に配置され、第1壁部41又は第2壁部42から突出したブラケット(図示省略)に固定されている。上面高さ計測部19は、例えば、反射型の光電センサーであり、発光部、受光部及び演算部を備える(図示省略)。発光部は、光のパルスを発生する。演算部は、発光部による発光と受光部による受光との時間差、又は、受光したパルスの強さから、上面高さ計測部19と排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との距離を算出する。この距離は、換言すれば、上面高さ計測部19を基準とする原稿Gの上面の高さである。演算部は、算出された高さを示すデータを制御部10に出力する。なお、排出トレイ43に原稿Gが積載されていない場合には、演算部は、排出トレイ43の上面の高さを示すデータを出力する。
制御部10に備えられたEEPROMには、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さと、揺動機構37の駆動量と、昇降機構38の駆動量と、を関連付けたLUT(Look-up Table)が記憶されている。
給紙トレイ44に積載された原稿Gの読み取りが完了した場合には、給紙トレイ44を下降させることで給紙トレイ44と繰出ローラー51との間に原稿Gが積載可能な空間が形成されるが、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面と給紙トレイ44との距離(以下、給紙トレイ距離という。)が小さくなり過ぎると、排出される原稿Gと給紙トレイ44が干渉するおそれがある。また、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面に給紙トレイ44が接触すると、原稿Gを排出する空間がなくなってしまう。換言すれば、給紙トレイ距離には、排出される原稿Gに給紙トレイ44が干渉しない最小値(所定距離の一例)が存在する。排出トレイ43に積載された原稿Gの量にかかわらず原稿Gが正常に排出されるためには、給紙トレイ距離が最小値以上に維持される必要がある。
給紙トレイ44の上面には、給紙トレイ原稿検知部17が設けられている(図2、3参照)。給紙トレイ原稿検知部17は、例えば、反射型の光電センサーであり、発光部と、受光部と、を備える(図示省略)。給紙トレイ上に原稿Gが積載されている場合には、発光部が発光した光が原稿Gによって反射されるため、受光部が反射光を受光する。給紙トレイ上に原稿Gが積載されていない場合には、発光部が発光した光が反射されないため、受光部は反射光を受光しない。給紙トレイ原稿検知部17は、受光部が反射光を受光した場合と受光しなかった場合とでレベルの異なる信号を制御部10に出力する。制御部10は、信号のレベルによって、給紙トレイ44上の原稿Gの有無を判定する。
繰出ローラー押圧検知部21は、ホルダー53の上部に設けられた遮光板22と、カバー部32の内面に設けられたフォトインタラプター23と、を含む。フォトインタラプター23は、遮光板22によって遮光された場合と遮光されない場合とでレベルの異なる信号を制御部10に出力する。前述のとおり、ホルダー53は、駆動軸54に支持され、駆動軸54を中心として揺動可能である。制御部10は、昇降機構38により、原稿Gが積載された給紙トレイ44を上昇させ、原稿Gの上面が繰出ローラー51に押し当てられることでホルダー53が上方に揺動する。ホルダー53が所定量だけ上方に揺動した場合に、遮光板22がフォトインタラプター23の光を遮光する。このとき、原稿Gの上面と繰出ローラー51との間に適正な荷重が作用し、繰出ローラー51による原稿Gの繰り出しが可能となる。このときのホルダー53の位置を、押圧位置という。
次に、図6を参照して、原稿搬送装置9の高さ制御について説明する。図6は、制御部10が実行する高さ制御の手順を示す流れ図である。プリンター1に電源が投入されると、制御部10は、図6に示される高さ制御を反復して実行する。
9 原稿搬送装置
10 制御部
19 上面高さ計測部
35 搬送機構
36 排出機構
37 揺動機構
38 昇降機構
43 排出トレイ
44 給紙トレイ
51 繰出ローラー
61 搬送路
64 伝達機構
65 排出路
67 搬送ローラー対
67c 駆動軸
68 排出ローラー対
70 排出口
71 揺動軸
Claims (3)
- 原稿が積載される給紙トレイと、
前記給紙トレイの下方に設けられた排出トレイと、
前記給紙トレイから1枚ずつ前記原稿を繰り出す繰出ローラーと、
繰り出された前記原稿を読取位置を経由する搬送路に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送路に連なる排出路に沿って前記原稿を搬送し、前記排出路の搬送方向下流側の端部に設けられた排出口から前記排出トレイに前記原稿を排出する排出機構と、
前記排出路の搬送方向上流側の端部に設けられた搬送ローラー対と、
前記搬送ローラー対の駆動軸を中心として前記排出機構を揺動させる揺動機構と、
前記給紙トレイに積載された前記原稿の上面が前記繰出ローラーに押し当てられるように前記給紙トレイを昇降させる昇降機構と、
前記排出トレイに積載された前記原稿の上面の高さを計測する上面高さ計測部と、
前記上面高さ計測部によって計測された前記高さに応じて前記揺動機構により前記排出機構を揺動させることで、前記排出口と前記排出トレイに積載された前記原稿の上面との落差が所定範囲内となるように制御する制御部と、
前記排出路の搬送方向下流側の端部に設けられた排出ローラー対と、
前記搬送ローラー対の前記駆動軸から前記排出ローラー対に駆動力を伝達する伝達機構と、を備えることを特徴とする原稿搬送装置。 - 前記制御部は、前記給紙トレイに前記原稿が積載されていない場合に、前記上面高さ計測部によって計測された前記高さに応じて前記昇降機構により前記給紙トレイを昇降させることで、前記排出トレイに積載された前記原稿の上面と前記給紙トレイとの距離が所定距離以上となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
- 請求項1又は2に記載の原稿搬送装置を備え、
前記原稿搬送装置により搬送される前記原稿を前記読取位置において読み取ることを特徴とする原稿読取装置。
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