JP7436223B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
後端側にクリップ部を有する軸筒と、軸筒周壁に径方向に挿通されるとともに前後方向へスライド可能な複数の押子と、軸筒内で前記複数の押子にそれぞれ接続された複数の筆記芯とを備え、前記複数の押子を選択的に前進させる操作により、選択された前記押子に対応する前記筆記芯がその前端側の筆記部を前記軸筒の前端部から突出させるようにした筆記具において、前記押子は、軸筒外に露出した操作部と軸筒内で前記筆記芯に接続された軸筒内進退部とを有し、前記複数の押子のうち、一部の特定の押子は、その操作部が、他の押子の操作部よりも後方側に延設されており、当該筆記具の後端側が横断面楕円状に形成され、この楕円における長軸方向の一端側に、前記特定の押子の操作部が配設され、この楕円における短軸方向の少なくとも一端側に少なくとも1つの前記他の押子の操作部が配設されていることを特徴とする筆記具。
第1の特徴は、後端側にクリップ部を有する軸筒と、軸筒周壁に径方向に挿通されるとともに前後方向へスライド可能な複数の押子と、軸筒内で前記複数の押子にそれぞれ接続された複数の筆記芯とを備え、前記複数の押子を選択的に前進させる操作により、選択された前記押子に対応する前記筆記芯がその前端側の筆記部を前記軸筒の前端部から突出させるようにした筆記具において、前記押子は、軸筒外に露出した操作部と軸筒内で前記筆記芯に接続された軸筒内進退部とを有し、前記複数の押子のうち、一部の特定の押子は、その操作部が、他の押子の操作部よりも後方側に延設されている(図1参照)。
すなわち、この発明は、後端側にクリップ部を有する軸筒と、軸筒周壁に径方向に挿通されるとともに前後方向へスライド可能な複数の押子と、前記軸筒内で前記複数の押子にそれぞれ接続された複数の筆記芯とを備え、前記押子を選択的に前進させる操作により、該押子に対応する前記筆記芯がその前端側の筆記部を前記軸筒の前端部から突出させるようにした筆記具において、前記押子は、軸筒外に露出した操作部と軸筒内で前記筆記芯に接続された軸筒内進退部とを有し、前記複数の押子のうち、一部の特定の押子は、前記操作部の後端部を、前記軸筒の後端部と略面一に配置している(図1及び図4~図5参照)。
この発明によれば、使用者等に特定の押子を容易に認識させることができる上、特定の押子に対する操作性も良好である。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、軸筒軸方向とは軸筒の中心線が延設される方向を意味し、軸筒周方向とは軸筒の外周を回る方向を意味する。また、「前」とは、軸筒軸方向の一方側であって筆記部が突出する方向を意味し、「後」とは、前記一方側に対する逆方向側を意味する。
また、軸筒径方向とは軸筒の中心線に直交する軸筒の直径方向を意味し、軸筒径方向外側とは軸筒径方向に沿って軸筒中心から離れる方向を意味し、軸筒径方向内側とは軸筒径方向に沿って軸筒中心に向かう方向を意味する。
そして、グリップ装着部11cの後端側には、径方向外側へ突出する環状突起11c1が設けられる。
このグリップ20は、二色成形によって、前軸11の外周部に対し、軸方向にわたって一体化されている。
なお、他例としては、弾性材料からなる別体のグリップ20を前軸11の外周部に重ね合わせるようにして嵌合した構成とすることも可能である。
前軸11側の被押圧面11c2と、後軸12側の押圧面12cとは、前軸11側の雄ネジ部11dに対する後軸12側の雌ネジ部12aの締め付けにより、圧接される。
このガイド孔12dの内縁には、前後方向へわたるガイド面(図示せず)と、このガイド面の前端側で軸筒径方向内側へ凹んだ係止部(図示せず)とが設けられる。第一の押子40は、前記ガイド面に沿って前方へ移動し、軸筒径方向内側へ沈み込むようにして前記係止部に係止される。
この被当接部12hは、軸筒中心線に略直交する面である。
このため、第二の押子50の後端側が軸筒径外方向へ撓んで、第二の押子50の操作部52の後端部と頭冠30との間の隙間s1(図3参照)が拡大するのを阻むことができる。
詳細に説明すれば、当該筆記具Aは、後方から視て楕円状に構成され、その楕円における長軸方向の一端側に、切欠部12e1を配置し、この切欠部12e1に操作部52を嵌め合わせている。
各被嵌合突起12g4は、頭冠30の乗り越え嵌合突起32aを乗り越え嵌合可能な山形に形成される。
この軸筒内進退部41の前端側には、筆記芯61に対し後方側から圧入接続される筆記芯接続部41aと、コイルスプリング63に対し後方側から挿入されるコイル接続部41bとが設けられる。
さらに、他の一例であるコイル受け部41b2”は、径方向の全域にわたって後方斜め軸筒径方向外側へ向かう傾斜面を有する(図16(c)参照)。
これらコイル受け部41b2’,41b”によれば、何れも、コイルスプリング63の前側を軸筒径方向外側へ傾斜させて、他のコイルスプリングに干渉するのを軽減することができる。
前側の係合突起41cは、先に他の押子が前進して掛止されている場合に、この押子の後側の係合突起に当接して、その掛止状態を解除する。
後側の係合突起41dは、当該第一の押子40が先に前進して掛止されており、その掛止状態を解除する場合、後から前進する押子の前側の係合突起に当接される。
この当接部41eは、操作部42を形成する弾性部40bによって形成される。すなわち、操作部42と当接部41eは、弾性部40bを構成する弾性材料により連続するように形成されている。
この構成によれば、第一の押子40を被当接部12hに当接させる際、傾斜面状の当接部41eが、徐々に被当接部12hに圧接され変形するため、その際の衝撃(当接音や振動等)を効果的に軽減することができる。
なお、図10中、符号41fは、ガイド孔12d内のガイド面(図示せず)の前端側で軸筒径方向内側へ凹んだ係止部(図示せず)に対し掛止される掛止突起である。
詳細に説明すれば、図2の横断面に示すように、硬質部40aは、ガイド孔12dの内面に対し近接又は摺接するように形成される。これに対し、弾性部40bは、硬質部40aから段状に幅を狭めて、ガイド孔12dの内面から離隔するように形成される。
この構成によれば、第一の押子40を前後方向へスライドさせる際に、弾性部40bが軸筒10に摺接するのを阻んで、硬質部40aのみをガイド孔12d内面に摺接させることができる。このため、第一の押子40のスライド動作性が良好である。
この第二の押子50は、操作部52の後端部を、他の二つの第一の押子40の操作部42よりも後方側に配置している(図1参照)。
この軸筒内進退部51は、第一の押子40の軸筒内進退部41と略同様にして、筆記芯62に対し後方側から圧入接続される筆記芯接続部51a、コイルスプリング64に対し後方側から挿入されるコイル接続部51b、コイル接続部51bの外周面から軸筒径方向外側へ部分的に突出する偏心突起51b1、偏心突起51b1よりも後側でコイルスプリング64の後端部を受けるコイル受け部51b2、他の押子と係合させるための係合突起51c及び係合突起51d等を有する。
この構成によれば、第二の押子50を後退させた際、傾斜面状の当接部51eが、徐々に被当接部12hに圧接され変形するため、その際の衝撃(当接音及び振動等)を効果的に軽減することができる。
なお、図中、符号51fは、ガイド孔12e内のガイド面12f1の前端側で軸筒径方向内側へ凹んだ係止部12f2に対し掛止される掛止突起である。
この操作部52は、軸筒外に露出する部分が弾性部50bによって形成される。この弾性部50bは、軸筒内進退部51後端側の当接部51eまで連続している(図13参照)。
詳細に説明すれば、操作部52は、軸筒周方向及び軸筒軸方向の寸法が、操作部42よりも大きい。
さらに、操作部52は、軸筒10外周面から突出する寸法が、操作部42よりも大きい(図2参照)。
ここで、前記「略面一」には、操作部52の後端部が、製造上の誤差や寸法公差の範囲内で、軸筒10の後端部よりも若干前側や後側に位置する場合を含む。
すなわち、筆記具Aの後端側は、図2及び図3に示すように横断面略楕円状に構成される。そして、この楕円における長軸の一端側に操作部52が配設され、他端側にはクリップ部12bが配設される。
これら筆記芯61,62は、インク収容管の前端側に筆記部であるボールペンチップを接続したボールペン用リフィールであり、例えば、異なる色のインクが充填される。
これら筆記芯61,62の他例としては、シャープペンシル用リフィールや、電子ペン用筆記芯等とすることも可能である。
なお、前記使用頻度は、複数種類の筆記芯について、多数の使用者に対する調査や実験等に基づき、統計的に求めた使用の頻度である。
このコイルスプリング63は、後端側の内周面が偏心突起41b1に圧接され、後端部が段状のコイル受け部41b2に当接することで、後端側が第一の押子40に対し径方向外側へ偏心して位置するとともに、前端側が径方向外側へ傾いている(図16(a)参照)。
そして、このコイルスプリング63の前端部は、後述する筆記芯支持部材70に受けられる。
この筆記芯支持部材70は、複数の筆記芯61,62をそれぞれ複数の貫通孔に挿通して、筆記芯間及びコイルスプリング間等の干渉を防ぐ。
次に、上記構成の筆記具Aについて、その特徴的な作用効果を説明する。
例えば、使用者等が指で第二の押子50を前方へ押して前進させると、前進した第二の押子50は軸筒10内の係止部12f2に掛止され、筆記芯62がその筆記部を軸筒10前端から突出した状態に維持される。
この後、何れかの第一の押子40を前進させると、この第一の押子40の係合突起41cが第二の押子50の係合突起51dに当接して、第二の押子50が掛止状態から解除されて後退し、前進した第一の押子40が、軸筒10内の係止部に掛止されて、筆記芯61前端の筆記部が軸筒10前端開口から突出した状態に維持される。
よって、使用者等が、誤って目的としない筆記部を突出させてしまうのを防ぐことができる。
なお、上記実施態様によれば、筆記芯及び押子の数を三本としたが、他例としては、筆記芯及び押子の数を二本又は四本以上にすることも可能である。
11:前軸
11d:雄ネジ部
11c1:環状突起
11c2:被押圧面
12:後軸
12a:雌ネジ部
12c:押圧面
12g:凹状部
12g1:底部
12g2:周縁側壁部
12g3:突片部
12g4:被嵌合突起
12e1:切欠部
12h:被当接部
20:グリップ
30:頭冠
32:嵌合部
32a:乗り越え嵌合突起
40:第一の押子
40a:硬質部
40b:弾性部
50:第二の押子
50a:硬質部
50b:弾性部
41,51:軸筒内進退部
41e,51e:当接部
41b,51b:コイル接続部
41b1,51b1:偏心突起
41b2,51b2:コイル受け部
42,52:操作部
61,62:筆記芯
63,64:コイルスプリング
A:筆記具
s1,s2:隙間
Claims (9)
- 後端側にクリップ部を有する軸筒と、軸筒周壁に径方向に挿通されるとともに前後方向へスライド可能な複数の押子と、軸筒内で前記複数の押子にそれぞれ接続された複数の筆記芯とを備え、前記複数の押子を選択的に前進させる操作により、選択された前記押子に対応する前記筆記芯がその前端側の筆記部を前記軸筒の前端部から突出させるようにした筆記具において、
前記押子は、軸筒外に露出した操作部と軸筒内で前記筆記芯に接続された軸筒内進退部とを有し、
前記複数の押子のうち、一部の特定の押子は、その操作部が、他の押子の操作部よりも後方側に延設されており、
当該筆記具の後端側が横断面楕円状に形成され、この楕円における長軸方向の一端側に、前記特定の押子の操作部が配設され、この楕円における短軸方向の少なくとも一端側に少なくとも1つの前記他の押子の操作部が配設されていることを特徴とする筆記具。 - 前記特定の押子の操作部は、他の押子の操作部と異なる形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 前記特定の押子の操作部は、その後端部を、前記軸筒の後端部と略面一に配置していることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
- 前記楕円における長軸方向の他端側に、クリップ部が配設されていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の筆記具。
- 前記特定の押子が、前記複数の筆記芯のうち、最も使用頻度の大きい筆記芯に接続されていることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の筆記具。
- 前記押子は、硬質材料からなる硬質部と、該硬質部よりも軟質の弾性材料からなる弾性部とを有することを特徴とする請求項1~5何れか1項記載の筆記具。
- 前記押子は、前記硬質部を前記軸筒に摺接させて前後方向へスライドするとともに、この摺接箇所から離れた位置に前記弾性部を有することを特徴とする請求項6記載の筆記具。
- 前記軸筒の内部には、後退した際の前記押子によって当接される被当接部が設けられ、
前記押子は、軸筒内で前記被当接部に当接される当接部を、前記弾性部により形成していることを特徴とする請求6又は7記載の筆記具。 - 前記当接部が、前記被当接部に対し傾斜する傾斜面状に形成されていることを特徴とする請求項8記載の筆記部。
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